「うみねこのなく頃に」
PC用同人ソフト/07th Expansion

[同人PCソフト]うみねこのなく頃に [第1話〜第4話] [同人PCソフト]うみねこのなく頃に散 Twilight of the golden witch[第5話〜第8話]<特典:ポストカード付き> [同人PCソフト]うみねこのなく頃に翼 これまでの贈り物、全部。詰め合わせ [同人PCソフト]黄金夢想曲 うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~ 特典 Amazon.co.jpオリジナル「魔女からのレターセット」、真実のペン(赤・青)2本セット付き うみねこのなく頃に散 真実と幻想の夜想曲(通常版)



■目次
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2007/09/17
■Episode1ファーストプレイメモ(1)
  私が管理している考察サイト「PARADOX」では、07th Expansionの前作「ひぐらしのなく頃に」を二年間にわたり推理してきました。当時から追いかけてくれた方も、うみねこが初という方もよろしくお願いします。
 まずはうみねこのファーストプレイメモ。初回プレイの時に取ったメモをそのままの形で配信するものです。
 ひぐらしの時に「読みたい人だけどうぞ」というスタンスで掲載したところ、予想外にご好評いただいたので今回も公開してみたいと思います。
 私の思考を追いかけられる形になっていますので、自分の初プレイと重ね、物語を思い出しながら読んでみてください。あくまでもメモ書きであり、本格的に踏み込んだ推理は行っていません。
 長文なので作中の日付ごとに分割していきます。

†━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■プロローグ
 毒のある甘い匂い、緑色の酒。源次に度数を調節させているのでカクテルの類か? 「その毒々しい色を見て酒だと連想できる者は少ないだろう」。伏線ぽい。文章の技法的に毒殺を予感させもする。
 最後は全て失うという魔女との契約。ベアトリーチェへの固執。両者は同一人物か? そうとは思いにくいが――。

■■■■■■1986年10月4日■■■■■■
 戦人(ばとら)。読めるか(笑)!
 実の母は6年前に他界している。何があったのか。
 座席の順番は名簿によって決められている。前方の右、左。次の列の右、左という順。秀吉、絵羽。譲治、戦人。留弗夫、霧江。真里亞、楼座。あえて詳細に記すのは意味があるからなのか。
 名簿は搭乗手続きの順番という可能性が高い。考え過ぎか……。

■8時
 戦人は乗り物が苦手。スピードの出るもの、高いものが駄目らしい。
 留弗夫は戦人の母を裏切ったらしい。
 鎮守の鳥居が落雷でなくなった。島内に魔が入り込む予兆。外部から魔がやってくるという意味では、右代宮本家の人間が加害者になるとは思いにくい。外部の血が災いをもたらすのか。
 現状で「魔女」に一番近いのは真里亞。第六感が優れている。
 六軒島ということは、家なり何なりが六つあったということか? 熊沢は何を語ろうとしていたのか。

■10時30分
 嘉音に対する郷田の態度は棘がある。
 楼座は熊沢や夏妃を気遣い、茶葉をプレゼントしている。まさかね。
 郷田は紗音と嘉音に辛く当たる。使用人としてのプライド。
 Claude Elwood Shannon。bitの導入者。Canon。規範。主題の繰り返し。なんてな。

■12時
 魔女とは六軒島の森の主。森を未開の象徴、境と見なす。ひぐらしと同じく、民俗学的な思想が織り込まれている。鳥居もそう。内部と外部を隔てる境界、つまり結界。
 朱志香いわく、祖父にとって魔女はこの島に「“い”る」存在。居るであり、要るとでも言いたいのか?
 序列に沿った席順。金蔵、蔵臼、絵羽、留弗夫、楼座、朱志香、譲治、戦人、真里亞、夏妃、秀吉、霧江、楼座の夫(不在)。飛行機の席とは当然ながら全く違う。この順番はポイントになりそうだ……。
 金蔵の書斎に立ちこめる薬品臭。甘く重い……例のカクテルか、それとも……。
 ニガヨモギ、緑の妖精の囁き、古い迷信の時代の書物を読んでいるらしい。緑と酒、香りが重なる部分ではある。悪魔と天使の書物もある様子。魔女に傾倒しているという事実を表しているだけか。
 蔵臼が「甘い匂い」と言った。やはり薬品臭は酒のそれと同質。南條が「習慣性が強すぎる」という酒。麻薬の類が使われているのか?
「実際には酒なのだが」というからには、やはり普通の酒らしい。何も混ぜられていないという保証はないが――。
 暗緑色の酒に水を注ぐと白濁。「金蔵が好む独自のフレーバー」が怪しすぎるが、源次に悪意は認められない。

■13時30分
 熊沢は真面目な顔で冗談を言うキャラだという。島のエピソードは……?
 家政婦は見た。
 金塊の話は丸ごと嘘臭いなあ。金蔵という名前が実にそれっぽくて楽しい。彼の作り話が定着していった可能性が高い。まさに錬金術。それにしても黄金の魔女とは何なのか? 金蔵の妄執が架空の魔女を生んだのか。実在していたのか……。
 真里亞がいるっていうんだから、何かしらの形で「いる」んだろうなあ。

■同13時30分
 蔵臼の意見は「全て捏造」。その通り。
 ただし、黄金があったとされ、融資を受けることができたなら、それは「事実」となる。後世の議論に何ら意味はない。黄金の有無ではなく、世がどう動いたかを見る。真偽が明らかでない以上、「これが事実である」と断言できる唯一のポイントとなる。
 金蔵曰く、黄金は存在する(妄執でなければだが)。これに挑むものが多いほどにリスクは高まり、魔力は高まる。それがベアトリーチェの復活という奇跡を生む。

「懐かしき、故郷を貫く鮎の河。
 黄金郷を目指す者よ、これを下りて鍵を探せ。
 川を下れば、やがて里あり。
 その里にて二人が口にし岸を探れ。
 そこに黄金郷への鍵が眠る。
 鍵を手にせし者は、以下に従いて黄金郷へ旅立つべし。
 第一の晩に、鍵の選びし六人を生贄に捧げよ。
 第二の晩に、残されし者は寄り添う二人を引き裂け。
 第三の晩に、残されし者は誉れ高き我が名を讃えよ。
 第四の晩に、頭をえぐりて殺せ。
 第五の晩に、胸をえぐりて殺せ。
 第六の晩に、腹をえぐりて殺せ。
 第七の晩に、膝をえぐりて殺せ。
 第八の晩に、足をえぐりて殺せ。
 第九の晩に、魔女は蘇り、誰も生き残れはしない。
 第十の晩に、旅は終わり、黄金の郷に到るだろう。
 魔女は賢者を讃え、四つの宝を授けるだろう。
 一つは、黄金郷の全ての黄金。
 一つは、全ての死者の魂を蘇らせ。
 一つは、失った愛すらも蘇らせる。
 一つは、魔女を永遠に眠りにつかせよう。
 安らかに眠れ、我が最愛の魔女ベアトリーチェ。」

 ……黄金を見つける過程で魔女は蘇るじゃないか。どういうことだ?
 間に合わないというのは金蔵の寿命ということか。謎に挑む人々が魔女を蘇らせる。黄金のありかを記すというリスクを背負うことで、復活の奇跡が実現するように仕組んである。謎に挑む者がいなければ復活はない。黄金を目標にさせている。残る心配は金蔵の寿命だけ。
「二人」「寄り添う二人」は同一人物なのか。
「殺せ」という対象は一人なのか。金蔵のことなのか。
 黄金の郷に到った時点で、すでに生者はいない。黄金、全ての死者の魂、失った愛は全て観念的なものに思える。死は全てに平等であり、最終的な救済と言える。観念の上にある魔女が眠りにつくにはふさわしい世界だ。金蔵は死の向こう側に魔女を見ているのか?
 自身の死を恐れていた金蔵と合致しないように思えるが……。
 賢者を讃えた魔女と、眠りにつく魔女と。二人いるように思える。ベアトリーチェ以外に魔女がいるのか。真里亞? いやいやいや。
 生者は魔女の復活を目の当たりにして死んでいくことになる。
 どうもこの文章自体に意味はないような気がする。真里亞も興味がなかったし。
 サソリのお守り……戦人と朱志香が「寄り添う二人」?
「懐かしき、故郷を貫く鮎の河。黄金郷を目指す者よ、これを下りて鍵を探せ。」
 鮎は生まれた川、産道を遡る。辿り着く生誕の地は子宮――「母の子宮から外界に生まれ出よ」?
 なくなった薔薇。誰かが切って持ち去った?
「うーうー」という口癖は何かの擬音か。サイレン? 魔術的な音? 三只眼と従者?
 家督を返すと言って指輪を投げ捨てる金蔵。

■18時
 真里亞は白い傘をベアトリーチェに借りたという。誰か?
「私がここを出るのは、ベアトリーチェが蘇るときか、私が鍵の生贄に選ばれたときだけだ」

【白い傘を貸したのは誰か?】
金蔵、南條……部屋に閉じこもってチェスをしていた。
源次……執事。恐らく外に出ていない。
戦人、譲治、朱志香……一緒に部屋でテレビを見ていた。
楼座……戦人たちと別れた後、部屋で寝ていた。
蔵臼、秀吉、絵羽、留弗夫、霧江……同じ部屋で駆け引きをしていた。
夏妃……駆け引きの場を飛び出して寝込んでいた。
真里亞……???
郷田……食事の準備。
熊沢、嘉音、紗音……ルームメイキング。

【可能性1】真里亞の心理状態がベアトリーチェを生み出しただけ。
【可能性2】まだ見ぬベアトリーチェ(または魔女)が島に実在する。源次と嘉音はこの可能性を示唆している。
【可能性3】登場人物の誰かがベアトリーチェである。その人物は「自分がベアトリーチェであると気づいていない」ケースも考えられる。真里亞や金蔵は精神が常人とは違う。可能性1と重なる。

「召使いは家具である」という意識が強い嘉音。源次も同じ意識を持つ。なぜだ?
 片翼の紋章を身につけているのも気がかり。右代宮家とどんな縁があるのか。
 真里亞は9歳にしてベアトリーチェの手紙をスムーズに読むだけの能力がある。

■22時
 霧江は19人目の存在を否定する。誰がベアトリーチェなのか?
 留弗夫が「今夜、俺は殺されるだろうな」と告白。
 霧江はチェス盤をひっくり返せと言う。留弗夫の言うこととは逆のことをしろ……。考え方自体はその通り。真実を見通したいならば逆算以外にはあり得ない。ひぐらし・うみねこに限らない、考え方の基本。
 片翼の紋章を刻んだインゴットは実在した。ただし蔵臼の用意した偽物という可能性もある。夏妃は部外者扱いされ憤る。蔵臼の妻としての自負が打ち砕かれ、追い詰められている。彼女はどう動くか。夏妃を動かすために蔵臼が見せたのかもしれない。
 サソリのお守りを受け取る夏妃。効果はあるのか?
 あるならば神秘の力が実在する。……と思わせて、このお守りを下げた部屋、人物を狙わないようにするというサインに過ぎないのではないか。
 楼座の「真里亞、いつもごめんね」という台詞の真意は。何かを知っている……。
 蔵臼の命令で使用人のシフトが変更されている。郷田だけが屋敷の深夜勤。紗音、嘉音がゲストハウスの深夜勤。源次と熊沢はゲストハウスに泊まる。
 本来はベテランの郷田がゲストハウスでもてなしを担当。紗音、嘉音が屋敷の深夜勤。熊沢がゲストハウス、源次は屋敷に宿泊のはずだった。
 使用人の「片翼の鷲」は金蔵直属という意味。
 紗音の本名は紗代(さよ)。

■23時
 紗音が見た輝く蝶。ベアトリーチェ。

2007/09/19
▼Episode1ファーストプレイメモ(2)

■■■■■■1986年10月5日■■■■■■

■6時
 夏妃が命令するまで、この屋敷に鍵をかける習慣はなかった。朝の解錠は早朝勤の使用人が行う。郷田は朝食を作るため、源次たちの仕事。
 夏妃の部屋のドアノブに血のような跡が。見回りをしていた紗音が疑われるか。
 超常的なものであれば、内側にお守りがあったため侵入できなかったと考えるのが自然。あるいは夏妃がサソリのお守りを持っていると知っており、意図的に避けた人物。
 もちろん「ただの偶然」と片付けるのはたやすいが……。
 金蔵の私室の鍵を持つのは源次のみ。
「心に鷲を持つ者だけが、真の私の血族なのだ」
 格好いいな! これが夏妃を焚き付ける演技でないことを祈ろう。
 悔しさに扉を引っ掻く仕草をする絵羽。ドアノブの汚れと関連は?
 癖と意図的なものという違いがあるため無理があるか。
 内線が通じない。台風による故障か、誰かの手によるものか。
 完全に外部の人間だと、技術者系の素養がない限り内線の仕組みは分からない。犯人は絞られる。
 薔薇庭園倉庫の魔法陣。夏妃の部屋にあったものと似ていると源次。予兆であれば夏妃がお守りを失ったときが危ない。
 先端を引き延ばした十字架が円の中にある。……真里「亞」の字との関係は?
 死後硬直からすると死後六時間以上が経過、と南條。
 不明者たちの死体には酷い損壊が認められる。顔面が潰されており、戦人は個人の識別を服装で行った。よくあるトリックに「死体になった人物が生きている」パターンがあるが……果たしてそんな定石が通じる作品か?
 留弗夫と霧江は完全に相貌が破壊されている。戦人にも誰だったのか分からない。
 蔵臼は側面のみ損壊があり、「顔半分は残っている」。
 留弗夫が自分の死を予感していたのはなぜか。彼は何を知っていたのか。
 秀吉は譲治を紗音の死体に近づけまいとする。演技かとも思ったが、地の文で「紗音の死体」と明記されているため、それはない。嘉音は涙を浮かべて紗音の死体を目に焼き付けようとしている。譲治の頼みで紗音が指輪をしているか確認する秀吉。
 非常に嫌な想像だが、譲治が犯人という逆転もロジックとしてはあり得る。
 倉庫の鍵は閉まっていた。使用人室から持ち出し、殺害後に鍵をかけ、再び使用人室へ戻したことになるという。
 紗音が目撃した光の蝶。まさに「死の国へ旅立つ魂」。死の予兆だったことになる。蝶は古来より死や魂、精神との関連が深いモチーフ。
「悪魔のルーレットが選んだ」って……制作段階で、07th Expansionのスタッフが本当にルーレットを回して犠牲者を選んでたら面白いなあ。

■8時45分
 真里亞はテレビを見て笑い転げていた。
 食堂の血痕。昨夜24時に秀吉たちは会議を抜けて休んだ。その後に事件があったと推測する面々。
 金蔵は書斎を出てどこへ行ったのか? 私室を訪れた夏妃と絵羽が嘘をついた可能性は低い。
「犯人は人間じゃない。*が選んだ**なだけ」真里亞の台詞。
 死体は六つ。六軒島。六の共通点は……。
「それで紗音は、……当番でないはずのお屋敷へ行き、……そこで郷田さんの仕事を手伝い、……事件に巻き込まれてしまった……」
 譲治はどうして「紗音が郷田の手伝いをした」と断言するのか? 呼ばれた以上は手伝いをしたという推測なのか、何かを知っていたのか。霧江は戦人に、「来るな」という留弗夫を追いかけろと言った。譲治は屋敷へ逃げた紗音をどうしたのか?
 魔女の手紙を封印していた蝋の封印は本物なのか?
 倉庫の鍵は使用人室にあり、無数の鍵の中に埋もれている。絵羽は使用人が手を組んで犯行に及んだと推理。
 源次のいう「鍵は一つ」という情報が誤りであれば崩れる。さらに、たった二人であの犯行が可能とも思えない。六人は自らの足で倉庫に出向き、そこで何かが起きたと考えた方が自然ではないか。施錠は外部からの目を嫌がったか、外にいた何者かが自主的にかけたか。倉庫の中で密談が行われていたのか……。銃で顔を吹き飛ばしたなら派手な損壊もあり得る。銃声は嵐でかき消されるだろう。しかし「顔面を耕した」という損傷具合に矛盾するか。
 行方不明の金蔵はすでに死体の中にいたのではないか?
 とすると、生き残っている男性が誰なのかという話になる。顔を全損している人物は……。
 絵羽と秀吉は24時過ぎにゲストハウスに戻り、源次の出迎えを受けたという。
 魔法陣を解読(推測を交えて手書き)する真里亞。「解放」を意味する西洋魔術。
 魔女の解放と見るべきか。「死者が遺産争いやこの一族から解放される」とも読めるが、人物ごとに意味合いが異なるので一概には言えない。

■13時
 ベアトリーチェは実在する不可視の存在だという使用人たち。それを信じず、サソリのお守りは落としてしまって持っていなかったと啖呵を切る戦人。正しいのはどちらか?
 北風と太陽。閉じ込めようとすると抵抗するが、勝手にどうぞというと戻ってくる面々。倉庫のトリックにかけてある気がする。

「西洋占星術でさそり座は人間の生殖器,子宮,腎臓に対応するとされる」
 ――「世界大百科事典」(平凡社)より、奥本大三郎氏の記述。

 成長期に男性は肉体的なもの、女性は精神的なものに興味が向きやすいという話。占いの話。面白い一致だ。子宮とベアトリーチェの碑文も一致している。
 孤児院から派遣された使用人があと数人シフトに含まれていたというが、現在は島に来ていない。彼らが潜んでいる可能性は?
 黄金から生み出された全てのものを、右代宮の血族と解く譲治。利子の回収は一族の皆殺し。譲治の言葉は煽りなのか、純粋な推測なのか。
「心に鷲を持つ者だけが、真の私の血族なのだ」……夏妃に向けた言葉が真実であれば、それを発した金蔵が実行犯である可能性は低い。彼は遺産争いをする一族を侮蔑していた。使用人を殺害し、夏妃の部屋に侵入しようとした形跡も意味が通りにくい。
 一方、片翼の鷲をいただいている人物を殺すという線で考えても、郷田の死によって矛盾が生まれている。現状ではどちらでもない、と見るべきか? それとも金蔵の「真の血族」発言が嘘だったと?
 金蔵の部屋にレシートを挟み込んでいたという絵羽。彼と最後に会話をしたという夏妃の発言が疑われる。部屋から出られるはずがないからだ。
 絵羽のレシートこそが嘘だったら全ては崩れる。発言を見ていくと絵羽は遺産の相続に意識を向けているため、推理もそこに基づいて構築されることになる。レシートの話が真実だったとしても、絵羽の推理は信用できない。
 ベッドの下って、またストレートな可能性で論破したなあ戦人。

■19時
 絵羽と秀吉の死。
 チェーンによる密室に疑いの余地はない。ないはずだ。窓からの出入りが最もそれらしいが、鍵がかかっていた。犯人を招き入れたとも考えにくく、出て行く手段がない。
 わずか五分で魔法陣を描いた手法は? どこに潜んでいた? 現状、まだ見ぬ使用人以外の可能性は考えにくい。全員に確かなアリバイがあった。ただし実行犯が使用人で、黒幕がメインキャラの誰かという可能性はある。
 魔法陣の効能は解錠と事態の解決(またはその力を付与する)。
 外に出てから工具でチェーンをかけた?
 あるいは絵羽か秀吉が相手を殺した後、ピックを自分に突き立てて自殺した。まさか。
 黄金の蝶の群れ。「僕は、もう家具じゃない」死の伏線だよ嘉音くん!
 柄の部分の悪魔の意匠が少し異なる。個体差……使用人ごとに異なっているとしたら、実行犯は複数いる。ただし彼らがバカ正直にそれを使っていればだが。
 ボイラー室の焼却炉で焼かれていた死体。本当に金蔵なのか? 死体偽装、生きていた死者を演じるには最も都合の良い代物が「焼死体」だ。
 多指症……六本ある足の指。六軒島。六は聖数なのか。日本の物語では三が聖数となるが、六を聖数とするのは西洋の思想か? 調査が必要。足の指を偽装した焼死体を作る労力は大きい。可能性は低いか。
 額にはアイスピックのような例の凶器。
 初回のシナリオは全滅エンドと相場が決まっている。どう死ぬかに着目か。

■20時
 時計が大きくなっていくのは終わりが近づくという意味の演出か。
 金蔵はどうして部屋を出たのか。ベアトリーチェの復活以外に興味を示していなかった。つまりベアトリーチェに関わるものが接近し、自主的に外へ出たことになる。無理矢理拉致するのは難しい。自分が生贄に選ばれたことを知ったため? 復活のためなら死も厭わないと言い、逆に死を恐れもしていた金蔵。どちらなのか。
 部屋のキーは二つ。一本は源次、一本は金蔵が持っていた。焼死体からキーを抜き取った源次。他にキーはない。……それが事実であるならば。
 チェス盤思考はノイズに弱い。認識ミス、相手だけが知る秘密、異なる目的……。犯人が正当な目的で正当な手を打っていない場合、逆転の発想は意味を成さなくなる。
 金蔵の部屋のドアノブにサソリの紋章。火星の五の魔法陣。魔除け。
 ベアトリーチェはこの部屋に入れない。……金蔵はどうして拒絶したのか? 復活したベアトリーチェには会いたいが、それ以前のベアトリーチェ(とされる存在)は遠ざけておきたい。復活すれば全て蘇るため、それでいいというのか。死を恐れていなかった金蔵がなぜ魔除けを……。
 金蔵の部屋。この謎の香りは何か影響があるのか。幻覚を見せる薬品が使われている可能性は。
「誉れ高き我が名を讃えよ」……碑文からすると、「我」とはベアトリーチェではなく金蔵を指す。手紙の主がベアトリーチェであるなら、文脈がおかしい。この矛盾は何だ。
「鍵の選びし六人」……鍵とは何か? これが最大の謎。
 夏妃がお守りを持っていたことをなぜ知ることができたのか。廊下で朱志香とのやりとりを見ていた、としか思えない。まさか監視カメラなどあり得まい。
 突然現れた手紙。犯人が室内にいるなら、疑われるようなことをするはずがない。テーブルの近くにいた人間が差出人などあり得ない。
 封筒の中にもう一通の封筒が入っていた? それがたまたまテーブルに落ちた?
 犯人が人間と信じたくない時だけベアトリーチェを信じ、怒りを直接ぶつけたいときだけ人間を犯人といいベアトリーチェを否定する。真里亞はそれを嘲り「ベアトリーチェはいる。お前たちには見えない」。ベアトリーチェの存在に関わる重要なヒントと思われる。
 二枚目の便箋。円の中に三角形、その中に逆三角形。ヘブライ語の意味は不明。安定を意味する三角形か?

■23時30分
 霊的能力の全くない戦人が主役を張っているのは、魔法的なものとの対比だろう。魔法否定であり、力及ばず肯定せざるを得ない状況を作る。「戦人」という文字から、事件と魔法に抗う存在意義が見て取れる。
 魔法陣は火星の第三。「不和」を意味する。
 源次、南條、熊沢の三人も顔を破壊されていた。この期に及んでなぜ? かつての死体と入れ替えたかったとでもいうのか。それとも実行犯の仲違いで死者が出たとでも? それでは誇示する意味が分からない。
 夏妃はライフルによる自殺? まさか! 至近距離で額を撃てば後頭部が砕ける。傷は額だけだった。弾によってはそうなるのだろうか。三人の殺人現場に残されていた手紙には、何が書かれていたのか。夏妃はそれを読んで、どうしてホールに単身乗り込んでいったのか。
 あの銃で死んだとするならば、犯人が奪って射殺したということ。あまりに偶然が重なるが、銃が暴発して額に何かが当たったという可能性も?
 24時は0時とも読む。ルーレットの0とかけている? 親の総取りとなる目。つまりゲームオーバー。ベアトリーチェの勝利で終わったゲーム、親はベアトリーチェか。
 姿を現した魔女。戦人だけが、なおもそれを否定して挑みかかる。いいね。

■エピローグ
 後年、海で発見される瓶詰めのノート片。記したのは真里亞。自分の死を自覚しており、「真実の解明を望んでいる」。これまでの様子とは明らかに異なる望み。意図的なものか? ひぐらしのパロディになっているが、まさか遊びに走って真里亞の人間性を歪めたりはしないだろう。
 顎の一部だけが発見された真里亞。四人の死の状況は不明。身体の一部分のみが発見される。

2007/09/29
▼Episode1ファーストプレイメモ(3)
■お茶会
 Purgatorio……タイトルが「煉獄による魂の浄化」か。これはこれはお優しいことで(笑)。
 言われて気づいた。碑文の謎って終盤まで総スルーだったのな。金蔵どんまい(´∀`)
 ここで戦人が魔女実在説に反論するのは納得のいく構造。彼は最後までこうでなきゃいけない。結果がどうであってもね。
 チェーンの密室については確かにやり尽くされている。シンプルに隙間から工具を差し込んだのかもしれない。
 十九人目の存在。まだ見ぬ使用人と、親族会議を欠席していた楼座の夫を怪しんでおきたい。現状、張られた伏線は他にない。
「高度な科学は魔法と区別がつかない」って言ったのは誰だっけ? これも同じ事。魔法や魔女は「高度な謎」の代名詞に過ぎない。
 おいおいおい、待て待て待て。ベアトリーチェが出ちゃったよ!
 ベアトリーチェの問いは「真里亞の手紙、六人の殺し方、シャッター、レシートの封印、チェーンの密室、嘉音のボイラー室、源次たちの居間、夏妃の自殺、碑文の謎、残された黄金のありか」これに真里亞の薔薇はどこへ消えたのか、を付け加えておこうか。
 ウィンチェスターM1894ソードオフ。.45ロングコルト弾が使用可能。装弾数は4+1。合計五発。最初の六人の死体はこれが最も怪しい。ただし弾がひとつ足りない。予備の弾があればいいのか? 顔面は至近距離からの直撃でかなりの部分が吹き飛ぶ……かもしれない。銃と弾によって全く違うので何ともいえない。
 銃は夏妃の持ち出した一挺のみなのか。予備はあったのか。
 キャラ紹介で夏妃の死は「銃弾が反射した」などとコメントされている。
 お茶会は死後の世界だ。だからベアトリーチェも現れることができる。戦人が抵抗したから、みんなが再び死亡してしまった。つまり魔女を認めて諦めれば死後の世界は続く。これは現実を諦めるという意味でもある。
 どっちがいいかは各人の価値観にお任せ。俺は戦人派だね。
 分からないのは本編が全て「ボトル詰めされた手紙に記されていた物語」ということ。これだとあらゆるシーンが信頼できなくなる。惨劇はあったにしろ、正面から推理することは不可能になる。どうしようかなあ。
 本編の真里亞と、謎を解いてくれという手紙の主に違和感がある。本当に真里亞が書いたものなのか? 非常に怪しい。
 仮に真里亞が書いたものだとすると、魔術的な要素は付け足しである可能性も出てくる。そうすればただの猟奇殺人ということになるが……。
 煉獄の七杭……いやこれ何のゲーム(笑)?

【可能性1】これは架空の物語である。事実ではない。
【可能性2】事実を脚色したものである。事実ではない。
 ……つまり、架空世界(作品)の中の架空世界である。

■裏ティーパーティー
※クリア後の隠し要素。「Tips」内の「characters」で特定キャラのみ「execute」で赤くすると見ることができる。誰を殺害状態にすればいいかは「music box」の最後の曲、「弦楽四重奏〜」を何度か再生すれば表示される。金蔵のみ、行方不明と死亡が区別されているので注意。

 ベルンカステルはベアトリーチェを「ベアト」と呼ぶ。一人を百殺す力を持つ魔女。
 ラムダデルタとは三四? 一人を必ず殺す力を持つ魔女。
 ベルンカステルはゼロでない限りそれを絶対に成就させる力を持つ。
 ベアトリーチェの中にはゼロしかない。ベルンカステルにとって相性が悪すぎる。ラムダデルタならば相性がいいのかもしれない。ベアトリーチェの無限を殺せるから。
 ベアトリーチェは一個の女性とは限らない。世界のルールが擬人化した存在。ゲームに勝ちたいなら世界のルール、およびコマの動きと役割を知れ。ベアトリーチェの勝利条件を探れ。
 どうしてこんな大切なTIPSを隠れ要素にしているのか? 個人的には反対したい。


2007/12/26
 ご……ご無沙汰でした。KEIYAです。9月の終わりから音沙汰がなくてすいませんでした。
 コミック誌「電撃マ王」(メディアワークス)でうみねこの推理・考察記事を担当させていただくことになりました。12月27日に発売さ
れる2月号からスタート。推理メルマガは内容がかぶらないように考え中です。
 ちなみに、連載記事の話でメルマガが滞ったわけではなく、忙しくてプライベートな時間を作れなかったんです。
(´・ω・)

▼コメント返信
>「どうしてこんな大切なTIPSを隠れ要素にしているのか? 個人的には反対したい。」心の底から同意です。正直ここを読まないと、うみねこの遊び方って判らないですよね……
 そうですね。遊び方はプレイヤーごとにあると思いますが、意図した方向性があり、読者にそれを示すならば、もっと見つけやすい方法にしてもらいたかった。音楽室の最後の曲でヒントをランダム表示って、気づかない人の方が多いと思いますよ。こういった不平等な隠し要素にはあまり賛成できません。人物の枠を赤くしてチェス盤を暗示する仕掛けだと思うので、アイディアとしてはとても面白いんですけどね。完全なお遊び要素ならいくらでも隠していいんですが……。

 

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