「うみねこのなく頃に」
PC用同人ソフト/07th Expansion

[同人PCソフト]うみねこのなく頃に [第1話〜第4話] [同人PCソフト]うみねこのなく頃に散 Twilight of the golden witch[第5話〜第8話]<特典:ポストカード付き> [同人PCソフト]うみねこのなく頃に翼 これまでの贈り物、全部。詰め合わせ [同人PCソフト]黄金夢想曲 うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~ 特典 Amazon.co.jpオリジナル「魔女からのレターセット」、真実のペン(赤・青)2本セット付き うみねこのなく頃に散 真実と幻想の夜想曲(通常版)



■目次

お知らせ / EP1ファーストプレイメモ / EP2ファーストプレイメモ / EP3ファーストプレイメモ / EP4ファーストプレイメモ /
EP5ファーストプレイメモ / EP5考察「魔女狩りの宴」概略 / EP6ファーストプレイメモ / EP6考察「魔女狩りの宴」概略 /
EP7頒布前考察 / EP7ファーストプレイメモ / EP7考察 / EP8ファーストプレイメモ / トップページへ戻る

  


■お知らせ
拙著『最終考察 うみねこのなく頃に散 Answer to the golden witch Episode5-8』2011年4月9日発売
拙著『最終考察 うみねこのなく頃に Witch-hunting for the Episode1-4』『最終考察ひぐらしのなく頃に』発売中
星海社文庫版『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(上)』発売中 (公式サイト「最前線」でひぐらしコラムを担当しています)

2011/01/08
■Episode8 ファーストプレイメモ1
 スタート時の序文。お別れのパーティーか……(しみじみ)。
 ――ゲーム大会って何?(´・∀・`)

▼礼拝堂
 戦人と縁寿がいる。縁寿が幼い姿なのは「全てを知らず、何も知っていない」かららしい。
 ……鍵? 何か大事なものが来たぞ。色は金!
 縁寿の立ち絵きたこれ。
 彼女をゲームマスターとして六軒島に招待するという戦人。おやっ、EP8はベルンカステルのゲームではないのか。ひょっとして二人のゲームマスターが展開する別の話を、平行して追いかける形?
 この鍵は、会議の二日間が終わったときに元の世界へ帰るかどうかを決めるためのものらしい。縁寿は帰りたくないと言っているが……。爆発との関係はどうなるのか?
「もしも縁寿が良い子で、お兄ちゃんを信用できるなら。」
「……信用できる、なら……?」
「お兄ちゃんの言うことは、すべて信じなさい。」
 戦人が縁寿に魔法をかけようとしている。彼なりの真実を語ろうとしているのか。それは多分、優しい嘘だ。黄金の真実か?
「そのどちらかの選択を、誰も強要しない…?」
 読者もまた、信じるものを自分自身で決めなさいというメッセージか。
 ――戦人が縁寿に選んで欲しい選択肢とは? すべては鍵が教えてくれるらしい。
 祭壇に封印された本が置かれている。「あの本は駄目だ」と戦人。残酷な真実を書き記したものか。

▼船上
 おっ、久々に登場だ川畑船長。
 幼い縁寿が旅に同行している。初めて全員が揃う、縁寿のためのゲーム盤だ。

▼六軒島
最終考察うみねこ EP1-4』でも書いた縁寿と真里亞の年齢差(三歳)は、ヤスが違って覚えさせられていた年齢に等しい。気になる。『最終考察 EP1-4』ではお茶会のベアトリーチェとベルンカステルの会話を扱ったけど、これは無関係?(サンタクロースが何歳まで来ていたかという話で、ベアトリーチェは十二歳、ベルンカステルは九歳と答えていた)

▼屋敷
 廊下で一行を迎える準備にかかる夏妃と使用人たち。
 ……あれっ、蔵臼が普通に書斎に迎えられている。金蔵は死んでおらず、南條たちも隠し事をしていない世界か? 金蔵お前wwwネクタイピンが見つからないぐらいで泣くなよwww
 厨房でも郷田、紗音、熊沢が仲良く話している。平和な世界だな……。そして源次が素早く電話を取る様を「お侍の居合い斬りみたい」と形容している。投げナイフと同じ、刃物に縁がある描写だなー。気になるなー。……はっ、まさか投げナイフの挙動を別の解釈で見るとこうなるというのか(笑)。

▼客間
 あれあれあれ、絵羽の台詞からすると蔵臼が商売を成功させているっぽいぞ。とことん上手く行っている世界だなあ。どこかでひっくり返されるんだろうか。
「お腹痛いのどっか行っちゃったー! お腹をぐるぐる時計回りにさするの!」
「うーうー! お腹痛いのが治る、魔法のおまじないなの!」
 これも確かに魔法だ。肉体的だろうが精神的だろうが、それで痛みが治まれば魔法ということにできる。
「お兄ちゃんは乗り物が嫌いなんじゃないの。落ちるから嫌いなのっ。」
 だよね。大事なのはそこだよね。この縁寿、首から金の鍵を提げている。

「うー! カボチャじゃないの、パンプキンなのー!」(真里亞)
「パンプキンはカボチャじゃないの! パンプキンなのー!」(縁寿)

 真里亞はニュアンスの違いにこだわって言ったようだが、縁寿の方は心の底から、パンプキンとカボチャは別の存在だと思っているようだ。
 ……これ、結構大事な会話だな。一つの物を言い表す言葉に対し、「二つのニュアンス」に重きを置いている真里亞。「全く別の存在」だと考えている縁寿。まさに「六軒島の二日間をどう解釈するか」という問題だ。オープニングでまだ何も知らないと表現されていた縁寿。彼女の見方は誤っているということだろう。過去のゲーム盤も解釈の違い、ニュアンスの違いに過ぎないんだから。
 金蔵登場。
「よくぞ来たぞ、我が孫たち!! お菓子をくれなきゃ、イタズラしてしまうぞであるーー!!」
 ……金蔵さんあんた(笑)。サンタクロースのように袋を担いでる源次さん可愛いな。孫たちとの再会を喜ぶ優しい金蔵だ。やはり人間性についてこういう解釈は可能なんだ。
 縁寿の時にだけ金蔵が厳しい表情になった――と彼女は感じている。問題になっているのは主観だ。何を期待して対象を見ているか。縁寿は短気で恐ろしく、気まぐれな老当主・金蔵のイメージを持っている。だからそのように見える。六軒島の惨劇も、「きっと残酷な殺し合いがあったのだ」と期待している読者にはそう見える。「そんな惨劇はなかった」と期待している読者には今のような世界が見える。戦人のゲームは後者ということだ。
 この世界には過去の赤字も当てはめられないだろう。ゲーム盤が違うんだからルールも違う。当然だ。

▼食堂
 おおー、「序列に従った席順だからこそ話が弾みやすい」という解釈。これは面白い。身分が近い、年齢が近いグループが固まりやすくなっているからね。
 和気藹々とした会食。金蔵は六軒島を気に入っており、愛する家族だけに囲まれて余生を過ごせる場所と考えている。六軒島に住む動機に魔女は含まれていないように見える。
 浜辺でガラス拾いをするという話。きれいな石に見えるが、正体は角が丸くなって宝石のようになったガラス。戦人はそれを知らず、元々そういう石だと思っていたようだ。これも表層と真実の関係を表したたとえ話だろう。きれいに見えても、真実を知ればがっかりしてしまう……ということもありそうだ。――どうなんだ、六軒島の出来事は。心配だ。

2011/01/09
■Episode8 ファーストプレイメモ2
▼浜辺
 戦人は真里亞に石を譲る。集めた個数は真里亞が一番になる。
「このガラス石、早くママに見せてあげるの! 真里亞が優勝したってママに教えるの!」
「いっひっひ。俺が見つけたヤツを譲ったんだけどなー。」
「うー! 真里亞がもらったから、真里亞のものなの! だから真里亞が優勝なの! うーうーうー!!」
 これも魔法だ。真里亞は優勝したわけではなかった。しかし戦人の計らいで「優勝したという結果」が生み出された。真実を知らない人にとって、優勝者は真里亞となる。真実を知っている人が口を閉ざしている限り。
 たとえ話が連発されている。これだけリフレインすれば多くの読者が隠喩だと気づくだろう。

▼薔薇庭園
 この世界を信じられないという縁寿に、戦人が自分の解釈を語る。金蔵は時には厳しいところもあるが、家族には優しい人だった。オカルト趣味は事実だが、それも孫との交流を楽しむために利用していた。
「……オカルト好きで西洋かぶれの祖父さまが、ハロウィンをやらないと思うか?」
 ああ……この解釈は思いつかなかった……。これはいいな。すごく。
 しかし縁寿は戦人の解釈を信じない。二人のやりとりと直後の地の文を引用する。

「…………………そうだな。……これは全て俺の、作り話だ。」
「ほら!! 認めたわね? 認めたじゃない!! やっぱりこれは、お兄ちゃんの嘘なのよ…! どうして嘘を吐くの?! どうして私に、真実を教えてくれないの?!」
「……真実より。……もっと大切な。……どうしても伝えたいことがあるからだ。」
「真実より大切なこと……?! 何それ、わけわかんないッ。」
「それをわからせるためのものが、俺のゲームだ。」
 かつてベアトのゲームが、戦人に魔女の存在を信じさせようとすることが目的だったように。
 戦人のゲームは、……縁寿に、真実より大切な何かを、伝えることを目的とする。

 あれ、そうか……EP4までのゲームは、魔女となって世界から去ったヤスが「自分の存在を認めてくれ」とメッセージを送っているに等しいのか。そういう意味合い、あるよね?

 信じるかどうか。
 納得するかどうかは、全て対戦相手が決める。

 やはり魔女は信じてあげるべきなのか。
 縁寿はプレイヤーをやめて傍観者になってしまう。忘れがちだけど、外見は幼くとも中身は十二年後の縁寿なんだよね、この子。だから口調も大人びていた。プレイヤーでなくなった縁寿は六歳相応の少女に戻る。
 ベアトリーチェ来た! この世界を疑う縁寿が去った瞬間に現れたのは必然なんだろう。プレイヤーとしての縁寿は反魔法の毒を有していた。十二年後の縁寿はさくたろうや七姉妹を召還してたのにね。いつ信じられるようになる?
 反応を見ていると、このベアトリーチェは戦人の恋人……なのかな? 魔女ではあるが、「黄金の魔女の孫」らしい。TIPSには惨劇を否定するコメントが付いている。
 ベアトリーチェが縁寿の鍵に気づく。どうやら何に使うものかを知っているようだ。
 これ、最後に猫箱の鍵を開けるために使うんじゃないかなあ。そして箱を開けないという選択肢が登場する。……あり得ると思うんだけど、どうだろう。必ずしも使えばいいというものではない。蓋をすることも重要なのでは?
「あぁ。魔法は存在する。」
 戦人が魔法を認めている。当然だ。魔女と魔法を認めたからこそ、この物語が紡がれるんだから。
 ベアトリーチェが魔法を披露する。おや、ずっと左手を見せておいて、最後に開いたのは「右手」になっている。左手、だよね? 飴玉を出現させる魔法を見て、縁寿は半信半疑ながら興味を持つ。
 挨拶に行くというベアトリーチェに、戦人と縁寿も同行する。

▼貴賓室
 金蔵と会話をするベアトリーチェ。
 死ぬ死ぬ詐欺wwwしかし続けて「もう死んでしまえ」ではなく「百まで元気に生きると誓ってしまえぃ」と言うのがベアトリーチェの優しさ。いいゲーム盤だ。
 この世界のベアトリーチェは、黄金を無償で貸し与えている。死期を悟り、黄金の返却を切り出す金蔵。傷ついた鷲のたとえ話。遺産の分配について指示が出される。
 六軒島が魔女から巣立ち、魔法から醒めるという終焉。……戦人とベアトリーチェは恋人ではなく夫婦なのか。EP6の流れだ。縁寿の鍵はやはり猫箱を開くためのものらしい。
 戦人、ベアトリーチェ、縁寿の会話。後年、流れ着いたメッセージボトルは二本。EP1〜2のことだね。幻のEP3『Land of the golden witch』は未だに気になってます(笑)。この世界のメッセージボトルは、ベアトリーチェが戦人に読ませるために書いた物語の派生。戦人を待つのが惜しくなり、アガサ・クリスティにならって海に投じてみたというだけのお話。
 この物語は真実のはずがなく、それを承知の上で伝えたいことがあるという戦人&ベアトリーチェ。縁寿に何を悟らせようとしているのかが主題。

▼薔薇庭園
 戦人と縁寿をゲストハウスに案内する源次。金蔵は以前から、死後に備えて黄金の返還と遺産の分配を計画していたらしい。

▼十二年後の世界
 大月教授お久しぶりです!
 縁寿の目的は、犯人と確定している絵羽の罪を曝いて復讐すること。ただし確定というのは縁寿の考えに過ぎず、真実とは限らない。戦人とベアトリーチェが気づかせようとしているのはこの誤解かな……。
 天草は少年兵の問題を引き合いに出して、復讐の旅を戒める。
 縁寿は戦人の意図を察するが、この世界でも、六軒島の世界でも、絵羽への復讐をやめるつもりはないようだ。

2011/01/10
■Episode8 ファーストプレイメモ3
▼ゲストハウス・いとこ部屋
 トランプをしている子供たち。
「最後に勝つ為に負けを布石する男、右代宮戦人! いっひっひ!」
 マジかよ! あの無能が(笑)?
 屋敷に移動する一行。縁寿は絵羽とすっかり打ち解けている。

▼屋敷・ホール
 パーティは初めての立食形式。ベアトリーチェはドレスに着替えている。
「アーモンドが入っていたら当たり」という秘密を、絵羽から教えてもらったという縁寿。これは……?
 黄金の返還式。ベアトリーチェは永遠の恩人であり家族だと告げる金蔵。全員が承認の拍手を送る。
「ありがとう、諸君。………ベアトリーチェよ。そなたは右代宮家の一員だ。それは血より尊き絆によるものだ。」
 血より尊き絆。重要な言葉が来た。戦人やヤスに関する推理はもちろん、縁寿と絵羽にも通じる観念だ。
 一族が金策に困窮し、いがみ合っていたのはこの世界でも同じようだ。絵羽が蔵臼のビジネスを順調であるかのように語っていたのはお世辞の一環か。

 ゲームマスターである戦人には、赤き真実を使うことも出来る。
 しかし、赤き真実というルールは、魔女のゲーム盤にだけ出てくるものだ。
 ニンゲンの世界に、赤き真実など、存在しない。
 自らが見て、聞いて。……信じるに足ると、自らが信じたものを、赤き真実として受け入れるのだ。
 縁寿が認めない限り、どんな真実も、真実たりえない。

 その通り、それが赤字の真実。
 ――選択肢が出た。左側、中央の一つ上にしてみよう。
 ザッハトルテの中にアーモンドという当たりがある。縁寿の計算はおかしい。猫箱の中身を推理する際、外の事象に影響を受けることの滑稽さか。あるいは外れを確定させる情報が出揃うまで一切推理をせず、ギリギリになって当たりを探す作業とも受け取れる。
 当たったのは絵羽、だけでなく縁寿もか。アーモンドが二粒入っていたというトラブル。
 ……真実は二つ同時に並び立つ、ということか。その状態を認めるか、認めないか。猫箱を閉じたままにするか、開けてしまうか。そういうテーマのはずだ。

▼屋敷・ホール
 最初の出題者は金蔵。次の日になってもまたクリスマスだったらいいのに……か。六軒島から帰りたくないと言っていた縁寿に重なる出題だ。

▼屋敷・ホール
 選択肢が表示される。「可能」を選択。メダルをゲット。久々にこの効果音を聴いたぞ。メイド・イン・ヘヴン的なやつを(笑)。金蔵は寂しげに無償の愛を語る。将来、世間の評判を知って歪むであろう「縁寿の中の金蔵」と、「縁寿に笑顔を向けた金蔵」。――これ、正解するとその人物の心がかいま見られるのかな?
 次は秀吉の出題。あいうえおかき。「キャベツ」を選択。メダルをゲット。
 絵羽の出題。北、東、南とコの字に歩いたはずが、出発地に戻ってきてしまった旅人の話。これは聞いたことがあるな。「寒いところ」を選択、メダルをゲット。
 十二年後の世界を悔やむ絵羽。この世界の解釈と、以前やった絵羽の考察は一致している(『最終考察うみねこ EP1-4』314ページ「【EP4】縁寿と絵羽の関係」を参照)。どうやら絵羽は譲治に注いだ愛情と同じやり方をしたらしい。それが縁寿にはあまりにも厳しく感じられたということだ。
 続いては郷田。魔法のキッチンの問題。解けてしまうから「アイスクリーム」だろう。せっかくだから絵羽おばさんに相談だ! 考え方は一致、安心して選択できる。シチューの温度は話題になってないからね。メダルをゲット。
 続いて熊沢さん。鯖のデザートって何だ! これは難しい、さっそく相談だ! ……考え方は合ってたのに答えが分からないぞ。語尾でいいの? …………ああっ、砂漠か! デザートね! ってバカー(笑)! そんなシェフで大丈夫か? 問題なくメダルをゲット。
 縁寿が「殻を内側から破る強さ」を得られるかどうかがこのゲームの主題。どんな言葉を送られても、縁寿が受け止めなければ意味がない。
 続いて南條。救急車ではない赤いランプの車はパトカーか。何かと思ったよ。絵羽おばさん頭いいな! 「20」を選んでメダルをゲット。
 続いて源次。消えたろうそくの長さは? 一瞬真面目に計算式を考えてしまい、絵羽おばさんの頭の良さを再確認するでござるの巻。「10mm」を選んでメダルをゲット。「割り算はできますか?」という事前確認がひっかけという罠。先入観を戒める問題だ。
 おお、金蔵と源次は台湾で知り合ったのか。源次が金持ちの放蕩息子だったとは意外だ。影では今も良き友人として付き合っているらしい。これは戦人のゲームとはいえ、真実と見ても良さそうだなあ。もちろん別の説として、福音の家を絡めつつ「二人が親友であるという結末」を考えたりしてもいいのだけれど。真実の捉え方次第だね。
 続いて夏妃。白黒白黒……二等分して考えれば黒だよね? と思ったら鍵盤かこれ。引っかけの定番だよね! だまされかけたことからは目をそらしつつ、メダルをゲット。
 続いて蔵臼。縁寿相手にビルのテナントとか言うな(笑)。と思ったらやっぱり引っかけだった。問題文を見落としていて真剣に悩んだぞこれ。本数をカウントする「ほん」「ぼん」と同じやつだね。メダルをゲット。
「絆は、心で育むものです。血の繋がりなど、それに劣るものです。」
 再び血縁が話題に。夏妃が突き落とした赤子と、もう彼女を恨んでいないというベアトリーチェ。
「妾のことで悔やんでくれてありがとよ。……でもよ、妾はもう恨んでねぇからな? それだけは信じてくれよ。…………カアサン。」
 EP5のゲーム盤と対比される解釈だ。

2011/01/12
■Episode8 ファーストプレイメモ4

▼屋敷・ホール
 紗音と嘉音に声をかける。そういえば二人が同時に目撃されているね。六歳の縁寿は探偵ではないということかな。十二年後の縁寿が入り込むとどうなるんだろう。マスターの戦人は探偵権限を許可していない気がするなあ。主観の信頼性も自分で決めろって言いそうだ。
 まずは嘉音。差は18、32、X。……? 違うな。……絵羽おばさーん! プラチナが金より安い? ……間違えてしまった。答えは原子番号か……。
 続いて紗音。名称の頭文字じゃないなら味かな。ブラックコーヒーは苦いからN。ということで、すっぱいの頭文字「S」。メダルをゲット。紗音と嘉音の裏事情は語られない。気になるんだけどなあ。両方正解していないから?
 続いて楼座。地下貴賓室まで楼座無双でたったの三分、さすが楼座さんだ。これは普通の計算かな。「楼座さんならインゴットをまとめて持ち出す腕力がある」でもいいが、問題文で否定されている。無念。ということで「7個」を選びメダルをゲット……できない(´・ω・`) あれ、引っかけ?
 続いて真里亞。狼と羊のパズルか。
1.羊飼いと野菜が渡る
2.羊飼いが戻る
3.妻と肉が渡る
4.妻が戻る
5.農夫と妻が渡る
6.農夫が戻る
7.農夫と羊飼いが渡る
8.羊飼いが戻る
9.羊飼いと牛が渡る
10.羊飼いが戻る
11.羊飼いと羊が渡る
 ……かかり過ぎな気がする。……ほら外れた(´・ω・`)
 続いて霧江。絵羽に突っ込まれた留弗夫が静かに泣いているwwww「梨花」で正解、メダルをゲット。
 続いて留弗夫。美代子は左側しかあり得ない。ということで「美代子・梨花・沙都子」。メダルをゲット。霧江が絵羽に声をかける。自分の死後も縁寿を頼むと言っているかのようだ。
 留弗夫がようやく秘密を明かした。……おお、留弗夫と霧江の子で正解なのか? もっとあの説を深く追いかけておくべきだったかなあ。流産したのは明日夢だった。赤子の入れ替えか……留弗夫は明日夢に霧江との子を押しつけて、戦人と名付け育てた。

 霧江に子供が出来れば、2つの家庭が生まれてしまう。
 しかし、霧江が死産になり、生まれた子供が明日夢の子ということなら、全ては丸く収まる。

 これが理由か……。正妻の明日夢が流産し、浮気の関係だった霧江との間に子ができては都合が悪くなるから。いやー深読みを重ねすぎたか。せめて、あの考察で主眼に据えた「血縁関係」というテーマが的中していることを祈ろう。でも留弗夫の台詞を読む限り、戦人とヤスは双子ではないみたいだね。……この出生の真相、戦人の解釈なのかなあ? 彼はそれを知っていた、あるいは予想していた? 客観的な真実と一致しているように見えるんだけど……。
 続いて朱志香&譲治。三つの箱から当たりを当てるゲーム。だが単なる運試しではないらしい。「……ちょっとビックリした。……いいえ嘘です」って可愛いな縁寿、急に敬語か(笑)。緑の箱はびっくり箱だった。縁寿が選んだ赤い箱は、二人が何度も「本当にいいのか」と確認してくる。どうも「それは外れだよ」というメッセージに見えるね。だから運試しじゃない、二人を信じられるかどうかのテストだ。……でも絵羽おばさんと朱志香の会話では「どの箱を選んでもびっくり箱を一つ開けるつもりだった」と言ってるなあ。当たりの箱を選んでいたら疑心暗鬼に囚われるだけの気もする……しかし「青い箱」が正解でいいんじゃないかな。確率が高いのはどちらか、という問題だし。
 メダルを2枚ゲット。いやこれ、多分もっと専門的な話だな。偶然当たっただけだ。後で確率論を調べてみよう。
 譲治と朱志香が問題の意図を解説する。選んだケーキは変わらないのに、新たな情報を得ることで当たりが生まれる確率が変化する。
「君の手の中の真実は、不変じゃないんだ。それは君に対する様々な干渉で変化してしまう。……だからもし、君がその手の中の真実を大事にしたいと願うなら。」
「その真実を、縁寿が自分で守るんだ。それを、忘れるんじゃないぜ。」
 六軒島の真実をどう解釈するか、という問題に関わっている。
 眠り込んだ縁寿に別れの言葉をかける一同。どう見てもEP3〜4の後日談は現実で、それを縁寿がどう受け止め、解釈するかに主眼が置かれてるよなあ。全員生還は望めないのか。つらいなー。パラレルワールドの「if」も期待したんだけど、仕方ない。受け入れる覚悟をしておこう。
「白き魔女になるか、黒き魔女になるか。……それは縁寿が決めるよ。私は、その両方を伝えた。」
 真里亞の言葉が印象的だ。EP4の縁寿は、最後の最後に黒き魔女になってしまった。そして死ぬ。さくたろうや七姉妹を蘇らせた白き魔女としての道を進めば、別の結末があり得たはずだ。
「幸せも運命も、作るのは自分」と何人も口を揃えているね。
「……幼さゆえに、やさしき思い出を記憶に留められなかったそなたを、誰も責めはせぬ。しかしそれでも、思い出してやれ。……忘れることが罪ではない。……思い出さぬことが、罪なのだ。」
 そうか、この解釈では戦人の罪(約束を忘れ、思い出せなかったこと)が縁寿にも当てはまるのか。まさかこう繋がるとは……。
 ベアトリーチェはこのパーティーがあくまでも幻想であることを確認するが、戦人はこう断言している。
「でも、思い出せただろ…? みんながどれだけやさしくて、………楽しく親族会議で団欒していたか、……本当のことを、思い出してくれただろ…?」
 思い出せた、という言葉は重要。彼は「真実を元にした幻想なんだよ」と言っているのではないか? 体調を崩しやすい縁寿が六軒島を訪れた、一九八六年よりも昔の真実をこの年に当てはめている……。違うか?
 獲得したメダルは十四枚でした。金蔵から、メッセージカードと共に紋章入りの懐中時計が贈られる。ここで時間という要素が登場するのはなかなか感慨深いものがある……。

2011/01/13
■Episode8 ファーストプレイメモ5

▼屋敷・ホール
 二次会のスタート! 縁寿はやはり反魔法の毒素を持っていたようだ。どちらの縁寿でもそうだったのかな。幼い頃に真里亞と喧嘩別れしてたし、考えてみれば当然か。
 勢揃いする幻想組の皆様。――と思いきや、ヱリカだけ所在不明か! この世界でも復活できないとは……ベルンカステルなら居場所が分かるらしいが……。やはり現実世界での死を暗示された特別な存在だからかなあ。謎の解明に関して彼女が無関係とは思えない。後半でどう絡むのか気になる。
 戦人はベルンカステルにも感謝しているという。この結末を迎えるのに必要だったと。そうだろうそうだろう、全部必要なことだったんだから。
 ウィルと理御まで来た! 駒が潰される直前でフェザリーヌとラムダデルタに救われていたようだ。

▼屋敷・客間
 目を覚まし、ホールに戻ろうとする縁寿。しかしドアが開かない。……これはEP6の客室と同じ描写か。あの奇妙な女言葉の主観(EP6における「何、これ……!? 誰か来て…。どうして声が出ないの…!?」という一人称の文章)は、まさか縁寿に重ねられたもの? 緑色の猫の目――ベルンカステルの登場だ。
 縁寿は猫に導かれた窓から出て、壁伝いにホールの窓を経由し、食堂へ。そこには血まみれの死体が! そのうち二人は留弗夫と霧江のようだ。やはり介入してきたな、ベルンカステル! 二つのゲームが並立するという予想はどうやらいい線を行っていたようだ。でもまさか混ざりあったゲーム盤になるとは……。別々の世界になると思ってたよ。

▼屋敷・ホール
「わかるよ、その気持ち。僕たちは誰かに命令されて初めて、生きる価値が生まれる。」
 と嘉音。EP7に出てきた「命令権限」ってやつか。生みの親に命じられないといけないからね。
 縁寿の様子を見に行った戦人が戻ってくる。客間には鍵がかかっていたらしい。戦人は紗音を伴って客室に向かう。気になる組み合わせだね、この二人。

▼屋敷・客間
 マスターキーで鍵を開け、縁寿が窓から抜け出したことを把握する戦人と紗音。

▼屋敷・ホール
 戻った戦人たちを含む一行の前に、二人目のゲームマスター・ベルンカステルが姿を現す。彼女は正面切って戦人たちと勝負がしたいらしい。縁寿はそのための人質。立会人はラムダデルタ。縁寿だけでなく、ヱリカも救えと要求する戦人たち。ヱリカのことを友人と認めている。しかもベルンカステルとも友人になりたいと言い、彼女もそれを望んでいるようだ。これは驚いた。
 さあ、面白くなってきたぞ!

▼魔女の喫茶室
 ベルンカステルがマスターとして始めるのは、赤と青の応酬がない犯人当てゲーム?
「動機もトリックも切り捨てた。……あんたたちに求める答えはたった一点よ。」
「フーダニット。」
 なんと、純粋なニンゲンのミステリをやろうというのか。
 ベルンカステルがしおらしい……悪意たっぷりだったEP7のエピローグからすると、奥の手を隠していそうな気もする(笑)。
 おおお、朗読者というフィルタが存在しないのか。初めてじゃないか、純粋に読める物語は。やる気がさらに増してきたぞ。ベルンカステルがゲームをスタートさせる。

▼屋敷・食堂
 縁寿が目撃したあのシーンはもはやゲームの一部だったようだ。犠牲者は六人。留弗夫、霧江、絵羽、秀吉、源次、楼座。縁寿は猫の爪音に導かれて廊下に出る。

▼屋敷・ホール
 宴の気配は微塵もない。二階へ赴く。

▼屋敷・夏妃の部屋〜薔薇庭園〜ゲストハウス
 猫が差し出した鍵は血まみれだった。悲鳴を上げる縁寿。
 中には蔵臼と夏妃の死体がある――と説明されている。まだ縁寿は中に入っていない。神の視点での状況説明だ。以後の死体提示も同じ。
 薔薇庭園には紗音の死体。小道には朱志香の死体。
 ゲストハウスの玄関を入ると南條の死体。その脇の使用人室に郷田と熊沢の死体。
 死体の数は合計で十三。

2011/01/14
■Episode8 ファーストプレイメモ6

▼屋敷・食堂
 第一の晩、と大きなテロップが表示される。
 第一の晩が発覚したのは翌朝の六時。……あれっ、郷田さんが生きている。んん? 待てよ、さっき説明された十三人分の死体は未来の出来事か。この時点ではまだ六人しか死んでいない。焦った(笑)。
 郷田によると食堂は施錠されていた。紫の字は何を意味する?
 証言を続ける発見者たち。死は確実のようだ。食堂は密室。使用人たちにアリバイはない。

▼魔女の喫茶室
 ベルンカステルがマスターキーに関する赤字を宣言。使用人が使っている五本しか存在せず、他の鍵は存在しない。しかも「マスターキーは常に身に付けられており、奪うことも譲渡することも、自分以外の人間が使用することも出来ない。」という赤字もある。
 可能性は――犠牲者が中から鍵をかけて息絶えた。使用人が共犯、もしくは脅されて施錠した。使用人が実行犯とは限るまい。まるで関わっていない可能性もあるということだ。

▼屋敷・食堂
 夏妃は死んだ源次のマスターキーを破壊したのだという。

▼屋敷・客間
 第二の晩、と大きなテロップ。
 腹の探り合いに疲れてバラバラになる一行。二階に行った蔵臼と夏妃が戻ってこない。

▼屋敷・夏妃の部屋
 発見される死体。条件は食堂と良く似ている。しかし、使用人は全員一緒に行動しており、お互いのアリバイを証明できるという。
 ……この時点で使用人全員が無関係、または全員が共犯というパターンに絞り込まれた。そうでないならこの現場も犠牲者が内側から施錠したことになる。
 一行は夏妃の部屋と食堂をガムテープで封印。その上、屋敷にも封印を施す。

▼魔女の喫茶室
「ヱリカの影響でな。どうにも検死ってヤツを疑わずにはいられねぇ。」
「つまり、最初の食堂の6人の犠牲者の誰かが生きていたと?」
「あぁ。そしてその後、蔵臼夫妻を殺した。そして内側から施錠し、室内に隠れていて、機を見て逃げ出したんだ。」
 戦人くんその推理好きだな(笑)! あり得るけども! 何だか懐かしい気分になって笑ってしまったよ。EP2〜3の頃を思い出すよね。
 あれっ、赤字と青字の応酬をやってるぞ。
 ……んん? 宣言された赤字を見ると、「(一同の)退出に犯人は加われない」としか言ってないな。一同が部屋に踏み込んだ直後、ドアの影から入れ替わりで脱出するパターンは生きているのか。

▼薔薇庭園
 第四の晩、と大きなテロップ。
 籠城したゲストハウスから所用で外に出た紗音が死体で発見される。嘉音も行方不明に。
 犯行は譲治以外の全員に可能だったらしい。

▼魔女の喫茶室
 赤字の宣言。嘉音は永遠に行方不明になる、か。彼の消滅条件の一つは、シンプルに「紗音の死」であることが確定。ヤスの分身たる紗音を嘉音の生みの親と見なしているんだろうね。拠り所を失った嘉音は消え去る。
 つまり実質的な犠牲者は十四人だ。嘉音がプラスされた。

▼ゲストハウス
 第五の晩・第六の晩、という大きなテロップ。
 籠城して議論していた一行。使用人室で郷田と熊沢の死体を発見。マスターキーがすべて失われる(マスターキーが破壊されたという説明はないが、本人にしか使えないため実質的に同じことだ)。
 誰にもアリバイはないようだが、彼らを殺せなかったという論拠が「返り血を浴びている人がいないから」という頼りないもの。ならば遠距離から殺せる銃……ではないのか。銃声ならさすがに気づくだろう。ちょっと不思議だ。

▼ゲストハウス
 第七の晩、という大きなテロップ。
 玄関の内側で南條が殺されている。封印は破られていないらしく、全員にアリバイがある。いよいよ不思議になってきた。彼ら以外に「未知の人物X」がいるというのか? ヤスという駒がEP7で示されているが……。
 ――ちょっと待てよ、全員自殺か? つまり犯人は存在しない。フーダニットは犠牲者全員、あるいは誰でもない。これはありそうだなあ。犯人を仮定し論じ続けてきた過去のゲーム盤、そして我々。絵羽を犯人と決めつけて復讐の旅に出た十二年後の縁寿。「犯人がいない」は、それをすべて否定できる一手だ。ベルンカステルめ……味な真似を……!

▼薔薇庭園
 第八の晩、という大きなテロップ。
 犯人への怒りからゲストハウスの外に走り出た朱志香が、死体となって発見される。
 残された三人は一緒に行動しており、朱志香を殺せない。当然だ。
 これで物語は終わる。

▼魔女の喫茶室
「……これで、私の物語はおしまいよ。」
「なかなかよく出来てるじゃない。ちゃんと朗読したなら、ベアトのゲームに混じってても不思議じゃない物語だったわ。」
「それは認めるぜ。よく出来てた。」
「まぁ、ここから朗読して観劇に耐えるものにするのが骨なのであるが。」
 ちょ、ベアトwwwプロットから物語を書き起こす作業は大変だからね(笑)! 『うみねこ』はゲーム盤の裏側、メタ世界との絡みもあるし!
 ベルンカステルによると、紫の字は「紫の発言」と呼ぶらしい。意図は「重要な発言」。注意喚起ということか……と思いきや、赤き真実に等しい力を持つようだ。ただし犯人は紫の発言で嘘をつける。犯人でない者は紫の発言で嘘をつけない。なるほど。
 でも、犯人がいないとすれば関係ないよね。「誰かが嘘をついているかも」と疑う心そのものを戒める仕組みだ。一見するとハロウィンパーティーの後半に出てきた嘘つきの問題に似ているけど、これはそうじゃない。
 ルールの前提条件が説明される。
●犯人の定義とは、殺人者のことである。
●犯人はウソをつく可能性がある。
●犯人は殺人以前にもウソをつく可能性がある。
●犯人でない人物は、真実のみを語る。
●犯人でない人物は、犯人に協力しない。
●犯人は全ての殺人を、自らの手で直接行なう。
●犯人が死ぬことはない。
●犯人は登場人物の中にいる。
●紫の発言は、赤き真実と同じ価値がある。ただし、犯人のみ、紫の発言でウソがつける。
 ……あれっ(笑)? 全員自殺だと「犯人が死ぬことはない」に抵触するぞ。しかも「犯人は登場人物の中にいる」のか。急に難しくなってきたぞ。「犯人は殺人以前にもウソをつく可能性がある」――これが鍵かなあ。
 まさか「この条件は白字だから嘘ですよ。犯人はいませんよ」ってことはない……よね(笑)?
 ルール追加。
●朗読者はウソをつかない
 つまり地の文に嘘はない。ゲーム開始前に「朗読者はいない」って語られていたから、つまり「犯人の台詞を除き、我々が読んだものに嘘はない」と読み替えればいいわけだね。
 ラムダデルタが以上の情報で犯人を特定できることを保証。
 ベルンカステルが読者に語りかけてくる。筆記用具を用意して、戦人とベアトリーチェのヒントに頼らず立ち向かってこいというメッセージ。「あなたのためだけに、生み出した私のゲーム」というのは面白いね。我々の意識を視野に入れているということだ。何のために? 「これこそが過去のゲーム盤の中身であり、解き方である」と考えるのが妥当だろう。

■ベルンカステルとのゲーム開始
▼???
 真っ先に、誰も選択せず「犯人を選択」してみたら、戦人が情けない顔になったwwwやっぱりダメですか(笑)。望まぬヒントを得てしまった……ハロウィンパーティーの時に縁寿が受け取ったヒントだし、まあいいか。全員を選択しても同様にダメ。まっとうな謎解きということだ。
 気合いを入れ直して行ってみよう。当然ノーヒントで行く。
 殺された人物は「本当に死んでいる限り」犯人ではないため、嘘をつけない。ここからだな。「第一の晩の犯人は確実に6人を殺している。」という赤字があるな。これは重要。また、犯人が一人であるとは語られていない……。

・死亡していない人物がいる可能性(これが重要。未知の人物Xが存在するはずはない)
・現場が施錠されていなかった可能性(紫の発言には必ず隙がある)
・マスターキーが破壊されていない可能性(施錠と併せて殺害条件が変わるかも)
・殺人犯が複数いる可能性(紫の発言を追う際、大事な条件になる)
・第一の晩で使用人以外の犯人が中に潜んでおり、入れ替わりで脱出した可能性(この手の引っかけは多分ないと思うが……?)

 混乱してきた。まずは信頼が置ける情報を抜き出してみよう。

・地の文または赤字で、死亡したことが明記されている人物
 絵羽、秀吉、留弗夫、霧江、楼座、源次(以上、第一の晩発生時点。赤字にて)
 朱志香、南條、嘉音(嘉音は赤字で保証)

・紫の発言が信頼できる人物によって、死亡が語られた人物
 郷田、熊沢、南條(以上、朱志香の発言)
 蔵臼、夏妃、紗音、郷田、熊沢(以上、南條の発言)

・生存者
 戦人、譲治、真里亞(三人は最後まで生き残っている)

 死亡が確定した人たちの紫の発言は信頼できる。
 でも朱志香の発言を踏まえると、南條だけは誰にも殺せない気がするなあ。彼だけ自殺ということか? それとも生きていた犯人が外からマスターキーで開けて南條を殺し、施錠して立ち去った?
 遡って、ゲストハウスで生き残っていた人物は郷田と熊沢も殺すことができない。朱志香が認識していない生者がいる。
 まずは「自殺者はいない」という前提で考えてみよう。

◎推理開始

・第一の晩
「第一の晩の犯人は確実に6人を殺している。」という赤字がある。しかしこれが宣言されたのは第二の晩の後。この時点ではまだ生存者がいたことを疑える。つまり、六人のうちの誰かが内部から施錠すれば、使用人がいなくとも現場の構築が可能ということ。

発見時、確実に死亡している人物……源次(嘉音、南條の検死)
発見時、生存の可能性がある人物……楼座(真里亞の検死)、留弗夫、霧江(戦人の検死)、絵羽、秀吉(譲治の検死)

 六人の中に自殺者がいる可能性は赤字(6人を殺している)で否定されているようだ。
 食堂は施錠も封印もされずに放置されている。犯人が再びここを訪れて、生存者を殺した? あるいは、六人の中に生存者がいるパターンであれば、自由に現場から立ち去ることもできた。
 真里亞が犯人だった(嘘をつける)場合、彼女の紫の発言である「即死」という限定が外れるため、「被害者は傷を負ったがまだ生きており、内部から施錠をした後に息絶えた」というパターンが使える。内出血密室だ。
 ……いや、待てよ。使用人は全員グルか全員無罪のどちらかだ。そして状況と発言を追っていくと、全員グルというのはあり得ないことが分かる。使用人が容疑者から除外されるなら、施錠は内部から行う必要がある。つまり「六人全員が即死した」という状況は絶対にあり得ない。発見時に生きていなければならないんだから。真里亞は犯人の一味だ。
 つまり真里亞が検死した楼座は生きている……と思いきや、ここはイコールとも限らないな。

第一の晩の容疑者……戦人、譲治、真里亞、留弗夫、霧江、絵羽、秀吉、楼座(真里亞はどこかの事件の犯人であることが確定)

・第二の晩
 夏妃の部屋は施錠されていた。一緒にいた使用人全員がグルということはあり得ない。死亡が確定した使用人がいる以上、彼ら全員による共犯説はすでに除外されている。
 蔵臼と夏妃が自ら鍵をかけて自殺したパターンは、第一の晩と同じくまずは外して考える。
 夏妃の部屋、食堂、屋敷全体に封印が施されるのはこのタイミング(蔵臼と夏妃の死体発見後)。死んでいなかった第一の晩の「犠牲者」が、事前に屋敷から脱出していた可能性がある。
 ――赤字宣言「第一の晩の犯人は確実に6人を殺している。」は罠か? 第一の晩の被害者六人、という限定がかかっていない。まず四人殺し、二人が生存。同一犯が蔵臼と夏妃を殺して「6人を殺し」でも通ってしまう。これは怪しむべきだ……。ここに隙がない限り、第一の晩の生存者は屋敷の封印によって以降の事件に関われなくなる。正体不明の殺人者が存在しなくなる。誰かが生きていたと見て間違いない。
 しかし、それでは夏妃の部屋を施錠できない。犯人は中に潜んでおり、一行が踏み込んだと同時に脱出したのではないか。一行の退出時に混ざって出ることと、ずっと室内に隠れていて後で出ることは禁じられているが、踏み込んだ瞬間の入れ替わり脱出は禁じられていない。

第二の晩の容疑者……戦人、譲治、真里亞、留弗夫、霧江、絵羽、秀吉、楼座

・第四の晩
 紗音の死亡を確認したのは南條と譲治。南條の検死は信頼できる。
 犯行は譲治以外、誰にでも可能だった。
「紗音殺しに限っては、譲治兄さんには不可能なんだ。」(朱志香の発言)

第四の晩の容疑者……戦人、真里亞、第一の晩の生存者(この事件は譲治が除外される)

・第五・六の晩
 郷田と熊沢の死は朱志香の発言で確定している。
 現時点で生存していることが明らかな人物には、二人を殺せなかった。
「いとこ4人と南條先生には、郷田さんと熊沢さんは殺せない。」(朱志香の発言)
「ゲストハウスの戸締りは完璧だったよ。」(譲治の発言)
「マスターキーはもう、ここで死んでる2人の2本以外、存在しない。」(戦人の発言)
 ――戸締まりを行う前に、第一の晩の生存者が中に入り込んだと見て間違いない。それは誰か? というのが最大の論点だ。(一行はゲストハウスに入った後、内部で別行動を取り、戸締まりと確認を行っている。戦人は「全員、アリバイがない」と発言しており、誰もそれを否定していないため、戸締まり完了前にかなりの隙があったということになる)
 事件後、地の文で「郷田と熊沢のマスターキーも破壊され、これで全てのマスターキーが失われた」とある。信頼できる。以降、マスターキーは絶対に存在し得ない。(ただし、すでに使用人共犯説が崩れている以上、先ほどの戦人の発言と同様あまり重要な情報ではない)

第五・六の晩の容疑者……第一の晩の生存者

・第七の晩
 犯人は第五・六の晩が起きる前にゲストハウス内に入り込んでいる。南條を殺すことは容易だ。
 ここでも自殺説は保留する。
 犯人は南條を外に連れ出して殺害。その後、死体を玄関内に引きずり込んでドアを内部から施錠し、再びゲストハウス内に身を隠した(パターンA)。あるいは外に出ることなく、現場で即座に殺した(パターンB)。
 ――パターンBの場合、「ゲストハウス内で南條先生を殺すことは不可能」と発言した譲治は嘘をついていることになる。戦人の「南條先生がゲストハウスを出ていない証拠だ…!」とは相反するため、どちらかが犯人の一味。(譲治の発言が正しく、戦人の発言が嘘だったなら、南條はパターンAで殺されたことになる)

第七の晩の容疑者……第一の晩の生存者

・第八の晩
 現時点で生存していることが明らかな人物には、朱志香を殺せなかった。
 朱志香は自ら外に飛び出していったため、ゲストハウス内に潜んでいた犯人が後を追って殺害するのは容易。(犯人が先に外に出て待ち伏せるパターンでは、出入り口の施錠が破られていることを朱志香に気づかれてしまう。あるいは戦人と譲治のどちらかが内部から施錠していた? その場合、犯人は第七の晩で南條を殺した後、ゲストハウス内に再び身を隠す必要がなくなる)
「譲治お兄ちゃんだって、大人は殺せないよ。子供は殺せるけれど。」という真里亞の発言を信じると、譲治が殺せる相手は嘉音だけになってしまう。だが嘉音は行方不明であり、文字通りに殺されたとは考えにくい。つまり譲治は犯人ではない。これが本当なら譲治は白。犯人は戦人。
 ――だが、「真里亞ちゃんには誰も殺せないよ。」という譲治の発言が正しいとすると、第一の晩が成立しなくなる。あの現場に生存者がいたことは間違いないと思われ、真里亞の「即死」発言は絶対に嘘でなければならない。よって譲治が白というのはあり得ない。

第八の晩の容疑者……第一の晩の生存者

・犯人特定(結論)
容疑者……譲治、真里亞、絵羽、秀吉
推理……第一の晩で生き残っていたのは絵羽と秀吉。第一の晩の犯人である譲治は、代わりに蔵臼と夏妃を殺害して赤字の条件「6人を殺している」を満たす。絵羽か秀吉が夏妃の部屋に入って施錠。一行が死体を発見した時にドアの影から飛び出し、入れ替わりで逃げる。第四の晩、紗音を真里亞が殺害(要点は真里亞が誰か一人でいいので殺害を果たし、犯人になること。それが可能になるのはこの現場のみ)。第五・六の晩、絵羽と秀吉がそれぞれ郷田と熊沢を殺害。第七の晩、南條を絵羽と秀吉が殺害。第八の晩、朱志香を絵羽と秀吉が殺害。
 いざ「犯人特定」へ。
 ――あれっ? 違った……。おかしいな。組み合わせを変えてみるか。

容疑者……戦人、真里亞、留弗夫、霧江

 何で違うんだろう?∠( ゚ω゚)/
 さっきの推理で違和感があるのは真里亞なんだよな。紫の発言を再確認する。
 ……そうか。真里亞の発言を読み違えていた。第一の晩で「六人が即死」とは言っていない。「犠牲者はみんな、即死」だ。犠牲者が四人であっても通る。つまり真里亞は嘘をついておらず、犯人ではない可能性が出てくる。ということは、譲治の「真里亞ちゃんには誰も殺せないよ」という発言も正しい可能性が出てくる。つまりこうだ。

容疑者……戦人、留弗夫、霧江

 ――通った! いやー大変だった。ルールに「●犠牲者は誰も自殺していない」が入っていたら、迷いが消えて難易度が下がっただろうね。
 このゲーム、やはり嘘が軸になっているんだよね。「嘘つきを探すゲーム」と言っても過言ではない。以前の考察で述べた通り「戦人がついた嘘(六年前の約束を破ったこと)」に対応した要素だ。ここまで考えさせれば、誰もが過去のゲーム盤のリフレインだと気づくだろう。今までに使われたトリックをほとんど織り込んでいる印象だ。生ける死者の犯行。各所の嘘。赤字の時間差トリック。密室を成立させるためのトリック。共犯者……。過去のゲーム盤の中身がほぼ公開されたようなものだね。

2011/01/15
■Episode8 ファーストプレイメモ7

▼ゲストハウス
 生存者を捜して回っている縁寿。死体が発見されていないのは戦人、譲治、真里亞だけのようだ。ゲーム盤と同じだね。……これ、残酷なシーンを見せつけることにならないか?

▼薔薇庭園・園芸倉庫
 譲治が冴えた推理を披露。さすが魔王。対して戦人が白々しい(笑)。真里亞はいつも通りだ。
 ……んっ? 真里亞の推理によると、留弗夫と霧江について「その片方が、夏妃伯母さんたちを殺し、内側から鍵を閉めて、部屋に留まる」のだという。そうか、ずっと隠れていることもできたのか。入れ替わり脱出より、そっちの方がずっとスマートだ。後で再確認してみよう。
 現れる留弗夫・霧江。ついに本性を見せる戦人。譲治と真里亞が撃ち殺される。
 縁寿の前に山羊さん登場。……私服ですって(笑)? 危機に駆けつけたのはあの黒猫。剣で一閃したように見えたから、一瞬ウィルかと思ったよ。ベルンカステルが助けに来たのか。六軒島の謎について、世間では絵羽犯人説から留弗夫一家犯人説に変化していったのだという。聖ルチーア学園の制服を着た山羊さんがとてもシュールです。
 山羊の台詞によると、紗音を殺したのは戦人だったようだ。
 留弗夫一家犯人説を否定する黒猫(?)。譲治一家でも可能だという。……譲治が島外で殺人を犯していた可能性? それは考えもしなかった。
 うおおっとぉ、ヱリカじゃないか! ビックリした! 熱いな!
 エヴァまで来た……! 山羊を一網打尽にした後、縁寿に声をかけて立ち去るエヴァ。
 六軒島の真実はどこにあるのかと求める縁寿。それに応える真実の魔女・ヱリカ。

▼都会の上空
 十二年後の姿でベルンカステルと対面する縁寿。
 EP7のあの赤字「これは全て真実」は、やはり「とは限らない」と続く予定だったらしい(笑)。もちろんこの告白が真実であるとは限らないけど、今のベルンカステルはちょっと優しい気がする。
 真実を知ることは、家族の生存を諦めて現実を受け入れるということ。EP7でその覚悟を得た縁寿は、改めて真実に至る道を求める。――戦人が渡した鍵の意味に近づいてきたぞ。どうするんだ、縁寿。

▼屋敷・ホール
 ベルンカステルを讃える戦人たち。一行が集まり、彼女のゲーム盤を眺める。
「解けるように出来ていることを、まず信じろ。……問題は解けるように出されていると、出題者を信頼して初めて、思考の戦いは始まる。」
 ウィルの発言。その通りだ。「何を信じるか」はEP2の頃から何度も突きつけられた問題だった。ベアトリーチェを信じなければ赤字を信じることができず、ゲーム盤に挑むこともできない。まさに当時の考察で主張した通りだ。(『最終考察うみねこEP1-4』89ページ「【EP2】定番のトリック、および赤字発言をした魔女の意図」を参照)
 戦人はベルンカステルを友人と見なしている。ベルンカステルもまんざらではなさそう……と思いきや不穏な空気が……まだゲームは終わっていない? こいつはまったくもう!

▼フェザリーヌの書斎
「……続きなんて甘いものじゃない。これが、本当の最後の、ピリオドのゲームよ。」
 ベルンカステルは自分のゲームですべてを終わらせる気か。

 お兄ちゃんが、あの日に何があったのか教えようと言うから、……私はお兄ちゃんの後についていけば、全てがわかるに違いないと錯覚していた。
 ………それじゃまるで、あの日の全ては魔法の仕業だったと主張するベアトに、お兄ちゃんがウンウンと頷きながらついていくようなものじゃないか。

 それでいいと思うよ。「お兄ちゃんの言うことは、すべて信じなさい」って言ってたよね戦人。今や、魔女は否定すべき存在じゃない。共に認め合うことが必要だ。戦人がルールも教えずにだまし討ちをした? 縁寿は根本的なところを勘違いして、ベルンカステルとフェザリーヌにだまされている。

▼八城の自宅?
 現実世界。八城が錠前で閉じられた本を持ってくる。冒頭で戦人が「あの本は駄目だ」って言ってたやつ?

▼フェザリーヌの書斎
 どうやら合っているようだ。これは読んじゃダメだぞ縁寿……。世界が崩壊してしまう。

▼屋敷・ホール
 縁寿とヱリカがまだ到着していないようだ。解放の約束は守られるのか……?
 ベルンカステル曰く、
「……ヱリカなんか、私の紅茶はポットの最後の一滴から、お味噌の壷の底まで綺麗に舐め取るわよ。」
 変態だー!
 ホールに戻ってきた縁寿の敵対的な態度。楽しげな雰囲気は消え去ってしまう。
「1986年の真実など存在しない。猫箱の中は虚無だ。……お前は、ありもしないものを求めてる。」
 虚無。『虚無への供物』へのオマージュなのか。……虚無? どういうことだ? 明かしたくないもの、ではないのか。まさか誰も島に行っていなかったとか、そういうパターン? まさかね……。誰一人として戻ってこない理由が分からず、遥か昔に捨てた説だ。それは。
 エンジェ・ベアトリーチェ再来。彼女は過去を塗り潰せるという「未来の優位性」を主張している。事実だ。未来の彼女に勝てる過去は存在しない。
 そういえばエヴァには招待状が出ていなかったんだね(笑)。絵羽と同一人物だからスルーしてたよ。未来のメッセージボトル、六軒島の真実を浸食する仮説のカケラが山羊の姿で具現化する。つまり私たちが構築してきた仮説の山だ。久しぶりに怖い山羊さんが見られた。EP2当時の威圧感はこれだよ、これ。幻想組の団結が熱い!
「……悪く思わないでね。……虚無に喰われたら、私だって死んじゃうわ。悪いけど、私は傍観者に回らせてもらうわ。」
 ラムダデルタが言うには、この山羊=未来の仮説が「虚無」らしい。六軒島の真実を浸食して無に帰してしまうからだね。山羊が周囲を食い散らかしているのもそうだし。

▼屋敷・書斎
 山羊は海にも満ちて島を食い尽くそうとしている。
 逃げ場は黄金郷のみ……? それって爆発を起こすってこと?
「一なる三人の魔女」とは誰か。ベアトリーチェ、ベルンカステル、ラムダデルタ? それともヤス、紗音、嘉音? まさかね。「ヤスが生み出した三人の魔女」という意味で前者かな?

▼屋敷・階段
 仮説を呟きながら迫ってくる山羊が面白い。現実と作品が混じり合う――こういう構造はめったに見られるもんじゃない。
 捨て身のロノウェがクールに熱い! 本気を出したら超強いとか思ってたけど、意外にそうでもなさそうだ。幻想を否定する相手にはどうあがいても勝てないということか。
「ヴァンダイン第12則。真犯人が複数であることを禁ず。」
 白字で良かった(笑)。ウィルの楔が全部赤字だったら一瞬で詰むよ、ゲーム盤。
「つまんねぇだろ、そんなミステリー。だから俺は思うぜ。ミステリーはもっと自由であるべきだとな。」
 これが白字だったことへの答えか。その通り。ウィルは登場時からそういう人だったね。
 狂言殺人説でドラノールが戸惑った。当然だ、複数のゲーム盤の軸なんだから。――おお、ウィルが割って入るのか。過去のゲーム盤では途中で本物の死体が出てくるから成立したんだよね。
『……ヴァンダインもノックスも、推理には何の役にも立たない……。』
 ワルギリアとドラノールたちが戦人を励ましたEP5のシーンを一切信じないカケラか。戦人はノックス十戒を杖にして立ち上がったというのに。
 ミステリを語るウィルの叫びが熱い。熱すぎる。でもこれ、怒る読者も多そうだなあ。「俺たちをコケにしやがって!」みたいな。反感を買うことは作者の竜騎士07氏も当然予想しているはずだ。その上でなぜこれを描いたのかが問題になる。
「……俺のこの、最後のゲームの否定だけは、絶対ぇにさせねぇ。…………眠る者の尊厳を傷つける不謹慎を知れ。」
 戦人は黄金の太刀を振るう。眠るベアトリーチェを守る黄金の真実、優しい魔法か。
「無論デス。なぜなら私たちも、バトラ卿のゲーム盤の、大切な駒なのですカラ。」
 ――駒を助ければ、駒があなたを助けます(チェスの名人、ポール・モルフィーの格言)ってやつですね。
 島は切り取られて不可思議な空間に浮かんでいる。礼拝堂だけは無事。そこに縁寿がいる。

2011/01/17
■Episode8 ファーストプレイメモ8

▼礼拝堂
 一なる真実の書を発見する縁寿。ホールにいた絵羽が、妄想を書き留めたものと主張していた日記だ。

▼屋敷上空
 水晶の檻に閉じ込められる戦人。ベアトリーチェを礼拝堂に送り出す。
 ――ヱリカ登場! 戦人とヱリカはお互いに「信じてた」という言葉を口にする。それが『うみねこ』の本質だ。愛がなければ視えない! チェーン密室で赤と青の応酬をする二人は楽しそうだ。二人はすでに友人と言える。

▼礼拝堂
 ベアトリーチェと縁寿の密室対決。二人は似たもの同士ですね。

▼八城の自宅
「丸々社ミステリー大賞」に原稿を渡すことを断る八城。彼女にとって自分の作品は駄文であり、読者に対する皮肉。ミステリと呼ぶにはふさわしくない代物らしい。何か意図があっての発言だろうか。
 しかし改めて原稿を執筆すると言っているな。丸々社が希望した原稿は何だろう? 公表するにはふさわしくない、プライベートな思いがこもった原稿?
「……うまく描けぬ。……人を楽しませる原稿とは、面倒臭いものだな。……何しろ普段、人に読ませるために文字など、書かぬのでな。」
 これが答えか? ――なるほど、縁寿に捧げる物語か。それは出版社に渡さないわけだ。あれは断るための口実だ。あるいは何を読んでも納得しない、縁寿に対する皮肉だったのか。
「“知る”ことと“知らぬ”こと。この二つは不可逆的な関係だと言うことだ。」
「私は1つの物語を、もっともっと深く長く、楽しむことが出来たかもしれない。……退屈から逃れるために、星の数の物語を食い尽くしてきた私は、そもそも初めから、物語を喰らってなどいなかったのだ。……ただ、殺していただけ。……結局は、それが私をも殺すのだ。」
 物語の執筆をやめると八城。縁寿に知らせることなく、彼女の行く道をただ記すだけにする――。縁寿が「一なる真実の書」を読むかどうか、か。それが明らかになれば、ネットに散在するカケラ(=読者が紡いできた仮説)は消え去る。縁寿は封印を解くだろう、と八城。引き出しには書だけでなく、黄金の鍵も入っていた。
「いえ。……十八さまがお目覚めになりました。」
 ――と八城に声をかける使用人。どういうこと? 縁寿に仮名を与えている?

▼屋敷上空
 知らない方がいいことと、知ることの意味を戦わせる戦人とヱリカ。
 戦いながら二人で笑っている。

▼礼拝堂
「私は死ぬために知ろうとしてる」と宣言する縁寿。ベアトリーチェの密室トリックを論破する。おお、真相は「餓死」。……密室の行者よ、あくまでもその道に殉ずるつもりか。
 縁寿はビルから飛び降りた際、家族が帰ってくるという望みを捨てて、真実を知るという復讐の道を選んだ。だから今、ベアトリーチェを倒して「一なる真実の書」に到達できたのだという。……逆だったらどうなっていたのか。それが実現する可能性はゼロではなかった。しかし縁寿は家族生存の可能性を諦めて復讐に走った。この道の先にあるのは絶望だけだ。

▼屋敷上空
「一なる真実の書」は絵羽が書いたものだ。絶対の真実ではない。それを真実として受け入れていいのか。
「えぇ。世の中のあらゆる真実に、意味などありません。意味を生み出すのは、結局のところ、人間ひとりひとりの心の中。……一なる真実でさえ、人が異なれば、生まれる意味が異なる! ないんですよ、真実に意味なんて!」
 ヱリカの言葉はまさにそれを言っているのではないか。ヱリカは探偵だからそれでも真実を求める。では縁寿は?
 推理合戦は互角。ヱリカを取り逃がした戦人は、ベルンカステルの許へ行く手段を失う。

▼屋敷・階段
 書斎では黄金郷への扉が開きつつある。山羊は屋敷の二階部分を除くすべてを食い尽くしてしまった。もはや黄金郷に逃げても時間稼ぎにしかならない。絶望的な状況の中で、理御は最後の一秒まで諦めないという「希望」を語る。いいぞ、それが縁寿の進むべき道でもある。
 現れたラムダデルタに観劇の続行を求める理御。絶対の魔女に対して絶対のハッピーエンドを保証するとは。ハッピーエンドの定義は人によって違う、という言い分が面白い。
 琵琶湖www
 ラムダデルタいい奴だなー。

2011/01/19
■Episode8 ファーストプレイメモ9

▼図書館
「一なる真実の書」を封じる水晶を、ベルンカステルが溶かしにかかる。
 赤字の信頼性の話。その通り、これを疑うという選択はあり得ない。信じるものを自らの意志で選び、それを信じ続けることが大事だ。
 縁寿とヱリカの会話。
「……一なる真実の書を読んだら。あんたはどうなるんでしょうね。」
「さぁ。………契約に従い、ベルンカステルがチョンっと、私の首でも鎌で刈ってくれるんじゃない? あるいはまた挽き肉かしら。……今度こそ、塩と胡椒を練り込まれるわね。」
「…………………………。……なるほど、だから挽き肉なわけですね。」
 おっと、あれはやはり飛び降り自殺の隠喩で正解か? 地表に激突するまでの短い時間を魔女として過ごしたのがエンジェ・ベアトリーチェだしね(『最終考察うみねこ EP1-4』313ページ「【EP4】六軒島における縁寿と霞の戦い」「【EP4】縁寿の死に関するもう一つの仮説」参照)。真実に耐えることができない縁寿は、ヱリカと違って本当の魔女にはなれない。死ぬために真実を知った縁寿は、生を完全に諦めてしまう。現実に戻った彼女は落下して死ぬだけの存在だ。
 フェザリーヌのパーティーが催されるらしい。ベアトリーチェのはらわた「一なる真実の書」を公開する日。参加するのは観劇者たち。

▼虚無の海
 船に包囲されている戦人とベアトリーチェ。
 ラムダデルタがこんぺいとうになってるwww

▼黄金郷
 ベルンカステルと縁寿の居場所を突き止めたラムダデルタ。作戦会議が行われている。
 ちょ、蔵臼さんと夏妃さん、諦めが早いです(笑)。
 目標は少しでも長く持ちこたえて、縁寿が帰るこの場所を確保し続けること。そのために全員が覚悟を固める。助力を求められたラムダデルタは激怒。
「…………でもね。……私はあんたたちと違って、……“物語の登場人物”じゃないのよ。」
 違うのか? 意外だ。この主張は驚いた。

▼図書館
「一なる真実の書」の封印が解けたのだという。縁寿を見送るエヴァとヱリカ。

▼都会
 ……んっ? 大月教授? まさかメタ世界のパーティーというのは、ウィッチハンターのイベントに重ねられていたのか? 絵羽の日記は封印を解かれることなく八城の手に渡ったが、ついに公開されるというのか。八城が初めて公の場に姿を現す。
「日記には真実が記されています。」
 うええ、赤字! こいつは……。現実世界でこれを言うか! しかし、会見場から立ち去った瞬間にフェザリーヌに戻るわ、ホテルマンは黒猫だわ、ベルンカステルが出てくるわ……。現実世界と物語の世界が曖昧だ。上位にさらなる語り手がおり、このシーンを描いているのか。解釈をする者がいなければ、フェザリーヌたちが顕現できるはずはない……。
 ベルンカステルは「一なる真実の書」を預かり、縁寿の許へ赴く。

▼図書館
 ベルンカステルが持ってきた「一なる真実の書」を受け取り、ためらいながらも解錠してしまう縁寿。彼女は日記で真実を知る。赤字は誰にとっての真実か。縁寿はそれが自分にとっての真実ではないと気づいている。受け入れないと叫んでいる。
 縁寿を引き留める黒服の声――これはEP4のリフレインだ。屋上からの飛び降りが、図書館からの飛び降りに重ねられている。助かるはずがないとベルンカステルは断言する。しかし天草と一緒に旅をした世界の縁寿は、奇跡を起こして助かっていたぞ。
 本棚の部屋から飛び降り、即死する縁寿。挽き肉になるのは飛び降りの隠喩であることが確定。

▼???
 アスファルトに横たわっている人物。身動きが取れぬ中、近づいてくる車のヘッドライト。

▼???
 車から降りてきたのは八城。……幾子? 以前のシーンで「十八さまがお目覚めになりました」という台詞があったのは、彼女の本名が幾子で、別に十八という人物がいたからか? それは縁寿なのか?

▼八城の家
「十八歳」という単語を聞いた八城の反応が早いwwwお前じゃないだろwww
 どうも倒れていた人物は縁寿らしい。記憶障害がある。生きていた彼女が旅の途中で行き倒れたのだろうか? あるいはヤスかもしれない……どうも記憶と年齢の関係が気になる。でもヤスは十九歳だよね。もしかして一年前の話? ……おお、十八歳という記憶にちなんで、八城幾子から「十八」という名を与えられた。そういう繋がりか。
 幾子はベルンという名の黒猫を飼っている。
 誰にも読ませることなくミステリ小説を執筆していた幾子と、それを読むようになる十八。この世界は……『うみねこ』における「本物の現実世界」か? 超重要だぞ。

▼八城の家
 小説を一本、書き終える幾子。「どうであるか…!」という台詞がベアトリーチェっぽいなあ。続く台詞は敬語だけど。プロットを担当した十八は、記憶を失う前の自分にミステリの蓄積があったことを自覚している。しかも古典の手法に斬新なアイディアを取り入れた経験があるようだ。『黒首島奇譚』というタイトル、「辻子の悲恋」といった要素も相まって、六軒島の物語を思い起こさせる……。
 使用人とベルンを交えて、作品完成の祝杯を上げる二人。『黒首島奇譚』を投稿することに。

▼八城の家
 目覚める十八。幾子が六軒島の話を始めると、十八の頭痛が激しくなる。倒れ込む十八。

▼黄金郷
 目覚めると留弗夫と霧江に抱き締められている縁寿。戻ってきたのか。ラムダデルタがやってくれたのか……?
 絵羽を二人目の母と認め、幼かった頃の記憶を思い出す縁寿。ハロウィンパーティーは実在しなかったが、金蔵を始めとする一族や使用人はみんな親切で、六軒島には楽しい出来事がたくさんあったようだ。
 ベアトリーチェの台詞からすると、瓶詰めの物語は本当にただの遊びだったようだ。魔法はただの逃避ではなく、幸せを呼ぶもの。真里亞は縁寿を再びマリアージュ・ソルシエールに加える。
「お前は、真実を知ってしまった。」
「……………うん…。」
「だから、誰かが生きて帰ってくるかもしれないっていう奇跡や希望は、……もう、潰えちまった。……でも、お前にはもう、未来を生きるための新しい希望や使命があるな。」
 おお……やはりそういうことなのか? 生還はあり得ないのか。これからは真里亞の魔導書を翻訳して、かつての縁寿と同じ境遇の子供たちに伝えろ――と戦人。
 縁寿は猫箱を守るために再び蓋をするという。フェザリーヌのパーティー会場に入るための鈴が、なぜか二つある。誰かが死んでいた縁寿の懐に入れたのか? エヴァ? ヱリカ? ……ベルンカステル?
 そしてラムダデルタはやっぱりいい人のようです(笑)。戦人と縁寿は彼女の導きでフェザリーヌの図書館へ。

2011/01/20
■Episode8 ファーストプレイメモ10

▼黄金郷
 小舟に乗って来訪したヱリカ。ベアトリーチェが時間稼ぎをする。語気を荒らげて全力で降伏を希望する郷田さん、相変わらずいい味出しますね。(シェフと料理に引っかけた「相変わらずいい味出しますね」ってフレーズ、プレイメモでほぼ毎回使ってたんですが、全部気づいてた人は恐らく郷田ファンですね。ええ)
 ベアトリーチェの演技力は折り紙付きらしい。EP3ではまんまと騙されましたとも(笑)。

▼図書館
 進入に成功した戦人たち。「一なる真実の書」を奪い返すのは不可能。狙うのは鍵の奪取。
「………見つかりそうになったら、………やる…?」
 何をだwww縁寿が血気盛ん過ぎるwww

「あんたたちが、最高のハッピーエンドを見せてくれるからでしょーがっ。」
 ラムダデルタは、がばっと二人の頭を抱き締め、額をごちんとぶつける。

 ――うおおラムダデルタ格好いいな! 人気投票の順位向上は間違いない!

▼黄金郷
 ヱリカがロノウェの紅茶を飲んでいる。
「あの短気だったお嬢様が、よくぞここまで大人になられたものです。……ぷっくっくっく。」
「……何が可笑しいの?」
 いつもの笑いに対するヱリカのマジレスがちょっと面白い(笑)。

▼図書館
 ラムダデルタ徹底抗戦の報を聞いて焦るベルンカステル。連絡手段は電話なのか(笑)。
 一方、鍵が安置された部屋にはエヴァが現れ、猫たちを一網打尽に。納得の協力者だ!

▼都会
 ウィッチハンターのコンベンションが開かれている。フェザリーヌは異常を知らされても動かない。「素晴らしき朗読への恩」だという。EP6で八城相手に縁寿が行った朗読か? 彼女は縁寿の新たな選択を歓迎しているというのか?

▼図書館
 戦人たちを導く「K←」という文字。一瞬、ガチの暗号かと思ったよ。これもエヴァか!

▼黄金郷
 郷田さんがやらかしたー! ヱリカは会議の発言を全部聞いていたのか。さすがだ、探偵。唯一気づいていないのは、縁寿が復活して先ほどまで黄金郷にいたということ。
 船団と一行の戦いが始まる。

▼図書館
 追っ手の猫が迫る。戦人と縁寿を鍵に向かって送り出し、ベルンカステルの足止め役を買って出るラムダデルタ。彼女の株はどこまで上がるのか!

▼黄金郷
 ヱリカとの激闘。一行を一九八六年の亡霊と呼ぶヱリカ。お前がそれを言うのか。EP6散り際の赤字は、シンプルに紗音と嘉音の存在に絞ったものだったのかもね。

▼図書館
 縁寿に最後の言葉を伝える戦人。縁寿が選ぶべき扉の話。未来に勝利の可能性を残すため、敗北の瞬間を見てはいけないというメッセージ。ラムダデルタとベルンカステルの戦いは拮抗している。

▼黄金郷
 そうか、銃は反魔法の力を持つんだった。人間が山羊と渡り合える理由はそれか。
 金蔵も格好いいなー。
 一行が様々な仮説を相手に渡り合う。特筆すべきは楼座だ。
「………次に言ったら、本気で殴るからね。」
 あれで本気じゃなかったんですね楼座さん(笑)。
 ここでようやくドラノールとヱリカの絡みが来た! ドラノールが本気で殺す気満々だったのはちょっと意外。
 ベアトリーチェとヱリカ、船上の決闘。黄金郷は崩壊し、仲間たちは虚無に落ちていく。ベアトリーチェはヱリカに、黄金郷が確かにここにあったことを知らしめようとしている。

2011/01/21
■Episode8 ファーストプレイメモ11

▼図書館
 拮抗していた戦いのさなか、魔王たちを従えたフェザリーヌが現れる。

 魔女たちがニンゲンをゲーム盤の駒と嘲笑って、上層世界から見下ろせるように。
 彼女もまた、魔女たちの領域さえも、ゲーム盤の駒と嘲笑って、さらに上層の世界から見下ろせる。

 造物主の域に至ったフェザリーヌなら当然だろう。魔女の上にいる存在、現実世界の住人こそが作家・八城十八=フェザリーヌなんだから。……十八じゃなくて幾子なんだっけ? 彼女こそがラムダデルタやベルンカステルを生み出した書き手、なのか?
 ラムダデルタがフェザリーヌと対決する道を選ぶ。弱点の記憶装置・馬蹄状物体にダメージを受けて、人格変容を来した事例があるのだという。それは現実世界の八城にあったことか? 確かに幾子の人格はこんなに枯れたものではなく、もっと無邪気な一面があった……。
 フェザリーヌに敗北し消えていったラムダデルタ。物語の結末部を書くことで相手の死を決定づけられるのか、この大魔女は。――とすると、死すらもさらなる追記で否定し直せるということだ。余談だけど、結末部から書き始めるのは創作の基本テクニックの一つだね。
 戦人たちは鍵を入手するも、帰還に必要なカケラが砕かれてしまう。ベルンカステルに殴りかかる戦人は、絶対の意志で彼女を戦慄させる。ラムダデルタが乗り移ったかのようだ。フェザリーヌはゲームマスターとしての戦人を尊重し、観劇の立場に戻ると言い出す。待てよ……縁寿に入場許可証の鈴を持たせたのはこいつか?
 黄金郷から帰還したヱリカが、ベアトリーチェの心臓を持ってやってくる。
「一なる真実の書」を読んだにもかかわらず、縁寿は誰かが生きて帰ってくるかもしれないという希望を持っていたようだ。それを赤字で打ち砕くベルンカステル。謎と推理の応酬に敗れ、戦人は息絶える。
 縁寿が戦人、ベアトリーチェ、黄金郷の面々を蘇らせる! 赤字の無力さに気づいたか! 新たな世界を生み出そうというのか?
「私は、黄金の魔女、エンジェ・ベアトリーチェ。……称号は、黄金と、無限と、……反魂。」
 ……あ。そうだった。ここで繋がるのか! シエスタ556も蘇ったりする? 縁寿とは面識がなさそうだしダメかな……。
 両翼を備えた黄金の鷲! そして黄金の真実の答えが示された。
「信じる心よ。……それは“私たち”の総意。……私たちが認めて共有した真実の前に、お前の赤き真実など、何も貫けたりしない。」
 誰かに対してつく嘘という解釈は遠くなかったが、要点は自分が心から信じられるかどうかだったのか。
 ついにベルンカステルを打倒する縁寿。殺すのではなく、「あんたたちの真実にだって、私は傷一つつけない」か。さりげないが意義のある台詞だ。

▼図書館
 立会人として縁寿を祝福するフェザリーヌ。ラムダデルタは縁寿の力で蘇り、すでに観劇の席に着いているという。そうか、フェザリーヌではなく縁寿の力で復活させられるのか。一人に減ったゲームマスターとして、戦人が最後の儀式を執り行う。

▼図書館
 現れる二枚の扉。最後の選択。そういえば序盤のハロウィンパーティーでは縁寿が寝てしまったから、ベアトリーチェは出題せずに終わってたんだね。
 ――左手! EP4の最後でベアトリーチェが差し上げたままにしていた片腕か!
 ……いや、違った。「左手」を握って「右手」を開くという、序盤でベアトリーチェがやったトリックだ。あれはミスでも何でもなく、わざと分かりにくく書いていただけなんだね。
 選択肢。
 選ぶのは当然、これしかない。
 ……これが「魔法」だ。何度も描かれてきた通りだ。
 右代宮の鷲は振り返らない。EP4のクライマックスを思い出すなあ。あの時、縁寿は戦人を後ろから抱き締めて「振り返らないで」と言った。今、縁寿は後ろを、過去を振り返ることなく前に進もうとしている。
「あぁ。お前は振り返らない。だけど俺たちはいつだって、お前のすぐ後ろにいるからな。」
「……そんなのじゃない!! 私、それでも信じてるから。絶対にみんなが、……帰ってきて全員揃うって、信じてるから!!」
 よく言った!
 金蔵がパーティーのプレゼント、紋章入りの懐中時計を肩越しに放ってよこす。

▼ビルの屋上
 飛び降りる寸前の体勢で目を開く縁寿。EP4のあのシーンだ。
 黒服の携帯電話で小此木と通話する。……右代宮グループを全部譲り渡す? 「右代宮縁寿」と決別し、「魔女エンジェ・ベアトリーチェ」として生きる決意を固めたようだ。

▼図書館
 縁寿を見送り、消滅していく黄金郷の面々。作法として、この扉は二人で閉じなければならないらしい。戦人とエヴァがそれを果たす。フェザリーヌが戦人のゲーム盤を片付けにかかる。崩壊する世界。
「私は、真実に堪える魔女でした。…でも、その真実に背を向けました。……しかし彼女は、真実を知った上で、なおも彼女の真実を信じる魔女でした。………もし、彼女の方が、真実の魔女に相応しいなら。………私は、何の魔女だったのか、わかりません。」
 ヱリカの自問が面白い。戦人の答えは、「だってお前は、探偵だろ」というもの。

2011/01/22
■Episode8 ファーストプレイメモ12

▼都会
 ウィッチハンターのイベント会場。八城が絵羽の日記を非公開にすると宣言し、騒然となる。
「……そなたらにも、そしてこの私にも、この中身を見る資格などありはしない。」
 その後、六軒島の真実を好き放題に語ることは不謹慎であるという空気が生まれたようだ。
 フェザリーヌは黄金の薔薇を一輪、手向けとして海に放る。

▼潜水艦基地の廃墟
 一九八六年十月六日! 三日目! 爆発事故が起きなかった未来なのか?
「くっくくく。妾とそなたが、2代前の前世で、初めて出会った場所であるぞ。」
 九羽鳥庵ベアトリーチェ、ベアトリーチェ・カスティリオーニ。そして留弗夫、金蔵。二人の生まれに嘘はなさそうな気配だね。
 爆発事故は起きていたようだ。くすねておいたというインゴットを一つモーターボートに積み込み、ベアトリーチェは戦人を新島に送り出そうとする。同行を拒むベアトリーチェをさらって、罪を二人で背負おうと言う戦人。それでこそ戦人だ。籠の鳥を解放する役目はこいつにしかできない。もちろん金蔵とビーチェのリフレインでもある。このベアトリーチェは現実世界のヤスということなのか。

▼船上
 遠ざかる六軒島。戦人は乗り物を恐れていない。現実世界であることを思わせる。
 生きていけるだろうかと呟くベアトリーチェに、戦人は「生きろ」と告げる。六軒島の呪いを一緒に断ち切る決意を固めている。孤独だったヤスがついに呪縛から解き放たれる日が来たのか……。交わされるキス。
 ――ベアトリーチェとインゴットが消えた!? どうして飛び込んだ!
 二人は海の底に沈んでいく。そこには黄金の薔薇とベアトリーチェの猫箱が……。
 文字を目で追いながら呆然としてしまった。志方さんの歌が美しい……。

▼都会
 一九九八年。ビルの裏口から一緒に出てくる縁寿と小此木。絵羽はすでに死去しているようだ。
「愛がなければ、真実は見えない、って。」
「そんなキザなこと言ったっけ? へっははははははは。」
 小此木にグループを任せた縁寿は旅立ち、作家になるのだという。これが八城幾子との出会いに繋がっていくのだろうか? どこかで行き倒れになるの?
 天草が相変わらずひどい(笑)。
「じゃあ、元気でな。縁寿ちゃん。」
「その名で呼ばれるのも、これで最後ね。」
「新しい名前が決まったら教えてくれ。」
 んっ、名前を変えるのか? この言い回しからすると、ペンネームってわけじゃないよね。
「温かい地方がいい。海が見える町がいいわ。」
 八城幾子がいた町に繋がるよね。――まさか、幾子こそが縁寿? 金持ちにしか雇えない使用人がいたしなあ。……いや、違うか。幾子は小説を誰にも読ませていなかった。縁寿が作家になる目的と反している。やはり「十八」と名付けられたあの子が縁寿ということになるのか。二人で執筆したあの物語が重要だ。『虚無への供物』における『凶鳥の黒影』よろしく、アンチミステリ的な意味合いを帯びる? 
 ――おお、ここで終わるのか。タイトルの夕焼けが黄金色だ……。

■Tea Party(お茶会)
▼図書館
 ここは図書館か。フェザリーヌが物語を書き終えたようだ。
「…………書き切ったには、書き切った。いや、正確には書き切っておらぬのだが。」
 どこまでも続いていく猫箱の暗示か? フェザリーヌの台詞からもそれが伺える。筆の置き所、か。
 ラムダデルタの身体を縫い合わせているベルンカステル。ミシンで「だだだだ」じゃないだろ(笑)。しかしヱリカが「ヴァンダイン第9則! 探偵が複数あることを禁ズ!」とか言ってると何か不思議な感じがするね。和やかですこと。
 天界からヱリカ宛の郵便が届く。近況報告のようだ。わにゃんって何?
 コーネリアの片足立ちwww
 ウィルはFXで一山当てて不動産購入wwwなんだお前はwwww切れ者だから分かるけどもwww一山当てる手段は探偵小説の執筆じゃなかったのかwww
 会話からすると、ベルンカステルは憎まれ役を演じていたということらしい。なるほどね。上位世界の魔女らしいお二人です。次回も『なく頃に』で会えるのだろうか?

■????(裏お茶会)
▼都会
 数十年後の未来。
 受賞パーティーが行われているようだ。ここであのミステリ小説が? ……あれっ、受賞作は『さくたろうの大冒険』なのか(笑)! いや、過去の作品も再評価されているということだから、いずれ『黒首島奇譚』も取り上げられるのだろう。
 作者は「寿ゆかり」。名前を変えつつも、縁寿であることを捨てるつもりはないと言っていた、まさにその通りのペンネームだね。丸々出版の人が挨拶している。八城に原稿をねだっていたあの人だろうか。
 ……寿ゆかりは八城十八とは会ったことがない、と言っている。彼女の目から見ても八城の偽書は「限りなく近い真実に至っている」のだという。八城の希望で面会が実現することに。
 ――え、男性!? 八城十八は二人で書いている作家、これはいい。だが、もう一人が男性……あれは縁寿ではなく戦人だったのか!?

▼喫茶店
 寿ゆかりは喫茶店で八城十八――幾子と十八に会う。間違いない、戦人だ。
 二人はお互いの正体を確認し合う。戦人はあの日、地下道に逃れ、九羽鳥庵ではなく潜水艦基地に辿り着いた。モーターボートで脱出し、「恐らく、転覆してしまった」のだという。記憶障害と自殺未遂の話。車椅子生活になったのは怪我の後遺症によるもの……EP7のヤスを彷彿とさせる。どういう関係なのだろうか……。
 右代宮戦人はあの日確かに死んでおり、今生きているのは八城十八。それを受け入れる縁寿。ここから、彼への呼びかけが「戦人」から「十八」に変わっただけでなく、「お兄ちゃん」が「兄さん」に変わっている。EP4でゲーム盤に乱入した時もそうだった。二人の間に距離ができていることを示す呼び方だ。……うおー、戦人が生きていたことは嬉しいけど、感情としては色々と複雑だなーこれ!
 縁寿が彼を最後に案内したい場所とは?

▼福音の家
 十月の夜――親族会議があったあの日付なのか?
 おおお、福音の家か。ここで出てくるのか……! 金蔵からの援助が途切れて閉鎖されたこの施設を、縁寿が蘇らせていたらしい。今日は福音の家のハロウィンパーティーなのだという。
 ん、この背景は!? 六軒島の屋敷のホールか! おお……肖像画まで飾ってある……。
 駆け寄ってくる子供たちに、あの日の黄金郷の面々が重なる。そうか、ここは黄金郷か……。右代宮戦人の心が黄金郷に帰ってきたのか……。いかん、涙が!(´;ω;)

 この物語を、最愛の魔女ベアトリーチェに捧ぐ

 現実世界と物語世界が重なって感慨深いよね、これ……。
 タイトル画面は夕暮れから青空に変わっている。一瞬だったなあ、あの夕暮れ。新しいTIPSは追加されていない。
 このエピローグは好みが思いっきり分かれるだろうね。爆発の日から長い時間が経過しているし、戦人の変化に心を痛める人も多そう。「読者が完結編に求めるもの」という観点だと、各所の真相が暗示に留まったのも不満が出るところだろう。

NEW!! 2011/01/23
■Episode8 ファーストプレイメモ13

■再プレイ(縁寿の選択)
 余韻が落ち着いてきた。最後の選択で誤った方を選んでみよう。
「手品」を選択。バッドエンドの臭いしかしない……。
 縁寿が目覚めるのはビルの屋上ではなく、六軒島への船の舳先。なるほど、こう繋がるのか。死ぬための旅の終わりだ。紋章入りの懐中時計を「未練」と呼んで海に捨ててしまう縁寿。これはダメだ……。
 縁寿の推理が披露される。EP4の縁寿が六軒島でどういう結末を迎えたか、だ。この推理は以前執筆したものとほぼ一致(『最終考察うみねこ EP1-4』313ページ「【EP4】六軒島における縁寿と霞の戦い」参照)。縁寿は霞一派が使っていたものと同じ拳銃、トカレフで射殺されることになるらしい。それは天草が事前に調達し、ゴルフバッグに詰めておいたもの。線条痕で銃の個体が判明しちゃうから、黒服の誰かの銃を使ったんだと思っていたよ。現場にその銃を放置して偽装するつもりだったのか。
 縁寿は冷酷に天草を射殺。ハードだ。
 そういえば川畑船長は船の調達に時間がかかると言っていたな……縁寿はそれを霞たちが島で待ち伏せをするための時間稼ぎと考えている。裏切った彼と、裏切っていない彼が猫箱の中に共存している――縁寿はそこまで分かっていながら彼を射殺。
 天草も同じことだ。本当に裏切るかは猫箱の中。この世界の縁寿が天草に殺されるかどうかは確定していなかった。彼はEP6の終盤で縁寿を殺さない可能性を仄めかしていたはずだ(EP6ファーストプレイメモ「八城の自宅近く・公衆電話」の項目を参照)。それを自分が選んだ真実で塗り潰し、引き金を引いてしまった縁寿。どこまでも誤った道を進むようだ。
 ヱリカ登場。新しき真実の魔女・縁寿は言う。
「天草の、看破されて戸惑った時のあの表情。悪くなかったわ。」
 そうか、この縁寿はヱリカと全く同じなんだ。冷酷な推理をしていたあのヱリカと……。

■再プレイ(ハロウィンパーティー)
 屋敷のホールで展開された縁寿への出題。ミスした問題をやり直してみよう。
 嘉音の問題。プラチナの原子番号「78」を選んでメダルをゲット。続く紗音の問題は前回同様「S」を選んでメダルをゲット。語られるのは猫箱の世界だ。紗音は嘉音との会話の中で、この世界をとても肯定的に捉えている。
「だから。……私が譲治さまと結ばれる世界と。あなたがお嬢様と結ばれる世界が、同時に存在できるのが、猫箱の中じゃない。」
「………どんな矛盾した夢も、全てが同時に存在できる世界。」
 猫箱の中では紗音が譲治との婚約を破棄して六軒島を出て行く未来もあり得る、か。なるほどなー。EP8を読み終わった今なら分かる。
 続いて楼座の問題。「8個」を選んでメダルをゲット。貴賓室から一歩出れば持ち出したことになる、という引っかけ。事前に簡単とか言っておいてこれかい! 続く真里亞の問題は「10手未満」。全員=人間のみ、ということらしい。これは分からないわ(笑)。
 おお、さくたろうが出てきた。縁寿と長く遊ぶためにわざと難しい問題を出したという真里亞。これって戦人に難問を突きつけたベアトリーチェと同じだよね。かつて縁寿が理解した真里亞の「白い魔法」は、決してただの逃避ではなく、幸せを掴むための方法として肯定的に語られている。ベアトリーチェもかつての戦人を引き合いに出してこう語る。
「人に魔法を掛けるのは容易い。そして人の魔法を信じることも、そう難しくはない。もっとも難しいのは、自らに魔法を掛けることなのだ。」
 全問正解するとメダルは十七枚集まるのか。EP6のラストに宣言された「17人だ」を思い出すなあ。意図的に合わせてる気がする。そして景品はベアトリーチェのぬいぐるみでした。金蔵さんあんた(笑)。

■というわけで
 ファーストプレイメモはこれで完結です。
 ここまでの記述はあくまでもプレイしながら書いたものに過ぎず、EP8をきちんと考察したものではありません。
 プレイメモの終盤でも少しだけ触れましたが、ベアトリーチェの正体については自分の中でおおよその結論が出ています。まさかここで『最終考察うみねこのなく頃に EP1-4』の考察に立ち返ることになるとは……。未読の人のために簡単に説明すると、EP4当時、

・人の心を写す鏡
・戦人の心
・真里亞の心

 という三つの結論を出したんです(論拠は大量にあるため、ここでは説明し切れません)。
 EP8を踏まえると「戦人の心」という説がいい線を行っていたかなと。各章扉の格言やイラストはこの結論を前提にしたものが多かったりします。持っている人はEP5〜7のベアトリーチェ考察と併せて読み返してみてください。どちらか一方ではなく、両方を併せて考えないといけないようです。

 ところで、EP5〜7って「真相に近づいていくお話」と思いきや、明かされていたのは「真実の側面だった」という感じかも? EP8でその辺りがひっくり返ってEP1〜4に立ち返ったような印象です。ゲーム盤の真相はかなりのところまで明かされましたが、メタ世界の真相と現実世界の真相は最後まで複雑ですね。猫箱に封じられたものが多いため、現実世界の真相には一意性がない。解釈次第でいくつもの答えがあり得る。
 考え方の違いで読者同士が衝突するというのは面白くないので、「解釈の違いを楽しむ」感じで行きたいなと思います。
 ……なんか、『ひぐらし解』当時も同じことを言った気がしますね(笑)。

■最終考察うみねこのなく頃に散 EP5-8(仮)
 さてさて。
最終考察うみねこのなく頃に EP1-4』(アスキー・メディアワークス)に続く2冊目の考察本、
『最終考察 うみねこのなく頃に散 Answer to the golden witch Episode5-8』が2011年4月7日発売予定です。よろしくお願いいたします!

 

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