「うみねこのなく頃に」
PC用同人ソフト/07th Expansion

[同人PCソフト]うみねこのなく頃に [第1話〜第4話] [同人PCソフト]うみねこのなく頃に散 Twilight of the golden witch[第5話〜第8話]<特典:ポストカード付き> [同人PCソフト]うみねこのなく頃に翼 これまでの贈り物、全部。詰め合わせ [同人PCソフト]黄金夢想曲 うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~ 特典 Amazon.co.jpオリジナル「魔女からのレターセット」、真実のペン(赤・青)2本セット付き うみねこのなく頃に散 真実と幻想の夜想曲(通常版)



■目次
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EP5ファーストプレイメモ / EP5考察「魔女狩りの宴」概略 / EP6ファーストプレイメモ / EP6考察「魔女狩りの宴」概略 /
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2010/08/19
■Episode7ファーストプレイメモ1

 スタート時の序文。「黄金の魔女とそのゲームの、葬儀の予定となっております。」
「難易度は、少しだけございます。」
 ……あるんだ? 解釈の難しさ? ――さあ始めますか!
 お、違法アップロードその他への警告が追加されている。そりゃそうだ。

▼プロローグ
「紗音が思い描いた夢を消す戦人は、永遠に訪れない」という意味だろうか。現実の六軒島に戦人は帰ってこなかったというパターン。詩の署名はプブリウス・ワルギリア・マロ。

▼書斎?
 密室の書斎で起きた殺人事件の容疑者として、女性のメイドが追い詰められているらしい。紗音か? 熊沢か? 異端審問官は、ミステリにホワイダニットは不要と主張している。

▼???
 ベアトリーチェの棺に物語を捧げる戦人。

▼古風な街
 疾走する男。戦人が書いた物語のプロローグだろうか? ホワイダニット、犯人の心を軽視してはいけないというモノローグ。先ほどの審問官と対比されている。紗音の心を描くEPになるのは間違いなさそうだ。

▼???
 ここは礼拝堂だったようだ。メタ世界ではあるが、金蔵の愛を象徴した六軒島の礼拝堂に重ねられているということか。眠るベアトリーチェを残して立ち去る戦人とワルギリア。

▼書斎?
 メイドを拘束しようとするSSVDと、そこに乱入する男。彼は「心を無視した推理なんざ、俺は絶対に認めねェ」と主張する。……これは予想外だ! もっとクールで、心を無視する冷徹な男かと思っていたよ。全く逆じゃないか。
「大広間の時計の音は正確に正午を刻んだか?」――EP5のヒント、ではないはずだけども少し気になった。典型的なパターンの例ということか。
「使用人が犯人であることを禁ずッ!!」という赤字。「探偵小説作法二十則」第十一条だ。そう、この項目の存在は気になっていた。過去のEPに適用される場合、推理困難になる現場があるから。EP7限定と思いたいけど……。
 やっぱりこの人、魔術師狩りのライトだったね。『うみねこ』では「ヴァンダイン二十則」というらしい。――そうか、さっき街を走っていた男か。ギリギリのところで助けに来たという筋書きだ。
「人間は誰しも自分だけの真実を持つ」――これはEP6のラストに見せた矛盾する赤字の解答か。会話の内容を見ると容疑者は紗音のようだ。男の名は「魔術師狩りのライト」ことウィル。

▼オープニングムービー

▼礼拝堂
 葬儀の場に現れるウィル。亡くなっているのはベアトリーチェか……金蔵が号泣している。
 棺にあるのは遺体ではなく、戦人が贈った本。一九八六年十月五日、ゲーム盤における二日目の日付か。
 ……右代宮理御(りおん)! 蔵臼と夏妃の第一子だって? 戦人出生の謎に絡んだ子供なのか? 男性だったのか……。「次期当主の銀の指輪が与えられ」という一文は大きい。当主の指輪は金、次期当主の指輪は銀。二色が確かな情報として揃った。
 TIPSでウィルの言動の謎が解けた。彼が冷酷だったのは過去の話で、今は引退寸前の身の上らしい。そこにはどんなドラマが? 思うに彼の口調は戦人に似ているんだよね。EP7における彼の分身ということなのだろうか? かつては動機の説明を拒否して戦い、今はベアトリーチェの心を理解しているという点も重なる。ウィザードハンティング・ライトではなく、そのまんま「ウィラード・H・ライト」が本名のようだ。
 ベルンカステルきたー(´・ω・`) 理御は正当な駒であるらしい。置いたのはベルンカステルだが、ヱリカのような配下ではない。……やっぱりヱリカは捨てられ、忘れ去られているみたい。そりゃそうだ。
 ウィルはベルンカステルに招かれたが、協力的ではない。断れない仕事を受けるという立場か。ベルンカステルのゲームは「ベアトリーチェを殺したのは誰か」。……紗音自身じゃないのか? それとも譲治? ……ああ、だから冒頭のシークエンスに繋がるのか。紗音でなければ譲治、あるいは戦人なのか。
 ベルンカステルが温厚になったウィルに解明を託すというのは予想外だ。どういう展開になるのか? ウィルの豹変もあり得る?

▼礼拝堂の入り口
 朽ちる黄金の薔薇。礼拝堂は外界から切り離されており、出られない。EP7は礼拝堂内ですべてが完結するというのだろうか。ウィルはベアトリーチェを金蔵の愛人と断言し、理御も否定していない。

▼礼拝堂
 肖像画の掲示は一九八四年四月。特にずれはない。

▼礼拝堂の控え室
 夏妃も金蔵に愛人がいたと考えていたようだ。そう来るか……。
 理御はワトソン役なのか。おお……ウィルさんが尻に敷かれて、いや尻をつねられている……何だこれ(笑)。
 楼座が九羽鳥庵のベアトリーチェと会ったのは一九六七年。EP3の赤字通り。これは盤上の事実ということか。
 ……ライオンの彫像? 「あぁ、礼拝堂の前の?」「いえ、裏のよ」――絵羽と楼座のやりとり。碑文の最終段階で動く仕掛けってこれかなあ。出てくるキーワードはLIONだったりして?

▼礼拝堂
「観劇者権限」をウィルに与えるベルンカステル。神の視点、読者の視点か?
 現れた紗音も理御の存在を知らなかった。この礼拝堂は特別な舞台としてベルンカステルが多数の要素を詰め込んだものと解釈するウィル。彼の存在を知らなかったのは嘉音も同じらしい。
 嘉音を呼ぶことを「命令権限」で拒否する紗音――来たぞ。ここからが本番だ。
 張り詰める空気が流れる中、何かを理解して引き下がるウィル。紗音と嘉音、やはりそういうことなのか。
 紗音の名前を言いよどむ理御。そういえばさっき、嘉音のこともよく知らないようだったな。使用人全員の名前を覚えていないんじゃなく、この二人が特別なんだろう。理御自身と同じくね。

▼貴賓室
 さっきから「頭痛にならァ」を連発しているウィル。夏妃の頭痛と関係でも?
 金蔵は遺言を好まない、と語る源次。……ほほう? EP2の筆耕シーンと矛盾するね。
 ウィルの推理。九羽鳥庵のベアトリーチェは金蔵とベアトリーチェの隠し子。金蔵はそれをベアトリーチェの生まれ変わりと信じた。源次がEP1で二人の間に子はいないと語ったのは嘘。
「……上層のベアトリーチェはそれを指して、死んで逃れた魔女の魂を逃がさず、肉の体に捕らえて閉じ込めたと。そして記憶も力も封じられていると例えた。その解釈も、この推理なら筋が通る。」
 なるほど――川畑船長が通っていた「裏」と呼ばれる船着き場は、間違いなく隠し子のための物資運搬用だったということか。ウィルの考えでは、ベアトリーチェを二度失ったことで金蔵はより一層の狂気に駆り立てられた。
 熊沢の登場。……屋敷と九羽鳥庵で別々のシフトを持ち、子育てを担当していた? ああ! もしかすると、さぼり癖があるというのは「九羽鳥庵でベアトリーチェの世話をする時間帯があったから」なのか! 昔は本当にさぼっていたわけではないんだ!
 熊沢を「我が友」と呼んでいる金蔵。
 金蔵とウィルの握手。発動する観劇者権限。
 ベアトリーチェ・カスティリオーニとの出会いを語る。本当に戦人そっくりだな金蔵(笑)! 右代宮家を継ぎたくないというのはやはり本当だったようだ。そして二人はここ、六軒島で出会う。……そうか、軍の施設があった場所なら不発弾が埋まることになってもおかしくはない。どこかでアメリカ軍にばれて爆撃を受けたのだろう。そしてそれが六軒島爆発事故に繋がる……。違うか?

2010/08/20
■Episode7ファーストプレイメモ2
▼六軒島(戦時中)
 解放としての死を望んでいる金蔵。島に来るRSI海軍の潜水艦。ベアトリーチェとの出会い。似た境遇の二人は惹かれあっていく。金蔵は彼女をビーチェと呼ぶように。
 貴賓室で「平たく言やァ、浮気だな」と茶々を入れるウィル。デリカシーのなさまで戦人そっくりだ(笑)。
 ……そう言えば、九羽鳥庵への地下通路は唯一確定的だった隠し通路だな。ノックス十戒に従うなら、「他に隠し通路はない」ということになる。九羽鳥庵の建設は右代宮家から逃れる手段として必要だった、と金蔵。どうやら右代宮家の呪縛は後年まで彼を苛んでいたようだ。EP5当時「魔女狩りの宴」に書いた「解放としての死」という推理は、いい線を突いていたのかもしれない。
 ――おお! 積み荷とはインゴットの山だったのか! もしかしたら新型爆弾か、とか思ってたよ。これが錬金術の正体だったのね。

▼六軒島(戦時中)
 黄金を巡る悶着。
 山本中尉の命令でRSI海軍に奇襲をかける日本の兵士たち。基地内で交戦が始まる。
 同僚の死に大きな衝撃を受け、逃走に移る金蔵。
「床を掻いた時、それだけのことで左手の薬指の爪が剥げた。」
 左手の薬指。EP6で戦人が魔女の気配に食いちぎられた指、結婚指輪を通す指だ。これも意図的な描写だろう。
 そういえば六軒島って表記されているけど、悪食島(小豆島)という呼称はもっと昔だったわけか。もう少し近年かと思ってたよ。
 混戦の中、山本を倒して生き残る金蔵とベアトリーチェ。金蔵はインゴットの一部を手に彼女を島から連れ去る。やるねぇ。戦人も見習うんだ!(譲治涙目フラグ)

▼貴賓室
 金蔵がベアトリーチェを連れて行った「新島の医者」とは南條のこと。金蔵は小田原に帰った後、ベアトリーチェを別荘に匿って幸せに暮らしたらしい。
「九羽鳥庵以前から、二重生活はお手の物だったというわけだ。………サッ。」

 ≡  ('('('('A` )
≡ 〜( ( ( ( 〜)
 ≡  ノノノノ ノ  サッ

 ベアトリーチェは金蔵の子を産む時に亡くなった。
 南條は義理堅く、ベアトリーチェのことを誰にも口外せず、治療費以上の金をもらおうともしなかった。それが金蔵からの信用に繋がったようだ。チェスや異国趣味は付随するものに過ぎないのだろう。ウィルは南條を肝っ玉が太いと評する。金蔵の死を隠し続ける以上、それも当然だろう。

▼礼拝堂の控え室
「これまでに聞いたどのベアトリーチェも、殺されてなどいない。……それを、俺たちが“殺された”ことにしようとしている。ベルンカステルにとっては、これこそが本当の葬儀なんだ。」
「…………誰も“殺された”ことを知らない。それを、私たちが暴こうとしている?」
 再び始まる聞き込み。戦人は島に来ていないようだ。確かに、彼がいてもいなくても推理に影響はなさそう。探偵役はウィルだし、戦人がいないのは当然という感じがする。役目だけじゃなくキャラもかぶりそうだしね(笑)。
 真里亞と握手をするウィル。すると観劇者権限が発動する。処女懐妊とインマヌエル。メシアの名前――神は我らと共に。宇宙を生み出す最少人数が二人であることを、真里亞は「両親がいないと子は成せない」という意味で受け止めていたらしい。そっちに行くのか! 何かを共有すること、自分以外の誰かがそれを認めることで宇宙が生まれるという意味で話しているのかと思ってたよ。真里亞は父親のいない自分を聖霊の子と解釈し、オカルトに傾倒していく。
 真里亞とベアトリーチェの出会い。「知識だけなら私が上だった」という感想から、ベアトリーチェのそれが付け焼き刃であることが想像できる。些細なキャンディの魔法を見せるベアトリーチェ。真里亞の友人となる。

▼礼拝堂の控え室
 親族会議以外の時に島を訪れた話。楼座と隣り合った席に座ったという真里亞の発言に引っかかりを覚えたウィル。……何か問題が? 蔵臼一家と楼座、真里亞しかいないなら、隣り合うのは当たり前のはずだが……。EP1で席順を確認してみた。こうだ。空席は詰めるらしいので楼座と真里亞は隣り合う。

   金蔵
蔵臼    絵羽
留弗夫   楼座
朱志香   譲治
戦人    真里亞
夏妃    秀吉
霧江    空席(楼座の夫)

 真里亞の他にベアトリーチェと会ったことがあるのは、源次、紗音、嘉音、熊沢、そして南條だという。これは問題ないだろう。けど南條はちょっと意外。……んん? 紗音とベアトリーチェは同時に真里亞の前に現れたのか? そうするとベアトリーチェの正体は朱志香や夏妃になってしまいそうなんだけど。
 マリアージュ・ソルシエールについて質問するウィルを拒み、立ち去ってしまう真里亞。ベルンカステルが駒を動かした、ということらしいが……。マリアージュ・ソルシエールは真里亞にとって不可侵の観念に思えるんだよね。縁寿との一件で傷ついてるから。

▼礼拝堂の控え室
 魔女を信じていない側、朱志香と譲治への聞き込み。
 そうですか。ペッタンペッタンとか、どっきゅんどっきゅんとか好きですか、ウィラードさん。
 魔女をおとぎ話と知りつつ、真里亞の夢を壊さないようにしている譲治。ウィルは「お前とは話が合いそうだ」と同意する。過去のあなたに何があればそういう考え方に変化するんですか。私はそこが知りたいよ。
 ベアトリーチェが自分の存在を認める人を増やそうとしたのは、家具から人間になりたかったためと推理するウィル。つまり恋をする資格を得たいから。
 朱志香に観劇者権限を発動させてしまうウィル。狙って発動させたこと一回もないなこの人はwww全部偶然じゃないかwww
「自分のなりたい、“もう一人の自分を生み出す”、の話か…?」
「え、…何で私のモットーを知ってんだよ。」
 ……なんかベアトリーチェを生み出したのは朱志香です、みたいな話が出たぞ。そっち? 右代宮家の長女ゆえのしがらみ、島から逃れられない立場、そして実は戦人に好意を抱いていた、とでも? 彼女を主眼に据えると、どうしても嘉音との恋愛が戦人に結びつかないんだよね。戦人と嘉音の特長が正反対だから。
 ――いや、朱志香は本当になりたい自分を外で実現したようだ。島外の学校で、ということだろう。紗音はそういった場を持たない。だからこそ物語の世界にそれを生み出した。合っているはずだ。
 あれ!? 朱志香の喘息って演技だったのか? それもまたもう一人の自分……。薬を用意してくれる南條先生がしょんぼりしちゃうぞ(笑)。
 真里亞の願いが黄金郷へ行くことなら、現実から逃げ出したいってところだろうね。逃避だよ。EP4で繰り返し描かれていたことだ。
 熊沢の言う「ベアトリーチェさまは、“い”るのですから」というのは、九羽鳥庵のベアトリーチェを知っているからこその言い回しだろう。観念としてのベアトリーチェを汚してはならない。金蔵のために。

▼貴賓室(朱志香の回想)
 午前二時にベアトリーチェが貴賓室に現れる、という話を聞いた朱志香。紗音と郷田を説き伏せて借りた鍵を手に、部屋へ赴く。
 サイドテーブルに置いてあるフランス人形。怖いお(・ω・`)
 突然鳴り響く電話機のベル。島内にいないはずの真里亞が、ベアトリーチェに歌を聴かせている声。落ちる照明。ばさばさ、ばたばたという音。消えたフランス人形。怖いお……(;ω;`)
 これは使用人のいたずらかなあ。やたら強硬に貴賓室に入りたがったから、ベアトリーチェの幻想を消さないために紗音あたりが何か仕掛けたのでは。フランス人形とお供えのお菓子は夜までに準備すればいいし、真里亞の歌はテープに録音したものを内線で流せばいい。消える人形は照明を落としてからドアか窓を少し開けて、あらかじめ結んで伸ばしておいた糸を思い切りたぐり寄せるだけ。ベッドからはい出るような音がした、ということは窓側から引いたのかな? 人形が布団の上をざっと滑った音だ。雨の中ずっと待機してたの(笑)? うーん、謎だ。
 ……朱志香もほぼ同じ推理か。彼女は室内に誰かが隠れていたと言っている。どちらにせよ、これはEP5の蔵臼の電話に対する解答と見る。やはりテープで合っているはずだ。EP1で書斎にかかってきた電話と真里亞の歌もこれかなあ? あれは彼女が自発的に歌っていたと思うんだけど。

▼礼拝堂の控え室
 貴賓室の照明を落とすためには、地下ボイラー室の配電盤を操作しなければならないという。確かに複数人が必要な、大がかりないたずらになる。笑い声もどうやって出したものか? これもまた朱志香の嘘? しかし観劇者権限だけに、嘘をついていたらすぐに分かりそうなものだ。
 最後に親族会議の際の席順を確認するウィル。朱志香の右隣が縁寿の席だったという。……そこは戦人の席だったはずだな、今までは。戦人という駒は存在が非常に薄い。完全に出番なしということか。――縁寿の継承権ってそこでいいんだっけ?
 碑文のことを理御に尋ねるウィル。このゲーム盤では碑文が掲示されていない! 戦人が島に来ない世界、だから碑文もないのだろう。彼が碑文を解くことに意味がある。彼がいないなら碑文を掲示する意味がない。当主の座を次ぐのは彼でなければならない。
 森の魔女としてのベアトリーチェも存在しないようだ。理御は森に狼がいると教わっており、魔女としてのベアトリーチェをまるで知らない。怪談が存在しない世界だ。
 再び席順を確認するウィル。向かいに朱志香、その次の序列は譲治と述べる理御。

   金蔵
蔵臼    絵羽
留弗夫   楼座
理御    朱志香
譲治    戦人
真里亞   夏妃
秀吉    霧江
空席(楼座の夫)

 つまりこういうことか? 朱志香の位置に理御が入り、以降一つずつずれる。……あれ? 真里亞の証言とまるで合わないな。何だこれ。パズルのようになっているのか? 真里亞と楼座は同じ列にいなければ隣り合うことができない。理御の席順も妙だ。次期当主ならもっと上に来るはずでは?
「なるほどな。……紛らわしく入り混じってやがる。だが、面白ェ。」
 ウィルは誰かが入り込んだと考えている? チェスのプロブレムか何かですかこれ(笑)。

2010/08/21
■Episode7ファーストプレイメモ3
▼礼拝堂
 理御に「一九八六年のベアトリーチェを殺したのは誰か」について仮説を述べるウィル。元々は概念だった魔女に会いたがった真里亞。そしてそれに応えた者がいる。
 真里亞は外見ではなく内面で相手を判断する傾向が強いという推理。楼座を黒い魔女と呼んだように。――そう来ますか。ベアトリーチェに憑依されたかのように振る舞った人物がいる、という考え方。それはもちろん紗音だろうが、ちゃちな変装ではなく精神面に重きを置いたやりとりが行われていたということだ。
「真里亞にとっての魔女やオカルトは、ある種の現実逃避と見ていい。……彼女は、満たされない現状が、魔女の力で打ち破られると信じていたんだ。」
 ウィルもこう考えているようだ。妥当だと思う。
 誰かが真里亞のために魔女ごっこに付き合ったことで姉ベアトが誕生した、と判断しているウィル。そっちを取るか。すると、その魔女が徐々に変質していったということになるね。
「演じた本人にしか、殺せない。即ち、ベアトリーチェを殺したヤツとは、ベアトリーチェを演じたヤツと同義だ。」
 演じた人物を殺してもベアトリーチェは死なない。概念は生き残っちゃうからね。
「……本当にややこしい。さっぱりですが、先を促しましょう。つまり、犯人が2人いると仰りたいので?」
「そうだ。……ベアトリーチェを生み、殺すことが出来る人間と、……そもそもベアトリーチェなど生ませもしない、概念ごと殺すことが出来る人間。その2人が、ここにいるってことだ。」
 前者は紗音。後者は――譲治かな? いや、嘉音かもしれない。違いは現実の恋と架空の恋。
 犯人の一人、「死んだ猫」を理御と断じるウィル。序列の席順に理御は存在しないのだという。そして子供たちが魔女ベアトリーチェについて証言する中、理御だけが魔女の存在を知らなかった。子供たちは魔女のいる世界を、理御はいない世界を語っている。魔女と理御は表と裏であるという推理。理御の年齢が十九歳であること、金蔵が銀の指輪を用意して次期当主への強い要求をしていることから、彼を「金蔵とベアトリーチェの子」と論じる。
 ……そういうことか! EP6によれば紗音の年齢も十九歳のはずだから、EP5の謎の男も彼女だったということになるのかな?

▼???
 早くも謎を解いたウィルを褒めるベルンカステル。
「夏妃に受け入れられ、崖から落ちなかった19年前の赤ん坊が、理御だ。逆を返せば、夏妃に拒絶されれば、理御は存在しない。」
 九羽鳥庵のベアトリーチェと金蔵の子。近親相姦とはまたヘヴィな。この世界では理御こそが黄金の魔女ベアトリーチェと言っていいようだ。
 待てよ……何で理御が育つ世界ではベアトリーチェが存在しない? ……次期当主、か? この世界では金蔵の意志で理御が次期当主に決まっている。だから碑文が存在しない。「誰もが次期当主の権利を得られる」というゲーム盤の条件が消滅している。「戦人に次期当主の資格を得て欲しい」という紗音の願い(EP6考察「魔女狩りの宴 第27夜」を参照)も成立しないことになる。「碑文を解け」という問いかけがなく、魔女が存在しないというのも当然だ。
 男にも女にも見える理御の性別、EP5では男だったが多くのゲーム盤では女とされている性別。――これをゼパルとフルフルに重ねますか!? 予想外だなあ。紗音と嘉音ではなかったのか? ものすごく断定的に書いちゃったんですがあの考察(笑)。
 平行世界の知識を得て気絶する理御。
 もう一人の犯人、生きた猫の推理。一九八六年のベアトリーチェを生みだし、殺した人物の推理。ウィルはEP4までのゲーム盤ですべてに結論を出していたようだ。EP3の連鎖密室は「なかなか器用にやったもんだ」。「私はだぁれ?」については「その時点である種の仮定は可能だ。……それこそ、黄金郷のもう一つのお宝、ってわけだ」と述べている。戦人がEP7の葬儀に来ていないのは、真実に至るのが遅く、彼女を救えなかったからのようだ。そういうことか……。
「こいつが、犯人だ。」
 ――果たしてウィルとベルンカステルの目の前にいる人物は!? おらワクワクしてきたぞ!

▼劇場
 うおビックリした、誰だお前(笑)! そしてゼパルとフルフルの再登場。何だか懐かしい気分だ。劇場にはこいつらがいないとね。
 新キャラの名はクレル・ヴォープ・ベルナルドゥス。儚い色合いだ。表情がベアトリーチェに似てるね。TIPSによるとベルンカステルが生み出した朗読役、あるいは代役であるらしい。美しい文体を賞賛されたという「クレルボーのベルナール」かな? ラテン語ではベルナルドゥス。彼女の詩的な口調もそれを思わせる。
「此処は聞く者なき硝子とコルクに封ぜられし小さな世界。それは誰の目にも触れることなく、我が物語の全てを封じて、我が心の海を揺蕩いて海の藻屑と消えていく……。」
 誰にも発見されることなく海に消えたボトルメール、か? 未発見だった告白の物語?
 舞台は一九七六年四月か。……紗音が右代宮家に来た当時かな。

▼第一章「新しき生活」
 先輩の使用人がルシファーに似てるね。物語の主人公は紗音かと思ったらどうも違うようだ。やっと小学校に上がる年齢で病弱な人物……六歳? これは嘉音なのか?
 どうやら理御らしい。彼(?)が生きている世界での物語のようだ。本題は恐らく、「理御がいなかったらこの物語はどうなっていたか?」にあるのだろう。だから嘉音を思わせる描写になっている。
 レヴィアタンとサタンまで出てきた。七姉妹は福音の家出身の使用人から発想したということで決まりのようだ。奇妙なのはこれが理御だった場合、紗音や嘉音との関係が希薄である点。幼い頃から紗音と交流を持っていたなら、ウィルが訪れた礼拝堂でお互いの存在に疑問を持つなどということはあり得ない。
 崖から落ちた赤子は生きていた? 源次がそれを隠し、南條が救命の手伝いをした? 金蔵にも赤子の生存を隠していたというのか。この世界の理御は年齢を三歳少なく教えられていたようだ。理由は金蔵や夏妃に正体を悟らせないため。
 これは戦人に重ねられているのか? 金蔵に最も良く似た、その血を色濃く受け継いだ人物……もし金蔵が父であるならば……。彼の出生には秘密があるという情報にも一致する。
 理御が九羽鳥庵のベアトリーチェ同様、金蔵の妄執の犠牲になることを恐れていた源次。すると理御は女性ということになるね。

▼第二章「初めての友人」
 小さなほうきをなくしてしまうヤス(理御のあだ名)。こういうことは頻繁にあったらしい。ガァプのいたずらって発想はここからか。
 熊沢が怪談を語る。ちょ、一瞬だけ顔のアップが(笑)。
 ヤスはほうきを隠した魔女をベアトリーチェと呼ぶが、姿はガァプのそれだ。友人として認められ、ほうきを返してもらうヤス――ガァプはどのタイミングでガァプとなるのか?

▼第三章「虜になる日々」
 おまじないをすれば魔女のいたずらを防げると諭す熊沢。単に鍵束と服を糸で結ぶ、あるいは「ものは注意深く、決められた場所で管理しましょう」と言っているだけだが、まじない仕立ての考え方にしている。ヤスもそれを大きな発見と捉えて実践したようだ。これがミスを減らすことに繋がった。ものを友達と考えてそれを増やしていくという熊沢の諭し方は、真里亞の魔法世界にそっくりだ。
 ヤスはガァプの姿のベアトリーチェと対話し、憎まれ口を叩き合いながらも注意深い仕事を心がけるようになる。そういう友情もありだと考えている。なるほど、これはゲーム盤における戦人とベアトリーチェの関係だ。楽しく遊んでいるだけと言っていたのはこういうことか。
 読書は熊沢の趣味だったのか。過去のEPでこの情報は出てきたっけ? EP6当時に探したけど見つからなかったんだよね。
 ヤスの姿は紗音に置き換えて読んでいいのかなあ。年齢を詐称しているなら一九八六年の時点で十九歳ということになるし、一致しているはずなんだけど。部屋割りはヤスと紗音の二人部屋ではなく、ヤス(紗音)一人だったんじゃないだろうか。回想シーンの紗音は存在しない。ヤスこそが紗音――ということ。紗音は仕事にミスが多く、それを減らす努力をしたと過去のEPで語られていた。すべて重なる。
 アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を読んでいるヤス。ガァプさん、四九五年生きたU.N.オーエンは違う人です(笑)。吸血鬼姉妹の妹ですね、ええ。
 頻出する「あぁ、我こそは我にして我らなり」というフレーズは、紗音と嘉音の存在を仄めかしたものかな?

▼第四章「新しき日々」
 一斉に辞めていく使用人仲間。彼女たちに最後まで認められなかったことを悔しがるヤスと、それを慰める紗音。EP1などで見せた紗音と嘉音の関係そのままだ。ここではヤスの本心を紗音が代弁している。あの解釈(「魔女狩りの宴 第30夜」参照)に間違いはないだろう。
 ……そうか、ウィルと出会う時代の理御を紗音と嘉音がよく知らなかったのはそういうことか。あの理御は夏妃に認められて、崖から落ちることなく右代宮家に迎えられた子だ。ヤスは崖から落ちて、密かに使用人として迎えられた。ゲームマスターである紗音の記憶と物語は後者が基準になっており、恐らくそれが現実なのだろう。前者の理御を知らないのは当然だ。
 新入りの使用人、明日音(あすね)と鐘音(べるね)。そのまんまじゃないですか(笑)。
 軽薄で不真面目だった明日音と鐘音がベアトリーチェを信じるようになる。ヤスのいたずらでは説明できないことが起きたためだという。すぐ背後に置いてあった鍵束から鍵が一本だけ抜き取られており、それは後に鐘音のロッカーから出てきた。
 ……すり替えトリックかな。タオルで音を殺し、一本だけ抜き取ったヤス自身の鍵束と交換する。手元には鐘音の完全な鍵束が来るため、ばれることはない。鍵束のデザインは共通のはずだ。一本の鍵は事前にロッカーに放り込んでおくだけの話。その日はヤスもずっと一緒に行動していたらしいが、朝の時点なら犯行は可能だっただろう。
 他にも、鐘音がポケットに入れっぱなしにしておいた鍵束から一本が消えたこともあるらしい。これは難しいな。事前に服そのものを取り替えたのか? しかし謎の人影なども含めて、ヤスがミステリの知識を活かして怪談を作り上げたと考えて良さそうだ。古参の使用人もグルになったことが?
「今や全ては正反対。私が口にしていた言葉は心の声。そして魔女の声こそが私の口から出る声…!」
 これも「魔女狩りの宴」でやった紗音と嘉音の考察そのままだね。
 ヤスは紗音に「使用人を辞めて魔女になる」と宣言。これはヤス(紗音)が心を二つに分けた決定的な瞬間と見る。使用人としての自分と、魔女としての自分を心の中に持つということ。「……紗音は紗音で、これからも尊敬される使用人でいてくれればいい」とヤスは言うが、それは「ヤス(紗音)が抱いている自分の理想像」だ。実際のヤス(紗音)は、この物語のように周囲の仲間から好かれてなどいない。福音の家でも右代宮の屋敷でも、彼女に友人らしい友人はいなかったはずだ。年の近い朱志香くらいだろうか。
 設定の変更。ガァプの姿をしたベアトリーチェは、魔女ベアトリーチェという役割をヤスに譲る。新しいベアトリーチェの姿はクレルそのもの。
 そら来た。ベアトリーチェが鏡を苦手とするのは、やはり自分の顔が見えてしまうからだ。正体はヤス。――そして「ヤスの正体」は? というお話になるはずだ。
 紗音に別れを告げて貴賓室へ去る新たなベアトリーチェ。ヤスに関する記憶を失い、部屋で一人我に返った紗音は、そこで一つに減ったベッドを見る。……違うな。元々一つだ、このベッドは。二つあった描写こそが幻想だ。

 きっと、寝惚けてるだけ。
 明日も学校が早い。
 そして、学校が終わったら、お屋敷に行って、少しお仕事の手伝いをしてから、熊沢さんとまた、読んだばかりの推理小説を語り合いたい。

 ね。ヤスの生活そのものじゃないか。彼女の夢想はここに一つの終焉を迎えた。

※文中に何度か「魔女狩りの宴 第○夜を参照」とありますが、考察ページ内に概略を掲載していますので併せてご覧ください。該当項目は以下の通りです。
2010/07/20 ■過去の「魔女狩りの宴」概略1
2010/07/26 ■過去の「魔女狩りの宴」概略2

2010/08/23
■Episode7ファーストプレイメモ4
▼第五章「新しき元素」
 マモンだ! 印象違うなあ。他の七姉妹よりも服が馴染んでる(笑)。
 親族会議の前日。「個々の親族たちがそれぞれに島を訪れることは少なくはないが」だって? では一年丸ごと空くわけではないのか。楼座と真里亞も島を訪れていたようだし。一年のブランクが保証されないということは、死の隠蔽などに影響が出そうだね。
 深夜まで会議の準備に追われ、熟睡する紗音。黄金の薔薇庭園でベアトリーチェと「再会」する。
「もういい加減、飽きはせぬか。その生活に。」
 この台詞からすると、魔女を夢想する自分が再び頭をもたげたようだ。代わり映えのしない使用人生活から逃避したいという願望だろう。
 しかし紗音は黄金の薔薇庭園に居続けることを拒否して人間の世界に帰って行く。きっぱりとそれを宣言させたものは何か? ……人間の世界にしかいない戦人の存在では? ベアトリーチェとガァプには見当もついていないようだ。
 六軒島を訪れる右代宮一族。真里亞は幼く、明日夢が存命しており、縁寿が生まれていない。嘉音や郷田もまだいない。つまりゲーム盤から数えて六年前の日、ということか? 罪が生まれる運命の日に違いない……。
 親族会議は戦人、譲治、朱志香、そして紗音が楽しい交流を持つ日であったらしい。夏妃は紗音と一族の子が交流を持つことを禁じていたようだが、徐々に仲良くなっていったようだ。これが紗音を人間の世界に引き留めた理由か。
 正解だ。そして紗音は恋をしたのだという。
 相手は……やはり戦人だ! 口調からして譲治ではない。紗音は彼から約束したクイーンの本を受け取っている。もちろんアメリカの作家エラリー・クイーンだろう。二人はいつもミステリ談義に花を咲かせていたようだ。戦人がミステリに詳しいことは何度か描かれている。EP4までに多くのトリックを論じているし、EP5では具体的な小説の名前まで出している。
 その男(まだ戦人と明示されていない)はホワイダニット、心が大事だと主張する。ウィルと同じだ。やはりこの二人は重ねられている。紗音はこれをきっかけに心を重視した物語を作るようになった、ということだろう。
「その日が来たら……、俺が白馬に跨って、迎えに来てやるぜ。」
「………え……、」
 その瞬間が来た。六軒島の使用人を辞めて「俺のところへ来いよ」という戦人の誘い。一年後に答えを出すと約束して二人は別れる。そして戦人は帰ってこなかった――ここは予想通りだ!
 しかし戦人よ、この台詞を忘れたとは言わせないぞ。「何しろ俺は、深く考えずにポンポンと喋るものだから、いちいち内容は覚えてない」と自称していたけど、この約束だけは違うだろう。真剣に口にしていたはずだ。明日夢と霧江を巡るいざこざが起きたために約束を破らざるを得なかった――そう考えたい。まさかこんなに真剣で具体的な約束を交わしているとは思わなかったよ! もっと軽い調子で冗談めかして言っただけだと思ってたのに!
 彼女に恋を与えてやれないことを自覚し、紗音の恋路を見守ることにするベアトリーチェ。

▼???
 ベルンカステルは「ベアトリーチェを演じる者」にクレルの姿を与える。「ベアトリーチェの正体に未だ至れぬ者へのまやかし」という一文からすると、すでに正体は分かっていて当然という感じか。
「事件毎に異なる共犯者を得るシステム。………導き出される推理は、犯人が莫大なカネを持っていたという可能性。そして、………全てを黄金郷に招き、……全ての恋を成就をさせる、もう一つのシステム。」
 ――なんかウィルが凄いことを言っているぞ。紗音が碑文の謎を解いていた!? 全EP共通で!? その可能性は考えもしなかったぞ! 確かにEP3で地下通路に辿り着いた絵羽は、すでに開いていた自動ドアを目撃している。まさかそれが紗音の往来だったというのか。もし全EPで彼女が黄金の所持者であったなら、「共犯者が多くなり過ぎる」という理由で疑問符を付けたいくつかの推理が成立する。EP1とかね。絵羽・秀吉夫妻を抱き込むことなど造作もなかっただろう。
「そうだな。……戦人が帰ってくるのが、一年早いか遅いかだったら。………事件は起こらなかったかもしれねェ。」
 そう、これは譲治の求婚とバッティングしたことだろう。早ければ恋の争いとなり、遅ければすでに終わった恋として片がつく。しかし……。この辺りは完全に予想通りだ。ボトルメールの物語が戦人への当てこすりになっていたのもね。彼の帰りを待ちながら紗音はペンを走らせたのだろう。だから恋の苦しみが良く表れている。
 なぜ連続殺人事件という罪に至るのか――それを語り始めるクレル。

▼第六章「試される日」
 一九八〇年。明日夢が亡くなり、留弗夫はすぐに霧江と籍を入れた。戦人はこれに反発して右代宮の籍から抜ける。
 ベアトリーチェとガァプは、ただの親子げんかだ、心配するなと紗音を慰める。これも彼女自身が心の中で対話を重ねているということだろう。ヤスだった頃と同じ、自分以外の誰かを生みだし動かしているだけだ。戦人は右代宮家の呪縛から逃れ、紗音と一緒になることを考えて家を出たのではないか――という推理までしている二人の魔女(ベアトリーチェとガァプ。ガァプはまだ悪魔とは呼ばれていない)。彼と再会できなくなることを恐れた紗音は、何とか自分に都合のいい解釈をして心を落ち着かせようと必死だったのだろう。
 そうか……紗音は自ら使用人を辞めて戦人の許へ駆けつけても良かった。それができなかった……紗音は戦人の気持ちが変わっていることを恐れたんだろう。だから一歩を踏み出せず、六軒島から出られなくなった。恋心はくすぶり続け、長い時間と共に腐敗していく。
 一九八一年。霧江が初めて親族会議に参加する。そして戦人は帰ってこなかった。魔女の言葉や、自分に決意がなかったから戦人は来なかったのだという紗音自身の考えは、すべて再会への希望を繋ぐ解釈に過ぎない。彼女の心は表面的に見るよりも大きな傷を負っているはずだ。EP4の真里亞が一人で魔法世界を生みだし、自分の心を慰めていたことを思い出したい。
 当の戦人は約束を忘れていたと語るベルンカステルたち。あれは紗音が書いた物語であり、現実世界の戦人は忘れてなどいなかったと……そう考えたいのだが……。過去の物語はすべて架空のものであり、戦人が登場する現実の一九八六年はまだ一度も描かれていないんだから。

▼第七章「恋の芽、恋の根」
 一九八二年。朱志香と使用人の女の子(顔立ちはマモン)は、男と女の価値観の違いや、恋愛で一方的な勘違いをする女性を話題にする。それを試練だと考え、戦人との約束を信じ続ける紗音。しかし戦人の心が自分に向いていないことを考えずにはいられない。
 紗音の思い込みは孤独な恋心として理解できるけど、戦人も同じ気持ちでいることを盲信したがっているあたりに若干の違和感を覚える。この強い想いには現実から来る何かが影響しているのかもしれない。
 一九八三年。戦人は戻ってこず、彼が子供たちに書いたという手紙は紗音宛のものだけがなかった。これはひどいな戦人……。戦人の罪について、ウィルは紗音に約束と誤解させたことではなく「……それを、覚えてさえ、いなかったことだ」と言う。
 痛みを癒すために生み出される、決して裏切ることのない弟。元になったのは福音の家で仲が良かった少年。これが嘉音か。紗音が戦人と共に生み出した恋の宇宙は壊れた。新たな宇宙を成立させるために嘉音が必要とされた。そしてベアトリーチェは恋の芽と痛みを紗音から受け継ぐ。魔女は恋を知ることができる。
 恋の芽は、いつか戦人が帰ってきた時に紗音が望めば、また返してもらうことができる。これは含みだ。現実世界で何が行われたかを想像させる。
 ベアトリーチェは戦人好みの外見を得る。黄金の魔女としての姿がここで固まる。

 さぁ、世界を、変更。
 あぁ、我は我にして我等なり。
 目覚めなさい、我等たち。
 そして新しい世界に羽ばたきなさい……。

 これはやはりそういう意味だ。紗音と、彼女が生み出した登場人物たちを指す。世界は彼女の内面であり、それを書き記したのがボトルメールだ。当然だろう。
 それにしても、「6」にちなんだ六章仕立てかと思ったらそれ以上あるんだね。碑文にならって第十章まであるのだろうか?

▼第八章「黄金郷への旅立ち」
 一九八四年。玄関ホールに掲げられる肖像画と碑文。ウィルとクレルが言うには、
「………普通に考えれば、これはそう読み取れるでしょう。13人の生贄を捧げれば、魔女が蘇ると読み取れる、謎の儀式。……しかし、本当の儀式はそれではない。……奇跡的に解ける誰かを待つ。そちらこそが、本当の儀式。しかし、運命とは皮肉なもの。」
「源次は知っていた。……金蔵は始めから、源次が全てを知っていると思い、仕掛けたのかもしれねぇな。」
 ベアトリーチェは碑文を読み、黄金郷の存在と復活の手段を知る。
 使用人や一族は黄金の隠し場所を示す暗号、あるいは次期当主を決めるための手段と噂する。
 奇跡が起きればベアトリーチェは復活すると金蔵。もし蘇ったらどうするのかと問いかけた源次に、金蔵はただかつての罪を謝りたいと号泣する。
 ウィルとクレルは、金蔵がすべて分かった上で碑文を掲示し、源次もそのメッセージを理解していた――これは二人の茶番だったと言う。さっぱり意味が分からない。どんな事情があったのか?
「碑文は、解かれたんじゃない。解かされたんだ。」
「…………そして、ベアトリーチェは真の復活を果たす。……もし、ベアトリーチェが復活せずにいたならば。」
「……同じ1986年を迎えても、……事件はまったく違っていたかも知れねェ。」
「結局、……私は生まれたその時から、運命の岐路においてはただの一度も。……私の意思では何の選択の権利も、与えられなかったのです。」
 解かされた、とは……?
 ベアトリーチェと遊んでいる真里亞が、ガァプとロノウェ、ワルギリアに名を与える。呂ノ上との一致は偶然のようだ。あるいは必然か。真里亞の日記にさくたろうの絵を描いたのは紗音で正解のようだ。シエスタ姉妹の絵も描いていたらしい。金蔵の倉庫を整理した際に見つけた「物騒な道具の数々」も新たな眷属となる。これが七姉妹か。
 碑文に挑もうとするベアトリーチェだが、源次、紗音、嘉音の気配を察して姿を消す。源次が言うには金蔵の故郷は台湾だという。国内じゃなかったのか……。しかし唐突にその情報を明かした源次の狙いとは? 紗音に碑文を解かせたかった……?
 金蔵がビンロウを好んでいた情報なんてあったかな? と思ったらEP5にあった。蔵臼が旅行の際に発したこの台詞か。
「こいつは親父殿も好きでね。昔は取り寄せたのか、屋敷のテラスでも、モグモグやっていたものだ。夏妃が来てからは止めたようだがね。」
 いやあ、全然記憶になかったよ。蔵臼と夏妃のいちゃいちゃで記憶が埋め尽くされていてですね(笑)。
 碑文の正解を語るクレル。ウィルも解読を終えていたようだ。ほんと頭いいなお前!
 懐かしき故郷が台湾と判明すれば、連鎖的に解ける謎だったようだ。しかし地名読み替えの部分はかなりの発想力を要すると見た。旧称を使うとは……。辿り着く場所はやはり礼拝堂みたいだね。

▼第九章「魔女の蘇る日」
 礼拝堂に来るベアトリーチェ。
 寄り添う二人を引き裂くところで「おおっ」と思った。均等配置は思いつかなかった。
 右代宮卿(lordu)は分かったぞ! ……誰でも分かるがな! たった五文字なんだから! 既視感があると思ったら、昔quadrillionに着目して考えていた時「誉れ高き我が名を讃えよ」でlorduだけ抜き出したりしたな……。他にもどの文字を殺すか、ルールを変えて試したりもしたっけ。懐かしい。これは台湾から始まる鍵を発見できた人こそが胸を張れる解答だから、途中だけかすめたとしても無意味なんだよね。碑文の謎については完敗です。
 おや、ライオンの像が動いた。やはりこいつは裏手の隠し入り口へ導くための装置だったのか。
 地下貴賓室に到達するベアトリーチェ。後ろから現れた源次が拍手をする。そしてベアトリーチェにドレスへの着替えを命じる……。これが源次の狙いだったのか。碑文を解くという奇跡を演じた紗音は名実共に「復活したベアトリーチェ」となり、ドレス姿で金蔵に接見する――嫌な予感がする……。待てよ、EP4で戦人と対面したベアトリーチェはこのドレスを着た紗音ということか? でもあれブレザー姿だったし、示された伏線もなかったよね。
 おお、この音楽はEP1のエピローグで流れた……大好きなんだよねこの曲。
 ベアトリーチェにすがりつき、謝罪を繰り返す金蔵。同席した源次、熊沢、南條は厳かな雰囲気だ。源次と熊沢は、彼女を金蔵とベアトリーチェの子と告げる。……え!? 源次が紗音の前で台湾と呟いたのは、それを知っていたから? 他の使用人の子と違い一人部屋を割り当てられていたのも、特別大事にされていたから――ということか? 辻褄は合うぞ……。
 与えられるはずだった本当の名は理御。
 金蔵大往生。そうか、「異なる複数の名前を持つ人物は存在しない」というEP4のやりとりは、福音の家の使用人でも、紗音と嘉音でもない。紗音と理御ということか。あるいはベアトリーチェという名も? 紗音、嘉音、理御、ベアトリーチェをすべて含んでもいいのかもしれない。
 地下貴賓室にて。源次だけでなく南條と熊沢もすべてを知る立場だったようだ。EP4の情報から、熊沢はてっきり碑文に挑んでいたとばかり。鯖吉の言葉を真に受けてしまったよ。ベアトリーチェは地下貴賓室の鍵を受け取り、この奥にある地下通路から九羽鳥庵へ行く資格を得る。金蔵が使っていた隠し通路はここにあったのか。
「………次期当主は蔵臼さまとなられますが、……私の中では、真の当主様は、あなただけでございます。」
 ゲーム盤において、源次は紗音の命令に従う立場だったという考え方もあるね。これもEP1の推理を補足できる情報だ。園芸倉庫からの脱出は彼が絡んだというパターンだろう(『最終考察うみねこのなく頃に』250ページ「第一の晩・園芸倉庫からの脱出」を参照)。

 11月29日。
 私は本当の魔女に、なりました。

 これかあああ。07151129。戦人の誕生日と、本当の魔女になったベアトリーチェの誕生日。二人の誕生日を並べた意図は、彼に対する恋慕の情に他ならないだろう。

2010/08/24
■Episode7ファーストプレイメモ5
▼???
「…………これで。……私の話は、おしまいです。」
 話を終えるクレル。
 理御という名はquadrillionから取られているのかもね。プレイメモの序盤で書いたように、lionはライオンのスペルでもある。どちらにせよ祝福の礼拝堂との関連が深い。ライオンの彫像は元々そういう意図で作ったものかな?
 クレルは一九八六年の運命を他人に委ねた。絶対の運命で島を閉ざしたというのは、碑文を解けなければ爆発するという仕掛けの起動だろうか――やはり潜水艦には黄金と一緒に爆弾も積まれていた、というのが妥当かなあ。そしてそれは地下貴賓室の近くにある。九羽鳥庵は爆発に巻き込まれないわけだからね。
 クレルの埋葬が始まる。彼女に死を与えるのは探偵のウィル。

・EP1
 第一の晩、園芸倉庫の六人殺し……「土には帰れぬ骸」か。やはり紗音は生きていた?
 第二の晩、チェーン密室……「幻の鎖」。嘘という線で確定だ。
 第四の晩、ボイラー室の金蔵……「幻の男は、あるべきところへ」。火葬で正解では?
 第五の晩、嘉音の死……「幻想の魔女と杭は、幻想しか貫けない」。偽装死は間違いないだろう。嘉音の行動に関しては解釈が多岐にわたるね。
 第六〜八の晩、客間の三人殺し……「盲目なる少女が歌うは幻」。真里亞は真実を見ていない、か?
「……始めから、危ういゲームだったな。………もしもあいつが、それでも死に顔を見たいと言って踏み入っていたなら、どうしていた。」
 これは第一の晩で死を演じていた紗音を指すのだろう。「あいつ」とは当然戦人だ。探偵が生死を確認しに来たら偽装死は崩壊する。――いや、あの状況からすると譲治か? 彼は共犯者ではない。見られたらまずいということだ。

・EP2
 第一の晩、礼拝堂の六人殺し……「黄金の真実が、幻の錠を閉ざす」。何? 錠は確かに閉まっており、解錠されたのは朝と確定していたのでは? 情報の判断を誤ったか?
 第二の晩、朱志香と嘉音の死……「役目を終えたる幻は、骸さえも残せない」。嘉音の死はその概念に基づく。
 第四〜六の晩、夏妃の私室……「棺桶が密室であることに、疑問を挟む者はいない」。これまた抽象的な(笑)。
 第七〜八の晩、嘉音による熊沢・南條殺し……「幻に生み出せる骸はなし」。あれは当然偽証だ。

・EP3
 第一の晩、連鎖密室……「終わりと始まりが、重なる」。紗音の客室か!? どこだ?
 第二の晩、薔薇庭園の楼座と真里亞……「語られし最期に、何の偽りもなし」。妥当。
 第四〜六の晩、玄関ホールの三人殺し……「語られし最期に、何の偽りもなし」。おや? これだけ?
 第七〜八の晩、蔵臼と夏妃の死……「明白なる犯人は、無常の刃を振るいたり」。やはり絵羽か。
 うっ、譲治のメルヘンウォーク以降が謎に含まれていない! 知りたいのはそこなのに! そう言えばEP1と2も終盤が放置されているな。後でまとめてやるのか?

・EP4
 第一の晩、食堂の六人殺し……「黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る」。当然。
 第二の晩、譲治と朱志香の死……「黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る」。当然。
 第四〜八の晩、逃亡者の全滅……「虚構に彩られし、物言わぬ骸」。当然。
 第九の晩、戦人の死……「虚構は猫箱に閉ざされることで、真実となる」。爆発事故かな。
「私は、だぁれ……?」
「幻は、幻に。……約束された死神は、魔女の意思を問わずに、物語に幕を下ろす。」
 あの問いかけの答えそのものは爆弾で良かったのだろうか。だがあのシークエンスの主題は戦人の罪と魔女の正体、そして動機だ。本当の答えはこの後語られるだろう。
 ウィルが言っている「土は土に」「幻は幻に」は真実と虚構の使い分けなんだろうね。謎の解釈にどちらを用いるべきか、あるいはそれが猫箱のように観測できる事象かどうか。両方混じっている謎も当然ある。「黄金の真実」も虚構のはずだが、「幻は幻に」とどう違うんだろう。

▼礼拝堂
 消え去ったクレル。彼女の幸せや六軒島という猫箱について語り合うウィル、理御、ベルンカステル。棺に収めた戦人の本は、彼女が最も幸せであろう物語だったという。しかし本当の幸せは理御が幸せに生きていくことだとウィルは言う。
 ベルンカステルがこういう形でファンタジーを終わらせるというのは、確かに意外だった。理御まで連れてきて……こんなに慈悲深い形ではらわたを引きずり出すって、ねえ。あのベルンカステル卿が……(笑)。
 礼拝堂から去るウィル。フェザリーヌに語りかけるベルンカステル。「傍観者の魔女ども」とはすべての読者を意味する言葉だろう。クレルから「名も無き素晴らしき傍観者のあなた」と呼ばれていたウィルは読者の代表と考えてもいい。
 控え室から戻ってきた親族たち。金蔵にベアトリーチェの魂が救われたことを告げる理御。
 おお……大団円だ……。

■Tea Party(お茶会)
 唐突に劇場で目覚める理御。近くに座っていた縁寿。なぜか舞台に現れるクレル。
 クレルの表情に生気がないのが気にかかる。さっき安息を得たクレルとは別人か?
 見せられるのは新たなゲーム盤のようだ。理御がいない世界。碑文を巡る親族会議。理御は自分が縁寿への説明役であることを理解する。
 謎解きを始める大人たち。台湾の地図を持ってこさせるということは、謎も解けるはずだ。
 紗音と譲治の密会。二人について語る戦人と朱志香。戦人曰く、
「キザったらしい、浮ついた言葉で悪ふざけをしていた、甘酸っぱい記憶が蘇る。」
 おおい、やっぱり口から出任せだったか戦人! 本当にひどいなお前!
 それでも譲治に少しだけ嫉妬しているあたり、紗音への好意はまだあるんだろうね。すっかり忘れていた六年間を、朱志香との短い語らいでどんどん取り戻していた戦人。つまり紗音と語り合えば二人の恋心も蘇るということだ……。
 譲治は戦人にコンプレックスがあり、紗音を奪われることを恐れていた。六年前は戦人に好意があったと認めつつ、その想いとは決別したと告げる紗音。決め手になっているのはやはり結婚指輪だ。この誓いの証しが彼女を苛むことになるだろう(「魔女狩りの宴 第26話」以降を参照)。
 第一の晩が起きる前に大人たちが黄金を発見する。観劇していた理御がクレアは約束を守ると断言するが、果たしてそうかな? EP3では絵羽以外全員死んでしまう――爆発事故によってだ。ベアトリーチェが望んだのは恐らく「戦人が碑文を解くこと」。それ以外ではない。
 地下貴賓室にて、カーテンの影から姿を現すベアトリーチェ。殺人計画の手段として示したのは四丁のライフルか……。爆弾を見せるのかと思ったよ。
 いや、直後にアンティーク時計を指し示し、爆薬と連動しているとベアトリーチェ。時計と全滅はやはりこれだったわけだ。中澤工さんとの対談で言ったことはビンゴだったと(「魔女狩りの宴 第21夜」参照。ただしサイトには概略をアップしていません。ご了承ください)。爆弾の正体は潜水艦とは関係なく、旧日本軍のそれか。九百トンの爆薬ってお前……。仕掛けを作ったのは金蔵であり、これこそが狂気の魔力の源泉だったという。
 金蔵は黄金を賭けた大博打を繰り返していた。なるほど、彼は敗北したらいつでも起爆装置を作動させるつもりで生きていたのか。ベアトリーチェがもたらしてくれた黄金を縁もゆかりもない相手に渡すはずはない。勝負に際し、すべてを塵に変える覚悟があったのだろう。何という人生か。――それどころか、起爆装置のスイッチを入れたままここで思案を巡らせていたと書かれている。恐ろしい。鬼気迫る決断の時間というわけだ。
 鎮守の社が消失したのは爆破装置のテスト! 爆薬と信管が生きていることを確認したわけか。落雷ではなかったわけだ。これは全く考えてなかったよ。
 十億円ほどが入った口座のキャッシュカードを取り出すベアトリーチェ。これが金庫の現金か。いや……遺族が受け取ることになる謎の手紙はすでに投函されているはずだ。あれとは別の口座か? だとするとEP3の絵羽が手に入れたのは十億円のみ、ということになる。黄金は塵になってしまうはずだ。
 時計のスイッチはオンとオフが逆ではないか、と疑う絵羽。スイッチは左右に動かすタイプのようだ。これはあれか。EP4のベアトリーチェが掲げた両手に対応しているのか? 彼女が最後に下げたのは右手だったな。その場合、力を失わなかった左手が起爆側ということになる。――しかし、スイッチは左側がオフだった。無関係か。あの両手が何を暗示していたかは考える価値があるかもね。
 殺し合いが始まる。生き残ったのは留弗夫と霧江のみ。ベアトリーチェも殺される。ウィンチェスター銃の装弾数が論点になっている。EP1のヒントだろうね。園芸倉庫の推理はいい線を行っているはずだ(『最終考察うみねこのなく頃に』246ページ「第一の晩・狂気のウィンチェスター」を参照)。
 テストと称して、ゲストハウスにいる子供たちを電話で呼び出す留弗夫。これはEP4のシチュエーションか。筋書きを混ぜて答えをばらまいているわけだ。いや……主にEP4の解答、なのか? あのEP、最初の夜に碑文は解かれていたと?
 霧江は留弗夫の覚悟を知るために、あえて譲治と朱志香を別々の場所に呼び出す。これもヒントか? 共犯者による個別殺人は当てはめられるEPがあるはずだ。――それにしても霧江の冷酷さが際立つなあ。この先、留弗夫と一緒に幸せになる光景が思い描けない。留弗夫も霧江に殺されて終わるんじゃないか、これは。霧江は元々こういう冷酷さのある人だったから、殺人鬼と化した姿にあまり違和感はないね。
 劇場に姿を現すラムダデルタ。
 留弗夫と霧江による殺人劇が続く。だが仕留め損なっていた絵羽が現れ、留弗夫と霧江を射殺。唯一の生き残りとなる。――霧江はなぜ親子の情を否定し、縁寿は留弗夫の心を捕らえるための鎖などと口にしたのか? どんな含意があったのだろう。
 それにしても、ゲストハウスから礼拝堂に向かった戦人はどうなったのか? 彼だけ行方が描かれていない。
 この惨劇のゲームマスターはベルンカステルではなく、死体となったクレルでもない。ラムダデルタでもなく――これはゲームマスター不在の「真実」。おお、これが猫箱の中身だというのか! しかし「これは全て真実」というベルンカステルの赤字は、縁寿の悲鳴で中断させられている。もしかすると「ではない」という言葉が続いていたかもしれないぞ……。縁寿は挽き肉になってしまう。転落死の運命も真実ということか?(『最終考察うみねこのなく頃に』313ページ「縁寿の死に関するもう一つの仮説」を参照)
 理御は親族会議の夜に殺される運命にあった。理御が生きている世界でも今見せられた世界と同様の展開が起こり、霧江の手で殺される。ベアトリーチェの運命に救いはない。……これぞベルンカステル。やっと本性を見せたか。猫をかぶりやがって!(猫だけに)
 ――今、この上なく重要なシーンが挿入されたぞ。
「イ、イタリア人の黄金を奪うだと? 卑怯者め、右代宮、貴様、それでも帝国軍人かぁあああぁ?!」
「………お、お父様……? わ、私はお父様のことを敬愛いたしております……。で、でも、……そのお父様の気持ちには、その……。」
「どうして…!! どうしてあなたたちは私を助けたんですか?! どうして死なせてくれなかったんですか?! 私はあの時の大怪我で、……こんな体で生きさせられている!! こんな体で、生きていたくなんかなかった!! こんな、恋をすることも出来ない体で……!! そんなの、そんなの、生きる価値がないんじゃないですか?! そんなのニンゲンじゃない…!! 家具じゃないですか!!」
 紗音すらも想像上の人物だった……? 物語にはまだまだ多数の脚色がされていたということだ! 今のが真実であるなら、黄金を奪おうとしたのは山本中尉ではない。物語を執筆した真のゲームマスターは、盤上にいた紗音ではない!
 理御がふと我に返ると、そこは劇場ではなく屋敷の客間。振り返ると銃を構えた霧江が立っていた。
 ――窮地を救うライトさん格好いいな!
「奇跡を探すんじゃねぇ、お前が奇跡になるんだッ!!」
「……私が、………奇跡に………。」
「お前は幸せな未来へ辿り着くんだよ。挫けるんじゃねェ、弱音を吐くんじゃねェ。もう一度弱音を言ってみろ。今度は俺がお前の尻を抓ってやる…!」
 ウィルはベルンカステルが見せた真実をファンタジーと切り捨てて猫箱に封じようとする。二重の楔vs奇跡の魔女。この戦いの行方やいかに。「読者よ運命に抗え」――そういうメッセージにも見える。
 キャストロール。ここに名前以外の情報は出てこない。
 逃走を続け、力尽きようとする理御。それを抱きかかえる隻腕のウィル。ベルンカステルと対峙した彼は、SSVDを辞める理由を語る。
「クソッタレな、お涙頂戴のミステリーばっかりに飽きたからだよ。………ハッピーエンド上等、逃げ延びてやるぜ。」
「俺が教えてやるんだよ。バッドエンドしかないと絶望して死んだベアトリーチェに、ハッピーエンドもありえるんだって教えてやるんだ。だから絶対にお前を、下ろさねェ。」
 熱いな! その姿勢と切断された腕は……なるほど! そういうことか!

■????(裏お茶会)
 二つの白い駒を突いて倒すベルンカステル。ここまでの物語はフェザリーヌへの朗読だったらしい。ベアトリーチェのゲーム盤を手のひらに載せたベルンカステルは、最後のゲームマスターとして赤字で宣言する。
「このゲームに、ハッピーエンドは与えない。」
 ……面白い。
 礼拝堂で泣く六歳の縁寿を後ろから抱き締める戦人。
「縁寿に捧げる、最後のゲーム」
「これは、辛い話でも、悲しい話でもないんだよ………。」
 最後のEP、楽しみだ。

■TIPS
 追加TIPSは特になし、かな? Executeによる変化もないみたいだ。

 EP7は構成が良かったね。ウィルが真相を探るパートと連続殺人のパートがしっかり分かれているから、テンションを途切れさせることなく集中して読めた。分量もちょうど良かった。
 衝撃を受けたのは金蔵、そして最後の大どんでん返し。まだ考察が必要だ。

■というわけで
 EP7ファーストプレイメモはこれで終了です。
 ウィル格好良かったなあ。
 そして、これまではかなり好きだった金蔵の評価が! 評価が……!(;ω;`)

 リンクは歓迎していますので、許可なく張っちゃってOKです。個人サイト、公式掲示板、匿名掲示板の別を問わず自由にリンクして話の種にしてください。EP7の本格的な考察はページを改めて執筆していきますのでどうぞよろしく!
 また、「魔女狩りの宴」概略は近日中にEP5、EP6のページに移します。(→2010年11月2日、個別ページへの移動を完了しました)

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