ひぐらしのなく頃に
PC用同人ゲームソフト/07th Expansion


[同人PCソフト]ひぐらしのなく頃に −鬼隠し、綿流し、祟殺し、暇潰し編−[同人PCソフト]ひぐらしのなく頃に 解 -目明し、罪滅し、皆殺し、祭囃し編-[同人PCソフト]ひぐらしのなく頃に 礼 -賽殺し編、昼壊し編、目明し編お疲れ様会-ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)

★★最終考察ひぐらしのなく頃に★★

この「ひぐらしのなく頃に」考察ページが単行本になりました。
詳細はBlogに記載しています。



2011年1月11日、星海社から文庫版『ひぐらしのなく頃に』が刊行されました。
公式サイトでひぐらしコラムその他を担当させていただきました。

更新履歴
2004/10/09:鬼隠し編、綿流し編メモをアップ。
2004/10/27:読了。祟殺し編、暇潰し編メモをアップ。
2004/11/22:メモを別ページへ移動。推理・まとめを開始。
2006/09/19:更新終了。
2007/03/10:と思わせて、出題編ファーストプレイメモに関する注意書きを冒頭に記載。

2008/03/21:コンテンツの後半を公開中止。
(web拍手へのレスは残してあります)


追加分は常に最下段です。更新箇所の最初に日付を入れます。
一度結論らしきものを書いていても、ずっと下の方で訂正してたりするので
ご注意を……っていうか読みにくくてゴメンナサイ。

■Index■

出題編ファーストプレイメモ(別ページ)
2004/11/22
2005/01/10
2005/08/12
2005/12/29
2006/08/19
2004/11/24
2005/01/19
2005/08/13
2006/01/03
2006/08/21
2004/11/25
2005/01/23
2005/08/20
2006/01/09 2006/08/23
2004/11/26
2005/01/25
2005/08/21
2006/01/14 2006/08/28
2004/11/27
2005/02/09
2005/08/30
2006/01/19 2006/08/29
2004/12/26
2005/04/24
2005/12/01
2006/01/30 2006/09/14
2004/12/27
2005/05/26
2005/12/04
2006/05/11 2006/09/16
2004/12/29
2005/07/28
2005/12/15
2006/08/11 2006/09/19
2005/01/06
2005/08/10
2005/12/24
2006/08/12  
2005/01/08
2005/08/11
2005/12/28
2006/08/18  


2004/10/09〜2004/10/27
▼出題編ファーストプレイメモ

 鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編、暇潰し編が収録されたディスク、いわゆる「出題編」。
 初プレイの時に書いたメモは、本格的な推理を始めるにあたって別ページに引っ込めました。当時の私の思考を追いかけられる形になっていますので興味のある方はご覧下さい。ファーストプレイメモのページ
 ここから下は、プレイメモの更新を終了させた後に書いていった文章になります。

(以上、補足として記す――2007/03/10)

2004/11/22
▼私の基本スタンス
・各シナリオの犯人は同一人物か?
 違う場合もあると思う。それぞれにイレギュラーな事態が生じているはず。シナリオごとに考え方を切り替えないと真相に辿り着けないのでは? 共通の黒幕はいるはずなので、それを意識しつつシナリオごとに別の考え方をしていく。

・祟りか、人間か?
 人間。祟りはありえない。ミステリが成立しない。

▼礼奈とレナ。呼び方の謎と彼女の過去
 レナにとって礼奈という名が禁忌? 圭一に嘘をつかれると「嘘だっ!」と叫ぶ反応、嘘を見抜く能力の高さ、以前起こした暴行・器物破損事件。
(メモ:事件は大石の口からしか語られていなかった? だとすれば彼の言葉を鵜呑みにするのは危険)
 彼女は過去に心理的外傷を負っているのかもしれない。竜宮家の両親は本編に登場していたか?(確認中) 過去に両親から何らかの虐待を受けた? そういう子は人に嫌われることを極度に恐れたり、他人の顔色を窺い、すぐに謝るといった行動をとりやすくなるというが……当てはまる箇所は多いものの、やや違和感もある。
 もしくは嘘をつかれるなどの体験がレナの心に深刻な影を落とした? そのため嘘に対して敏感になっているのかもしれない。
 まだ明らかになっていないレナの過去は非常に重要なドラマを秘めている気がする。鬼隠し編で何度も謝るレナは精神的に追いつめられているように見える。圭一も同様なので、彼の語りではレナの抱える事情に言及することができない。解答編で明らかにされるのだろうか。

▼ひぐらしとレナ
 ひぐらしは別名を「カナカナ」という。レナの口癖「かな……かな?」に掛かっている気がして仕方ない。本当にただの口癖なのか。何らかの意味が込められてはいないか。「ひぐらしのなく頃に」とは、レナのことを指すのだろうか? だとすれば、「レナの泣くころに」といった意味深な言葉が出てくるのだが……彼女の過去が関係する? それとも鬼隠し編のオープニング? あのシーンでは「彼女に涙はなかった」とされている。それが「泣く頃」と関係し合っているようにも思える。
 現時点ではただのこじつけの域を出ない。

▼鬼隠し編:真相は?
 現時点では全く推理できていない。圭一の死は富竹のそれと併せて結論出ず。
 村に嫌われている大石に味方した圭一。そのため、村そのものに敵対する構図となってしまい、狙われた? しかし、全編通して圭一の被害妄想というカラーが強い。……その中に本当の襲撃はあったのだろうか?
 レナたちの豹変は圭一が恐怖心からそう思い込んでいる可能性が高い。彼女たちは最後まで圭一の友人だった……はず。作中で最も常軌を逸しているのは圭一。

・レナたちの注射器は圭一を救うための薬か? それとも毒物? あの二人が圭一を殺すために来たとは思えないのだが……。
・富竹、圭一の死は昭和五十八年の段階で未知の薬物によるものか?
・このシナリオ中で薬物に縁が深そうなのは梨花、鷹野三四、入江(このシナリオ中では監督)。

▼祟殺し編:もう一人の圭一、沙都子に冷たい仲間たち
 綿流しの祭りに圭一が来ていた、とクラスメイトが口を揃える。あり得ない。
 仮に、全員が嘘をついていたら? 圭一があたかも存在したように口裏を合わせ、実行する。村ぐるみの嘘。つまり、圭一が殺人を犯したのはバレている。その上で村ぐるみの嘘をつき……圭一を守っている。警察が来てもアリバイがある。決定的な証拠が見つからない限り、圭一は捕まらないだろう。村ぐるみの事件では典型的なパターンだ。この予想が外れてしまうと説明の付けようがない……。

「(沙都子は)放っておきなよ。そのうち解決しちゃうと思うしさ」
「沙都子ちゃんが、おじさんがいるっていってるんだから、いる。そうならそうで、いいんじゃないかな」
 魅音とレナが非常に冷たい態度をとる。仮に叔父殺しをこの場の全員が隠そうとしているなら、これは繋がる。沙都子が「叔父はいる」といえば、いることになる。実際にはいないとしても。村ぐるみの嘘なら、ここまで徹底することは考えられる。圭一だけが除け者。よってそれが「真実」となり、警察が踏み込めない架空の歴史が出来上がる。
 沙都子への虐待はあったはずだが、圭一が叔父を殺した後に虐待を受けたというのは嘘だと考えられる。
 叔父の死体は掘り起こされ、どこかに始末されている。彼は死んだのではなく、失踪したことに……「鬼隠しに遭った」ことになる。圭一の罪はこの世のどこにも残らない。
 圭一の叔父殺しを、村人はいつ知ったのだろう。関連情報は「警察が北条の家に張り付いていた」ということだけ。村人の中の誰かがさらに外側から北条家や圭一を監視していた?
 殺人を告白された入江はそれを知らなかったように見える。村人全員が知っているわけではない?

 鬼隠し編とは完全に逆の構図になっている気がする。村の特異性を主眼に据えて圭一の立場を変化させ、シナリオ別に提示していくという手法?
・鬼隠し編:圭一は大石に味方し、村に敵対? 彼の被害妄想である可能性が高いが、話はそういう風に作られていた。
・祟殺し編:圭一は沙都子のために祟りの執行者となり、余所者である叔父を殺害。圭一は村の連帯に守られる。

2004/11/24
▼祟殺し編:沙都子は演技をしていた?

「沙都子のトラップは受け止め方で意味が変わる」とあった。
 トラップはコミュニケーションを望んで仕掛けるものだという。圭一が風呂場に飛び込むまで、あたかも叔父がいるかのような言動をしていた。二人分の食事。しかし叔父は圭一が殺している。事実、彼女の家に叔父はいなかった。どうしてそんな演技をしたのか?
 境内で行ったゲームでは、圭一が沙都子に同盟を破棄されて敗北した。「沙都子と親しくなった圭一が裏切られて(橋から落とされて)終了する」という伏線に見える。非常に重要なシーンだと思うが、仮にこれがミスリードだったらどうだろう。
 トラップは最後の最後に決めるもの。圭一を殺すのではなく、彼に近づくためのものだったとしたら。沙都子は圭一に来て欲しくて、彼と親しくなりたくて演技をしていたのかもしれない。沙都子は背負われて診療所へ。兄と妹のような関係。沙都子のトラップは、想定外だった梨花の死によって崩れてしまったのだろうか。
「ターゲットの行動が途中で変わると、トラップは決まらない」というTIPSがあった。圭一の行動が変わったといえば、オヤシロ様の祟りを執行すると決意したあのシーン。しかし、叔父の虐待は実際にあった可能性が高い。トラップの実行は叔父の死後に決定されたように見える。
 虐待そのものが全部狂言で……という可能性は低い、はず。嘔吐する沙都子は演技をしているようには見えない。

▼どうして圭一はガスで死ななかったのか?
 吊り橋から突き落とされた圭一は助かった。沙都子が助けたんだろうか。予防薬みたいなものがあった? そんな薬聞いたことありません。あれは本当に火山性ガスだったんだろうか。旧日本軍の細菌兵器、未知の薬という可能性は……さすがにないか……。
 非常に難解。
 他に考えられるとすれば、「圭一は一時的に仮死状態になっていたため、ガスをあまり吸わなかった」というパターン。ただ、それでは脳死状態になってしまったり? 先生、ぶっちゃけ分かりません!

2004/11/25
▼綿流し編:推理1――魅音と詩音の入れ替わり

 あの夜、圭一を刺したのは魅音ではないはず。すでに魅音は井戸の底で死んでいた。検死が行われた以上「井戸の底にいたのは詩音」というオチはないだろう。
 遡ると、魅音は防空壕内で沙都子と梨花を口汚く罵り、殺しを淡々と行っていた。よって、あそこでの魅音は「詩音がなりすましていた」と考える。魅音は圭一の親友であり、いい奴。そんなことをするはずがないと信じたい。
「魅音は俺の親友だ」
 圭一の言葉。防空壕の扉を開ける直前、彼女は目を押さえた。圭一は涙を目撃していない。その程度の演技なら誰でもできる。
「魅音が惚れるのも分かる」
 前後の文脈から、鬼としての魅音が人としての魅音を指していったのだとばかり思っていた。しかし、詩音がなりすましていると仮定すれば……そのままの意味になる。
 牢の中にいた魅音(詩音の格好をしている)の必死の叫び、
「誰も死んで欲しくない!」
 詩音らしくない、と圭一は思った。「詩音ではなく、魅音が叫んでいる」と言い換えても筋は通る。
 前後するが、魅音は屋敷で「全て自分がやった」と自供した。しかし詩音の芝居と仮定すれば、憎い魅音に罪を着せたとも考えられる。レナは生き残るので、後々までそれが事実として記憶される可能性が高い。

 ただし、園崎の屋敷で行われた昔語りや防空壕内部だけでなく「それ以前から魅音と詩音は入れ替わっていた」と考えている。

■予想される流れと構造
 綿流しの夜に失踪したのは魅音。詩音が誘拐し、地下牢に入れたのではないか。綿流しの翌日から詩音は魅音として圭一たちに接触し続けた。夜は詩音に戻って電話していた。
(メモ:圭一との電話にそれを裏付ける情報はなかったか? 詩音しか知らない情報など。要確認)

 魅音として生活するなら、二人暮らしの相手であるお魎は絶対に邪魔になる。彼女だけは騙し通せないはず。よって祭りが終わった後すぐに殺し、地下に放り込んだ。誰もこれを知ることができないため、最後に警察の手入れがあって初めてお魎の死が明らかになったのでは。

 大石たちの防空壕突入によって時間がなくなった。よって詩音は圭一を気絶させた後、魅音を殺害。彼女を井戸の底へ突き落とした後、本来の詩音として警察に保護される。公には監禁されていた立場なので、それは演技でどうにでもなるはず。後日、圭一が人形を購入。夜、詩音は魅音の格好をして訪れ、圭一を刺す。「殺したい奴、全部殺せた。間に合った」
 その夜、詩音はマンションから転落死。翌日、病院にいる圭一を大石が見舞う。ラストシーンの彼女は圭一の妄想だろう。
(メモ:詩音が転落死した時間と圭一が刺された時間が近すぎる? 記憶が曖昧なのでいずれ再読して書き直したいと思う)

 詩音は魅音の親友たちを目の前で惨殺した。真っ先に捕まえていた魅音をわざわざ生かしておいたのは、これを見せつけて苦しめるため。「魅音を苦しませること」が最大の目的だった。牢の中にいた魅音の叫びは、それを裏付けるものではなかったか?
 娯楽としての綿流しの儀式を、あの場所で。だから魅音だけは最後の最後に殺さなければならなかった。先に殺したら意味がなくなる。圭一が終盤まで生き残って村にいられたのもそのため。わざと生かしておいた。魅音に味わわせる最高の苦しみを演出するために。シナリオ前半〜中盤でとても重要だった「魅音の圭一への好意」は、ただのラブコメでは終わらない。全体を通して重要な要素でなければ、あれだけの分量をかけて描くはずがないからだ。

▼綿流し編:推理2――詩音の動機には悟史が関わっている
 では、詩音がそれほどの行動に出る理由とは何だったのか?
 詩音と同い年だったという悟史が重要だと考えている。二人はかなり親しかったのではないか。恋人……もしくは詩音が悟史に片想いしていた。私は綿流し編プレイ直後から現在まで、ずっとこの仮定で推理し続けている。

 綿流し編を終えた時点での推理は以下の通りだった。
「その悟史が鬼隠しに遭ってしまった。名古屋から新幹線に乗ったにしろそうでないにしろ、引き裂かれてしまった。実行犯の中に間違いなく魅音はいたはず。これも恨む理由。魅音の友人、何より思い人である圭一を目の前で苦しめる……復讐。人間の感情としてはあり得る」

 以上の考え方を踏まえた上で、さらに推論を重ねてみたい。綿流しだけでなく、他のシナリオにもかかってくる。

■綿流し編・祟殺し編:魅音に対する詩音の言動
 悟史が動機になっている……この考えを堅持する理由として、各シナリオで詩音が見せる行動の共通点が挙げられる。

シーン1:綿流し編
 序盤、魅音が女性として接して欲しいといった願望を持って詩音になりすましていたことがある。これは功を奏し、魅音が楽しそうにしているという描写が各所に出てくる。レナもそれを裏付ける発言をしている。
 しかし、最後に本物の詩音が圭一の誤解を利用する形で美味しいところを持って行ってしまった。「二人は同一人物だ」と考え続けている圭一に対し、初めて詩音が実在の人物だと明かされるシーンだ。
 魅音であることを匂わせ続ける詩音が、圭一におもちゃ屋で人形を買わせる。そこに本物の魅音が現れる……。
 重要なのは「両者は別人だった」という事実だけではない。「詩音が魅音の惚れた男を奪った」という構図になっている。これこそ本当に着目すべきポイントではないだろうか。魅音への恨み、見せつけ、略奪……ささやかな復讐。
 これは時間軸的に「詩音の復讐の始まり」といっていい箇所だ。ただの日常が恐ろしいシーンに思えてくる。

 エンジェルモートからおもちゃ屋まで、圭一は魅音だと思いこんでいた。嘘を見抜く能力に長けたレナですら、この姉妹に関しては完全に見抜くことができない。作品の技法面でいえば、この前半部そのものが全編に渡る伏線だと考えられる。

シーン2:綿流し編
 祭りの準備をしている圭一に麦茶を差し入れる詩音。遅れて麦茶を二つ持ってくる魅音。間に合わなかった。圭一は魅音の麦茶に手を付けない。
「……おい圭一、傍観してないで魅音の麦茶を一つ飲み干してやれよ。そしたら男前なのに」
 あのシーンを読んだ時、私は最初にそう考えた。しかし、全く違う捉え方も可能だ。
 詩音は魅音に先駆けて麦茶を渡しに来た。これも「魅音から圭一を奪う」という行為に見える。圭一が魅音の麦茶を取らなかったのは物語の要素を満たすためだったのではないか。彼が魅音に報いてしまうと、詩音の復讐という意味合いがなくなってしまう。だから圭一は「魅音の麦茶を飲むことができなかった」……というシナリオ上の意図だ。

シーン3:祟殺し編
 バーベキューのシーン。詩音は圭一に近づき、雛見沢ファイターズに入らないかと誘う。魅音が慌てて飛んできて勧誘禁止と釘を刺す。これは完全に未遂に終わっているが、言動そのものが重要ではないだろうか。

詩音と悟史の関係:バーベキューの片づけにて
「悟史は転校したんじゃ……」という圭一に厳しい顔をする詩音。
「誰がそんなこと言ったんですか?」と、問いつめようとする(教えたのは入江)。転校、家出……そんな言葉で片づけて欲しくないという意思が見える。
「よく知りもしないで悟史くんのこと、転校とか言わないで下さい。本当に」
 このことから、詩音が悟史と親しかったという仮定が裏付けられる。彼が辿った運命はもっと悲惨なものだったのだろう。詩音はそれに大きな悲しみ、または怒りを抱いている。実際に何があったかは教えてくれない。詩音はそのまま去ってしまう。

 ――魅音から圭一を奪うような言動を何度もするのは、ここと密接に関わっていると考えられないだろうか?
 彼に何があったのか、詩音と魅音がどう関わっているのかを考えていく必要がある。

■祟殺し編:詩音の嘆き? 電話の相手は誰だったのか
「綿流しの夜だけっていって、結局ずっとだった。嘘つき。でもおあいこ。私、あなたとの約束守ってないから。あの子はずっとほったらかしだった」
 圭一は沙都子を祭りに誘ってくれと魅音に電話をした。その時、受話器の向こうで魅音はこんなことをいう。だが、これは詩音ではないだろうか。電話をかけた時、出てくるまでにかなりの時間がかかっていた。この夜、園崎魅音の家に詩音が来た。そして何かが起きていたのだろうか? それとも魅音やお魎の代わりに詩音が電話に出た? 確かなことは分からないが、この電話の相手が詩音である可能性は極めて高い。
・あなた=悟史
・あの子=沙都子
 ――だと思う。失踪した悟史を責めている構図だ。詩音と悟史の間には二人にしか分かち合えない「約束」があった。だが悟史は帰ってきていない。帰ってくるという約束を破った。そして詩音は悟史が大事にしていた沙都子と関わりを持たず、放置したまま。だから、おあいこ……。こう解釈するのが妥当であるように思う。
 詩音と悟史が恋仲に近いほど親しい関係だったなら、こういうやりとりはあったと思える。悟史は「俺がいない間、沙都子を頼む」とでもいったのではないだろうか?

■祟殺し編:消えたぬいぐるみの謎
 ショーウィンドウからぬいぐるみは消えていた。悟史が沙都子の誕生日プレゼントとして買っていたなら、恐らく資金不足で逃亡できなくなってしまう。
 ぬいぐるみは詩音の手許にあるのだろうか? 悟史が買って詩音に預け、そのまま失踪……金がなかったので、自力で去ったのではなく園崎によって「隠された」と仮定。新幹線のチケットを取ってやったのか。それとも悟史は殺されていて、名古屋で目撃されていた少年は全くの別人だったのか?
 いずれにしろ、詩音の手許には悟史が買ったぬいぐるみが残る。「(村を出なければならないので)直接沙都子に渡すことができない。お前から渡してやってくれ」という会話があったのだろうか。二人が親しいという仮定が正しいなら、そういうやりとりがあってもおかしくない。
 この推理の論拠は綿流し編の冒頭にある。
 圭一はゲーム大会で手に入れたぬいぐるみをレナにあげてしまった。魅音の心は揺れた。それを圭一に告げたのは、二人が入れ替わっていると仮定するならば「魅音のフリをしている詩音」だ。どうしてそんな指摘ができたのだろう? 魅音もしくはおもちゃ屋の店主から事情を聞いていたとしても、わざわざそんな事を圭一達に告げる必要はないはずだ。詩音にはそれを指摘するだけの理由があったと考えたい。
 悟史が村から消える時に買ったと仮定したぬいぐるみ。詩音はそれが欲しかったのかもしれない。だが悟史が買ったぬいぐるみは、詩音ではなく沙都子へのプレゼントだった。魅音と圭一にピッタリと重なる。
 あの時の感情が圭一への言葉となって出たのかもしれない。魅音のフリをしたまま、詩音は本心を語ったのかもしれない。本当ならそれは圭一たちではなく、悟史に聞いて欲しい言葉ではなかったか?
 このぬいぐるみは解答編で悲しみを伴って重要なシーンを演出すると考えている。私が注目しているポイントの一つだ。綿流し編で圭一が刺された時、魅音のために買っておいたぬいぐるみが血に染まる。これも非常に象徴的な描写だと思う。
 もしかすると、悟史もぬいぐるみを血で染めて倒れたことが……?

2004/11/26
▼部活考察1――ゾンビ鬼
 本来、物語において不要なシーンというのは存在してはならないものだ。これは小説、映画、コミックなど、様々なジャンルに共通する。全てのシーンには何らかの意味がある。様々な伏線であったり、物語を前進させるためのものであったり、ジャンルを限定するならばいわゆる「萌え」であったりする。
「ひぐらしのなく頃に」には一見無意味に思える日常や部活動のシーンが非常に多い。物語の鉄則に重ねるならば、ここには重要なヒント、もしくは伏線が潜んでいる可能性がある。もちろんヒントと思わせてミスリード……という罠があるかもしれないが、検討する価値はあるはず。
 今回は鬼隠し編序盤から、詩音に関わると考えられる「ゾンビ鬼」に注目してみたい。

●ゾンビ鬼
 鬼の交代はなし。増えていくのみ。
「沙都子の両親が校門に来ていると伝言を」「魅音に先生が校門のところで呼んでいるって」
 圭一が伝言による情報戦を開始。クラスメイトもゾンビの役割を果たすことになる。この流れで自分が狙われたら、と考える。
「俺のいたずら心が生んだわずかなウィルスが大発生の大感染……(中略)しかも俺だけを探して!」
 ちなみに梨花が足音を立てずに歩くのはいつものこと。日常的にそうしているようだ。
 レナは圭一に謝罪して逃亡。彼を見殺しにする。
 勝者は二人。追いつめられたものの、圭一を動揺させて生き残ったレナ。魅音は鬼のフリをしていただけ。

鬼になった順番:沙都子→梨花→圭一
生存:レナ、魅音

要素:鬼が増えていく。圭一のいたずら心が広めた鬼たちは、圭一だけを狙う。レナが圭一に謝罪。レナと魅音が生き残る。魅音は鬼ではなかった。

推理1:圭一のいたずら心=鬼隠し編ではバラバラ殺人事件への興味。村中を敵に回した圭一は狙われる。綿流し編では祭具殿への侵入。プレイヤーは「周囲から狙われる」という圭一の恐怖をあらかじめ疑似体験していることになる。恐怖心を煽るための伏線かもしれない。

推理2-1:魅音が鬼ではない=鬼の後継者である魅音は、鬼ではなかった。綿流し編における魅音と詩音の入れ替わり。鬼である魅音がみんなを監禁して殺害したと語られているが、二人が綿流しの夜から入れ替わっているなら、あれは詩音。鬼=殺人者は詩音だったということ。ここでいう鬼とは、園崎の後継者ではなく殺人者という意味合いが強い。結構重要なポイント。

推理2-2:魅音が鬼ではない=長女ではない。妹とされている詩音が本当の長女。よって鬼=詩音。これはくろがね堂の「ゾンビ鬼とスクール水着。魅音は本当の跡取りではない?」を受けてのもの。確かに、背中が開いているならば「刺青はない」と考えるのが自然。魅音が鬼の後継者ではないなら、刺青がないのは当然ということになる。
(メモ:エンジェルモートの制服も背中が開いていたかもしれない、と今気づいた。要確認)

推理3:余談。圭一は沙都子を校門に呼び出そうとしたが、彼女に両親はいない。圭一、この時点ではそれを知らないのでこんな嘘をついてしまったのだろう。沙都子は引っかからないので、魅音と鉢合わせになるはずもない。圭一を変態に仕立て上げた魅音の情報戦は、傷ついたかもしれない沙都子を思ってのささやかな代理復讐か? それともこの情報を流したのは沙都子自身? 梨花が真っ先に鬼になったのは沙都子を気遣って近づいたから? ついでに鬼になって圭一を狙う……という流れ。梨花はレナを捕まえる寸前、圭一に気をとられて逃がしてしまっている。レナよりも圭一を優先したとも考えられる。結果的に圭一は捕まった。最も狙われていたのは圭一、ということだろうか。レナですら圭一をはめるために協力したのかもしれない。あの謝罪はそれを指す? 読み返すと、圭一だけは全員で捕まえようとしているように見える。推理1の通り、鬼隠し編に重なっている。

推理4:レナの言動も気に掛かる。これについては項目を改めてまた後日。

▼詩音の行動理由:詩音と魅音は、綿流し編以外でも入れ替わったのか?
 それはない、と考える。

論拠:鬼隠し編と祟殺し編では「魅音にぬいぐるみをあげなかった」という分岐路が存在しない。よって魅音の行動パターンは違うものになり、圭一との恋愛感情が発生しない。すると魅音と圭一の仲を引き裂こうとする詩音――という構図も成り立たなくなる。

結論:魅音と詩音が入れ替わったという説は、綿流し編のみに適用できる。

 綿流し編だけが特異。魅音と圭一の関係に端を発した、詩音の復讐劇と見る。復讐の対象は魅音、悟史、園崎家、村の因習などに近しいもの。動機は前述の通り、悟史への恋愛感情。圭一を刺したのは「悟史が味わった苦しみをお前も味わえ(同じように死ね?)」という怨嗟? ぬいぐるみが圭一の血に染まるのは、今後の物語に対する伏線でもある。

▼詩音は全ての黒幕か?
 暇潰し編で、梨花が「これから起きる殺人は全て予定されたもの」と語る。仮にそれが事実だとしても、上記の通り詩音による殺人は計画に入っていないイレギュラーなもの。
 よって詩音は綿流し編の犯人だったとしても、恐らく真の黒幕ではない。

▼刺青を背負っているのは魅音? 詩音?
 綿流しの終盤、魅音が背中を見せようとするが結局明かされずに終わる。正体が詩音であるならば、

1:背中に刺青はない。だから匂わせるだけで、見せるわけにはいかない。(魅音が鬼であることを印象づけるために演技をした?)
2:背中には本当に刺青がある。その気になれば服を脱いで見せることも可能だった。
3:あのシーンで語っているのは本当に魅音。その場合でも1と2の考え方は当てはめられる。(今回、この説は考えない)

 ……やっぱりエンジェルモートの服が重要?(´・ω・)ションボリ
 記憶によると背中が開いた衣装とは明記されていなかったので――多分されていなかったのでッ!(落ち着け
「あの制服は背中が開いていない」と仮定してみる。水着の背中が開いているという可能性を併せて考えると……

推理1:大貧民で「女物のスクール水着を着る」という罰ゲームを紙に書いたのは、魅音。それを自分で引いてしまい「圭ちゃんに引かせたかったぁぁ!」と叫んでいる。もし魅音の背中に刺青が入っているならば、果たして「スクール水着を着る」などという致命的な罰ゲームを書くだろうか?

推理2:エンジェルモートには詩音と魅音、両方がウェイトレスとして登場していた(入れ替わりの可能性が常にあるが、二人とも最低一度はあの格好で登場したと判断した)。もし背中が開いていたなら刺青を隠しきれない。ワンポイントのタトゥーではなく立派な彫り物なので、ちょっとした小細工では隠せない。二人のどちらかに刺青があると仮定している以上、エンジェルモートの制服は「ある程度背中を隠すタイプの物でなければならない」。詩音が普段からあそこで働いていたなら背中を見せる制服を着るはずがないとも思う。肩は露出しているが、刺青が肩胛骨より下を覆うデザインならばセーフ……?

推理3(もう一つの可能性):エンジェルモートの制服は背中が大きく開いている。よって、あの制服を着て登場したのは「刺青を入れていない人物」のみ。……こう仮定すると「刺青を背負っているのは魅音。屋敷で語った詩音は刺青を見せるフリをしただけ」……となる。スクール水着の要素が謎として残ってしまう。仮にこの考えで行くなら、エンジェルモートでの彼女は全て詩音。流れはは以下の通り。

「店で魅音のフリをして圭一の感情を揺さぶり、二人が接近するように仕向ける→いいところで圭一を横取りしつつ、自分の存在を明かす→その後、すでに芽生えている魅音の恋心を最も残酷な形で引き裂くために、詩音が動く」

 うーん、どの路線で突き詰めるか。やはり考えられる組み合わせを全部試すしかない?
 どこかでレナが絡んでいる気もする。ゾンビ鬼でも関係はあった。可能性が多くなりすぎてまとまらない。

 ところで、刺青を入れるのは幼少期? それとも十代ごろ? どういう習慣になっているんだろう。刺青を入れられたのは近年?
 魅音と詩音は本当に園崎の全てを知っているんだろうか。部分的にしか知らないことも?

▼名前についての考察:園崎姉妹――鬼の要素
 この作品には掛詞、民俗学的な用語などが多く登場する。綿流しは「腸流し」だし、オヤシロ様は「御八代様」を初めとした複数の可能性が示唆されている。よって、民俗学的な視点で名称を考察することで見えてくるものもあるのではないか。私が注目しているのは名前の一部に鬼という字が隠されている園崎一族だ。
 鬼という字を「おに」と読むようになったのは平安末期あたり。それまでは「かみ」「もの」「しこ」などと読んでいた。その語源には諸説あって特定されていないものの、姿が見えない意の「隠」=「おん・おぬ」が転じたという説が代表的。姉妹の名前を見てみよう。

・魅音……魅に鬼の字を含むため、鬼の後継者とされている。音は「おん」と読める。「おん」=隠=鬼であるため、魅音の名は強烈な鬼の要素で凝り固まっている。まさに鬼の後継者といっていい。しかし、「見隠」という字を当てることもできる。何かを見届ける鬼という意味合いが込められていないだろうか? 「未隠」とすると、未熟、未だ隠れず、未だ鬼になっていない、といった意味に……? これはさすがに厳しいか。ただ、禁忌であるはずの双子が二人とも生きているという謎に重なって見えもする。

・詩音……「詩隠」としてみる。鬼を匂わせるのは音の読み方だけ。魅音よりは軽い。忌み子だけに軽んじられているということか。試しに詩音を「死隠」と書けば? 忌み子、死を願われて隠された陰の存在? ――または「死を司る鬼」と解することもできる。非常に物騒。園崎の役目を考えればむしろこちらの方が相応しいように思える。陰惨な色に染められた園崎の後継者が詩音だったら? 「隠」は姿を見せずに隠れ住む意。園崎の屋敷の洞窟、そこで行われていた腸流しの儀式。姿を見せずに死の儀式を執り行う構図。鬼は古来より山奥や離島に住む、とされることが多い。園崎家の洞窟はそこに重なっているようにも見える。

 やはり詩音が真の鬼? お魎の側近である魅音は一連の出来事を見届ける役目を担っているだけで、実行犯ではない?(これはさすがに不自然か)
「死隠」という解釈に別の意味を込めるならば、「本当の鬼は目に見えず、隠れている」ということか。詩音は魅音の陰に隠れていて見えない。鬼とされている魅音が実は隠れ蓑だったら? 真の鬼は密かに動き、死を振りまくことが可能になるのでは? それが双子を生かしている理由?
 抵抗運動や過去の事件に、詩音は関わっていた? 魅音と思わせて詩音だったというパターンがどこかにあったのでは。

▼おーい、この路線でどこまで行くんだー?
 いけるとこまで……。
「運転手さんそのバスに僕を乗っけてくれないか。行き先ならどこでもいい」
 いや、よくない。
(´・ω・`)きっとどこかで事実誤認してるよね?(再読が間に合っていません)

2004/11/27
▼目明かし予想&悟史に関するちょっとした推理

 主人公は詩音とのこと。ここまで書いてきた詩音関係の推理を当てはめると、以下のような物語が導き出せる。

・詩音の過去を描く物語。
・詩音と悟史の関係が主軸になる。恐らく悲恋。
・運動が苦手で野球好きでもない悟史が雛見沢ファイターズに加入していた理由は、詩音? それとも詩音が悟史目当てで?
・ぬいぐるみが重要なポイントに。悟史、詩音、沙都子の想いが交錯する予感。
・ネガティヴな盛り上がりとして入れ墨に関わるシーンがある。

・目明かし=「江戸時代、放火・盗賊その他の罪人を捕えるため、与力(よりき)・同心の配下で働いた者。多くは以前軽い罪を犯した者から採用した(広辞苑)」さらに大辞林には「町人身分のもの」という一文も。

・目明かしは誰?
1:詩音――園崎家、または魅音の下で?  彼女は汚れ役? 殺人など陰惨な事件の実行犯にさせられた?
2:悟史――叔母殺しを指す? 園崎姉妹いずれかの下についた? ……それとも圭一のように、大石に従って……?

 ここまで考えてオフィシャルサイトを見てみたら、舞台は昭和五十七年らしい。「……い、一致した(;´∀`)?」と驚いたわけですが、

> この年の詩音が主人公なのですが、……描いていてわかりましたが、昭和57年の時点では、詩音は悔しいくらいに外様です。
> 本人は謎を解こう、立ち向かおうと必死なのですが、悔しいくらいに渦中から程遠いところに位置しています。

 とか併記されていてギャフン。ええと。
 当初は鬼と無関係な人生だった……詩音が園崎の暗部に関わったのは、目明かし編の中盤〜後半にかけて?

(´・ω・`)オフィシャルの情報は最初にちゃんと読んでおこうよ……>私

▼見えてきたかも?
 詩音の飛び降りを推理できるかも。
 黒幕を少しだけ推理できるかも。
 ……やっぱ無理かも(をゐ

2004/12/26
▼入江監督は怪しい
 被害者、間宮リナ。本名は律子。園崎系のキャバクラで働いていた。組の薬と上納金に手を出して殺された可能性大。彼女のヒモは生きている。北条鉄平。撲殺された主婦の主人。大石「これから死ぬんでしょうねえ」
 鉄平と入江は知り合いだった。組の薬に入江は関与しているか?
 間宮リナは鉄平を信頼していなかった。もし入江とリナが繋がっていたら?
「リナさんが死に、鷹野さんまで……」黒焦げの鷹野が発見された時、入江は呟いた。演技か、本当に予定外だったのか?

▼大石蔵人は怪しい
 ファーストプレイで抱いた大石黒幕説。一度は完全に捨てていたけれど、どうも怪しい気がしてきた……あれー?
 入江と共犯だったらどうなるのか?

▼鬼隠し編:圭一の異常性を推理する――Part1
注意:薬物関連の記述を鵜呑みにしないで下さい。多分詳しい人からは「嘘を書くな、嘘を!」と突っ込まれるでしょう。というか怒られる前に謝っておきます。色々ごめんなさい。

 入江診療所を訪れた圭一は注射を打たれている。薬は3日分。入江は簡単な問診を行っただけ。外に出た圭一、食欲が戻っている。動いたからか。薬の影響か……?
 圭一の母は「病院へ行け」とメモや地図を残しただけ。圭一が行かなければ意味がないのであまり計画的とは思えないが……もし圭一が過去に精神的な異常で通院していた時期があったなら、母親と入江の間で彼の扱いについて話が付いていた可能性もある。おはぎを壁に投げつけて放置した圭一に叱責も質問もしなかった両親。刺激を与えないようにしているのだろうか。そうすると、処方した薬や注射は精神に影響を及ぼす薬物かもしれない。入江はその事情を利用した?

 エンジェルモートにて。大石が、
「そろそろ出ましょう。あ、前原さん、お昼の薬は飲みましたか?」
 これはおかしい。
 圭一は大石に「体調が悪いので学校を休んだ」といった。しかし「病院に行っていた」とは告げていない。彼が薬のことを知っているとすると、入江との繋がりを疑わなければならない。もちろん大石が圭一を監視していた可能性もあるが……どうもすっきりしない。圭一に薬を処方したことを入江から聞き、その直後に車で圭一を誘ったのか。暇潰し編、診療所で入江が大石からの電話に出るシーンがあったはず。昔から繋がりがあった? 大石を嫌っている入江は真相を隠すためのもので、本当は共犯?
 幻覚を見せる即効性の薬はなかなかないと大石自ら語っている。前もって圭一に薬を飲ませることが重要になるのだろうか。

 大石の語り。
「鬼たちの獲物は常に一人で、しかも前もって決められているらしい。鬼は総出で狩りをする。狩りの時には絶対に邪魔をしてはいけない。家に閉じこもって布団を被っていろ。つまり獲物を助けたり、匿ったりしてはいけない。そうしている限りは、獲物以外の村人に危害は加えられない」
 予定されている――暇潰し編のラストで梨花が語ったあの内容に繋がっているはず。イレギュラーは誰で予定は誰か。圭一が来た年は確実に予定が崩れている。
 これを見ると、現代では「鬼」と「村人」の役割があるかもしれない。園崎に代表される鬼だが、伝説では複数形。他にもいる可能性あり。それが入江たちか? 表に出てこない鬼。

 圭一が診療所で処方されたのはLSD-25(リゼルギン酸ジエチルアミド)、もしくはそれに類する薬物?
 レナたちを恐ろしい鬼のように錯覚したこと、おはぎに入っていた「何か」を裁縫針と考えたこと、魅音とレナが手にしたものを注射器と思ったことなどは全て幻覚、譫妄もしくはパレイドリアではないか。世界が変質し、周囲の人間が怪物めいて見え、恐ろしい幻覚を次々に見る。これは譫妄状態の一例。
 パレイドリアとは対象物を実際と違ったものとして知覚してしまうこと。意識がハッキリしている時に起こるが、幻覚薬などによる譫妄状態の時にも起こる。重要なのはパレイドリアの場合「批判力は保たれる」ということ。対象物が本当は何なのか理解できる。圭一が各所で「俺は冷静だった」「クールになれ」と考えているし、冷静に判断しているのも事実。これが余計に怪しい。冷静なままおかしな行動をしている。
 例えば、圭一は口から取り出したものが「裁縫針に似た何か」だと判断できているのに、激昂しておはぎを壁に投げつけている。以降は「裁縫針」と断定したまま行動していた。

 確実なのは、レナが初めて豹変するシーンを除き、圭一が恐怖を覚える事件は全て「診療所に行った後に起こっている」ということ。投与された薬物がどうしても怪しくなってくる。描写がないだけで、圭一は食事ごとにちゃんと薬を飲んでいるのだろうか? 追いつめられた心理状態でそんな余裕があったとは思えないが、飲んでいないとも書かれていない。LSD-25を一度投与されただけではこれほど持続しない? 薬を飲み続けていたから持続した?
 レナの激昂は事実のはず。あの時のレナは本当に怖い顔をしていたんだろう。圭一が恐れても当然のはず。それを裏付けるように、祟殺し編では殺害の決意を固めた圭一が仲間から恐れられている。
 人は誰でも鬼になりうる。

▼鬼隠し編:圭一の異常性を推理する――Part2
 別の路線でいえば催眠薬の類だろうか? バルビツレート(バルビツール酸類)。いわゆる睡眠薬。

長時間型:バルビタール、フェノバルビタールなど。
中間型:アロバルビタール、アモバルビタールなど。
短時間型:ペントバルビタール、シクロバルビタールなど。
超短時間型:ヘキソバルビタール、チオペンタールなど。

 最も近いと思われるのは恐らく長時間型、バルビタール。
 この薬物は大脳皮質の感覚野を抑制する。そのため後方から近づいてくる車になかなか気がつかなかった……という可能性はないだろうか。

 畦道=田んぼという逃げ道を用意した。
 クラクション=気づかせる必要があった。
 圭一の側に寄せる=轢くという意思表示。
 車が止まる=圭一の状態と反応を確認。
 走り去る=顔を見られるわけにはいかない。

 薬の服用と効果を確認するために近づいた? だとすると、入江もしくはその関係者・共犯である可能性が高い。殺さなかったのは圭一を利用して祟りの色合いを濃くするため? 圭一に村への疑心を抱かせるために起こした事件?

 バルビタールは増量すると運動野抑制、鎮静。さらに増量すると睡眠薬として作用する。薬用量の5〜10倍で中枢神経系の抑制を引き起こし、昏睡、死亡に到る。

・バルビツレートは消化管から吸収され、変化せずに尿に排出される。肝臓でも代謝される。長時間型のバルビタールは数日かかって尿中に排出。すると富竹や圭一から薬物反応がなかったのが不可解。司法解剖で当然調べる……よね?

・非バルビツレートである場合1:ベンゾジアゼピン類、ニトラゼパム、フルラゼパム、エスタゾラムなど。大量服用しても生命に危険がなく、譫妄などの症状もないといわれる。今までの考え方を当てはめれば、圭一に用いられたのはこれではない。

・非バルビツレートである場合2:抱水クロラール。最も古い催眠薬。作用が非常に早く、服用後15〜30分で就寝。翌日不快感があり、眠気が残らない。副作用に胃刺激がある。これに近いシーンがどこかにあった気がする。なかった気もする(どっちだ

 ただし、この薬で鎮静状態になった人が一気に興奮状態になったとしても、首を掻きむしったりはしないと思う。計ったようにそんな結果をもたらすのは無理。これは圭一の状態をコントロールするのが目的であり、死の原因とは直結しないということか。
 なお、圭一は大石の話などが気がかりで、数日間あまり睡眠が取れていない。学校でも眠たがっていた。診療所における「簡単な問診」でそれを話した場合、睡眠薬としてこれらを処方された可能性はある。この仮定をすると、入江に罪はないということになる。
 ……と、一応弁護。でも引き続き黒幕の線で考えるよー(をゐ

▼鬼隠し編:圭一の異常性を推理する――Part3
 LSD-25は軍隊などによって謀略的に使用されることもあったらしい。一連の事件の黒幕が圭一に仕掛けた罠……という考え方に重なるものがある。ただし実例を調べられなかったので、実際にどういう使われ方をしたのかは不明。

 鬼隠し編中盤、自宅に親からの電話がある。すでに東京に到着しているという。唐突で、少し不自然だと思う圭一。そこに再度電話。
「あら、圭一くん? お母さまはいらっしゃいますかしら」
「あ、あの、いまちょっといないんですけど……す、すぐに戻ると思います!」
「なら結構です。大した話でもありませんから……では、失礼しますわね」
 ――誰だろう?
 圭一くん、と即座に気づいている相手。この口調。鷹野三四か?
(Part1での仮定が合っているなら、両親は入江だけに東京行きを教えているのかもしれない。家を留守にするので圭一を頼む、と)

 直後に大石から電話。計ったように? 大石について考え、しばらく間が開く。「お返事がないんで焦りましたよ」……薬か何かの影響でボーッとしている? この後、いきなり受話器を放り出して針を探しに行き、ゴミの山を叩き散らす圭一。あまりにも行動が急激で、テンションが高すぎる。薬物の影響を疑いたくなる。
 そして鳴り続ける家のチャイム。
「その音はさっきから聞こえていた。電話に夢中で、初めは聞き流していたが……それはやがてチャイムだと気づく」
 これもおかしい。聞こえていないとか、電話の方が重要だから出ないとかではない。「聞こえていたが、チャイムだと気づいていなかった」ということ。両親が不在であることを明かすわけにはいかない圭一。居留守は絶対に使えない。チャイムが鳴ったらすぐに動かないとマズいので、音には敏感になって当たり前。だがそれすら判断できていない。圭一らしからぬミスをしているということは、正常ではないということ。
 レナを追い返して自室に戻った時、受話器に気づく。大石からの電話を長い時間放置していた。だが、実際にはほとんど時間が経っていない。
「あれだけレナと話をして……これしか時間が経っていないわけがない……!」
「大石さんと俺とで、時間の立ち方が異なるのは明白だ」
 圭一もこのように自覚している。
 精神展開薬(幻覚薬)を服用すると、時間感覚を失うことがある。LSD-25は精神展開薬の一種だ。

 精神展開薬による異常は、
1:身体の異常(脱力感、目眩、吐き気など)
2:知覚変化(焦点が合わない、音に敏感になるなど)
3:気分変化(幸福感、いらいら、緊張感など)
 の順に現れるという。他に夢見るような状態に陥ったり、アイディアが次々に湧いてくるといった様々な変化が見られるといい、鬼隠し編での圭一に当てはまっているように思える。また、精神病の前歴がある人が服用すると、再発あるいは悪化する可能性があるという。これも気になる。

 さて、エンジェルモートで大石と話をしたことを知っている魅音達だが、園崎の店だから当然。大石はこれを期待して……圭一が仲間とマズい関係になるのを承知であの店を選んだのだろうか。つまり「二人の繋がりは仲間に話すな」と縛り付けた時点ですでに罠。「オヤシロ様の使い」という異名はここに絡むのか。今までの被害者は大石と関わりを持っていたはず。
 魅音は「どこで食べた? 美味しかった?」と尋ねているので、単純に料理の味を批評して欲しかったのかもしれない。関係者として店の評判が気になったのでは。「一緒にいた渋いおじさまは誰?」「何をしてもお見通し」……これは園崎の店であることを隠してからかっているだけだろう。
 二人が去った後、圭一は頭を抱える。すると吐き気に襲われ、ぼーっとした鈍い感覚がある。先ほど確認したように、精神展開薬によるものと考えられないだろうか?

▼鬼隠し編:圭一の異常性を推理する――Part4(および結末について)
 魅音が大石を「殺してやる」と呟くシーン。圭一は歪む景色を見る。これも薬物による知覚の異常かもしれない。
 セブンスマートで背後を見るシーンは幻視の一種である「視野外幻視」? 妄想の類なのは間違いないはず。
 足音は幻聴? 普通は声を聞くが、このような音を聞く場合もある。ただし他のシナリオでも足音を聞いている。全て薬や幻覚で説明しようとするなら、ここが非常に難しい。
(圭一は「音を聞いたこと」を真実として受け止め、自分が錯乱していないという論拠にしている。これを崩せれば……)

 鬼隠し編終盤。蝉が泣き止み、追跡の足音に気づく。これも薬物の影響(聴覚が鋭敏になる)か。
 斧を持ったレナがいる。ここでも圭一は自分の冷静さが失われていくのを理解する。「内なる自分」が冷静。
 逃走。疲れ切った圭一に対して、「レナは息が乱れないどころか、心臓の鼓動さえ感じられなかった」とある。この知覚が異常なのか、レナそのものが幻覚・幻聴なのか。振り上げられる斧。本当に斧? バッグか何かを斧と見間違えている? ただし、仮に斧だとしても攻撃する意図はなかったと考えられる。
 鬼隠し編の序盤で斧を持ったレナを指して、富竹が「通報した方がいいんじゃ……」という。圭一は「富竹さんの反応は当然」と考える。だが終盤では全く逆のパターンになっている。レナは正常であり、圭一がそれを恐ろしい存在と捉えていただけ。

 ここで大石との電話を回想する圭一。こんな会話あったっけ……? 彼の妄想?
 突き飛ばしたレナは羽根のような軽さ。斧に振られ、風に乗るように飛ばされる。これも違和感あり。
 偶然ダムの工事現場を通りがかっていた二人が、圭一を狙う? 殴り、チョークスリーパーまで決めている。入江の手のものか。
 目覚める圭一。どこからどこまでが夢の中? レナが工事現場に来た時、圭一はもう倒れていた。二人組の男はいなかったという。
 男たちは診療所の関係者で、圭一をレナに引き渡したのだろうか。
 それとも圭一が彼らを振りほどいて殴り倒していた場合、レナは彼を気遣って事実を隠蔽したのかもしれない。
 圭一は「自分で歩ける」とレナの肩を借りて自宅の二階に戻ってきた。圭一、この記憶がない。末期的。

 レナは魅音に電話した後、入江に電話した。
「富竹さんと同じ目にあってもらう」という罰ゲーム。「マジックペン説」を読んだことがあるが、薬物の影響によるパレイドリアということならあり得るかもしれない。彼女たちはまだ富竹の死亡を知らないようだ。だから圭一の真剣な問いかけを笑って流す。冗談だと思ったのか。
 レナと魅音を殴り殺したのは恐らく事実。冒頭で何かを殴り続けているシーンがあったが、ここなのかもしれない。魅音よりもレナを念入りに殴っていたようだ。

 男が4〜5人、物陰に潜む。白衣を着た男。圭一は変装だと考えるが、もちろんその思考は信用できない。
 監督はレナに「すぐ行く」といっていたらしい。男たちを引き連れてくる理由……圭一を取り押さえて収容するためか。
 あの二人組が圭一に殴り倒されていた場合、入江はレナからの連絡を受けた際に圭一が極限状態だと察知したのか。すぐ行くというのは、一刻を争うと判断したから……と考えられるが、レナと魅音に「そこを離れろ」とはいっていないようだ。意図的なものか、それともレナが拒絶したのか?

 逃亡、電話ボックス内(?)で咳き込む圭一。受話器を取り落としたのはこの後。周囲に音はなかったため、誰かがリアルタイムで圭一に危害を加えている可能性はほぼゼロ。ただしガスなどによる殺害ならあり得る。喉を掻きむしった理由は推理できず。薬による幻覚かもしれないが、論拠なし。

 振り返った圭一が見たものは。
 詩音であれば、すでに死んだはずの魅音が来たと誤解する。オヤシロ様の祟りだ……と。「犯人は人間」と確信していた彼が祟りを疑うなら、こういう事があったのかもしれない。入江は殺されていたレナと魅音を発見し、詩音に圭一殺害を命じたのだろうか……。
 圭一自身の幻? ドッペルゲンガーは男性しか見ない幻視とされるが……。
 もしくは「誰もいなかった」。自分が妄想に取り憑かれてレナたちを殺したと自覚する可能性がある。
「詩音」と「誰もいない」は最も自然に「ごめんなさい」に繋がるように思う。

▼おはぎの中に入っていたものは?
 髪の毛のように細いが、舌で転がすだけの太さがある。短い。少し銀の輝きがある。一方の端に穴が空いている。裁縫針によく似ている。一方は鋭く尖っていた。「裁縫針によく似た……何だったんだ?」鉄の味、舌の奥がピリピリと痛い。指を口に突っ込むと嘔吐感。

 嘔吐感があるのは前述の通り薬物の影響である可能性大。
 入っていたのは安全ピンか。端に穴が開いている。舌で転がせる。銀色。噛んだ拍子に針が外れてしまった?
 安全ピン=針という連想から「尖っていたもの。刺さるもの」と結びつけたのかもしれない。だとすれば、針がちゃんと納まっていたにも関わらず激昂したのかもしれない。鋭く尖っていたというのは彼の脳内情報なので、疑っておく。
 何にせよ、レナや魅音たちは全くの無実と考えられる。彼女たちの言動は正常。大石を「殺しとくんだった」という魅音は謎だが、比喩という可能性もある。園崎だけに本当に殺したいほど敵視しているという可能性は捨てきれないが、圭一が耳にした台詞が真実であるという保障もない。もしもあれが幻聴だったら全て崩壊する。

※もしかすると圭一はレナの作ったおはぎを食べていないかもしれない。一つだけ丁寧に作られたおはぎ、というのは引っかけではないか。お魎がおはぎを作っていた時、何かの拍子で(もしくは魅音がいたずら心を働かせて)安全ピンが混入? 綿流し編では梨花の巫女装束をお魎の安全ピンで留めるかどうか……という会話がある。レナはちゃんとしたおはぎを真面目に作っていた可能性がある。お魎のおはぎに似せて。それに、彼女の性格を考えると、いたずらで何かを入れるというのは考えにくい。どちらかといえば魅音がやりそうなことだ。

2004/12/27
▼昨日のに追記

 圭一が最期に見たのは「誰もいなかった」という考えを追記しときました。書き忘れてた(´・ω・)

▼大石と入江
 エンジェルモートで大石が「薬を圭一のグラスに混入させた」可能性を疑う。その上で「飲みましたか?」と話を振る。入江が診療所で処方した薬が真っ当なものだった場合にも、これは当てはめられる。
 要するに、私は大石を黒幕として再び疑っています……はい。入江は大石に従っている立場かもしれない。

 睡眠薬で自殺したとされる入江だが、実は大石の手で消されたという可能性はないだろうか? 入江は死の前に鷹野三四と間宮リナの名を口にし、彼女たちの死にショックを受けている様子だった。演技でないと仮定すれば、彼女たちも共犯だった可能性がある。それが死んでしまったので愕然としている。
 大石が全員を片づけた可能性は? 大石の目的と入江たちの目的が違っていたとしても、利害が一致して手を取り合っていた可能性はある。しかし大石は彼らを用済みとして始末した……というパターン。

 入江診療所には「山狗」と呼ばれる男もおり、何かがあるのは間違いない。富竹殺しに関与した可能性もある。
 オヤシロ様の祟りを毎年模倣していたのは、村の結束を固くするためだろうか。「鬼ヶ淵死守同盟の火はまだ消えていない」ダムの計画は凍結であり、白紙撤回ではない。
 死守=死に物狂いで守る。同時に、人を殺してでも守るという意思か。
 入江は薬物を使って祟りを陰から操っていたのだろうか。だとすれば、詩音復讐説の論拠である悟史についても、入江が関与している可能性が高い。主犯大石、共犯入江という線で目明かし編を見てみたいと思う。

 以前書いた「目明かしとは何を意味する?」は、やはり「大石に使われる」という意味合いで間違いない気がしてきた。
 こう仮定すると、大石がもたらす情報は常に疑わなければならない。
(まだ読んでないんですが、私的捜査ファイル(仮)に大石の原稿があるなら、それも疑う必要あり??)

 鬼隠し編でメモを破いたのは第一発見者の大石かもしれない。
 暇潰し編でも診療所に大石から電話が掛かってくる。赤坂の容態を確認するためと思わせて、実際には計画の相談かもしれない。だから入江は「出ないわけにはいかない」という。入江の方が立場が弱いような印象がある。

▼メモを破いた意図とは?
 バラバラ殺人の被害者をもう一度よく調べてください。生きています。
 富竹さんの死は未知の薬物によるもの。
 証拠の注射器はこれです。

 1行目と3行目=圭一が薬物酩酊状態にあったことを疑われる可能性があるため。薬の存在を疑われたくない。
 2行目=事実。もしくは、通常の検査では出てこない薬物を疑われたくない。このままやり過ごしたい。

 メモそのものを処分しなかったのは、圭一が親しい人にメモの存在を教えていた可能性を危惧した?
 時計の裏に隠したものが見つからないとすると、第一発見者が疑われる。重要な部分を削除したメモを残しておくことで最悪の可能性を回避したのだろうか。うーん。

▼圭一に投与されたと思われる薬物について
 色々書いたし、今日も書きますが……LSD-25ではないかも? 能力不足で特定できませんよ(・ω・)
 ただ、精神展開薬、幻覚薬の類である可能性は極めて高いと思う。

▼富竹という男
 圭一が富竹と出会ってから綿流しの夜まで一週間ある。この期間内に富竹が薬を投与された可能性は?
 薬物が時間をおいて幻覚を引き起こすものなら、富竹を暴行したのはきっかけ作り? 精神を高ぶらせるため。綿流しの夜に死んでくれないと困るのでそんなことを行ったのだろうか。木材で周囲を叩いていたのは、富竹が錯乱したのではなく、興奮を促すために加害者側がやったこと?
 富竹が毎年雛見沢に来るのは村の内情を調べるためかもしれない。鷹野に接近したのもその一環? 大石と繋がっていた可能性も考えられる。

 大石は車中で富竹の死について語る。「薬による幻覚だと信じているが、そんな幻覚を急激に引き起こす薬はなかなかない。体内で分解され、証拠が残らない薬物に幻覚を引き起こすものはない。人間に暴行されたのは間違いない」
 LSD-25はごく微量(体重1kgにつき1μg)で作用。かつ、ヘロインやモルヒネなどとは根本的に異なる抗セロトニン薬。通常の検査で検出されにくい可能性は?

▼綿流し編:詩音が飛び降りた理由、および関連事項
 詩音が飛び降りたのはLSD-25によるバッドトリップ(狂乱状態)かもしれない。
 飛び降りには以下の可能性を挙げてみる。

1:自ら薬を服用し、バッドトリップに陥った。
 この薬を服用するには落ち着いた環境と精神状態が前提となる。さらに習熟者の厳格な監督下で服用しないとバッドトリップに陥る危険性がある。詩音は何らかの理由で薬物を服用してしまい、そのままマンションから飛び降りた。

2:バッドトリップに陥るよう画策された。
 計画的に殺せるのかどうかかなり疑問だが、大石か入江、もしくはその関係者が彼女に危険な服用をさせて閉じこめたのかもしれない。薬の量を調整したり詩音を興奮させたりすることでバッドトリップを誘発させたのか。彼女は脱出しようとして飛び降りた? 他は1と同じ。

 アメリカでは1960年代にLSD-25が広く服用されて社会問題になった。ビルからの飛び降り、他人を殺傷するといった事件が多発したという。また、精神展開作用があるという点も鬼隠し編における圭一の豹変に関わっている可能性があるし、レナと魅音を撲殺したシーンもこれに基づくのかもしれない。

 詩音は薬物依存症か? 入江が薬の提供者であると仮定すると、「雛見沢ファイターズのマネージャー=入江との関係」と解釈できる。マネージャーを辞めたい、と詩音が言い出さないのは、この関係を維持するためか。悟史を待っている可能性ももちろんある。彼が生きているなら、その命を入江が握っている? 入江は薬、もしくは悟史をちらつかせることで詩音を利用しているのかもしれない。
 ただしLSD-25に中毒性はない……らしい。他の薬物か。
 それとも詩音は薬に精神的な依存をしているのだろうか。薬がないと耐えられない。常習者か、目的を遂げるために薬物の力を借りたか? 鬼の仕事で精神を病んだのだろうか。入江の監督下で薬を服用していたのだと考えられる。殺人に関する行動の前に限って服用したのかもしれない。綿流し編で奇怪な言動をとる彼女が何度か描かれているが、薬の影響を受けていたためにああなっていた、と考えられないだろうか?
 圭一を刺した詩音の独り言「間に合った」は「薬の効き目がなくなる時間に」という意味? ただしこれだとLSD-25と辻褄が合わないような気がする。自分がボロボロになって死ぬ前に、という意味なら筋が通るだろうか。

 工事現場で起きたバラバラ殺人。加害者たちは食べ物などに薬を混入された? バッドトリップし、普段の感情が表面化したのだろうか。彼らは薬の実験台でもあった?

 入江が間宮リナのことを知っていたのは薬繋がりか。園崎の薬に手を出したという彼女が共犯である可能性は考えられる。一連の薬は園崎の扱う薬と関係がある?
 リナの殺害方法から、犯人には間違いなく綿流しに関する知識がある。詩音、鷹野、入江、もしくは大石だろうか。

▼大石、入江の動機は金なのか?
 最もポピュラーな動機として。大石が警察上層部と対立しているのはカモフラージュか。退職金の話も同様。それ以上の富が舞い込んでくるなら、退職金など問題ではない。
「暇潰し編」は解決編が出るまでプレイヤーが暇を潰すという意味であり、目的を果たした大石が暇潰しに本を出版するという意味を兼ねる……ということだろうか。ただし、二人が何のために金を欲したか……という部分、つまり動機が生じた理由に本当のドラマがあるはず。
 しかし、金が主眼に据えられる可能性は低いと思う。伝説を模倣した殺人には村の背景に関係したドラマが潜んでいる可能性が高い。深い情念があるように思える……。

2004/12/29
▼鬼隠し編:大石の麻雀

「五萬を切ってもテンパイが崩れない」
「ハイテーに賭けるなら、両面で受けた方がチャンスあるんじゃ?」
「五萬は全員切ってるから安牌。終盤で形テンに走った誰かがダマで待っていたら嫌」
 当たり牌を減らす大石のやり方。納得いかない部下。
「ハイテーで当たり牌が出てもロンしちゃだめ」
「え? どうしてっすか」
 大石は一連の計画を重ねてこれを喋っているのだろうか……? 黒幕ならあり得るような気もする。圭一を切り捨て、最後の最後で当たりが来てもあえて出ていかない? まるで事件を最後まで傍観するような態度に見える。これが大石のプラン?

▼レナの豹変
 レナ自身の心の側面が表面化したのだと考える。 そのため、厳密に言えば二重人格とは違う。オヤシロ様が関わるとこの状態に陥りやすいようだ。レナが雛見沢から関東に行ったのは“隠された”ため? 駄目だった人=悟史? 彼は隠されたまま戻ってきていない。辻褄は合うが……。
 一般に、二重人格は女性に起こりやすいといわれ、自己鏡像視(いわゆるドッペルゲンガーを見ること)は男性にしか起こらないといわれている。レナ(女)と圭一(男)に当てはまる所ではあるが……これは余談で。

▼竜宮という姓
 水の神、龍。沼とも関係する。宮という字を考えれば、水神を祭祀する家柄だったのか? 綿流しが川に関連しているのが気にかかる。

▼綿流し編:序盤の詩音入れ替わりについて
 私はここまで書いてきた通り(ファーストプレイメモからずっと)綿流し編を「詩音の復讐劇」と見ている。この路線は外したくない。
 序盤で何度か入れ替わっていると見られる魅音と詩音。ここまでの仮定に沿って、序盤の入れ替わりを再確認してみる。
 様々なパターンが考えられるが、
1:エンジェルモートの制服は背中が開いている。
2:魅音の背中には刺青があり、詩音の背中にはない。
 という点を前提にしてみる。スクール水着の背中、本当の鬼がどちらなのか、刺青を入れているのはどちらか、魅音と詩音の姉妹関係は変化していないのか……可能性は多岐に渡る。しかし全てを考えるとあまりにも多くのパターンが出てきてしまう。よって正誤はともかく、今回は以上の2点だけに絞って筋が通るかどうかの検討をしてみたい。
 必然的に、エンジェルモートでの彼女は全て詩音という前提になる。

▼2日目:登場1回目。圭一、父とエンジェルモートへ。
 詩音初登場(詩音の立ち絵という意味)。明らかに新米。
「叔父さんの店の手伝い……」
「わた、私! ……魅音じゃないんです!」
 初対面とは思えない反応をしたことについて、
「いつもお姉が話してる人だから……知ってたわけで……」
「今日が……うぅん、圭ちゃんが初めてのお客さんなの」
 姉と同じ呼び方でもいいよね、と付け足し。魅音には似合わないが詩音には似合うと圭一。照れる詩音。圭一がメイドの格好で罰ゲームをしたのを知っている。

推理1:魅音と判断することもできるが、エンジェルモートの制服を着て登場しているため詩音と仮定。罰ゲームの一件を知っている以上、魅音と詩音は連絡を取っていたことになる。
推理2:詩音は偶然の出会いに驚いた? 魅音は圭一に惹かれていることを詩音に話していたのか。だとすると、すでに悟史絡みで魅音への怨念が生じていた可能性がある。偶然圭一に出会い、復讐計画を実行に移す?
推理3:本当に偶然か? エンジェルモートはその筋では有名店。圭一の父がそこに出入りしていることを、詩音は知っていた? 圭一が来る可能性があると踏んでいた? かなり微妙な考え。

▼TIPS
  沙都子は詩音の存在を知らない。お魎とは会っている。梨花は詩音を知っている。以前、法事で会った記憶がある。魅音登場。魅音は赤面して、
「会わない方がいいよ! ぜ、全然可愛くないし、生意気だし、たまに電話で話すくらいで……私もしばらく会ってないし……!」

推理1:沙都子や梨花にもほとんど知られていない詩音。恐らく、魅音と一緒にいる機会が極端に少なかった。姉妹はそれほど親しい関係ではないはず。
推理2:詩音の「たまに電話で話すくらいで」というのは事実だと思える。会うのを制止するのは、詩音に会うと圭一がそっちに惹かれると危惧したから。だから会わないで欲しい。赤面したのはそのため。……詩音はすでに「圭一に興味がある」と魅音に話していたのかもしれない。余計に会わせたくなくなる魅音。圭一に女としてみられていない自分に、コンプレックスを抱いているのではないか。

▼3日目:登場2回目。自宅に詩音が来る。
 空腹の圭一に弁当を届けてくれる。バイトに行く途中だという。部活でご飯を取った魅音を「悪気があったわけじゃない」とフォロー。

推理:これは魅音だろう。詩音になりすまし、女として彼に接した。昼の残りのハンバーグを弁当に使えたのは魅音だけ。もしおもちゃ屋でぬいぐるみをもらえなかった一件を詩音に明かしているのなら、詩音が「私の格好で圭ちゃんと会えばいい」といった入れ知恵をしている可能性もある。それらも全て復讐の一環。後述。

▼TIPS:弁当箱返却。赤面する魅音。
「あ、……あはは、そ、そうなんだ! 詩音は気が利くね〜!」
 お返しの飴に嬉しそう。レナ、
「今日はなんだか魅ぃちゃん、ほんわかな感じだね。いいことでもあったのかな。かな!」

推理:魅音が赤面し、一日嬉しそうな雰囲気に。よって弁当箱の一件と併せて魅音で間違いない。もしあれが詩音であれば、ここで「詩音がそんなことを……」と動揺するはず。
例外:この魅音がそもそも詩音だった場合。可能性は低い。これも後述。

▼登場3回目:圭一を助ける詩音。鷹のように鋭い目。
 自分は魅音だと赤くなって俯き、魅音からキーホルダーの件を聞いているという。「困っている人がいたら助けてあげて。そういうのを大切にするから」と詩音。
 エンジェルモートへ。「私だって怖かったですよ。でも、他ならぬ圭ちゃんのピンチだし……。勇気出して頑張りましたってことです」
「……例えば私がピンチになったら。きっと助けに来て下さいよ。ピンチになったら圭ちゃんが助けに来てくれるのか〜! 早くピンチにならないかな〜☆」
 男女差別の話。崖から落ちそうになったら、魅音と詩音どちらを助けるか? という問い。圭一、沈黙。
「つまりー、そういうことなんですよ。お姉はそのつまり……。……あれ、……えへへへへ! すみません、何か自分でいってて破綻しちゃいました」
 去り際、「魅音!」と間違える圭一。リアクションはない。「(恩を)きっと返して下さい、楽しみにしてますから……!」と詩音。

推理:これは詩音。キーホルダーの件を「魅音から聞いた」ので、ここしばらく頻繁に電話で連絡を取り合っていると考えられる。圭一と魅音をくっつける……という名義で詩音が協力中。
「怖かった」というのは嘘臭い。あれだけ威圧する空気を出していたくせに。
「助けに来て」というのは、最後のシーンを彷彿とさせる。牢の中にいるのが魅音ではなく詩音だと考えさせるため? プレイヤーへの伏線でもあるのか。「詩音を助けないと」という感情を引き出す。
推理2:男女差別の話題、破綻していないのに「破綻した」といっていないか? 話してはいけない話題に踏み込もうとしていた?

▼4日目:登場4回目。夜八時にかかってくる電話。
 明日のエンジェルモートデザート試食会に招待される。その日はバイトが早く終わるので散歩でも……と誘われる。
「そういえば……圭ちゃんと私って、なんだか毎日会ってますよね?」
「いわれてみればそうだな」
「でもOKしてもらえたお陰で、また明日も会える口実を作ることができました」
 この後、ダラダラと話を続けずに電話を切る詩音。
「明日、詩音に恩返しできたらな」と考える圭一。

推理:これは詩音。誘うような台詞が非常に作為的。すぐに電話を切るのは圭一を揺さぶるためか。余韻を残した方が効果が大きい。

▼5日目:登場5回目。エンジェルモートに行く圭一。
 魅音は、圭一がエンジェルモートに行くことを知らないようだ。レナ曰く、最近の魅音は浮かれているor嬉しそう。
 エンジェルモート。詩音、客にデザートをぶちまける。先輩ウェイトレス「園崎さんは短期バイトで馴れていないので、狙われた」。客との対決。
 レナに素っ気ない詩音。レナは詩音と魅音を比べて「中身もそっくりだと思う」という。咎める空気。魅音が傷ついた理由を問う圭一。ヒントだけ教えてもらう。
 詩音と街へ。魅音は圭一がお気に入りらしく、饒舌に喋るという。「私、魅音のどことなく甘えたところ、好きじゃないんです」――冷めた雰囲気。詩音は魅音とそこそこ仲良くやっているが、姉妹として許せないところは色々あるらしい。
 おもちゃ屋の前で真相に「気づく」圭一。詩音にぬいぐるみを買ってやろうとする。圭一はあの時の魅音にあげるという意味合いだが、詩音はそれを知っても何も言わない。詩音「圭ちゃんのこと。……ちょっぴり好きになっても、いいですか?」店内で魅音と対面。

推理1:この日の詩音は確実に詩音本人。デザートをぶちまけて絡まれたのは計算の上か。圭一との距離を縮めるため。助けてくれると計算していたはず。彼が揉め事に強いかどうかを知ることも可能。
推理2:レナから距離を置こうとするのは、正体の露見が恐ろしいからか。狙いすらバレてしまったらとんでもないことになる。ただし、レナは「魅音も本当は(詩音のように)女らしい」といいたいだけなんだろう。
推理3:二人の中身がそっくりなら、詩音にも恋愛感情にまつわる「何か」があるということか。動機が悟史であることの裏付けにならないか?

▼レナの台詞に関する仮定
「考えようによっては……ずるいのは魅ぃちゃんの方なのかもしれないし。ずるいのが女の子だ、って居直るのもまたずるい気がするし」
 二人が電話で話した時に以下のような会話があったのではないか。

魅音「どうして(圭一からぬいぐるみを貰えたのが)レナなの? ずるいよ」
レナ「……ずるいのが女の子なんだよ(私も圭一くんから貰えて嬉しかった)」

 おもちゃ屋でぬいぐるみをもらえなかったことを、魅音が話題にしたのではないか。レナも受け取ったことを正当化したのではないか。だから「圭一くんだけが悪いわけでもない」という言葉が出る。泣いて責める魅音も悪いし、譲らないレナも悪いし、魅音を女扱いしない圭一も悪い。
 魅音と詩音が髪型を変えた同一人物だったら? と話すレナは、魅音を女扱いしなかったおもちゃ屋でのことを指しているはず。圭一の付き合い方が原因で彼女は泣いたのだと。
 もしこの会話の仮定に続きを書くとすれば、こうなる。

レナ「だから、魅ぃちゃんも圭一くんにもっとずるく当たってもいいんじゃないかな」

「詩音の姿を借りて圭一に近づく」作戦に賛成するということ。この日の前後を考えると、レナは「入れ替わり計画」をある程度知っているように見える。また、圭一に「魅音は女らしい」と諭しているので、どう見ても魅音の味方。

▼入れ替わりの理由、ここまでのまとめ
 入れ替わりが始まる前、詩音は魅音にこんな提案をしていたのではないか。
「女として見てもらいたいなら、詩音として振る舞えばいい。あくまでも別人なんだから絶対に本当のことを話しちゃダメ。私の名前と姿を“貸して”あげる。私も圭ちゃんにアプローチしてあげる。二人が上手く行くように。その後で“実は全部魅音だった”と明かせば、きっと大丈夫」
 エンジェルモートで初めて対面した時、圭一は彼女(詩音)を女性として見ていた。それに基づいた計画だったのかもしれない。つまり詩音は魅音に策を仕掛け、同時に圭一にも個人的なアプローチをかけている。彼が好きだからではない。復讐のため。
 魅音の恋心を利用している。その上で圭一を誘い、それも利用しているということ。
 2日目の魅音の台詞を再度見てみる。
「会わない方がいいよ! ぜ、全然可愛くないし、生意気だし、たまに電話で話すくらいで……私もしばらく会ってないし……!」
 梨花や沙都子も日常で詩音に会ったことはない。詩音とはたまに電話で話す程度の仲だったということ。しかも5日目の会話で分かる通り、詩音は魅音に対して冷めたところがある。
 だが詩音は「圭一のことを魅音からよく聞いている」と喋っていた。ここから、
「二人の仲はあまり良いものではなかったが、魅音の恋心を知った詩音が頻繁に連絡を取るようになった」――と仮定。理由はこのページで色々書いているとおり、悟史失踪に関連した復讐。魅音を苦しめることが目的。
 ……ただし、悟史失踪の主犯格(理由)が魅音ではなかった場合、詩音は事実誤認をしているということになる。一連の事件の黒幕が悟史失踪の真犯人なのだろうか? だとすると、復讐に生きて復讐に死んだ詩音もまた被害者ということになる。
 その場合、私が仮定している大石黒幕説が重なる。オヤシロ様の使いに接触された人物が被害に遭っている事実。
 ――以上のまとめを元に、続くシーンを見てみる。

▼おもちゃ屋で出会う詩音と魅音
 店の前でレナと魅音の会話を考える圭一だが、詩音が別人だという可能性を考えていない。よって正しい推理ではない。これらはやはり詩音の罠と考えた方が筋が通る。

詩音「最初からそうだっていってますよ。園崎詩音です」
魅音「どどどどどどういうことなの……説明してよ……詩音……!」

 おもちゃ屋の中でこういうやりとりがある。
 ここまでの仮定が正しいなら、魅音は「詩音が立てた作戦と違うじゃないか!」と抗議しているように見える。もちろん、詩音は最初からこうするつもりだったのだろう。弁当を届けに来たのも自分だと主張する詩音。

詩音「それともあれ、お姉だったの? 園崎魅音ともあろうお方が手作り弁当を作って、男の子の家に甲斐甲斐しく届けに行ったと? へー……お姉って見かけによらず大胆〜!」

 魅音、真っ赤になって「知らない」と否定。
 絶対にあれは魅音。なのに照れ隠しで否定してしまう。形式上、詩音の手柄になってしまう。本当は詩音と圭一が「毎日会っていた」わけではないのに、そういうことになってしまう。満面の笑みを浮かべた詩音と、抜け殻のような魅音。コメディの雰囲気に騙されてはいけない。非常に重要なシーン。このシーンで、詩音の「二人に対する心理面での準備」はほぼ完了したと考える。

 魅音の恋心を明かし、打ち砕く。これは園崎の屋敷〜地下で詩音が見せる言動の前提になっていると思う。動機が圭一への恋心であること、そして魅音を女扱いしない圭一の行動が原因だったこと……これを語ることで、あたかも魅音が犯人であるかのような心理状態を作り出すことに成功している。
 同時に、あの台詞は詩音の本当の叫びだった――というのは先日書いたとおり。ぬいぐるみや恋心といった要素が悟史失踪に重なっているため。

▼6日目
 魅音が変な一日。圭一を避ける。平静を取り戻そうとしている。レナが治す。
「魅ぃちゃんはね、昨日までの数日間のこと、なかったことにするから。だからね! 圭ちゃんもなかったことにしてあげて。それで魅ぃちゃん、いつも通りだから。お願いだから魅ぃちゃんの心の整理がつくまでそっとしておいてあげてよ」
 いうとおりにする圭一。
「圭一くんも分かったでしょ。魅ぃちゃんにも可愛いところがあるんだ、って」
「……ああ、退屈しないやつだということがよく分かった」
「それに気づいてくれればこの数日間の出来事はすぐに笑い話になるんだよ」

推理:圭一は分かっていないような気がする。魅音が落ち込んでいるのは、「入れ替わり作戦」によって近い将来圭一ともっと近づけると期待していたから。男女の仲として。しかし詩音が裏切って圭一を奪った。魅音は未だに女として見られておらず、事態は何も進展しなかった。だから落ち込んだ。この数日間を認めてしまうと「圭一は詩音に持って行かれた」ということになってしまう。レナがいうとおり、詩音との関係を全部なかったことにすれば、魅音は立ち直れる。
 ……これで筋は通っている……はず。
('A`)ダメ?

▼7日目
 祭りの準備を手伝う圭一。仲直りの麦茶といって詩音が手渡してくる。魅音は茶化され、圭一のために持ってきた麦茶を自分で飲んでしまう。
魅音「私、詩音嫌い〜。この前からもっと嫌いになった〜」

推理:この台詞は詩音の裏切りを表しているように思う。また、麦茶で圭一を奪う詩音という構図になっているのはこれまでに書いてきたとおり。ささやかな復讐であると同時に、この後に起こす事件の前フリか。究極の二択を迫る際、圭一の思い入れを魅音ではなく詩音に持ってくるため、少しでも親しくなっていた方がいい。最後の入れ替わり(園崎の屋敷以降)に絡む。
 犯人は魅音だった、と圭一に(プレイヤーに)思わせれば詩音の狙い通り?

 そして祭りの後、詩音は魅音を地下に監禁し……

▼2004/12/29現在
 真相についてはまだ推理できていません。年明けに再読を進められたらいいなあ。
 悟史、詩音絡みの推理はある程度筋が通せたので、これが合っているかどうか冬の新作で確認したいと思いまス……といいつつ、梨花の「犬さん猫さん」の再読が間に合わなかったので自信なくなってきました。あれの推理次第で考えを全面的に変えなければいけないかも。
 目明かし編・悟史失踪における“最悪の可能性”だけ書いておきまする。
「詩音が悟史を殺害(せざるを得なかった)」というパターン。うああ、重い。重すぎる。
 だがそれもいい。

ヽ|・∀・|ノ<推理の続きは目明かし編が終了してからー

P.S.
 オフィシャルBBSでM'sさんという方が綿流し編について私と似た推理を書かれていたようです(内容は色々と異なっています)。
 推理をアップした日付が全く同じとは……驚きました。


以下、目明し編ネタバレあり

2005/01/06
▼目明し編読了

 一番好きなシナリオだった綿流し編に対応した目明し編。面白かったです。
 何カ所か不自然だと思った点、「おや?」と思わせる点がありましたが、そういった欠点が気にならないほどの長所がある。いいシナリオでした。
 綿流し編の推理は大筋で当たっていたみたいです。細かいところで考えすぎたり、逆に考えが足りなかったりしてミスをしていました。とほほ。驚いたのは詩音の犯行が偶発的だったこと。私は詩音を実際以上に計算高く、冷酷非情な人物と考えていたみたい。十分冷酷だった? 確かにそうなんですけど……本当に切ない物語になってました。
 詳しい感想はプレイメモに含まれていますので、ぜひ。

目明かし編ファーストプレイ時のメモ(そのうち別ページにするかも?)
「どう洗脳したって、私は私以外の人間にはならない」
 自我が強いのと同時に、伏線とも思える。この詩音が洗脳されたらドラマが発生。

 詩音は缶詰が苦手。何がトラウマに?

 攫われた子供が見つかったことを「鬼隠しになって消えたのではなく、発見された、ということは。……つまり、裏での何らかの取り引きが成立したってことだ」
 詩音は鬼隠し=園崎の工作と語っていることになる。

 詩音は寺に閉じこめる、の意だった。生まれた時からその運命は決まっていた。

 一年を学園で過ごした詩音。戻ってきて早々エンジェルモートへ。とすると、新入りといわれていた綿流し編の彼女は……?

 双子の相違。魅音はお魎の元で後継者として過ごしていたから変化している。もう一つ、詩音への依存度が高い。気にして遠慮するところが、魅音にはあるという。詩音は一人で食べてしまう。ただし魅音が嫌いなわけではない――それが綿流しでは「甘えたところ、好きじゃない」という。何があったのか、この「解」で描かれるのか。

 缶詰がダメなのは葛西が怪談で脅かしていたから。人肉缶詰事件と絡むか。

 この展開、ぬいぐるみ絡みのシーンは詩音と沙都子ではなく、詩音と魅音か? だとすると綿流し編のあのシーンがよく繋がってくる。

“彼はもう一度お尻の埃を叩いてから、立ち上がる。そして、薄暗い路地裏から、光の溢れている眩しい通りへ歩いていった。”
 ……いいね。隠れ住む、園崎の娘としての闇。不良から助けてくれた彼の純粋な神々しさを光に例えている。二人の住む世界の違いが対比されている。このリフレインが多すぎるぐらい多いので、作者としては何としてでも強調して伝えたかった箇所だと考えられる。

 ここ一番に弱いという悟史。伏線か? クライマックスで致命的なミスをする、など。

 沙都子がいなければ、しっかり者の悟史はもっと楽な生活ができる。敵意を感じる詩音。そういう仕組みか。

 詩音はどうやってその存在を公に認められるようになった? 注視する必要がある。

 レナ曰く、悟史は沙都子が負担になっていることを自覚し、雛見沢から逃げ出そうとしている。プレゼントのためと自分を偽って。どこまで信じられるかは不明。レナというフィルターは正誤が曖昧過ぎる。
 ただ、監視という要素は大石に重なる。レナも悟史も彼に接触、もしくは調べられていた。足音だけが繋がらない。室内、枕元は意味不明。

 昭和五十七年で十万円ってかなりの大金。ぬいぐるみにしては多すぎない?

 レナを監視したのが大石たちだと仮定。メリットは? そう、いつもここが分からない。

 詩音は祟りのことを最初に「人為的な監視」だと書き始めている。祟りは最後の可能性のようだ。園崎故か、個人的な推理によるものか。被害妄想、祟りと併せて可能性を挙げている。彼女の推理はプレイヤーが思いつくであろう可能性に重なっている。

 詩音が学校に行くというのは「そうこなくちゃ」という感じ。いよいよ物語が能動的に動き出す。

 ? 詩音は荒事に馴れていない? 意外すぎる。あんなに場慣れしてたのに。

 悟史、沙都子と決定的に対立。恐らくこの後、和解して接近する。セオリー。拒絶の原因は園崎が彼らを攻撃したことか。北条家を迫害したのは村であり園崎。詩音、園崎への恨みを抱く。

「今まで優しく接してくれたのは彼が大人だったから、としか」
 これはおかしい。悟史の豹変は普通ではない。園崎に対する価値観を歪められた、と捉えるのが自然。誰に? ……大石蔵人しか思いつかない。圭一が鬼隠し編で変わっていったのも、彼との接触が契機だった。それを裏付ける情報が各所にあったはず。
 圭一=プレイヤーも、大石から与えられた情報で疑心暗鬼に陥り、様々な可能性を推理したのではなかったか? それ自体が罠であり、それを自覚できない状況であれば?
 今の悟史に一致することになる。

 しかしオリジナルの音楽いい感じ。やや久石風味?

「北条夫婦の事故死を疑う警察が、未だに北条家近辺をマークしているという噂が」
 葛西の情報。祟殺し編で大石が山中に現れたことへの裏付けか。同時に、入江があの家に接近していたこと、鉄平が入江に親しげだったことも怪しいところ。この三人、どこまで共犯か。

 お魎の狙いで祟りが執行されると確信している詩音。村の結束を強めるという推理には一致する。最後に梨花が死ぬのは理解できない。この推理に相反する。彼女の死も計画に含まれていた。お魎であるなら、なぜ? オヤシロ様信仰の破壊と、村の滅亡を暗示する梨花の死。計画に含まれているのはあまりにもおかしい。ネック。

 ……悟史が詩音に「(祭りへ)沙都子を連れ出してやって欲しい」……? 祟殺しでのあの電話は詩音だとして、その内容までもなぞっていたのか!
 祭りの夜だけ沙都子を頼めないか……しかし「祭りの夜だけっていって、結局ずっとだった」という結末。悟史はこの後、失踪する。
「……もうそんな気はないんだ……もう」悟史、村を出て行きたいという欲求があったが、沙都子の存在から思いとどまっていた。それをもういい、という。

 北条家に貯金があったのは本当にダム絡みの報酬?

 詩音は寝ているだけ。悟史は粗大ゴミ置き場に得物を隠す。
 梨花は「決まっていることなのです」という。死が決められている。知っている。叔母の死は決定事項だったか? それが悟史によってもたらされることは?
(メモ:暇潰し編を確認せよ。また、これは本当に悟史のシーンか? 大石などの別人という可能性は? 再確認必要)

 やはり現場に来た先生とは入江だった。大石と共犯であるなら結果報告を操作することも可能、なのか?
 と思ったら聞き込みだった。恐らく入江は被害者の正体に気づき、悟史を庇うためにその場を去った。時間稼ぎをしてやろうと思ったのか。
 悟史と大石はこれが初対面か。とすると、彼の豹変は大石ではない。……レナしか残らない? それとも自発的に変わった。もしくは、入江と何らかの形で接触があり――薬物絡みの何かをされたか?
 叔母の殺害は往来の真ん中? 自宅に乗り込んだ異常者による犯行だったのでは? 勘違い?

 詩音と魅音は悟史の呼び方が違う。詩音=悟史くん。魅音=悟史。伏線か。悟史は二人が別の人物だとどこかで気づいていたか?

 詩音曰く、魅音には臨機応変さが足りない。この時期は部活も弱かったはずの魅音。何かがあったのか、それとも?

 バイトに行くという悟史。違和感がある。もう辞めたはず。金は支払われていないだけで、全額貯まっている。大石にでも呼び出されたか。

 魅音は大石にありのままを話している。これに責任を感じて判断力を鍛え上げ、部活でも勝てるようになっていったのだろうか。

 ここで別人だと明かすか。手記からして、お魎に鬼の役目を背負わされる可能性が。

 お魎は悟史との関係をこそ咎めていた。北条の悪行、その血を引いた悟史が許せない。血を重視しているという点は、他の箇所でも重要になる可能性がある。
 特に恋心に対して怒っているお魎。園崎お魎と北条に何かがあったのだろうか。それを彼女に明かしたのは魅音。怨恨の理由か。

 爪を剥がす際、覚悟に対する比喩に「歯磨き粉」を持ってくるのは、適当ではないかもしれない。非日常に対する日常の象徴という意味合いならありだが、この名詞は緊迫した空気にイマイチそぐわない。

 このケジメ、悟史たちに危害を加えないと約束されたわけではない。園崎が悟史を隠してしまえば、詩音の怨恨にピッタリ当てはまることになる。許されたと思っていたのに、という凄まじい感情が沸き起こる。

 園崎魅音を騙らないこと……入れ替わりの仮定が合っていれば、綿流し編での詩音は「魅音じゃなく詩音」と一貫した主張をしていたことになる。従っているということか。ほとぼりが冷めるまで、とあるが、この習慣を続けている可能性はある。問題を起こさないよう、あの拷問室に自分や周囲の人間が連れて行かれないよう、無難な態度で生活する。
“魅音だって……もう二度と私には協力してくれないだろう”
 詩音は魅音になりすましていない、と推理した。逆に魅音が詩音を騙る分には問題ない、ということになる。前原圭一は園崎の恨みを買っているわけではない。

 おもちゃ屋でぬいぐるみがなくなっていることを確認する詩音。入江と会話。大石登場と同時にひぐらしの声。この演出は重要。日常・平和が破壊された音だ。
 大石はどんなルートで詩音のケジメを知り得たのか? 詩音、流すなよう。

 貯金を下ろした悟史、ぬいぐるみを買ったか不明。その後失踪。沙都子にぬいぐるみは渡していない。園崎が隠したのか。

<推理>
1:大石がぬいぐるみをショーウィンドウから消した。老人が店番の時に買った……いや、居眠りしている隙に盗んで処分した? 彼の過去を予想すれば、暴行、恐喝、窃盗ぐらいは日常茶飯事だった可能性が高い。警察の立場にあろうと、バレなければ何でもやるだろう。狡猾に。
2:大石には「園崎が隠した。全て園崎のせい」と詩音に思わせ、対立を煽る狙いがあるのか。だとすると、悟史は金を使って失踪した。園崎家がそれを先導し、他の選択肢を与えなかった。ただし、彼を殺したり鬼隠しに遭わせたりはしていないと仮定。それを、詩音が誤解する。大石がぬいぐるみという鍵を消すだけで、この誤解は生じてしまう。不確定要素が多いこんな細工を、大石がわざわざ行うかどうか……?
3:園崎の内情を知り得た人物がそれに協力している。入江か?
4:入江はおもちゃ屋の前でもう悟史失踪を知っていたようだった。それ自体は問題ないこと。……何を知っていて、何を知らないのか? この男。勘繰りすぎだろうか。
5:以上の仮定は園崎家が詩音に真実を明かすとすぐに崩れる、弱いもの。
6:ぬいぐるみを買った悟史は、大石の手によってそのまま隠された。叔母を殺したのが悟史なら「殺人犯の妹と呼ばせたいのか。隠れていれば、もう会えないが妹は汚名を着ずに済む」とでも? ぬいぐるみは大石から沙都子に届けられる約束になっていた? あるいは、殺したのが大石なら……悟史は。

<大石の仮定と詩音の返答>
大石:詩音が悟史との交際を禁じられたのは、園崎家の令嬢と殺人犯という関係ゆえでは?
詩音:あり得ない話ではない。魅音としてやっていた雛見沢ファイターズの時などは全くお咎めがなかった。
推理:トリックか。咎められたのは「魅音ではなく詩音」と名乗ってから。野球関連の時期は魅音として動いていた。バレていない可能性も僅かながらあった。魅音が決定的なミスをしない限り、園崎家といえども詩音が魅音になっているとは知らなかった可能性がある。だからお咎めがなかった。……うーん。

大石:園崎家は二人の縁が簡単に切れるものじゃないと分かっていた。諦めの悪い詩音を脅してもダメなので、悟史の方を隠した。「まだ殺されたとは限りません」
詩音:激昂。拷問室の奥には死体を捨てる井戸があるという噂。安全に消すならそこを使う。私が鬼婆だったら絶対に殺す。ならばお魎が殺さないはずがない!「逃走資金を貸してやって雲隠れを促すようないい加減なことなど絶対しない!」
推理:詩音は冷静な判断力を失いつつある。彼女の推論は信用できない。悟史に対して「私が鬼婆だったら絶対に殺す」というのは錯乱した思考にも見える。逃走資金を……という部分には説得力があるが、ケジメに対して園崎家が「この件は不問に」と一段落した姿勢を示していた。ならば悟史は殺されず、手心を加えられたのかもしれない。葛西が「忘れるように」といっているので、園崎家が絡んでいるのは間違いない。しかし殺したとは限らない。悟史が殺人犯であることは確実(犯人は薬物中毒者ではない)と仮定しているので、それに従えば「警察に捕まる可能性も考慮し、遠方に隠れろ。ならば不問に付す」ということか。伝えたのは魅音? だとすればぬいぐるみは魅音に託されたのか? 魅音は詩音の格好で彼に会った? 電話口での「沙都子を頼む」というのをリフレインし、全てを魅音に頼んだのだろうか。入江であれば、購入した時に大石に接触されて取り上げられ……といった可能性も。ただし彼がそれを全く表に出さないのも不思議。無理があるか。

大石:お魎は殺すつもりだったが、魅音が止めたのでは?
詩音:「あの馬鹿は時々曖昧だ」可能性は十分ある。
推理:激昂しているにしても、詩音の中で魅音への怒りが沸き上がっているということ。

大石:殺人事件を庇いきれないから隠れろ、と園崎が命じたのでは?
詩音:妹を残して雛見沢を離れるわけがない。
推理:う。大石と私の仮定が一致してしまった……。困った。あるいは、この可能性はないという消去法にすべきか。二つの線で考える。

大石:お金は逃走に出はなく、ぬいぐるみを買うために使うはず。だが、もしそれが売れてしまっていたら?
詩音:呆けた老人が予約を理解していなかった? いや、園崎の強面が金を叩き付けて買っていったなら、予約など関係ない……。
推理:詩音は大石の仮定に対し、自分の知識で勝手に裏付けをしている。辻褄を合わせる思考になってしまっている。話術にハマっている証拠。よって、これを信用することはできない。

大石:園崎家が「沙都子の面倒は見る」と約束していたら、雛見沢を離れるのでは?
詩音:そうかもしれない。謝りながら名古屋へ、東京へ。もしそうなら、生きている……いつか帰ってくる。希望を抱く。
推理:詩音は完全に大石の説に引き込まれている。彼の生存を信じるに至っている。それは詩音にとって最悪の可能性を脱した「救い」。だから信じたい。否定すれば悟史は死んだことになる。信じるしかない。大石はそこまで計算して、話をここに着陸させた。詩音は「信じた」のではない。「信じる以外に道がない」状況に追い込まれている。それに彼女は気づいていない。

事実は?:殺されていたら詩音が園崎に抱く恨みは正当なものに。殺されていないかも、という可能性に導いた大石の狙いは……?? 要考察。


<このシーンに対する現時点での仮定>
 大石は論を組み上げることで疑心暗鬼に陥らせようとしているように見える。圭一に対してもそうだった。それをやるメリットは何か?
 まず、誘う時も無理矢理ではなく、興味を惹く餌をちらつかせて対象(詩音や圭一)が食いつくのを待ち、心理的な着席をさせている。「話の内容がつまらなければ帰ってもらって構わないですから」というのもその一環。そして相手が絶対に気にするであろう情報を匂わせた上で、自分の口から様々な情報や推論を伝える。無理矢理にではなく相手が自分から「聞こう」と思うように仕向けているのは、内容を信じさせるために必要な工程だからと解釈できる。大石の情報が正しいという保障はどこにもない。例えばレナが茨城で起こした事件に対して推論した大石だが、カルテのような物証は一切なかった。独自調査だから踏み込んだ調査ができなかった、という言葉で真実味を増そうとしていた。
 彼は相手の心理を掴む術に長けている。どうすれば自分のもたらす言葉が彼女たちの心を侵すか知っている。全ては彼の目論見に従う手駒にするためなのではないか。事件を望む方向に転がそうとしているのか。そのためならば嘘の情報、嘘の推論だって組み立てる。
 読者は彼の情報に影響を受ける。ならば詩音や圭一が彼に騙されていたとしても、それを非難できない。彼らも読者も、自分で事件に対する論を組み立てていく。しかし、大石の情報を元にしているなら必然的にその幅は狭められていることになる。限られた可能性しか導き出せない。操られているという自覚はほとんどの場合起こらない。全て自発的に考えているつもりだから。しかし、実はそうではない。読者すらも大石に操られている。
 これこそマインドコントロール。第三者に指摘されないと気づけない罠。「自分はコントロールなんてされていない!」と言わしめるのが本当のマインドコントロール。
 大石黒幕説はファーストプレイ以降一度は捨てた推理だが、完全に捨てさせるだけの要素がまだ出てきてくれない以上、それを疑うしかない。
 以上の仮定が合っているなら、やっぱり悪質だぞ大石。それがまたいいんだけどね。
 仮定が違っていたら? 私が先走っただけということで(´・ω・)

 入江が園崎家の内情を知っていると仮定すれば、村唯一の医師としてお魎ら重鎮に接触できる立場にあった? 微妙。

 駅で目撃された悟史というのは裏付けがない。北条、と書きかけた少年。それに似た服装の男が東京行きの列車に乗った。

 梨花の保護者は公由。沙都子は確かに御三家の保護下に入った。彼女を保護するから隠れろという大石の予想は、そう外れていない。悟史は許されず、沙都子だけ許された。どうして。

 詩音は大石の話を振り返る。話半分に思うだけの余裕を持っていた。上にあり得るという可能性を二つ挙げている。しかし、まず結論ありきかもしれない。そこに向けて全ての情報を組み上げているだけなら、大石のコントロール下にあるということ。本当に彼の話を話半分に考えていたかは疑わしい。

 異常者が犯行を自供。秘匿捜査指定がかかっている。園崎の圧力、もしくは警察内部に協力者がいて秘匿捜査になったのか。警察とお魎は手を組んでいる? 予定調和の殺人が可能なのは園崎ぐらいしか思いつかない。大石とお魎、という組み合わせは非常に難しい。警察上層部とお魎(園崎家)ならまだ分かる。頭が上がらない上層部。

 秘匿捜査指定がかかった事件について知っている葛西。やはり警察と縁が深い園崎なら情報を得られるということ。園崎がその気なら、逆も可能。漏らすのは誰だ。

 薬物中毒者だった犯人が県警で主婦殺しを自白。出所しては薬をやる、の繰り返しだった男。自分が祟りを起こしてみたかった。凶器は川に捨てたといい、警察が探している最中。現場の状況、仏の状況を正確に供述。犯人しか知り得ないレベルで。
 犯人は先割れスプーンを飲み込んですでに死亡している。県警の調べが情報の全て。
 この薬物は一連の事件に関係したものかもしれない。何者かの手で服用させられた、もしくは与えられた。彼は譫妄状態に陥り……。

 大石、犯人はその男でなく悟史だと主張。園崎家が二人の恋を引き裂く程度のことで人を失踪させるようなリスクを負うとは思えない……と語る。詩音に情報の相互提供を持ちかける。この事件があの異常者の犯行として決着しても、大石だけは悟史を容疑者として探す。詩音も彼を捜したい。一致している……と。

 悟史の失踪は大石によるものか。警察署で悟史はどんな言動をしたのか? 逮捕されていないので自供はしていないはず。したとしたら、大石たちが揉み消した? 大石、「もう全部分かってる。殺人犯として逮捕される姿を妹に見せるのか」と揺さぶったのか。その上で「隠れた方が身のためだ」と? そんな馬鹿な。悟史がぬいぐるみを買ったかどうかとは別に、大石のポケットマネーで彼を遠くへ逃がしたのか。

 詩音、この四年の事件はダム計画にまつわるものと推理。悟史は詩音と出会っていなくても隠されたに違いない……と考える。

 ひぐらしの鳴き声と共に鷹野登場。き……キター……(´・ω・`)

 鷹野も共犯なら、研究に基づいた意見を対象に教えることも計画の一部なのか。大石にとって有利な状況を作るための。事実、祟りにまつわる考察は事件と結びつけられ、圭一たちの心理状態を変化させていた。鷹野の趣味・目的と一致しているので彼女にもメリットがある。どこまで真相を知らされているのか。鷹野はただの手駒か。
 悟史失踪を追いかける詩音が、このノートによって考え方を固定されたら?
 帽子を被った男は富竹だろう。彼も大石の関係者……むしろ、彼が大石の部下として鷹野と詩音を結びつける役目を担ったのかもしれない。

 詩音はすでに園崎家が悟史を隠したと決めつけていた。大石と鷹野の意見に影響を受けている。そこで魅音の爪が明らかになるのは面白い。彼女の「園崎家じゃない」という言葉を信じる。

 面白い。伝説にある鬼と人の共存を、魅音と詩音に重ねて描く。それをオヤシロ様が末永く見守った。
 共存した後、鬼は本能に従って人を襲ったという。それは下界の人間に向く前に、共存の相手にも向けられたのか。
 魅音は自分の中の鬼を嫌悪する。人間がいい。詩音の心にも鬼が棲む。

 鷹野との関係を、詩音は客観的に分析できている。話半分で聞けている。祟りで悟史が隠されたという意見は否定。園崎に関する考察は「鋭い」という。かなりの部分で当たっているようだ。悟史失踪の手がかりにはならない鷹野の考察。
 悟史が東京へ行ったという噂はデマだと考えてるようになった詩音。大石との関係は彼の忙しさが増すことで断ち切られた。「転校」という言葉で悟史を消されることを不満に思う。これはもっともだ。

 待てよ、魅音は葛西の部屋から出てきたようだった。何らかの特別な関係があるのか? ただ時間を潰していただけ? 詩音の母に恋慕していた葛西。詩音に少なからずその面影を見ているなら、魅音にも同様の思い入れはあるはず。綿流し編が詩音の凶行と知った彼は、どうしたのだろうか? 隣の部屋で「姉妹喧嘩のようなもの」を聞いたのは葛西だったはず。

 圭一登場! 流石というか……_| ̄|○
 立場は綿流しと逆転している。悟史と重なっている。頭を撫でる圭一の癖はこのためだったのか。
「その後、魅音に聞き」知った圭一の知識を、どうしてこの場で披露できるのか?? 恐らくケアレスミス。
 圭一と「奥手な魅音」がどう付き合っていくの興味が湧き、からかってみたいという欲求がある。一連の略奪が本当にただの悪戯だったら……? 詩音を悪く見過ぎていたか? あるいは綿流しの前までは悪戯で、あの祭りの夜、もしくは直前に何かがあって魅音を隠すに至ったのか……?

 詩音にとって圭一は、悟史と比べて幼稚。恋愛の対象にはならない。ただし魅音同様、気に入っている。二人の関係を優しく見守っていく考え。

 おもちゃ屋で人形を貰えなかった一件。
「(出会いから)やり直したい」とまでいうか、魅音。驚いた。

 やはり魅音と圭一の関係に嫉妬する詩音。
 悟史のいない生活が当たり前になりつつある。「気を許せば、悟史くんのために開けてあるはずの席に……ずうずうしく、あいつが座り込んできそうなくらいに」
 こう来たか! 惹かれていたのは事実なのかもしれない。悪戯以上の感情があったのか。だとしたら、悟史を忘れさせる彼を殺さなければならない……という思考に至ったのかもしれない。一度は見逃した彼を刺しにいった。薬物の影響を受け、「やはりそれ以外の選択肢などない」と思い詰めてしまったのか。
 全ては悟史への想いがあるから。

 村では一連の殺人事件を禁句として、全員で触れないようにしている。圭一はその存在をほとんど知らない。悟史は本当に転校したのだと思っている。「彼を消さないで」。

 神社で圭一に撫でられた頭を「痛い」という。彼への想いが強まり、悟史が消えていくのを自覚している。それが痛い。詩音、「一緒にいるよ」という悟史の声を妄想。背後の足音を聞く。

 枕元に悟史がいる、として詩音は思い出を語る。目覚めるといなくなっていた。しかし足音で彼を感じる。雑踏では分かりにくい。静かなところだと強く感じる。孤独を愛するようになる。急に立ち止まると、余計に一歩歩く足音。

 ? 悟史と一緒にいられるなら、圭一への好意も無になるのか? だとすれば負の念が高まった時に冷酷な仕打ちをしても問題はない。

 圭一を祭具殿へ誘ったのは祟られたときのため。共犯にするため。
「魅音の圭ちゃんも今年の祟りで消えてしまえ」

 コピペミスか? 唐突に混じる「俺」という一人称。綿流し編テキストの使い回しか。

 祭具殿に入ると悟史の機嫌が悪くなる。詩音にも様子が分からない。
 御神体の足下にある祭壇、梨花と思われるハンカチ。行き届いた手入れ。ここだけは生きている。祟りではない、一連の事件はそれを模した人為的なものだと確信する詩音。

 祭壇前、悟史ではない(?)激しい足音。詩音は聞き続ける。怒っている? 何者? バラバラ殺人の話題を鷹野がし始める時、一層強くなった。ただの演出か、それとも意図があるのか。

詩音の予想。
「園崎が地下祭具殿。古手が祭具殿。公由も近い規模のものを秘蔵している」という。鷹野の説を元に組み立てている。
 祭具殿の不可侵性の正体は「恐怖」。人目につけば神秘性を失い、ただの恐怖の対象になってしまう。それを隠した。
 鷹野の死はあの直後。……しかし、死亡推定時刻は綿流しの前日だったはず。詩音はこれに関係していない。

 重要なポイントが来た。この夜何があったか。
お魎「あんの若いもんも、ちょい出張りすぎゃったんやぁん」
魅音「オヤシロ様のお怒りに触れたんだから、仕方ないしね」
お魎「警察は調べんとっちゅとろんが、すったらん、間違いなかんね」
魅音「多分ね。鷹野さんだろうね」
 深夜(午前二時過ぎ)に鳴り続ける電話。魅音が出て、
「そちらの対応と一切の口封じをよろしくお願いします」

 魅音は富竹と鷹野がオヤシロ様の祟りにあって死んだと語った。具体的な理由については述べていない。本当に祭具殿侵入が理由なのかは疑わしい。詩音はそうだと勝手に断定し、「悟史くんを、いなかったことにしてしまえる園崎本家なら、できるだろうな(やるだろうな)」と考える。魅音が自分で爪を剥がした上で「園崎じゃない」と訴えた悟史の一件。詩音は彼女を信じたのに、ここでは園崎家の仕業と決めてかかっている。どうしたことか。恐怖と焦り、秘めた負の感情が表面化したか。
 様々な局面で「鷹野の推理は正しい」と考えていた詩音。あの考察に思考を縛られていたのは明白。冷静に疑いつつも、一致する情報が書かれているとそちらに引き摺られてしまう。仮に鷹野が園崎などの事実を知るものから情報提供を受けて考察していたら? 信憑性が高まる。鷹野と詩音の接触が第三者の意図的なものだった、という仮定に重なるものがある。

 スタンガンで気絶させた二人を地下に運び込む。
“私の筋力はごくごく平均的。人の身体を軽々と持ち運べるような力があるとは思わなかった。……だが、非力なふりをする必要がないことを知った今の私は、何の苦もなく彼女らの身体を担ぎ上げたり、引き摺ったりすることができた”
 この矛盾した文章は一体何だ? 思考がおかしい。この時点で何らかの異常が詩音に起きている可能性がある。薬物か? 能力を超えた行動、冷静かつ冷酷に事を運ぶ精神。

 ヤバい話はお魎が独断で決めていると魅音。
魅音「私が陽の部分を取り次いでるとしたら、陰の部分を取り次いでる誰かがいると思う」
 来た。それが入江であり、大石なのかもしれない。
詩音「強いていえば、毎年、オヤシロ様の祟りの時期になると連絡量がどっと増える相手よ」
 時期に一致するのは富竹の来訪。やはり彼も黒幕の一味だったのか。

 魅音はやはり祭具殿侵入事件を知らなかった。あそこに入れば祟りで殺されても当然、と俯く。それ以外の理由で殺されたなら、園崎家や一連の事件に対して首を突っ込みすぎたために……という推理も可能。「あの若いもん」というのは、富竹だけを指すのかもしれない。

 ! お魎は入江を信頼していなかった。若い者への不信感。他の土地で生まれた余所者でもある。詩音は彼が黒幕だったら薬物によって事件を起こせると考えつつ、それを否定。
 公由は信頼されていた。高齢同士であり、気の合う友人だった。綿流しが近づけば運営で頻繁に顔を合わせる。詩音の推理はここで打ち切られ、魔手を追いつめるほうへ思考が向いていく。
 ……大石蔵人。十分に齢を重ねた、老獪で、口の堅い、信頼の置ける人物。彼は取り引きに関して非常に義理堅いと詩音も感じていた。綿流しが近づけば、祟りを起こさないために厳重な警備体制が敷かれる。例年の事件がまた起きるという前提で。部下や同僚を連れて村を巡回、祭りの最中も警備に当たっていた。その上で、彼はこうも言っていたはず。
「(祟りは)……どうせ起きるんでしょうけどねえ」

 お魎はスタンガンで死んでいた。悟史の失踪は園崎と関係ない、という魅音に「嘘だ!」と詩音。レナに重なる。だが、これは明らかに事実誤認をしている。
 ならば、レナも何らかの事実誤認をしている可能性があるということか。

 園崎の真の暗部は魅音を通さずに実行されていた。それを論拠に、詩音は悟史失踪は園崎によるものと叫ぶ。説得力がある。
 だが、それこそが黒幕の狙いだったとしたら? いくつかのシーン、推理がそれを肯定する。今の詩音の考え方は、他人の影響を受けたものだというのが一番のポイント。人為的に思考を歪められているということ。

 嘘をつかなければ魅音に危害は加えないという。だが、詩音の思考は事実と食い違っているため、魅音が真実を口にしても「嘘だ」となるだろう。

 外様と思われていた詩音の両親。実際には父がお魎に頻繁に電話をかけ、裏情報を報告していた。今回の事件に対する警察の動向など。園崎は必要に応じてそれを黙らせたりするという。ただし彼が実行にまで関わっていたかは不明。報告だけかもしれない。
 表向きと違い、実際にはお魎に関与していた父。ゆえに隠れた暗部の存在はあり得るという。
 これは表からは見えない関係……大石とお魎の繋がりを示していないだろうか。ピッタリと一致する。詩音の父が警察の情報を調べていたのは、大石が妙な言動をとっていないか監視するという意味合いがあったのかもしれない。

 翌朝、寝不足のせいで身体がよろりと揺らめき、壁に手をつく詩音。
 薬物を摂取した翌日だから、という可能性も疑うべき。

 一人二役を演じ、詩音として葛西と話す。彼も祭具殿侵入=殺されるという図式を当然と考え、「庇えないこともある」という。ここで彼だけが侵入者が四人だったことを明かされる。

 顔が赤いこと、汗をかいていることは走ったことだけが理由か? 薬物の影響は?

 祭りの後「詩音に会わなかった?」と圭一に問いかけた魅音。詩音はこれを祭具殿侵入のことと考えて「魅音が嘘をついた。本当は侵入のことをあの時点で知っていた」と勘違いするのか? うわあ。

圭一「なんかふらふらしてないか?」
 これも薬物の裏付けか。

 大石が自分と圭一に目をつけるのは、祭具殿侵入の一件だと考える詩音。それだとあの侵入がバレていることになる。違和感あり。
 園崎に消されたのは富竹のみで、鷹野を殺したのは大石か? その上で彼だけが詩音と圭一の侵入を知っており(圭一がつけた電灯を見たから?)、二人に接近。くせ者の詩音を引き離し、圭一だけに接触。彼にいらんことを吹き込む。

 鷹野と大石がつるんでいるなら、彼女(と見られている焼かれた死体)を殺したのは大石か。カルテの偽装は入江、もしくは鷹野本人? 鷹野が生きていれば……どうなる? 死亡時刻の矛盾は解けるが……

 場の老人たちは祭具殿侵入に恐れおののき、怒る。ここで初めてそれを知った。
 やはり富竹の死は祭具殿侵入とは無関係か。詩音がそう勘違いし、大石はそう思わせるために状況を作り、事後も行動している。のか??

 三枚の爪は葛西、義郎、詩音だったのでは? と公由。悟史は含まれていない?
 詩音、豹変。「全部許された」といった魅音の言葉は嘘だった、と思ったのだろう。
 ただ、これも勘違いである可能性が高い。

 鬼隠しは祭りの夜以降でも可能だったか?
 悟史は祭りの数日後に消えた。他の事例は? ないなら、彼は鬼隠しに遭ったのではない。

 悟史は井戸の底にいるという公由の予想。そこで彼に触れる詩音。魅音もそこしかない、という。
 これは予想であって事実ではない、という可能性を常に考える必要がある。

 ? 悟史の時にも青年団による捜索が行われていた?
 失踪の理由に絡む可能性がある。

 梨花は祭具殿侵入を知っている。富竹たちだと。どこで知った?
 予定されていた殺人は誰だった? 富竹、鷹野と二人になるのはやはりおかしい。
 あの四人は「猫」。
 オヤシロ様は祭具殿を見られても怒らない。
 梨花の父は祟り殺されたのではない。
 どうして“魅音”が怒っているか分からない。

 恐らく、祭具殿侵入を咎めるのは老人のみ。梨花なら反省すれば許す。それがオヤシロ様の意思だから。ますます富竹たちの死が疑わしくなってきた。そもそもお魎は侵入を知り得たのか?

 祭具殿侵入が起きなければ、殺されたのは? 梨花の台詞を再確認。

 公由の失踪は「祭具殿の鍵を付け替えたから」……この嘘を流布したのは詩音。

 詩音は圭一に何の感情も抱いていないという。殺されてもいいと思い、祟りを彼に向けさせている。犯人が釣れたら放流してもいいと思っている。……矛盾した思考だ。好意すら抱いていたくせに。それを認めようとしていないだけか。

 梨花の歩き方はこのための伏線だったのか? 歩き方の遊び。

 注射を打たれ、唸る。包丁で喉を突き、それを裏返して自殺。
 薬物の影響? 富竹や圭一の死はこの薬物なのか?
 校舎裏の発言を再確認。詩音のことを「助ける」といっていたなら、これは毒物ではなかったはず。彼女は圭一を助けるために頑張る、といっていた。助ける手段は殺害だけではない。詩音に真実を教えることで事件が終結する可能性があった。
 梨花の意図はどちらだったのか。それで注射器の中身もおおよそ分かる。

 魅音と詩音は幼少期に一度入れ替わっていた。 「刺青を入れる祝いの日に入れ替わった」から、妹の詩音に彫られてしまった。その日以来逆転した。
 これが「魅音を返せ」「鬼が目覚めた」などに繋がるということだ。詩音こそ本当の鬼だったんだから、目覚めるという表現は適切だった。心理的な鬼、だけではなく園崎としての鬼という意味で通じる。見事!

 ……? 詩音は目の前で親しい人を殺す、という方法をここで初めて思いついたのか? 最初から意図して魅音を監禁したのではなかった。そういえばそうだ。計算した上での犯行ではなかった。意外だ……。

 詩音のレナへの苦手意識。「実は、自分よりもよっぽど経験豊富な先輩だったと分かった時の居心地の悪さ」に似ている。
 レナはより強大な鬼である、ということなのか?

 沙都子が生き残っているのは梨花と一緒にいたから、と推理する詩音。

 ……。叔母を殺したのは本当に悟史か? 準備をしていたシーン、裸足で走ってバットを隠していた。悟史とは限らない?
 ……大石? 一人称なら違いがあるはず。確認せよ。

 御三家が消えた今、祟りの執行者になる詩音。圭一に重なる。

 詩音はあの梨花が同一人物とは考えにくいと記す。さあ。

 やはり詩音は「復讐劇に当たって、どこかで読み違えをしていた」と自覚していた。その通りだと思う。
 恐らく祭具殿侵入は死の要因ではない。富竹と鷹野は暗部と繋がりがあり、その関係で殺された可能性が高い。暗部とは大石であり、薬物が絡むなら入江も関わっている可能性がある。薬物はヤクザとしての園崎が扱っているものと関係ありか。
 梨花はあの顔で暗部を見てきている可能性あり。あるいは揉め事も。相手を油断させておいて殺す、というのは彼女なら容易だ。経験も積んでいるのだろうか。

 沙都子と悟史が再会する幻想。泣ける。
 詩音の悔恨。忘れていた約束。沙都子は悟史の帰還を信じ、魅音は信じなかった。
 黒幕は彼女たちを、その想いを、掌の上で踊らせているのだろう。

 背後にいる気配、悟史でも得体の知れない何かでもない。自分だ、と思う。
 悟史との約束を破り、自分に負けるところを見ていた。もう悟史に迎えられることはない、と気づく。

 屋敷での「魅音」という名乗りは事実。
 雛見沢の歴史は鷹野の考察が混じっているので、必ずしも真実ではない。猟奇的なのはそのためか。
 鬼が含まれた名前というのも鷹野の考察通りだ。ただ、これは当たっている可能性も。

 詩音が見込んだレナも入れ替わりを見抜けなかった。失望する詩音。
 ……本当に……? 万が一、気づいていて二人きりにさせたなら……? 考えたくない。

 魅音は悟史とずっと一緒にいた友人だったから恋愛感情を抱かなかった。だから圭一に恋をした。条件が同じなら、詩音も圭一に恋をしていた。
 いいなあ。

 鬼、と断じた圭一。カッコイイ。格好良すぎるわ。真実に気づかないまま、魅音だけでなく詩音までも守った圭一。詩音の心がそう描いただけかもしれない。だけどそれが真実。彼が許された理由は想像以上にドラマチックだった。

 悟史失踪は園崎と無関係。お魎が断言していたという。ダム抗争の時期に起きた全ての殺人事件も、調べたが分からなかった。犯人は園崎ではない。
 梨花が襲ってきたことも、魅音には分からない。恐らく園崎家の中に分かる人間はいなかった。
 ならば可能性はやはり……。
 大石蔵人。鬼隠し編で、圭一に「園崎家と古手家には二人の協力関係を絶対に知られるな」と釘を刺した男。古手家をチェックしていたのは彼しかいない。
 見つからなかった祟りの執行者。大石しか考えられない。
 園崎の暗部のピラミッドはどうなる。大石がお魎と繋がっているなら、祟りの執行者であるというのは不自然になるかもしれない。それとも、お魎は彼を疑いつつ尻尾を掴めなかったのか。あるいはお魎と繋がっていたのは本当に公由だったのか。それはない。詩音も「園崎主導と信じ切っていた」と否定。
 もう一つの可能性は、警察そのもの。上層部含めた組織ぐるみ。大石はそれに対抗しようとした正義の味方。国家が祟りを執行している。あの虐殺も国家の細菌兵器。
 ……馬鹿な。

 詩音の手記(最後に記された名義は魅音)、日付がおかしくないか? 五十七年六月? 五十八年だろう?
 五十七だと悟史が健在だよ。

 背後の存在はいつの間にか死んだ魅音の亡霊になっていた。

 詩音の発狂。これは異常だ。薬物がどこかで投与されているはずだ。恐らく。食べ物を持ってきていたのは誰か。葛西? 彼も共犯? だとすると、彼は大石から何か入れ知恵をされていたのかもしれない。祭具殿侵入=死を「当たり前」と捉えていた彼。作中、詩音の行為を明らかに咎める様子だったシーン。アレが非常に怪しくなる。疑心を煽っているのか。
 精神科の医師はさすがに無関係か。
 ベランダから非常階段へ。圭一を前にして激しい眠気。貧血のような。思考の混乱がここまでずっとある。
「殺したい奴全部殺せた。悟史くんの仇」
 討てていないよ、詩音。分かっていたはずなのに忘れている。混乱している。仇は黒幕、オヤシロ様の祟りを執行するもの。無関係なところで踊らされていただけだ。

 転落死は足を滑らせたからか。

 手記の日付はそういう意図だったのか……やられた。完全にやられた。
 最後の最後に泣かされるとは。
 詩音は狂気に駆られて非情な行いをしてきた。
 しかし元凶は彼女ではない。
「生まれてきてごめんなさい」
 詩音にこうまでいわせ、自分は安全なところにいる黒幕。
 ――絶対に暴いてやる。そう思わせるエンディング。

 ……音楽協力、GMLのたいしょさんじゃないですか!

 スタッフルーム面白い。命の価値、殺人の意義。
 私は詩音の殺人に「一つも同意できなかった」。
 けど殺人鬼と罵ることもできない。彼女も被害者だったから。
 よって、当てはまる選択肢がない。

 エピローグの幸せな学園生活は、あり得る可能性の提示だった。
 詩音は決してただの殺人鬼などではなかった。全てを狂わせた存在がある。仲良くみんなで暮らすという幸せを奪った奴がいる。

 次回は罪滅ぼし編。
 面白いタイトル。これも主語は大石?
 目明かし編の意味はやはり「大石の下で動いた詩音」だと思う。また、失踪前の悟史も大石の接触で歪んでいた可能性がある? おもちゃ屋の前で初めて会った? 圭一同様、バットを持ち歩いた悟史。大石が祟りのことを吹き込んで、駒として使った可能性がある。
 いずれにしても大石との関係である可能性が高い。

 要素を繋ぎ合わせれば真相に至れる。解けないことはない。
 ただし確定情報が少ないので組み合わせが非常に多く、難しい。そこが面白い。
 どの情報を真実と考えるか……すでに謎に挑むという「ゲーム」は始まっている。

 ! Tips追加事項。
 大石は佐藤という人物から「例の件は旦那の読み通り」という電話を受ける。詩音と魅音は逆だった……刺青を彫る時に間違えたという事実を突き止めている。誰だ? 旦那という二人称はどこかにあったか? 内情を知るものといえば葛西しか思い浮かばない。詩音の父と旧知、母に恋をしていた忠臣。詩音に最も信頼されていた男。大石と葛西の関係を疑うべき。
 詩音の捜査ノートは「大石さん宛」と書かれてポストに投函されていた。大石、このノートを幸せだと語る。

大石「……詩音さんは本当に悟史くんのことが好きだったんだなぁって。その好きというのがね、若さゆえの勘違いで、ずれちゃって」

 …………。ずれを生じさせたのは、誰だった? 悟史失踪に対する推論を述べて彼女の思考をコントロールしたのは? 勘違いは若さゆえではなかった。大石がそう仕向けたはずだ。園崎への疑心を植え付けて。
 一連の仮定が正しいなら、大石のこの台詞、許せるものではなくなる。

 こう来たか!
 斜に生きていた詩音の母は、任侠ものの男と結婚を希望。反対したお魎とチャンバラをして勘当される。ケジメとして爪を剥がされた。しかし、お魎との仲はいい。世間体があるお魎の手前、親族会議では引っ込んでいなければならない。お魎は彼女に甘くするわけにはいかない。だが、普段はお茶を飲むような関係。
 昔、お魎も爪を剥いだことがあるという。お魎は何をやったのか? 母は知っていたようだが、答えない。
 ……お魎がケジメをとった理由は一つしかない。
「呪われた双子を助命すること」
 赤子の首に手をかけたと噂される無慈悲な園崎天皇。では、なぜ妹が生きているのか。お魎が情けをかけたからに他ならない。救えるのは彼女しかいない。慣習を破ったケジメとして、一枚、もしくは二枚(母親を含めれば三枚か)の爪を剥がしたに違いない。
 お魎は、冷酷なだけの頭首ではない。
 彼女が悟史と詩音の仲を認めないなどということがあるわけがない。詩音の母を許したように、二人の仲は許されていたはず。よって、悟史失踪は園崎家によるものではない。最後に魅音が告白したことは全て正しいはず。殺人事件と園崎は無関係。お魎の意図を分かっていない親族が暴走した可能性もあるが、これは非常に考えにくい。
 お魎が急に魅力的な人物に見えてきた。いいぞ!
 それだけに詩音が彼女を憎んだまま殺してしまうのが悲しい。真実を知らないまま殺してしまった。

 だとすれば。
「生まれてきてごめんなさい」
 こんなに悲しい言葉はない。お魎は忌み子を助けた。生きて欲しいと願った。
 詩音が生まれてこなければ双子によるトラブルもなく、園崎家のトラブルもなく、みんなが幸せに暮らせた?
 結果的にはそうかもしれない。だが、詩音の復讐心が沸き起こるまでは違っていたはず。魅音とも仲が良かった。狂わせたのは誰だ。
 お魎は自分の爪を剥ぐというケジメをつけてまで、間引くべき双子を助けた。対外的に詩音を学校に追いやらねばならず、冷酷な態度を取らざるを得なかったが、心の奥底ではこの双子を愛していたはず。詩音と悟史の仲を認めていたはず。彼女らの母を許し、仲良くお茶を飲んでいたように。
「生まれてきてごめんなさい」
 お魎の、全ての人々の想いが無駄になってしまうこの言葉。詩音が最後に聞いた悟史の「……むぅ」。誰もこんな結末は望んでいない。
 詩音の復讐劇は、恐らく全て勘違いによる仲間殺し。ただの虐殺。誰も幸せになれないし、復讐そのものも成立していない。悟史の仇は討てていない。
 黒幕だけが遠くで一連の悲劇を見下ろしていたことになる。
 それを許せるか?

2005.01.06 読了
KEIYA(PARADOX)

――――――――――――――

▼プレイ後のメモ
 仮に詩音が薬物を摂取しているなら、タイミングは?
 食事しか思いつかない。葛西の差し入れ。最も信頼の置ける男が実は大石とつるんでいたら? 彼女を豹変させ、鬼という名のもう一人の自分に気づかせる。鬼のつもりでいて、実は薬物の影響を受けた状態だとしたら?
 ただし豹変の前に彼の差し入れを口にしていないと成立しない推理。どうだったか。
 ラストの発狂だけは「描かれていないだけで、葛西は薬を用いていた」と考えることが可能。

 ガスは国が仕掛けたもので、大石が絡んでいる? 事実は全て隠蔽される?
 初動が遅れて犠牲者が大幅に増えたことも予定のうちなのか。わざと救助せず、被害を拡大させるという狙い。まさか。とんでもない。

 このシナリオ、詩音のエンジェルモートでの仕事は「事務」だったか?
 だとしたら辻褄が合う。綿流し編でフロアに出た彼女は「新人、不慣れ」。つまり事務の仕事をしていたのにフロアに回されたということになる。よって背中に刺青はなく、エンジェルモートに登場した彼女は全部詩音。
 確定……と思わせて先輩から「短期バイト」って説明されていた気がする。あれ?

▼葛西が怪しい
 葛西が、失踪した悟史のことを「忘れるように」といっている。園崎家が絡んでいると確信する詩音。だが、今となってはこの台詞も非常に疑わしいものになる。園崎への疑心を煽っているように見える。
 秘匿捜査指定がかかった事件について知っている葛西。警察と縁が深い園崎だが、両者の間に立って情報を流しているスパイとも考えられる。
 詩音の母に恋慕していた葛西。彼女は自分のものにできなかった。心の底で恨んでいる可能性は? 面影のある姉妹にもそれを投影しているのではないか? 隣の部屋で「姉妹喧嘩のようなもの」を聞いたのは葛西だったはず。違和感がある。救おうとしなかった? 薬物で狂乱をもたらした可能性。
 葛西は「祭具殿侵入=殺される」という図式を当然と考え「庇えないこともある」という。おかしい。年寄り連中は激怒するが、世代的に彼は当てはまらない。第一、殺人事件と園崎は関係がない。ケジメはつけなければならないだろうが、殺されることはないはず。なぜこんなリアクションを? 園崎は殺しをやる、という疑心を詩音に植え付けるための演技に見える。
 梨花は祭具殿侵入を知っている。富竹たちだと。どこで知った? 詩音は電話で葛西に「四人で入った」と告白していたが――繋がりは?
 詩音から最も信頼されている旧知の仲ゆえに、最も彼女を油断させやすい男でもある。これが怪しい。

▼入江と鉄平の繋がり
 二人とも平成まで生存。だが転居先不明。
 死んでいる可能性は? 大石と繋がっていたなら、富竹や鷹野のように消された可能性が……。

▼地下の井戸にあった死体は?
 綿流し編で複数の古い死体が上がったような記憶あり。要確認。園崎がやったように思える。
 違うとすれば、井戸の存在を知る何者かがそこに死体を隠した。そういえば葛西は地下の井戸の話を詩音にしていたが……。

▼以上
 ファーストプレイを終えてのメモでした。分量多すぎ。四百字詰め原稿用紙換算で約六十枚になっていました。
 結論を元に、前半〜後半までをもう一度考える必要があります。
 で。
 こうやって推理すると、ただ狂って暴走しただけに見える詩音が非常に哀れに見えてきませんか? そうでもないですか?
 クライマックス〜エンディングをぜひ読み返してみて下さい。ひぐらしを読んでいて、初めて黒幕に対する怒りを抱きました(それでこそ正しい悪役というやつです)。これまではぼやけていた存在が、ついに姿を見せ始めたという印象です。
 嗚呼、大石好きなんですけどね。ヒールで、大人で、狡猾で。本当に黒幕だったらその点では悲しい。
 推理が当たって欲しいような、外れて欲しいような……(ぇー

 が、私にはもう大石以外の人物を黒幕と仮定することができません。多分。
 上の推理は多分、各所で歪んでいます。大石黒幕説というフィルターを通していますから。読みながら常に疑って下さい。
 全てを。

 web拍手から送ってもらったコメントは全部読んでます。ありがとうございます。
 近々、レスなどもしていきたいなーと思います。

2005/01/08
▼web拍手より(全レスできないことをお詫びします)

>大石のアレはマインドコントロールというよりは持論の展開っぽい感じが。それが詩音を狂わせた訳ですが-;
「持論しか喋っていない」というのが重要だと思います。仮に悪意があっても気づかせにくい。

>今回の目明かしメモ、他人から見るとわかりにくく感じました。
 あくまでも「メモ」なので、読みやすさは考慮していませんでした。たまに自分でも分からない箇所がありますもん(をゐ

>まとめすっごい役に立ちます。ありがとうございます!けど、クラウドはやっぱり違うと思うなぁ。レナや梨花が黒幕に全く関係無しってのは考えにくいです。
>目明しの推理、興味深かったです。大石、葛西が怪しいという意見に結構納得です。

 意見真っ二つ(笑)。今後の推理でどうなるか? 私の意見も。
 あ、私は「大筋に関係ないな」と思った情報はメモに残していないので、まとめとして読む場合は注意して下さいね。

>「麻雀について。五萬を切るのは安全牌だから。利益を優先して別の牌を切ると、他人にあがられるから。大石は目先の利益より、自らのテンパイ(有利な立場?)を崩さず、『確実で、さらに高い利益』を目指している。ハイテーのみで1000点。流局では1000点、1500点及び3000点が可能です。大石が黒幕、という点では考えられませんが、彼の打ち方はこんな感じです。つまり、自らの負けや、目先の安い利益より、最後の高めの利益を目指すといった感じで。大石は、事件を「ただの殺人」で終わらせたくない? のかもしれません。メモが「五萬」の立場だとすると、コレをなくしても自分の立場は変わらず、最後の高い利益を目指せる、と考えているのかもしれません。彼が犯人かは分かりません。私には推理力は無いので。何かの足しになれば、幸いです。でわ。」

>「おそらく、五萬を切るとフリテンになってしまうのかと・・・私の見解としては、圭一という稗を切ってもまだテンパイは崩れない(まだ捜査が終わったわけじゃない)しかし、圭一を切ることでアガリ(犯人はだれなのか?)がなくなってしまう。だが、次局以降でトップが取れる(犯人逮捕)かもしれない・・・という感じだと思います。まあ、関係あればですけれどもwこれだと大石犯人説消えちゃいますねw」

 先日書いた大石の麻雀に関してお二方からご意見を戴きました(後者は掲示板にて)。ありがとうございます。
 麻雀のルールが全然わからないので非常に難しいですが、
「ハイテーで当たり牌が出てもロンしちゃだめ」
 というのが一番の肝だと思っています。
「ロンできる状況なのにしない」と読み取ったんですけど、メリットあるんでしょうか。
(テンパイになっている状態でのロン=ロンアガリ=勝利、点が入る……と思ってるんですけど、ルールの解釈間違ってるかな?)

 より高い利益を目指す、という部分は全員一致していますね。そのためにロンしない? 大石って最後の最後まで事件の表舞台に登場しませんからねー。あくまでも「刑事」という社会的立場でしか描かれない……「ロンしない(流局を狙う、隠れ続ける?)」に重なって仕方ないんですよ。彼は本当に「犯人逮捕を目指す刑事」なんでしょうか。ざわざわ……。

>読み応えのある考察ありがとうございます、解・発売後ずっと楽しみにしておりました。大石黒幕説に関しては
>あと、手記の日付が昭和57年だったことの意味というか演出的な狙いがいまいち理解できかねています、この

 後の調査により、この手紙は中段と下段が何者かによって破られ、隠蔽されたものと結論。
 その意図は不明。
 ……というネタは横に置いておいて。(抜けている部分は本当に送られてきていません。再送待ってます)
 手記はラストのモノローグが答えです。詩音は昭和五十八年という惨劇の年を夢にしてしまいたかった。だから手記の最後に「五十七年」と過去の日付を入れたんですね。
 悟史が監督のチームで楽しく野球をやっていた頃。彼と一緒に過ごしていた頃。詩音にとって、恐らく一生で一番楽しかった時期です。そこで自分の時間を止めようとした。詩音は悟史の試合を見た直後に事故に遭っており、一年経った頃――昭和五十八年――にようやく目覚める。手記の内容は全て彼女の夢。
 それを願った日付です。関連事項として以下の項目がありますので参考程度にー。なんか文体変わってますけどお気になさらず。

▼詩音が悟史に惹かれた理由
 これは出会いのシーンに描かれている。園崎の闇に囚われていた彼女は自分のいる場所を「薄暗い路地裏」と例えた。これは実際の状況であると同時に、彼女の生き様を暗示したもの。詩音はずっと闇の中で過ごしていた。押し込められた学園を脱出したのはつい先日。存在を許されずにコソコソと隠れ住むしかない現状。これは今に始まったことではなく、もっと幼い頃から彼女を縛っていた園崎の「闇」だ。双子、忌み子としてずっと日陰を歩き続けていた。
 そこに悟史という「光」が射す。彼は「光に溢れた大通りへ」去っていく。両者の対比はこのワンシーンで何度も何度も行われていた。文章作法についていえば、ここまで繰り返すのは普通ではない。詩音が彼に惹かれる理由をここで強調しておきたかった、と読み取れる。
 二人の関係は第三者にとってそれほど深いものには見えないかもしれないが、彼女の心に目を向けると悟史への想いが納得できる構造になっている。
※参考:映画「タイタニック」考察(ジャックとローズが惹かれあった理由について)

2005/01/10
▼お知らせ

 綿流しを再読し終えました。このページの更新は一通りの再読を終わらせてから行う予定でいます。まずは大石にケリをつけないと他の路線で推理できません。彼の発言は全シナリオで胡散臭いところが多く、ちょっと手間がかかりそうです。

 ちなみに、うちのサイトは雑記の更新が基本。考察・推理ページを更新した時は必ず雑記からリンクを張っているので、基本的に閲覧は「index→雑記」のみでOK。東方シリーズの話題をメインに扱っているので、そちらのプレイヤーには特に雑記の閲覧を推奨します。

 基本的にはindexへのリンクをお願いしていますが、推理の参考リンクとしてこのページを直接指定してもらっても構いません。日付ごとにアンカーも張ってあるので、ご自由にどうぞ。

>東方シリーズの考察もやってるんですね。
 やってます。むしろうちは妖々夢発売以降、東方考察がメインコンテンツです(東方系サイトの方々には大変お世話になっています)。
 竜騎士07さんがスタッフルームで東方ネタ書いてたのはビビりましたよ。今回も隠しスタッフルーム(スタッフルームの終わり際に出てくるタイトルロゴの「な」に左クリック連打)にネタが仕込まれてましたね。よく「考察の量が多すぎて読み切れません」といわれるんですが、冒頭の咲夜考察、および幽々子&紫考察あたりを読んでいただければ。興味が湧いたら他のもぜひ。こちらへ。他にweb拍手からよくコメントをいただくのはサイレントヒル2の考察ですね。プレイして「……このストーリーは一体……?」と首を傾げた人へ。

 ひぐらし推理更新までそれらで「暇潰し」していただければと思います(笑)。

2005/01/19
▼私見:ゲームとしてのひぐらしにどう挑む? ひぐらし論他

 この作品、 提示される情報をどこまで信じるかが非常に難しい。情報の選定を行う時点ですでに勝負が始まっているといえる。
 入り口を誤ればどんなにトンネルを掘っても向こう側には到達できない。創作などと同じく「ここを深めることで本当に出口が見えるのか?」という自問がつきまとう。
 どこかで諦め、新しいトンネルを掘ったほうが早いかもしれない。
 諦めずにもう少し掘るだけで向こう側に届くかもしれない。
 そのトンネルでは、どれだけ掘っても出口に辿り着けないかもしれない。
 暗中模索――あまりにも心細い作業であるため、本当に解けるように作られているのかと疑いたくなる気持ちも分かる。
 推理で真実を串刺しにするにはどうすればいいのだろう? 必要なのは、

1:何に着目し
2:どういう観点から
3:どのように切るか
4:その理由・論拠は何か

 どれを間違えても串は通らない。材料のどこかが生煮えになっていたら串が折れてしまう。情報の選定から料理まで一貫した態度で行う必要がある。一箇所に結論を出しても全体が繋がらない場合は、どこかに矛盾があると考えられるだろう。
 あるいは、生煮えのままで構わない材料もあるはずだ。串から外しても大筋に影響を与えない謎は間違いなく存在する。例えば「偶然」という要素は推理できない。だが、それは解答編のストーリーを意外性という形で演出するかもしれない。そこは推理できなくて当然、推理しなくても構わないシーンとなる。かなり勇気がいるが、切るものは切ると判断する必要がある。
(ただし、偶然に見えるものが「よく考えると必然」だったりするパターンもあるので要注意)

 その謎は本流か支流か?
 下した判断によって取り組み方が分かれるはずだ。真相に迫ろうとするなら本流に力を注げばいい。支流を片づけるのは本流に迫るための手段、もしくは大筋で結論を出した後の詰めになるだろう。
 理路整然とした筋道を見出せるかどうかが勝負の分かれ目になる。

 もしかしたら、推理に専門知識が必要な部分があるかもしれない。必要な情報は作中で示すべきでは? という声が上がるのももっともだ。確かに関連書籍を読むといった手はあるし、詳しい人に訊いてもいい。しかし、わざわざ調べる手間をかけさせるというのは、作品として問題があるのではないか?
 ――そうは思わない。

「勝つためには手段を選ぶな」

  彼らが繰り返した台詞を、私は「プレイヤーへの呼びかけ」と受け止めている。
 部活のメンバーがあらゆる策を講じて挑んだ姿を思い出したい。
 勝つためにプレイヤーが調査を行うなら、それはすでにゲームの一部だ。

「目指すのは勝利のみ」

“惨劇に挑め。”

 以上、私見でした。
 誤った選択をしてしまう……私は、これがひぐらしの主題に関わると考えています。そういう選択をさせた大石を疑う論拠の一つでもあります。もっとも、真犯人を追いかけるために他人を犠牲にしている……という線でも考えられるため、一筋縄ではいかない人物。場合によっては違う切り口で事件を見ていく必要あり。
 また、 物語の作り方を知っている人は逆算することで真相に至れる可能性があります。綿流し編は結論から遡ることで多くの可能性を切り捨てることができました。


※以下の項目はweb拍手へのレスを除いて削除しました。
  単行本「最終考察ひぐらしのなく頃に」を完全版とし、そちらへ収録しています。
 (単行本では様々な注釈を追記しつつ、再編集や考察の書き下ろしを行っています)

(2008/03/21)

2005/01/23
▼祟殺しの再読は全く進んでいませんが

▼考察:約束を重視する鬼
2005/01/25
▼考察:伝説の相似
2005/02/09
▼考察:鬼の霊薬とFrederica Bernkastel

▼考察:酒神とオヤシロ様
▼あとがきみたいなもの(・ω・)
2005/04/24
▼古手梨花の豹変

▼部活考察2
▼部活考察1に絡んで:竜宮レナが負った心の傷?
▼で。
2005/05/26
▼雑談・イメージソング

▼もひとつ余談
2005/07/28
▼「鬼哭雛見沢〜園崎考〜」

▼Fredericaについてのweb拍手レス(とてつもなく遅いレスですいません)
> KEIYA様各種考察何日も掛けて読ませて頂きました。どれも素晴らしい考察で御座いました。特に「ひぐらしのなく頃に」は圧巻です。22005/02/09▼考察:鬼の霊薬とFrederica Bernkastelについてですけれどこれは作品世界の古手梨花の思いが書かれていますよね。実は少し思ったところがあって・・・作者の意図した命名について「ひょっとしたら」と思ったコトなのですけれど。「フレドリック・ブラウン」(Fredric Brown)に綴り、名前の響きが似ていると思いませんか?この方は1940年代に活躍したSF作家なのですけれど他のSF作家と一線を画しているのです。それはその作風が「現実と非現実・正気と狂気の相対性」ばかり扱う作家なのですね。代表作では「さあ気ちがいになりなさい」「発狂する宇宙」など人間の狂気を描いた作家なのです。この作風は雛見沢の世界観と似ていると思うのですがいかがでしょうか。千葉県 ****
 フレドリック、フレデリック、フレデリカ。似てますね。
 私はワイン、医者、酒神、二面性、梨花の多重人格などと関連づけて論じてきたわけですが、確かに一致するものがあります。雛見沢の、というよりは「私たちが見た物語の一側面」としたほうが近いかな?
 すっかり更新を忘れてましたが、フレデリカ関連ではもう少し書き足したことがあったんだった。近いうち掲載します。

▼近況と今後
2005/08/10
▼葡萄酒と杯

▼主婦撲殺事件:犯人は誰だ。
▼悟史失踪の裏側
▼主婦撲殺事件:薬物中毒者の謎〜電話を取ったのは誰だ?
▼大石の動機
▼鬼隠し編:冒頭のシーンは何?
▼綿流し編:最後に病室を訪れた大石
2005/08/11
▼暇潰し編:雪絵の死
▼古手婦人の自殺と遺書
▼祟殺し編:どうして詩音が電話を取ったのか。
▼カレーの作り方を知らなかった梨花?
2005/08/12
▼どうした大石?〜園崎と雛見沢村の暗部

▼リサって誰?〜焼死体と鷹野の死亡時間
▼訂正というか補足というか
2005/08/13
▼鷹野は富竹を殺した?

▼使用されたかもしれない薬物のメモ
▼入江は自殺か?
▼2005/08/20
罪滅し編ファーストプレイメモ

2005/08/21
▼感想など色々

▼おまけ:PARADOX的とんでも推理〜逆襲の富竹〜
▼余談
2005/08/24の雑記
2005/08/30
▼Fredericaとは何か

2005/12/01
▼三ヶ月も更新しないで、どうした?

▼犬さん猫さんを推理する
2005/12/04
▼足音・祭具殿の音・梨花発言の再考
▼富竹像
▼私的捜査ファイル(仮)を再読しての推理
2005/12/15
▼私の基本姿勢と推理の理念

▼はいどーも。
2005/12/24
▼推理羅列……とお知らせ
▼悟史関連
▼大石・入江関連
▼園崎絡み
▼ハッピーエンドへの道を予想
▼その他
2005/12/28
▼解けない

▼生きていた鉄平?
▼魅音と葛西のズレ……?
▼葛西とサトさんの繋がり
▼葛西がシロであるパターン
▼暇潰しtipsまとめ
▼大石の病気
▼古手夫妻の死
▼暇潰し
▼誘拐犯
2005/12/29
▼誘拐犯の推理続き

▼大石
▼赤坂くん
▼サトさん
▼大災害に違和感
▼すごいよ鷹野さん
▼フレデリカ
▼祭りと神聖
▼構造
▼入江って
▼圭一をダムに誘う魅音とレナ
▼転落死
▼ずーっと前に鷹野モードで書いていた原稿の残りを見つけたので、今さら蔵出し(笑)
▼これも蔵出し:部活推理
▼30日 AM1:11
2006/01/03
▼皆殺し編

▼皆殺し編ファーストプレイメモ
▼メモ終了
2006/01/09
▼皆殺し編感想1

▼皆殺し編感想2
▼皆殺し編感想3
▼次回作で予想される構造
▼完全に余談だけど(ハガレンネタバレ)
▼P.S.
2006/01/14
▼WEB拍手にレスを

 アルジャーノンに花束を、みたいな語呂にならない。こんなバカ野郎に花束を下さい。銀河にほえたりとか。
 メッセージは掲載に当たって一部のみ引用させていただいています。ご了承下さい。原文はもちろん全て目を通しています。
 推理も色々交えますので、外れていてもご容赦。

> 素晴らしい推理を堪能させてもらいました^^
 年末に送っていただいたコメントです。ありがとうございます。

> オカルトでも(゜ε゜)キニシナイ!!
 うん。気にしない(笑)。推理に影響なかったから。

> 3日の更新、皆殺し編のプレイメモの見出しが「罪滅し編」になってますよ〜
> 「罪滅し編ファーストプレイメモ 」になってますです…。富竹犬には笑いましたw

 ……てへっ☆(死んでしまえ
 直しておきました。富竹って犬が似合うと思いませんか。Mっぽいし(マジでか

> ひぐらし考察、かなり精度の高い正答率で驚きです。いろいろうなるところもあるかも知れませんが、そういう箇所をも「楽しむ」というスタンス…深いですね。(↑話逸脱してますが、こういう箇所でも多くのインスピレーションをいただきまして、多謝です。)
 やー。後は鷹野を真剣に疑ってさえいれば……ですね。本当に悔しいです。
 作品に不満を抱いた場合、それが本当に作品のせいなのか、それとも読み手としての力不足(勉強不足)なのか冷静に判断しないといけません。責任感のない読み手にはなりたくないですからね。誰でも意見を表明できるネットだからこそ、そういう自戒は余計に必要になると思います。批評という行為は、「作品を評価する」と同時に「レビュアーとしての自分の能力を世間から評価される」という二面性を持っています。評しているつもりが、実は評される立場にある。だから無責任な態度で発表すべきではないと考えます。無責任な批評は楽しく書けていいんですけどね。
 こういった考えが読み手としての私のスタンスに繋がっています。何らかの刺激になっていたなら嬉しいです。

> 今回の作品の内容についてこんな意見もありました。やはり、賛否両論ですね・・・。
 んー……羽入の存在が許せないっていう人は、推理の方向性と着眼点(作品の読み取り方)にズレがあっただけじゃないかなあ……。彼女は世界に影響を及ぼせなかったので、推理には影響しない存在なんですよ。最後の「信じることが云々」というのも、前作までは全く関係ない点だった。
 ヴァン・ダインやノックスのような昔の訓戒を論拠に作品を批判するのもナンセンスですしね。
(ただ、これをひぐらし関連で目にしたことはありません。推理小説全般に対する意見です)

> 皆殺しですけど何と言うか推理して欲しい部分がえらく広義的な気が・・・・。そのせいでミステリー作品として見るとかえって先祖帰りを起こしているような気がします。あと、最後のレナの言葉は“あの人”を通したプレイヤーに対する問いかけでしょうね。
 もう推理すべき点は数少ないと思います。謎はほとんど明かされてしまいましたからね。後は明らかになっていない謎――物語の末端部と鷹野絡みの真相を推理しつつ、ハッピーエンドへの道を模索するという。ちなみに羽入とプレイヤーの関係は受け取り方次第ですね。個人的にはあんまり同一視していません。

> 一二三ノートに書かれている事は、ひぐらしで散々言われてきた「信じる」というものの側面みたいですね。あれだけの事やっても鷹野は自分の人生・貢献を信じている…部活メンバー達の敵としてこれ以上無いくらいに適任かも。
 面白い見方ですね。同根であるにも拘わらず、見ている方向が違うから対立する。ああ、Fate/staynightを思い出すなあ。彼女の場合は貢献というより、自分の行為を歴史に刻みたがっている。祖父の思想が基盤になっている。だからそこをへし折って屈服させてやりたい(笑)。次回作、どうなるか。

> 捜査ファイルに「各家庭から持ち出された貴重品」「校舎に弾痕」という複線がありましたが一応ちゃんと回収してましたね・・・・。○ーテルみたいなかっこした人の本名は「高野美代子」だと言われています。最後に、園崎の女はみんな演技派でツンデレだ(笑)
 ひぐらしは伏線を効果的に仕込んでますからね。最後のは異議あり! お魎はツン「デレ」ではない。ここがポイントなのですよ。しかし若い頃はどうだったか……?

> TIPS「*代子へ」ですが、竜騎士さんが「ファウスト」という雑誌で発表した作品内に出てくる「田無美代子」というキャラがほぼ鷹野さんで確定のようです。鷹野さんの本名は美代子で決定?
 ファウストは読んでいなかったので知らなかったです。同一人物なんですか? 仮にそうだとすれば、やはり鷹野三四=偽名の線でいいようですね。プレイメモに書いたことはそう外れていないかも。

> 鷹野三四の本名。確かにどうでもいい(笑)んですけど、高野三代子の方が語呂的に強いですね。高野祖父から数えて三代目の子、って意味で。雛見沢のダム計画が頓挫した本当の理由も「東京」だったとしか思えず・・・
 三代目の子というのは面白い! オヤシロ様を「御八代様」と考察していた鷹野御大――実は自分の名前に込められた思想から出た推論なのかもしれませんね。こう繋げてみるとなかなか興味深くないですか? ダム計画頓挫は東京の仕業でしょうね。そうしないと雛見沢で研究を続行できなくなっちゃいますから。実行犯は山狗でしたし。

> 大災害、人為的なものだったのですねー、予想が大はずれです。雛見沢症候群はほぼ確信してました。今までの描写を見るに、単に薬物による影響やフラッシュバックよりも、病状の進行と読んだ方がしっくりくる表現が多かったので。Kは山菜好きになったせいで感染しやすかったのか?祭囃し編では三四の動機が語られるのでしょうか。取り合えず「女王が死ぬと全員L5発症」は明白な嘘ですね。L5沙都子がなにをしたかは、結局明示はされないのかな。両親か叔母がらみでしょうけど……。
 症候群。あの豹変は脳を変質させる精神展開薬だとずっと信じていました。女王は間違いなく嘘ですね。沙都子の一件は最終話で描かれるかも。鷹野の動機は高野一二三のノートで明かされていると思います。

> 皆殺しの感想を早く聞きたいですね。
 あんな感じになりました。プレイメモはリアルタイムでの感想文を兼ねていますので、併せてどうぞー。言及してませんでしたが、富竹から始まる一連の殺害シーンは面白かったです。竜騎士さんはいいストーリーテラーだなぁと。

> やっぱり竜宮レナ双子説は無理がありました。で、でもそしたら鬼隠し編の「今度は一緒に組んで魅ぃちゃんをやっつけようね」の謎が解けずじまいですが…ドラマCDではその部分省かれてますし。うぁぁなんか納得いかない。あと裁縫針も。ところで今回、ついに真犯人が明らかになったわけですが…正直なところ、憎みきれません。あの人の良いところも悪いところも知っていますから、このやりきれないモヤモヤはどうしたもんでしょうか。…むしろポッと出の新キャラのほうが憎いと思ってしまう自分は心が醜いんでしょうか。どうでしょう。とりあえず、「お前さんが謝ると、むしろ悪化する」と思うのは自分の気のせいでしょうか。
 圭一とレナはいつだったか、組んで戦ってませんでしたっけ? 部活で。裁縫針は今回二度目の解説がされていた通り、幻視です(過去の推理も参考までに)。世界に直接干渉できない羽入を憎むのは酷ですよ。

> 皆殺し編は暇潰し編から直接続いてるわけではないことや、本編中の記述から、何度かSOSを投げかけたことがあることもわかるので、今回の赤坂はSOSを投げかけられてなかったのではないかと考えたいと思ってます。
 いやー、他のメンバーが以前の世界を知覚していたので、赤坂も? と期待したんですよ。今回は駄目だったみたいで……。赤坂は梨花が最初に豹変して「東京へ帰れ」と言ったことを受けて帰京したんでしょうね。「死にたくない」発言のずっーと前なので、その通りだと思います。SOSを聞いていなかったのに「どこかで聞いた気がした」と言いつつ戻ってきたなら格好良かったのに(笑)。

> 皆殺し編の赤坂は、「東京へ帰れ」のすぐ後に帰ってしまっているので、結果的に奥さんは助かったものの梨花のSOSを聞いていないのだと思います。それとも温泉旅行は嘘で、何らかの調査を行っていた……なんて可能性も、ほんの僅かに残されていますが。
 赤坂は次回作でやってくれそうですね。vs山狗(東京?)に期待。温泉旅行が嘘っていうのは面白いですね。鬼頭えんさんの漫画が熱かった。真っ黒な大石格好いいなあ。私の推理した黒幕説ではこういう大石がたっぷり見られる予定でした(笑)。

> 大災害が起きなかった綿/目の世界だと、入江は自殺せずに平成年度まで存命なので、作中で語られていた、あと3年も研究すれば症候群に対するワクチンが完成する……をやりとげたため、雛見沢住人はL5に至らず完治しているのかもしれませんね。(自分も症候群ウイルスについては疑問を抱いているのですが本当に存在していたとしても、入江が自殺しない=ワクチン完成と考えます)
 私もそう思います。予算は下りたということかな?
 大災害さえ起きなければ入江は死なず、雛見沢は平和になる。次回で見られそうです。

> やっぱりリナ=富竹さんですよね…?その部分に関してのフォローが作中に無かったので、何か意味があるだろうとそのあたりの読み返しを進めているところです。KEIYA様の今後の感想や「推理の余地」「明かされなかったいくつかの小さな謎」に対する推理も楽しみにしております。
 すいません「▼すごいよ鷹野さん」でまた表記ミスしてました。リナ=間宮リナ(鉄平の愛人)なので、正しくは「リサ」でした。レナと併せて語呂が似すぎですよ竜騎士さーん! と、富竹の愛称がリサになったのは言い間違えが原因だそうですが、何でしょうね?

富竹「初めまして。富竹二尉です」
鷹野「鷹野二佐です」
富竹「鷹野リサさん?」
鷹野「……ぷっ」
富竹「……(;´Д`)な、何か?」
鷹野「くすくすくす……!」
 で、こういう生真面目な富竹に惹かれるようになっていくという流れ。
 こんな感じかなあ? 富竹がリサと呼ばれる方なので違うかな?
入江「(にこやかに富竹の肩を叩き)――よし、あなたのあだ名はリサさんです!」
 ……こんな入江嫌だ(´・ω・`)

> 以前ここにも投稿された正解率1%のキャッチコピー(及び3つのルールについて)について竜騎士さんが発言してます。ここの管理人さんみたいに勘の鋭い方は当時からネット界にいたんですね・・・。
 私、鬼隠し編は閉鎖的な村の思想と併せて「豹変していく圭一を怖がるシナリオ」だと思って読んでたんです。確信したのはレナの手をドアで挟み込むシーンだったと記憶しています。そこが「1%」だったとは予想外でした。豹変の理由や黒幕まで含めて正解した人がいるんだと思っていました。公式の推理掲示板は全く読んでいないので興味深かったです。タレコミありがとうございました。
 推理の進行状況を照らし合わせてみようと思ったんですけど、私は当時どこまで書いてたっけ……?(自分で忘れてりゃ世話ないなあ

> 今までの推理も改めて読み直させてもらいましたが、かなり深いところまで推理できていて素晴らしいと思います!もっと胸はってもいいんじゃないでしょうか?
 うーん……!(大石風に
 祟殺しの推理をもっと高いレベルで完結させられたなら、胸を張ろうかという気にもなったんですが(笑)。サイトでのご紹介ありがとうございました。

> 今回の見解にも脱帽です!…てか一瞬言葉にできないくらい「凄いなぁ」と思ってしまったので初拍手です…今後も色々と頑張って下さい!
 皆殺し編の感想についてですね。ありがとうございます。
 あれは書き手視点での発想が結構出ています。例えば「自分が祭囃し編と名付けるならば、今までの流れを受けてこういうプロットにする」みたいな、そういう思考です(笑)。恐怖への転落だった綿流しの夜が、最後の最後でハッピーエンドの象徴になるっていう逆転。さて、どーでしょーか?

> 深い。お見事。
 鬼ヶ淵よりは浅いかもしれません(ってをゐ

> 私はTips『元気ないね?』が未だにどう考えても納得できないのです。会話内容といい、どうも不自然で…。もしKEIYAさんだったらどう考察するかすごく気になります。
 TIPS「元気ないね。」これ、プレイメモか何かで推理を書いた記憶があるんですけど、探しても発見できなかったので(あれれ?)ここに書きますね。会話を要約すると、

レナ「圭一くんの元気がないね。機嫌が悪いのかな」
魅音「生理でも来てるんじゃないの?」
レナ「……そ、それ下品……!」
魅音「圭ちゃん、ひょっとして……。……かな?」
レナ「……わかんない」
魅音「大石のやつ、圭ちゃんに何を吹き込んでるのかなぁ」
レナ「真剣そうだったよ。圭一くんは顔面蒼白だった」
魅音「(雰囲気を変えて)……知ってる? あいつが現れると必ず鬼隠しが起こるの。梨花ちゃんのお母さんが入水したでしょ? その前に大石が尋問してたんだよ」
レナ「そういえば悟史君が転校する前にもいたね」
魅音「転校〜? ははは、レナはいいやつだよなあ」
レナ「今度は圭一くんの前にも現れたんだ。じゃあ圭一くんも鬼隠しに?」
 空白の時間が流れた後、二人は哄笑する。

 会話の内容が深刻なのにどうして笑うんだ――っていうのが違和感の元だと思います。
 哄笑という語は「大声でどっと笑うこと(広辞苑)」「大口をあけて笑うこと(大辞林)」で、両方とも同義語として「大笑い」が挙げられています。TIPSでは「そんなわけないじゃないか!」というニュアンスになる。二人は圭一があそこまで追いつめられているとは夢にも思っていなかったんでしょうね。
 流れを見返すと、最初に魅音が「生理でも……」と下品な冗談を飛ばしています。圭一が深刻な状態ではないと考えていたなら、二人はあくまでも軽い気持ちで話していたはず。魅音は鬼隠しと大石の関係を語る時に雰囲気を変えますが、これは彼に対する印象の悪さに関係していると思います。これを受けてレナが「圭一くんも鬼隠しに?」と発言しますが、ただの冗談だったはずです。魅音もそれを察したため、二人で沈黙した後に爆笑するわけです。あくまでも「そんなわけない!」という笑い話として。だからこの後「元気を出して欲しい」「お見舞いに行こうか」となったはずです。魅音は純粋に圭一を気遣って「早く元気になあれ」と書こうとしていたのに……あの悲しい結末部にまで繋がっています。
「圭一が鬼隠しに遭う」のは、つい先日まで仲良く遊んでいた親友だからこそ、ただの笑い話でしかなかったはずなんです。深刻な状態なんだと気づいたら早くから入江に連絡を取って、もっと注意深く行動していたと思います。
 このTIPSには私も違和感を覚えていたんですけど、整理するとこう読み取ることができました。どうでしょうか?

P.S.
 魅音の「……かな?」は何でしょうね。
「……私のこと嫌いになっちゃったのかな?」
 とか。何だこの乙女魅音(笑)。
 らしいと言えばらしいんだけど――待てよ?

圭一「俺も過去の事件はお前らが怪しいと思ってる。ダムの反対運動の時から、お前が警察の世話になってたこともよく知ってる! 隠しきれてると思うなよ……いいな!」
魅音「ど……どうして……そんな……ことまで……。……そっかぁ……」
圭一「え?」
魅音「……圭ちゃんに全部バラしたの……あの野郎かぁ……あの時、殺しとくんだったなぁ……」

 とあるので、圭一から避けられていたことやその原因を気にしてはいた。大石から園崎家のことをあることないこと吹き込まれて、それが原因で……とまで薄々考えていた。それが的中したので憎さ百倍とか。
 もう少し当たり前に考えれば「何か嫌なことでもあったのかな?」みたいな感じでしょうか。

2006/01/19
▼レス再び
 またも抜粋して引用しています。長文は分けていたりします。

> 大石犯人説は私も考えていて、見事に外れてしまいましたが(笑)、そもそもひぐらしは推理して答えを当てた人間が勝ちとかそういう類のゲームではなく、推理の先にある解答が自分の想像した答えと同じか、自分の望んだ解答と同じであるか……ではなく、提示された謎に対して『推理をする』『皆で語りあう』……その『行為』そのものを楽しむゲームなんだと思いました。そういう意味では、PARADOXさんが感想や考察を書かれている事それ自体が『ひぐらしを楽しめている』事であり、その考察を読んでニヤニヤしている私もまた『楽しめている』んでしょうね。考察でも書かれていましたが、今後は謎を推理するのではなく、どうすればハッピーエンドにたどり着けるのか、それを考えるのが楽しそうですね♪
 同士発見! あの大石が黒い本性を現したら面白いに違いない、と思ってたら白かったという(笑)。今回の大石も格好良かったですね。嫌われ役を買って出るところとか大好きです。ひぐらしはかなり楽しませてもらってます。ふとしたきっかけから想像を広げて筋道を立てる作業は面白いですね。私のユルい脳味噌から出てくる考察で(・∀・)ニヤニヤしてもらえてるなら嬉しいです。お互い最終話まで存分に楽しみましょう。

> TIPS『元気ないね?』についてこんな考察をしている所がありました。・魅音はレナに対する禁句を平気で喋っている。・まるでレナを煽ってるかのよう(祟編のレナに怒ったり、最終日での圭一に対する言動と食い違う)・恐らくは鬼隠し時点で詩音と言うキャラが存在していなかった為(公式見解)当時は詩音の役割も兼ねていたのでは?・結果的に詩音が定着してしまった以上、このTIPSが回収不能なものになってしまったことを意味している。あと、ドラマCDの綿流し編聞きましたが園崎姉妹が素晴らし過ぎました(笑)
 ……そういえば鬼隠しとか危険ワード喋ってますね。その視点はすっかり抜け落ちてました。
 レナについて再考。「圭一くんも鬼隠しに?」に続く哄笑を次のように捉えてみます。
魅音「(純粋に)そんなわけがない」
レナ「そんなわけがない……だって、私が圭一くんを救うんだから」
  同じ事を笑ってるけど真意が違うという仮定。そうすると以下の台詞に繋がる。
「今度こそ相談に乗ってあげられる。悟史くんのときとは違うもの!」
「誓ったの。もしも悟史くんみたいに、苦しんでいる人にもう一度会えたなら、レナが助けてあげようって! もう人が“転校”するところは見たくないの」
「レナはきっと圭一くんを理解してあげられるよ。レナだけは圭一くんの味方」
 圭一が山中まで追いかけられるシーンです。こう考えればレナの言動に矛盾はない。斧は自衛のためか、圭一の誤認(譫妄状態)によるものか。後者なら本来鞄のはずなんですけど、「その斧は何だ」「じゃあそのバットは?」とか喋ってるので前者かなあ? それとも言葉通り宝探しに必要だったんだろうか。ドラマCDは聴いたことないんですよー。演じ分けが素晴らしいそうですね。

> 私は「転校?レナは〜」と「圭一くんも鬼隠しに?」のあたりに特に違和感を感じていたのですが、単なる軽口だったと考えると、前者は失踪中の悟史を気遣う(?)レナへの単純な賛美という感じでしょうか。ついつい変な深読みをしてしまい、逆に混乱してしまっていました。哄笑は圭一の被害妄想かなーと思ってたんですが、こういう考え方なら哄笑でも違和感無いですね。すっきりしました。ありがとうございます。それにしても笑うタイミング悪っ。鬼隠しの圭一がこの会話を聞いてたら、もっと早く悪化してたかもしれません。…そういえばこれは誰視点のTIPSだったんだろう。乙女魅音は可愛いですね(笑)。しかしそれだと「…わかんない」と答えるレナ、ちょっと酷い。「そんなことない」って言ってあげてよ…(笑)皆殺し編の感想も面白かったです。大筋で推理に支障が無ければオカルトも許容。その上で更に推理を深める。KEIYAさんの見聞の広さや懐の深さに尊敬してしまいます。これからも楽しみにしてます。それでは。
 ここはプレイヤーの疑心暗鬼を深めるためのTIPSなので、余計に悪い想像ができるように書かれてますよね。前回のに上の推理も追加してみて下さい。ぺこり。魅音は素直に軽口で、レナはその裏に鬼隠し絡みの深意があって……とした方が辻褄が合いそうです。このTIPSは魅音とレナの二人しかいない上に文章が三人称になっているので、登場人物ではなく「神の視点」だと思います。読者だけに許される観点。あ、花束ありがとうございます(*´Д`)
 しかし私は脳味噌のユルい人間なので、尊敬すると大変なことに……(何が?

> 批評の中にきちんと作品への愛が感じ取れて、とても気持ちよく読めるところが楽しいです。単なる批判のみの感想と言うのも、それはそれでありなのでしょうが正直気分のいいものではありませんから。
「何のために感想を述べ、批評をするのか?」というところですよね。批判のみで構成するなら、それをしなければならないテーマがあって、作品や読者にどんな価値を提供できるのかを確信して書かないと……。感情だけで書き殴った文章はすでに批評ではないですからね。ちなみに私の場合、自己満足に浸るためだけならwebにはUPしないので、ローカルだとそれはそれは変なテキストが(笑)!

> 感謝を。オカルトや国家の陰謀に目を眩まされ、十分に出来る推理を怠っていたことに気づけました。読み手にも力量と誠実さがいりますねぇ。
 鑑賞のスタンスに共感してもらえたら嬉しいです。「待てよ?」と立ち止まって視点を変えると……まさに灯台下暗し、みたいな。見えない遠方より手の届く所から。またはいきなり本質を掴んで逆算で構築。

> 私は「ひぐらし」を始めたのがごく最近なので(鬼隠し〜罪滅ぼしまで一月程で一気にやりました)“推理”よりも単純に“物語を楽しむ”ことに比重を置いてプレイしていたのですが、それでも後になってからあちこちにあった伏線の数々には感嘆しました。真相から遡っていけば、私のような素人にもちゃんと納得できるつくりになっていますから。
 何気ないところに結構伏線ありますよね。真相を知って初めて気づくものも多い。物語の中核を執筆前に固めてないとこういう伏線は張れないですからね。これは伏線とは呼べないんですが、圭一が村を案内してもらう序盤で鷹野三四が一瞬顔見せしてて、「ああそういえば」みたいな(笑)。あの時は「みよさん」でしたね。

> 「雛見沢症候群」にはまだ作中で話された事意外にも真相がありそうな気がするのですが…。
 ですよね。グリッと捻りが加わる予感がします。喉をかき破る、東京が動くなどの要素がなければ「そんなもの存在しない」と断言できるんですが……。うーん?

> ラストの見えない指揮棒を振る鷹野。良心を殺しての任務遂行、しかも被害拡散防止の為に必要(と一般隊員は信じている)とは言え虐殺の最中にやっていいことではないだろっ、とばかりに怒る隊員はいなかったのだろうか?
 ここは鷹野のための演出ですからね。隊員に邪魔されたら興醒めです(笑)。そういえば、反感を持たれた上官が部下に殺されたりする実話はあるみたいですね。

> 推理にも、レビュアーとしての態度にも脱帽です!!魅音の沈黙は、「……私のこと嫌いになっちゃったのかな?」に類似したものだと思っています。自分たちとの距離をとろうとしているのには気づいている。「雛見沢(または皆)を嫌いになっちゃったかな?」だと思います。
 仲間みんなを指して――というのはありそうですね。レナの「……分かんない」にも矛盾してませんし。

> 竜騎士さん1%の他にこんな発言も。恐らくは竜騎士さんが几帳面な性格だからでしょうね。
 んむ? 胸張って書き上げていただきたい。どーんと。

> いつもこちらでのひぐらしシリーズの謎を楽しくかつ真面目に読み解くスタンスに感銘を受けております。悟史については現時点ではどのように思われていらっしゃいますか?私的にL5発症の沙都子が叔母を殺害してしまったため、貯金を持って逃亡することで大石などの警察からの目を自分に向けさせることで沙都子を庇っている(つもり)だといいなと希望的観測を持っているのですがやっぱり推理としては浅いでしょうか?
 ありがとうございます。考察はそれ自体がエンターテイメントだと思います。マジで。沙都子を庇っているというのは、私も理由違いで書いたことがあります。本質的に近いですね。悟史が戻ってこない件については二つの考え方があるはずで、
1.物理的に戻ることができない。隔離、死亡など。
2.心理的な理由によって戻ることができない。
 ドラマ的に盛り上がるのは多分2です。1だとネガティブな盛り上がり、または活劇の果てに悟史を取り返せみたいな展開も? 鷹野が結論をはぐらかしていたので、とっくに山狗が殺してました――終わり。というパターンはあんまりないと思います。帰りを待って耐える沙都子、約束を守った詩音といった伏線を見ると、どちらかといえば帰還の可能性に天秤を傾けてる印象があります。
 あ、海外行かれるそうで。お気を付けて! 良いお年を!

> 感心いたしました。アタりのつけ方が素晴らしい。悟史に関することも是非。
 多分生きてます。生きていると思われます。生きていて欲しい。生きていろ!(*****KEIYAはロストしました*****

> 暇潰し編で梨花ちゃんが赤坂に「東京に帰れ」というシーンですが、まさか「『東京』に帰れ」って事じゃないですよね?
 新米刑事として描かれた暇潰し編がなければ、そういう想像をしたかもしれません(笑)。

> 今ではひぐらしと同じくらいこの感想を見るのが楽しみになっていますw 山狗の推理は惜しかったですねー。
 最初は「鬼隠し」という単語のせいで「天狗(てんぐ)」と誤読した思い出があります。ファーストプレイメモを読んだ方から、「山狗では?」と突っ込みをいただいて気づいた(笑)。というのも、天狗は神隠しの犯人なんですよ。鬼隠し編から民俗学的な描写がちらほらあったので、無意識に思考を繋げてしまった。って……山狗の方もやっぱり鬼隠しの実行犯だったんじゃ? 結局合ってたじゃん!(いや、それはどうよ

> ひぐらしの皆殺し編、貴サイトの「〜逆襲の富竹〜」を思い出しました……トミーではなく鷹野さんでしたが。
 そういえば(笑)。「すごいよ鷹野さん」に続いて「ピューと吹く富竹」を書いておけば良かったかも。錯乱して笛を吹く富竹を、名指揮者鷹野三四がタクトで導いていく感動短編(長時間だと富竹が保たない

> KEIYAさんが鷹野を見逃してしまったのは、やはり罪滅し編のミスリードが大きかったのではないでしょうか?
 いえ、罪滅し編には影響を受けていません。全編通して、彼女を猟奇趣味の民俗学者という理解で固定してしまったのが痛かった。焼死体は謎の人物「リサ」だと思っていたらリサ=富竹という……(笑)。

> 結局、鷹野はルールYの要因でしかなく、梨花にとっての真の"問題"はルールXYZといった幸福への阻害要因が"必ず発生してしまう"事にあるのではないかと思います。仮にルールXYZを全部クリアしたとしても、新たなルールαの存在が明らかになるだけで、結局はゴールにたどり着くことはできないのではないかと。
 うーん、そうは思えません。梨花は圭一のお陰で鍵の大部分を手に入れました。後は鷹野や大災害をどうするか。
 端的に書くと、必ずしも鷹野を直接止める必要はないかも……。村の観念を内外で変えれば、祟りと大災害の観念そのものが消えてなくなる。そうすると富竹殺しを含めて実行に移すのが難しくなりますからね。特に滅菌作戦を実行に移せなくなる。これが現時点での回答です。

> KEIYAさんのベルンカステルの由来を読んでいて思ったことなのですが、詩音の読みは植物にある紫苑と同じ「しおん」ですが、紫苑の別名が鬼の醜草だそうなので一応鬼の名がついてるのかな、と。花言葉が「君を忘れず」なので悟史ともつなげれるし…こういう由来を考えたりして楽しめるのもひぐらしの良いところだなと思います。
 これは面白いですね。
 詩音を「寺に閉じ込める」という文字上の意味合いは、人目を気にする園崎家としての演技(=詩音という文字。視覚的なもの)。しかし実は彼女を園崎家の娘として認めている(=鬼にまつわる花の名前と同音。隠された愛情)ことになる。
 これ、ブラフと体面で存在感を増していった園崎家に上手く重なりますね。怖いながらも実際はいい奴らで、お魎が双子を愛しているというのも確定してますし――花言葉と併せてキレイに通ります。私好みの考え方です(笑)。向陽地であればどこでもよく育つ耐寒性宿根草らしいので、これはもう太陽に例えられた悟史に帰ってきてもらわないと。

▼タイムリー!
▼いつも
2006/01/30
▼諸事情により全レスできませんでしたすいません

> 考察読んで気づいたんですが……鬼隠し編でレナが斧(鉈?)を持ち歩いて圭一を追いかけ回したのは、圭一を襲うために追いかけていたのではなく、1年前の悟史と同じような状況に陥った圭一を「守る」ためなのでは?
 武器を持ち歩くことを「どうして?」と言っていたのが難しいですね。圭一を助けるために行動していたのは間違いないので、そこに重ねればあり得る可能性だと思います。

> 紫苑の花で思い出しましたが以前BUMP OF CHIKENの「ハルジオン」で歌われている花が春紫苑(はるじおん)だったので『ちょうどいい、こいつで悟史と詩音の替え歌を作ろう!』と思って「サトシオン」なんてのを考えてました。ただし、歌い始めが「腸を流してた」で始まるヤバイ歌詞なので永久封印してますけど(笑)
 その封印は基本的に解かない方向で(笑)。寂しがりライオンが吊り橋を渡っちゃいそうです。(聖なる夜の黒猫でも可)

>B'zのRINGという曲なんですが、Aメロの「砂がこぼれるように さらり 君は消えて」っていうところが悟史が消えてしまう場面、Bサビの「欲しい 全部 欲しい 何でも差し出そう 悪魔がそう望むなら 連れて行って欲しい 一人に戻れない たった今 僕は目覚めた」ってところが詩音が凶行に走る場面とリンクしているような感じがするんですが、どうでしょう?(聞くな
 今会いたいすぐ会いたい〜(これは違う
 や、歌詞を見てみましたが全体的に合ってますね。一人称が「僕」なんですが詩音主観で読んでみるといいかも。

>「リサ」の由来の考察はとても興味深いです。でも、鷹野さんって確か三佐ですよね?うーん、やっぱり気になりますw
 ……三佐? ああっ、本当だ!
 彼の言い間違え&二人が接近するきっかけになったと思うんですが……。真相はただの余興だろうけど、やはり気になる。

> 悟史君が生きてると思っていて頂いていて、なぜかすごく暖かい気持ちになります(笑)。
 いや本当、悟史早く帰ってこいよこの野郎(笑)。

> レス人々の言うとおり、ひぐらしは謎を解き明かす推理ものではなく、できあがった推理をネットなどを通して見て楽しむものではないかと前々から思っていましたが、ここにきて確信に至りました。
 んっ? 推理を完成させる人がいるわけですから「謎を解き明かす推理もの」ですよ。

> 今回の皆殺し編の感想をあちこちで覗いてみると、ここのように「作品を愛しつつ批評している(賞賛・苦言問わず)人」、「『こんなの推理じゃなくてファンタジーだろ?!』と文句を言う人」、「推理が外れて悔しいから支離破滅なことを捲くし立てて痛烈にこき下ろしている人」の3つに分かれていました。こういう点でもネットの世界が垣間見れて面白いです。
 感想にはその人の経験がもろに出ますからね。例えばシナリオの構成法を勉強した人とそうでない人が同じ作品を読めば、全体像やシーンの配分、それらの意義といった点において読み取り方に大きな違いが出る。送り手と受け手のズレもここに関係しますね。反応の違いもろもろひっくるめて楽しめばいいと思います。

>(・∀・)ニヤニヤですな。大石がむしろ白だった事で、自分が『大石は黒に違いない…』と思いこんでしまっていたことが推理の大きな妨害になっていた事に気づきましたし(笑)これじゃあ、園崎がクロと疑ってばかりの大石と同じです(笑)しかしながら、大石が黒幕という物語も凄く面白いような気がするんですよね。熊ちゃんを消したのは大石だってずっと疑ってましたし。祟殺し編では相打ち、暇潰し編では熊ちゃんを殺して大石だけ生き延びたと。疑ってごめん、大石(笑)でも、大災害を生き延びたりとか怪しすぎたよ、大石(笑)
(・∀・)ニヨニヨですね。推理で「ここはこうだ!」と仮定すると、誰しも大石のような妄信モードに陥ってしまう。これは仕方ないとはいえ、作品に重なることもあって非常に悔しい(笑)。個人的にも大石黒幕の物語は楽しいぞと思いつつ仮定を重ねていってました。

>余談ですが、「アカギ」で有名な福本伸行氏の作品「カイジ」では、圧倒的絶望的状況に追い込まれた主人公が、己の知略、戦略、駆け引き、心理戦を駆使して、その地獄とも呼べる閉塞状況を打ち破っていく姿が描かれており非常に面白い作品です。(最近はダメダメですが…)ひぐらしも、我々プレイヤーが梨花と同様に様々な世界を見てきて、己の頭にため込んだ「TIPS(情報)」を皆殺し編の冒頭で語られた「積み木遊び」と同じく、どう組み立てれば積み木は完成するのか?=どうすれば梨花が幾度もループを繰り返しても突破出来ない状況を打破出来るか?……それを『推理』する事が楽しすぎるゲームなんですよね。『惨劇を暴け』『惨劇を踊れ』『惨劇を嗤(わら)え』……次にくるのは『惨劇を倒せ』……ですかね? 私はセンスないのでこんなのしか浮かびませんでしたが、KEIYAさんは何だと思います? > 祭囃し編のキャッチコピー
 福本作品は周囲の友人も面白いといっているので読んでみたいです。キャラの造形もなかなかエグいそうで。最終話は推理すべきポイントが作中で明かされているので、方向性の違いを恐れず楽しめそうです。問題は残された枝葉の部分ですが……。
 キャッチコピーは、うーん。そうだなぁ……。

『惨劇を祭れ』

 これで。
 古くから、祟りをもたらす怨霊、恐るべき存在などを神として祭り上げることで鎮めてきた我々日本人。
 今までの忌まわしい物語があったからこそ、それを祭り上げることで終幕としてもらいたいです。オヤシロ様に象徴される、村の内外にはびこった誤解の観念。これを正すことは本当のオヤシロ様を理解して祭ることに重なる。本編の各所に出てきた民俗学的な思想に照らせば、「祭り」っていう言葉はよく似合うと思います。「祭囃し編」っていう予告を見た瞬間「来たコレ」と思ったのは私だけじゃないはず。
 皆殺し編感想の最後に書いた推理とセットにして、このキャッチコピーを推します。「▼次回作で予想される構造」の項。
 今までと違う祭りの夜が楽しみです。

2006/05/11
▼考察番外編:鬼曝し編1巻

2006/08/11
▼雛見沢症候群に対するスタンス

▼どうすればこの世界を脱出できるのか?
▼入江を再検証する
▼どうして入江は女王説を唱えたのか?
▼入江と沙都子の関係、梨花の注射器
▼で、予想
▼再考、叔母を殺したのは?
▼テーマ
▼鬼隠し編のラストシーン
▼預金通帳はどこに?
▼ぬいぐるみはどこに?
▼リナが儀式めいた殺され方をしていたのはなぜか?
▼葛西は無実
2006/08/12
▼羽入

▼神?
▼高野一二三の思想
▼鷹野三四は改心するか?
▼転落死事件再考
▼羽入、症候群、診療所
▼観光地雛見沢
▼助かった圭一と病院での死
▼とてつもない余談。オヤシロ様って?
2006/08/18
▼祭囃し編

▼祭囃し編ファーストプレイメモ
▼その他感想
▼近日の予定
2006/08/19
▼レス

 多数のコメントありがとうございます。お約束通りレスをしていきたいと思います。祭囃し編頒布前のコメントもこちらで。

> 推理お疲れ様です。目明しがでるしばらく前にここの存在を知って、多分ここのおかげで1.5倍はひぐらしを楽しめてきたと思います(笑)祭囃しの感想にも期待してます、いい結末であってほしいですね。
 推理をしていると答え合わせができますからね。楽しんでもらえたなら幸いです。今回の結末にはとても満足しています。悟史の元気な姿は数年後(?)に見られるはずだし。

> 祭囃し発売の朝、ひぐらしの新作が届く前の復習に来てみました。届くのは恐らく明日の夕刻以降でしょうが、今からドキドキです。 8月の新規考察ありがとうございました、ひょっとしたら新規で考察挙げてるかも、と淡く期待していたのでとても嬉しかったです。同意同感したり、ぬいぐるみは鷹野が持っているかも、とか膝を叩きました。確かに、鷹野が回収している可能性高そうですよね。 それでは。
 主眼に据えた入江絡みの推理を外しちゃいました。てへっ。ぬいぐるみは悟史の手許でしたねー。かつて入江が思わせぶりなことを喋ってたのは、徹底的にとぼけてたからなんですね。ちくしょう騙された。

> ひぐらし推理お疲れ様です!読んでいて非常に面白かったです。とうとうひぐらし終わってしまいますね。本編終了も寂しいですが、いろんなサイト様の考察が読めなくなってしまうのも寂しいです。
 読んで楽しんでもらえれば嬉しいです。ひぐらしは今作で終わってしまいますが、もうしばらく余韻を楽しみましょう。どうやら冬にファンディスクが出るらしいので、そっちにも期待。

> KEIYAさんの感想が楽しみです。自分はまず、フォントいじりだけは誰か止めようよ、と思った。後、魅音とサトコがやりすぎ。みんなを信じたから奇跡が起こるんじゃなくて、信じた仲間にスーパーマンが居たから幸せになれました、みたいな感じで醒めること。んで、最後に出る旗20本の話。田無美代子が幸せになるにはあれしかないにしても、あの話出して良かったのかなあ?昭和57年以前の改変を認めるなら凡そどんな話でも成立するわけで、事実上制作者が世界の構築を投げ出したようにも思えてしまう。疑問点だけ書いたけど、割り切れば面白かったと思います。読んでる途中は上記のようなことは考えずにすむくらい引き込まれたし。
 フォントいじりというと、文章を画像表示したパート? 正直に言えば赤坂パートはやり過ぎ(笑)。最初笑っちゃいましたよ。戦いの表現はちょうど先日書いたとおりです。お話の構造としては信頼関係で結ばれた時点で結末が定まるわけだから、超人めいた活躍をするのはやっぱり表層(演出)に過ぎないわけです。しかし読者の共感が得られなくなる可能性が高まるから、表現をもっと自然にしてもよかったんじゃないかなーと。トラップに引っかかった山狗の「……今、頭を撫でられている」とか楽しかったですけどね(笑)。
 旗の話はまだ読んでいないので後日書きます。

> オープニング最多の可能性最短のシナリオ最後の謎をあなたに最愛の殺人鬼最初の過ちをどうか最期の真実最後くらい幸せな夢をひぐらしの各篇のサブタイトル、鬼隠し編以外は全て「最」で統一されていますけど…結局、一番初めにポイントがあるってことなんでしょうか…?色々と謎が多い文ですね…(って思うのは僕だけ?)
「○○し編」にも意味はなかったみたいだし、どうも見た目重視の統一らしいですね。他意はないと思います。うーん思わせぶりだね!

> お疲れ様でしたーっ!!!考察では、奇跡「お帰りなさいませ、お母様」(でしたっけ)あの辺を少し詳しくやっていただけると助かりますm(..)m
 いえっさー。オヤシロ様に関連したポイントだと思うので再読してみます。

> ひぐらし読了お疲れ様でしたー。全編通して一番好きな登場人物を挙げるとしたら誰でしょう? あ、私は詩音でした。目明し編の印象が強くて…。
 同じく詩音です。それはもう詩音です。目明し編が最高すぎる。youを聴きながら涙が滂沱と溢れまくりでした。「心情の理解は困難を極めます」って、全然そんなことないと思うんですけどね。今作はやはり悟史絡みのシーンで感動させられました。葛西とのコンビも見られたし、魅音とのやりとり「つけられてんじゃん!」「つけられてないもん!」ってとこも微笑ましくて良かった。

> まずはじめに感謝を。このサイトを見たことが、ひぐらしを「推理する」という楽しみ方を知る大きなきっかけになりました。自分はいわゆる「オカルト否定派」だったので、推理の9割ははずれてしまいましたが・・・。18日付の祭編ファーストプレイメモに同意しすぎるあまりに拍手してしまいました。公式の掲示板のほうも、日本最大の掲示板のほうも余りにも混沌としていて、逆にこれだけ一致する感想を見つけたことに驚いたもので。まあこのサイトがきっかけになった=ひぐらしの見方についても多大な影響を受けた、ということになるので当然と言えば当然かもしれません(笑)。次の更新は隠しENDについて、なんてのはどうでしょうか
 私もオカルト否定派だったので羽入とかは想定外でした。それでもひぐらしは全編を重ね合わせることで推理を楽しめる作品でした。よくあるパズルゲーム的な解き方ではなく、可能性の高い推論を積み上げていくことで真実に近づけるという、推理らしい推理ができる点が良かったです。掲示板は混沌としますよねー。目明し編発表前に公式推理掲示板に参加しようかと思って、テキストを用意するところまで行ったんですけど……結局書き込みには至らず(笑)。隠しエンディングは後日確かめてみます。

> そんなに欲しいならくれてやるさ!
  やぁ、僕は富竹。   フリーの機関車さ。  雛見沢にはたまにくるんだ

 しまった、web拍手は改行が無視されるからレイアウトが崩れてた! でも機関車富竹のAAらしいというのは分かった!
 フリーの機関車って、ちょっ、さすが富竹(笑)。

> クリアした後かけら紡ぎ(≠50個のかけら)までスキップしてノーミスで読了すると…「ジジのカード」が現れます。
 噂は聞いていたので確認します! ……ノーミスでカケラを紡ぐのは最初に意識したけど、中盤ですぐ頓挫したなあ。途中、フラグ管理が変なカケラがありません? 気のせい?

> 個人的には、圭一・レナが猛烈に空気化してたのが何となく不満だったり。まぁ、今までネタキャラ扱いされてきた温泉赤坂・空気嫁魅音・時報富竹の見せ場がたくさんあったのは良かったですが。あ、富竹はネタ方面でも活躍してた(笑)
 富竹ほどギャグが似合う男はそういない、と改めて思った今作。サービスいいなあ。圭一・レナの出番が少なかったのは意外です。でも皆殺し編の前半で村の思想を変化させた、あれが圭一最高の役割だったんでしょうね。私はあれが最終シナリオで描かれると思っていました。テーマを考えたとき、最も重要な変化だと思ったから。レナも罪滅し編で主役を張ってしまった反動か、今回は地味でしたね。

> とても良い参考になりました!ありがとうございました。
 今後、もう少し参考になるような意見を書いていく予定です( ・ω・)b

> ひぐらし祭囃し編のメモを拝見させていただきました。褒めるトコは褒めてケチつけるトコは指摘してるという感じですね。指摘した部分の評価が多少甘めな印象を受けましたが、私も自分の好意解釈レベルを「高」に設定すれば、殆ど同意する内容でした。個人的にショッキングだったのは鬼隠しの原因のひとつが、冒頭の法事だったってこと。ベストシーンは三四と羽入が対峙してbeingが流れる場面。一番気がかりなのが症候群の感染方法。追記1:KEIYAさんの「リサ」予想が大体正解ってのが凄いあぅあぅ。追記2:「母上」はリカが羽入の子孫だということと、実の息子が羽入を殺すしかなかった過去の無念が晴れたってことなんでしょうね。追記3:2週目の52個目のカケラについてはどう思います?
 甘めに見えますか? そこは文章の表現一つなので、実のところ必ずしも本心をそのまま吐露しているわけではなかったりします(笑)。ああ、これは読者も納得しないだろうなと思いながら読んでいる箇所もあります。
 圭一の発症は本当に法事による外出だったんですね。これは確かに意外でした。何らかの人為的介入があったはずだと推理してきましたから。感染率そのものは比較的高そうです。ただ、精神的に安定している人は発症しないので、致命的な事態に陥る事例が少なかったんでしょうね。コミュニティがしっかりしている田舎だけに。

> 隠しENDについてのコメントもお願いします。( ;∀;) イイハナシダナー
 もうちょっと待ってて下さい。多分明日あたりに。

> ひぐらしプレイメモ、考察、楽しませてもらってます。同意見多数かもですが、「魅音が語った漆黒の堕天使」元ネタhttp://multi.punimoe.jp/の8/16。自分も気になってたんですが、そういうことらしいですね。今後の考察も楽しみにしておりますよー。
 あ、いつもどうもですー。元ネタはアンソロジーだったんですね。これは予想外。今のところこのタレコミは一件のみでした(笑)。

> 感想面白かったです。これで終わりだし、せっかくレスくれるということでちょっと意見を。「和」の構造の提示は確かに面白い視点だとは思いますが、その解決法にはちょっと疑問符が付く思いです。祭り囃子編の話から行くと、たかのんには不幸な生い立ちがあるから、あるいは踊らされてただけだから悪くない(もしくは悪いけど情状酌量の余地がある)。悟史・沙都子まで敷衍するなら、悪いのは病気であって本人ではない(罪を憎んで人を憎まず?)ということになるようですが。そうなると問題は、「死んだら負け、生きてれば勝ち」という構造が出来てくることにあると思うのです。現実でも加害者の人権とか非常に難しい問題だとは思うのですが。現実は置いておくと、ひぐらしでいうなら例えば梨花のお父さんお母さん。彼ら何も悪いことしてないですよね。たかのんは悪い事した、でも事情があるから悪くないよ。じゃあ彼らは何をしたから殺されたのか。生きてればどんな悪事を働いても誰かがかばってくれる、でも死んだら死に損だよ運が悪かったね、では物語として納得を提示することはできないと思います。悪役をやっつけて終り、という物語が支持されるのはやはりそれだけの理由があるからだと思います。ひぐらしではそれに対する疑義は提示したが、解法は出せていないと考えます。まあ自分は娯楽としての物語にそんなテーマは求めていないので、単なる思考実験です。
「死んだら負け、生きてれば勝ち」というのはやや誇大解釈であるように感じますが、過去の死者が報われないというのはその通りですね。しかし、今作は「昭和五十八年ではどういう和が成立しうるか」という文脈に沿って描かれていると考えます。残念ながら過去の救済はできません。その妥協点があの形なんでしょう。だから鷹野には安易なハッピーエンドが用意されなかった。富竹が連れ添ってくれるものの、許されない罪を一生背負っていくと明示されている。これを肯定できるかどうかが評価の分かれ目になるでしょう。納得できないという意見が出るのも理解できます。
 エピローグではさらに踏み込んで、もっと幸せになるにはどうすれば? という文章が出てきます。プレイヤーサイドへ投げかけているようにも感じる。どういう態度で生きるべきだろうか、というところまで意識させられる作りです。「和」というのは非常に広い範囲を含んだ観念です。鷹野の場合は幼少時の不幸な境遇までが含まれている。彼女を歪めるきっかけになったのは不幸な事故、劣悪な施設、報われない祖父といった要素です。人間は生まれてくる環境を選べない。仮に彼女が幸せな境遇で育ったなら、今作のような人生は送らなかった。万人が同じように幸せな境遇に生まれる世界ならいいんですけど、残念ながらそれはあり得ない。ここまで考えを広げると、「幼少時に社会や環境によって歪められてしまった被害者」という観念も考慮する必要が出てきます。どこまで遡るか、原因をどこに求めるか。何を指して「悪」と呼べばいいのか……という問いかけに戻ってきます。この辺は非常に難しく、絶対的な解が用意できない。最終的には各人の判断になるかと思います。
 祭囃し編が描いた「和」に納得できるかどうか、これをどう捉えるかも人それぞれでいいのではないでしょうか。これは作者からの問いかけ、あるいは一つの提案であると考えればちょうどいいかもしれません。
 さて、悪役を立てた物語と読者の関係についてですが、これはどちらかというと創作論絡みだと思います。今作における「和」の観念とは分けて論じるべきだと考えます。分かりやすさに長じた構造が広く受け入れられるのは当然であり、「和」そのものの考察とは直結しません。
 長文になってしまいましたが、答えになっているでしょうか?

2006/08/21
▼お子様ランチの旗

▼レス
 一部は後日に回します。もうちょっと待っててください。コメントは引き続き募集中ですよ。

> ひょっとして裏エンディング見てません?短いですけど、一応見てみるのもいいかと思われます。…彼女にも救いが必要です。
 見ました! なるほどなーっていうエンディングでした。入江の追いかけるテーマを「if」の形で提示してくれています。

> 長文で思考実験を送りつけた者です。長文レスありがとうございます。答えになっているか、という問いかけがあったので応えると、とりあえずKEIYAさんの考え方が聞けた時点で自分が期待していた答えにはなってます。参考になりました。色々考えましたが、結局自分は本編のエンタメ寄りのお気楽さと、作者が主張するテーマの重さに齟齬を感じているだけのような気がします。だから、「和」についても、演出についても、テーマに納得するかも、人それぞれってことなんだと思います。ひぐらしを読んで楽しかった事だけは嘘じゃないですから。
 気楽なシーンが多数ありましたが、根っこの部分をどう汲み取って解釈していくかというのも読書の楽しみだと思います。主題についてはひぐらしから離れて踏み込んでいくのも面白いと思います。エンターテイメント性とテーマの重さっていうと、児童文学を想起しますね。ストーリーとは裏腹に、込められたテーマが非常に重いというような。

> KEIYAさんの考察はいつも参考にさせてもらってました。祭囃し編のものも興味深かったです。さて、今回でひぐらしも完結したわけですが、直接的には明かされていない謎がありますよね。鬼隠し編でメモを破ったのは誰かとか、崇殺し編で皆が叔父は生きていると言ったこととか・・・。崇殺しは圭一のアリバイ作りのための口裏合わせでしょうが、メモを破ったのは捜査の都合が悪くなることを恐れた大石?それとも山狗?ヒントはありますが確証が無いので・・・。竜騎士さんは何かの媒体で「謎を謎のままで残しておく作品が多いが、ひぐらしでそういうことはしたくない」といった旨の発言をされてましたので、できれば触れて欲しかったです。
 明示されなかったのは推理で解けるものが多いから……かもしれません。今までの内容を前提に考えれば、メモの行方もほとんど選択肢はないと思います。大石は焦りすぎて妄言に飛びついてしまう男でしたが、刑事としての心構えはしっかりしていました。「これをやれば犯人に迫れる」という確信もない状況なのに、私欲のために圭一のメモを破り捨てるような真似はしないでしょう。第一発見者の大石より先にあの部屋に踏み込んだのは医療関係者しかいないため、入江と山狗たちが隠蔽工作を行ったと見ていいんじゃないでしょうか。両親が何かをしたという可能性も考えましたが、こちらはちょっと辻褄が合わなかったです。

> ひぐらし本当に面白かったです。途中のバトルはやりすぎだしもっと控えめにしてもよかったんじゃないかと思いますが、あのノリにいつの間にかのせられてしまいましたwたかのんに関してはいろいろと意見が分かれると思うし、そういう風に描いたんでしょうねーラストで、富竹の発言及びEDから彼女も症候群にかかっていたみたいですけど、実際どのあたりからかかっていたと思いますか?自分は東京で踏まれて帰ってきた後あたりだと予想してますたかのんが少し可哀想だと思うのは鬼隠しの圭一や、綿流し・目明しの詩音なんかも行き着くところまで行ってしまったのに、ループの中で記憶が蘇って結果として活躍したのだから、たかのんだってそういう記憶を引き継げば、3年目も防げたかもしれないのにと考えてしまいます余談ですけど小此木が予想より味のあるキャラでしたw
 プレイメモにあるとおり、途中でやたらネガティブな疑心暗鬼に陥っているところで「もしかして?」と考えました。発症の真偽はどちらとも取れるような書かれ方をしていましたね。爪を立てる癖はあったにしろ、首のリンパ腺をあまり引っ掻いていませんし。富竹や入江が関われば発症レベルをごますことも可能だったのかも。ただし、その主眼は鷹野を助けようとする富竹に置かれているので、真実がどちらであっても構わないと思います。格好いいよトミー。三年目の悲劇を行わない、というカケラを紡ぐのも面白いかもしれませんね。小此木はかなり好きです。中間管理職っぽい小悪党ぶり、鷹野を見逃す土壇場での意外性、どれもいい味出してました。お茶目な笑顔もいいですが ( ゚д゚)? っていう表情も好き(笑)。

> 一方向ではなくお互いに信じあうことで普通はありえない奇跡が起きるということですけど、鷹野と山狗部隊がそういう関係なら沙都子トラップをことごとく突破しちゃうという展開もあるんでしょうかね?まあ見たくないですけど(笑)
 あー、あり得るかもしれません。部活メンバーを圧倒するというカケラ。なら、そのために必要な要素は……? と考えれば二次創作のできあがり。確かにあんまり見たくないけど(笑)。

> 始めまして!目明し編発表くらいからずっとお世話になってました。圭一サイドの活躍の翳りは、皆殺し編が活躍のピークだったのでしょうがないのですかね。入江の過去が泣ける。入江もそうですが、人物一人一人の生い立ちが綿密に描写されていて、それが根本的な行動原理になっているんですよねー。
 入江の過去は良かったです。頑固者の父が万歳で送り出してくれた、とかグッと来ました。描き込めばそれ単体で作品になりそうないいエピソードが多かったですね。

> 推理おつかれです!カケラ紡ぎの間、全体的にタネ明かしになるので暗い話が多かったですが、その中でもトミーの鷹野さんへの恋心は唯一の清涼剤。これが萌えですか。そうですかでも、目明し、綿流し編は分かりませんが鬼隠し〜皆殺し編までは結局鷹野さんは殺されてしまっているんですよね。皮肉なことに(明言はされていないけど)鷹野さんにとっても祭囃し編が一番な形っていうのもいいですよね。彼女にも救いがあって。「52」枚目のカケラでは普通の女の子として育つのでしょうか。まだ熱は冷めそうにありません(笑)
 富竹の純粋さが眩しい……。これなら萌えてもよくってよ?(お嬢言葉?
 鷹野は滅菌作戦の後、機密保持の名目で暗殺されていますね。一番の目的だった論文も闇から闇へ葬られてしまうし。描写されていない後日談を想像すると惨めですね。鷹野は強い意志を持って活動していましたが、本当の意味での仲間がほとんどいなかった。一切の打算抜きで好意を寄せた富竹だけが彼女に寄り添えた、というのはいいドラマだと思います。「お子様ランチの旗」はその通りだと思います。本編ではあり得なかった別世界ですね。

2006/08/23
▼レス

 最終TIPSと母上発言について書こうと思ったんだけど、観念的に深いのでまとめ切れてません。
 また後日で。

> 鬼を継ぐ魅音が鬼隠しの実行犯である山狗(小此木)を禊ぎとして倒すというのが、何だか古手桜花と鬼神(羽入)の関係に重なって見えますわ。
 なるほど……鬼隠しの黒幕だと疑われてきたのは園崎家なので、小此木との対決にはケジメとしての意味合いも込められていたのかもしれないですね。桜花と羽入は贄という観念に主眼が置かれていたので、また違う構図だと思います。にしても空気投げって、魅音は伝説の達人に匹敵するに違いないよ(笑)。あのシーンは塩田剛三をイメージしてるのかなあ。

> 祭囃子までの考察、ご苦労様でした。途中からでしたが(・∀・)ニヤニヤしながら見てました。(不審者・1)本編に関しては・・・まぁ既に色々と言われてるようなので短く。最後に示される「母殺しの罪とその償い」は少し浮いているような気がするんですが。他に母(親)殺しに言及した部分はありましたっけ。北条家関係くらい?
 (・∀・)ニヨニヨしながら読んでください(笑)。母殺しというのは、梨花の弾丸排除と最終TIPSの件ですね? これは「母殺しと償い」という文脈だけで解釈するのは危険だと思います。仰るとおり、それだと他の要素から浮いてしまって意味をなさないからです。北条家とは関係なく、オヤシロ様の観念に絞って捉えるのが正解でしょう。詳しくはまた後日。

> プレイ終了記念に2chの各地にあるひぐらしスレの傾向を調べてみました。以下代表的なもの 同人ゲーム板:一番歴史が古く、ルールもきちんと定められている。ただ、それゆえの問題も色々ある。 アニメ板:原作ファンや未プレイ者が織り交じるカオス(混沌)。それ以外の例えようがないです。 ニュー速VIP:色々な意味で最もアングラ的な要素が強い。しかし、スレの雰囲気が最も穏健かつまったりしているVIP全体から見ても異色なスレッド。 元々ひぐらしはフリーゲームスレの鬼隠し体験版批評から口コミで広まったので、何となく調べる気になりました。こうして見ると、いかに体験版と口コミが大きな力を持つか思い知らされるような気がします。(逆転裁判にも同じことが言えます)もし、体験版公開しなかったら、この作品がどのような機動を描いたか非常に気になるところです。
 良くも悪くも2ch的な傾向ですね。ひぐらしの知名度アップには有名なニュースサイトが多数関係したと聞いています。「スレでの体験版批評→ニュースサイト→話題に」……という流れでしょうか? 「ひぐらしが凄いらしい」という文章を目にするようになったのは、私が出題編CD-R版をコミケ会場で手に取ってから数週間後でした。同人の動向に詳しい友人が「爆発的ではなかったけど、コミケ前からかなり注目されていた」と言っていたので、いずれにせよ知名度は徐々に上がっていったとは思います。ただしここまで爆発的な広がりを見せたのは、間違いなくネットでの口コミ効果ですね。これがなければ商業展開を見せるまでにもっと長い時間がかかったかもしれないし、「知る人ぞ知る名作」として一時的にカルト的な作品になっていたかもしれません。多数のファンが生まれ、広く読まれたのは良かったと思います。

> こんばんは、KEIYA様。祭囃し読了お疲れ様でした!拙サイトからリンクを貼らせて頂いております、*****と申します。今まで恐れ多くて何も言えませんでしたが、せっかくひぐらし終了なので参上をば!ひぐらし暦約1年半、KEIYA様の考察を頼りにここまで歩いて参りました。ファンディスクも出るそうで楽しみではありますが、先ずは本編の考察お疲れ様です。KEIYA様の何度拝読してもゾクゾクする感想を、いつも楽しみにしておりました。本当に楽しい時間を、ありがとうございます。これからもずっと見ておりますね!!
 ああっ、見覚えのあるお名前が! リンクありがとうございます。恐れ多いなんてとんでもないです。ファンディスクはまだ噂の段階みたいですけど、要望があれば出すとのことなので期待してもいいかなーと思います。私の推理・感想を楽しんでもらえたなら何よりです。作品の捉え方という意味でも「視点の提供」を意識して書いてきました。もうちょっとだけ続くのでよろしくお願いします。
|∀・)ノシ

> ひぐらしとうとう終わってしまいましたね。本編が終わってしまうのもさることながら、ファンサイトの推理が見れなくなっちゃうのも寂しいですね。お疲れ様でした。
 長期に渡った読者の推理も終わろうとしていますね。まだ残っている謎、誰も目にとめていなかったポイントを見つけて論じることはできますから、もうしばらくは余韻を楽しめると思います。あ、先日のアレは万が一悪い影響があるとまずいと思ったので消しておきました。あちらの注意書きはこのページで紹介する前からあったんですけどね。

> ファウスト版の田無美代子≠ひぐらしの田無美代子だと思われます。ファウスト版の田無には中学の時点で母親が生きていますのででも旗20本verの田無が成長したと考えると面白いかもしれませんが結局どこかで歪んでしまうのか、と
 設定がちょっと違うんですね。読んでいないので詳しくは分かりませんが……。歪んでいるというなら、それは本筋に近いパターンです。旗を集めきった田無美代子が不幸になることはありませんから。

> 部活メンバーの殆どに暴行・殺人等の経験があることが確定しましたが、贖罪というか、罪を抱えて生きていくというテーマがひぐらしにはあるのでしょうか?
「罪の所在」が一つのテーマになっており、抱えて生きていくという点に主眼は置かれていません。前者もメインテーマに付随するもの、という位置付けになっていますね。

> 熱に浮かれるまま拍手しました。解答されていない本編の主な謎はもう推測範囲内だと思いますが、私的捜査ファイルのP14〜16のフリデリカの物語の真の意味が考えてもさっぱりなので…。どうお考えになりますか?
■三人の求婚者……姫が求婚者に難題を与える。竹取物語などと同じ「難題婿」と呼ばれる形式。二人は難題に挑んで死に、一人は「姫に結婚の意思がない」と看破してそのまま立ち去る。一方が手を差し伸べているのに一方が拒む不和の構造を暗示している。
■三人の小間使い……手鏡を盗んだ犯人を捜す姫。無実だった二人を殺してしまう。真犯人はその二人に罪を着せ、まんまと言い逃れる。疑心暗鬼の愚かさを皮肉った物語。
■三人の大臣……自室に閉じ込められた姫が、悪意ある大臣たちの言葉に騙されて自殺へと追いやられる。姫を取り囲む状況は嘘によって形作られたもの。それを妄信した姫は敵に捕まるくらいならと死を選んだ。ありもしない恐怖と、その下地となった隣国の存在。雛見沢に根付く誤解の観念と、それを利用しているであろう「悪意(犯人)」の存在。大石や鷹野の推測に振り回される登場人物もある程度重ねられているか。
 読み返して考えてみました。フレデリカが失敗に終わる世界を嘆きながら書いた皮肉な物語でしょう。本編に登場した負の要素をストーリー仕立てで表現しているわけです。この視点に気づくと三つのお話はシンプルに理解できるのではないでしょうか。

2006/08/28
▼レス

> 目明し編を読んでからのなんとも言えない切なさを共有したくてひぐらし系サイトを徘徊してここを見つけました。自分の気持ちといい感じで一致してくれるのでとても重宝させてもらってますwところで祭囃しで一番ぐっと来たのはどこでしょうか?私は大石が羽入に選択の時間を許されたのがぐっときました。ていうか泣きましたよ、えぇ。神様に許されるって、ものすっごい誇りある人生なんだなぁと羨ましくもなりました。後、EDを見てトミーの来訪をワクテカしながら待つたかのんを想像して一人で萌えてました。妄想ひとつでたかのん株が詩音株を上回っちまったぜ!
 今作の一番というと……悟史に会おうとする、会ったときの詩音かな? いいシーンはたくさんありましたね。中年〜老人のキャラは全体的に味があって好きです。ひぐらしは年長キャラが熱すぎる。オヤジの熱いゲームに外れなし、なんて格言もあります。一部に(笑)。

> 感想読ませていただきました。52枚目のかけらを読んでから、このゲームの真の黒幕は高野でも東京でも野村でもなくフレデリカなんじゃないかとしか思えなくなりました。あ、あと18日のメモの生け贄第三号のところで、沙都子の母ってなっているところは梨花の母が正しいのではないでしょうか
 皆殺し編〜祭囃し編におけるフレデリカ絡みのシーンを読み返してみてください。その解釈が誤りだということが分かると思います。ご指摘の箇所は梨花の母ですね。すいません、ミスは他にも多数あると思います。

> はじめまして。私はアニメから入った新参者なのですが、KEIYA様の推理考察にはいつも参考にさせていただいておりました。ファーストプレイ時メモの鋭さには感心を通り越えて尊敬してしまいました。お疲れ様です、そしてありがとうございました。祭囃子編の、やりすぎた格闘シーンも「ひぐらしらしさ」というものを感じてしまう自分はすっかりひぐらし中毒だと思いました。私は目明し編の詩音の最期が一番印象に残っていますが、KEIYA様は「ひぐらしのなく頃に」の8編全ての中で、一番印象に残ったシーンというものはありますか?よろしければ教えていただけると幸いです。
 同じです。目明し編のラストシーンですね。シナリオ全体に散りばめられた伏線、明かされていない園崎家の因習、お魎の決断などが全て集約された見事なエンディングでした。隠しTIPSは一見するとただの明るい日常だけど、ラストシーンの悲しさを増幅させる作用を持っている。お魎が爪を剥がした理由は暗示されただけですが、スムーズに双子に結びつきます。目明かし編は全体のベクトルが詩音中心にキレイなまとまりを見せているのが好きですね。悲劇だけど。

> そういう意味だったのですか。単に姫が手鏡を前夜着た外套に入れたままなのを忘れたのを従者が盗ったと思い込み疑心暗鬼で二人を殺害、3人目が巧く切り抜けた、という、姫の疑心暗鬼を巧く表したストーリーかと思っていました。
 ピンポイントで鏡のありかを言い当てるのは物語の流れからして不自然、かつ言い逃れる人物が死んだ二人にわざわざ罪を着せている。ということでああいう解釈になっています。雛見沢でも犯人を掴めていない状況なので、フレデリカは物語にそれを反映させている可能性があります。解釈についてですが、「疑心暗鬼」を中心に据えている限り問題はないと思います。重要なのはそこですからね。

> はじめまして。更新いつも楽しみにさせていただいてます。これまでは見る一方だったのですが、最後に思った事を少々。後半のピンチが悉く「妙に都合のいい展開」でクリアされてますけど、それに対して「その展開は都合が良すぎる!」「ここを切り抜けるにはこういう展開であるべきだ!」と考えた時点で竜騎士07氏の狙い通りに踊らされている……と考えるのは持ち上げ過ぎでしょうか?どうにもわざとらしい展開が多すぎて、意図的にフィルターをかけてるような感じがします。「理想的な昭和58年6月」に趣味フィルターを被せて「痛快な昭和58年6月」を捏造してるような。多分、祭囃子編の後半は叩き台で「じゃあ、どういう展開だったら納得するの?」と、暗に問いかけているような気がします。コンシューマ版で新しいシナリオが追加されるという話があるので、そちらで「竜騎士07氏にとって本当に理想的な昭和58年6月」が見れるのかもしれませんね。商業媒体では流石に、半端な落とし方では納得が得られそうに無いですし。話変わって追加のシナリオですけど「田無美代子が入江機関を設立しない」→「雛見沢がダムに沈む」→「発症者激増で鬼曝し編以上の地獄絵図」……?いやいや、彼女が現れなかったらきっと他の誰かが高野氏の研究を引き継いで……カチャカチャ(←カケラを合わせる音
 山狗たちを相手にした一連のシーンは「活劇」というキーワードでまとめてしまっていいと思います。リアリティには欠けていますが、キャラクターの活躍を描くことに主眼を置いている感じです。……ちょうどあれです、時代劇のチャンバラみたいな。後ろから斬れよ! とか、1人vs50人でどうして主役が勝つんだよ! とか、そういう突っ込みは意味がないというやつです。
 何せ祭囃し編で現実的な勝負を描いてしまうと、東京や各種派閥、政治的な話がメインになって、雛見沢の連中がほとんど出番を失います。圭一たちは入江や富竹たちに働きかけたらお役ご免。後は大人とプロに任せて子供は下がっていなさい、という流れになる。レギュラーメンバーの中では唯一富竹が主役を張れそうな流れですが……基本的に圭一たちが安全なところに避難している間に決着が付いてハッピーエンド。読者は祭囃し編に登場した政治関係のパートを延々読み続けることになります。誰もそんなひぐらしは見たくないはずです(笑)。
 今までのように追加シナリオを予想するのも楽しそうですね。

> えーっとですね。TVK 目明し編終わりましたが、なんだかすごい肝心な部分が抜け落ちてます。なんだろう、風味というか、薬味が無いというか。確かに間違っちゃいないんだが、こう、目明し編で一番大事なところは事件の経過を追うことじゃなくってさっ、という感じです。うぅ・・・、次は私がもっとも愛する罪編なんだけど、心配に。。。
 Blogで感想を書いてきましたが、原作とアニメ版は表現しようとしているものが全く違います。クリエイターが作品に込めたテーマが違うんですね。だから別物になります。原作と同じものを再現する必要はありませんが、違うものにするならそっちの方面での「良さ」が要求される。「原作とは違うけど面白い!」っていう感想が出てこないといけないわけですね。

> 自分は出題編4作が出た後から「ひぐらし」に入ったのですが、ここの考察を読むことを本編を読むのと同じくらい楽しみにしていました。解決編で分かった登場人物の行動原理をもとにして、解決編で語られなかった箇所(鬼隠し編ラストのメモの行方とか)を考えているのですが、ちょっと気になることがありました。こちらのプレイメモにもあるのですが、罪滅し編の途中で、梨花が富竹の死は薬物(H173?)によるものと認めているシーンがありますが、 富竹が喉をかきむしって死んだ→雛見沢症候群の発症と分かる→急性発症に何者かが関与?→診療所? と思い至らなかったのでしょうか?そもそも、何回もループ世界を経験し、入江機関とも接触のあった梨花のことですから富竹の死に疑いをもつことは十分にありえることだと思うのです。今のところ、仲間の錯乱に対処するのが精一杯で考えが回らなかったという説で考えています。それでは、長文で失礼しました。
 うろ覚えですが、確かにここは不自然だったんですよね。何十年も同じ夏を見ているわけですから、疑うことができて当然だと思います。作者のケアレスミスだろうと考えて流したわけですが、梨花絡みのシーンはここに限らず様々な問題点がありましたね。もったいないです。

> 例の隠しエンディングですが、自分は最悪のバッドエンドと捉えております。(まあ外面は最善のハッピーエンドなんですがとも言うのも、もし美代子が一二三の研究をつながないのであればそれは即ち入江機関及び「東京」の雛見沢介入フラグの消失であると言えます。かなりアホ的な考えですが、それはつまり以下の流れになる可能性が非常に高いと言う事が祭囃し編をプレイして感じた点でもあります。1.美代子が一二三と出会わない2.入江機関発足ならず、「東京」も雛見沢に関与しない3.ダム運動に村人で猛反発するも、止められず(「東京」ないし山狗の関与が無いため、厳しい)4.各地でみんなスイッチが入り、雛見沢症候群(真実が判る頃には大惨事どうでしょうか?そう言う意味では鷹野のしてきた事は人助けでもあり、一種の救いとして(結果論ですが)皆をより良い一つのハッピーエンドへと向かわせたと言う解釈も出来るように感じました。ほんと、アホ的な短絡思考型の推測ですみませんが……ある意味での好意的解釈では、祭囃し編がグッドエンドだったのかもしれません、と。
 ダム計画は東京の雛見沢研究を潰すために行われたもの? 無関係? ちょっと忘れてしまいました。
 えーと、雛見沢がダムの下に沈んだとしても、梨花を中心にしたコミュニティが崩壊しなければ集団発症しないと思うんです。精神状態が著しく悪化すると末期発症しますが、既存の世界だと「梨花が殺され、村がガスで全滅した」という最悪のニュースが報じられてからそのようになりました。梨花は病気の仕組みを理解しているので、住人の心の鬼が目覚めないよう手を打つはずです。例えば場所を変えてコミュニティを再構築するといった風に。お魎も元々はダム誘致派だったそうなので、全面的に協力すると思います。ただし、発症のきっかけが「雛見沢を離れたこと」なのか「女王の許を離れたこと」なのかによって解釈が変わってきますね。
(どちらであっても精神状態さえ安定していれば問題ないはずなんですが……)

▼お知らせ
 28日でコメントを締め切らせていただきますので、よろしくお願いします。

2006/08/29
▼レス

> KEIYAさんはまだ、分らない謎とかは残っていますか?
 んんん……何かしら残ってると思います。が、ピンと来るものがなかったので重要な部分はだいたいOKなのかも。

> もう今日でひぐらしのコメント打ち止めですか…。寂しくなりますね。祭囃し編で圭一とレナが空気だとか、竜騎士07氏は初めから3つのルール(羽入的存在も?)を定めていたんだろうなぁとかいろいろ思う事はありますが、この際あまり言葉はいらないのかも。とりあえずひぐらし関連でなにか情報があったらまたWEB拍手で伝えるかもしれません。これまで素晴らしい考察ありがとうございました!
 どこかで区切らないと終わらないので(笑)、いったんここで締めとさせていただきました。ひぐらしには一つの基部があって、それを違う切り口、違う角度から眺めるという手法を採っています。だから最初にその基部を定めたんでしょうね。今までお付き合いいただきありがとうございました。最後の考察までよろしくお願いします。

> はじめまして!読み応えのある推理の数々祭囃し編の全シリーズを読んで疑問に思った箇所は此処で私も考えています。ところで、リナさんについて少し疑問に思うことがあるので質問させて下さい。リナさんが山狗(園崎?)に殺されてしまう。→鉄平は北条家に押しかける→虐待というのが祟殺しでの展開ですよね?ですが罪滅しではリナさんはレナに殺されてしまいます。この場合は鉄平は北条家へは行っていないようなのです。「祟殺しでのリナの死」にはある「北条家への押しかける要素」が「罪滅しでのリナの死」には無いという事になります。しかし、北条家へ押しかけるのはただ生活する為に逃げ込んだだけで「リナの死」以外に必要要素は無い気がします。その辺がどうも分かりません・・・・。鉄平の愛人とレナ父の愛人が同一人物であると少し矛盾が生じてしまうような気がします。同じ人間である理由は何でしょうか?
 矛盾はありません。祟殺し編ではリナが園崎組の上納金に手をつけたことになってますね。彼女に信頼されていなかった鉄平は上納金絡みの話と無関係だったため、殺されずに済みます。そして一人になって生活に困ったために北条家へ赴くという流れです。一方の罪滅し編では「リナがレナの父と親しくなる」という今までにない条件が加わります。もちろん財産を吸い取るという計画のためです。これに気づいたレナがリナを殺し、「俺の女に手を出したな」と恫喝に来た鉄平の頭も叩き割ります。この時点で鉄平はリナの死を知らなかった。全財産を搾り取ってリナと分け合う計画だったのに、一日前から彼女の姿が見えないことに首を捻っていました。詳しく読み返していないのですが、おおよその流れはこうだったはずです。
 ご質問の件に絞ると、「もちろん同一人物である」「竜宮家の財産搾取を企んだ時点でリナと鉄平の運命は変化した」ということです。

> 祭囃し編での作者様のコメントで、皆殺しでの沙都子の助け方は最善ではない、と書かれてありました。確かに、鉄平が完全に悪役で警察に逮捕されて終るので、作者様のおっしゃっている「憎むのは人か罪か?」の問いではありませんね。ではどの様に沙都子を虐待から助けたら原作者様の言う最善だと思いますか?私は、「鉄平が心を入れ替えて沙都子を献身的に保護する」というのが最善だと思うのですが・・・。け・・・けど、ひぐらしの法則だと鉄平が虐待するのにも何か理由があるという事になるでしょうし、その辺の心の傷を癒したら出来るような気がするんですが・・・・(考えすぎ?)
 鉄平の改心はキツいですよねー。あの年齢になると人間性を変えるのはかなり困難です。単に何かが原因で荒れているわけではなく、根本的な部分で悪質な奴ですからね。それこそ入江の過去じゃありませんが、脳をいじるしか……(笑)。「if」のカケラ紡ぎであれば「鉄平は幸せな環境で生まれ育ち、正義感に満ちあふれた男になりました」ということも可能。ある日、悟史と沙都子が困っているところに、頼れる男・鉄平が現れて……っと。
 スタッフルームでは「どうやったら鷹野と仲良くできるか?」という命題が登場しましたが、鉄平については「その論法から行くと、沙都子救出を巡る問題は「皆殺し編」すらも実は最高の解ではない、という結論に行き着く」とだけ書かれていました。どうやったら鉄平を……と書かれていないのは、現実的に見て困難だということの表れだと思うんです。
 可能性は限りなく低いですが、一つだけそれらしい案を出すとすれば、生活に困った鉄平が周囲の人間に状況を打ち明けて相談する……というスタート地点でしょうか。でもあの鉄平じゃどんな案が出ても途中で放り出すだろうなあ。人の好意があっても踏みにじるだろうなあ。だって北条鉄平だもんなあ(笑)。

2006/09/14
▼考察:禁宝・鬼狩柳桜――生贄と母子

2006/09/16
▼考察:オヤシロ様の原義と観念

▼あと一回だけ更新します
2006/09/19
▼コンシューマ版の新編タイトル

▼魅音の流派は?
▼ひぐらしは推理可能だったの?
▼広い視点で見た場合
▼定義と面白さ
▼ひぐらしにおける推理って?
▼ゲーム的な推理と現実的な推理
▼リアリティ
▼推理面での思い出色々
▼最後に
 なっげー。なんだこの雑談(笑)。軽く書くつもりが長文になりました。密かに上部indexの項目をトランプの枚数と同じにしようかと思ってたんだけど、結局49で終了。完全にはほど遠い! ということでちょうどいいかも。オフィシャルBBSには参加せず、個人的な思考を長々と綴ってきました。そういう意味では人の影響をあまり受けずに推理した例として何かの参考になる?(ならない

 このhtmlファイルのサイズは448KB。出題編のファーストプレイメモ(別ページのやつ)が72KBだから、合計500KBオーバー。作品が完結した今、過去の推理を自分でゆっくりと読み返してみたいと思います。出題編のメモから全て。疑心暗鬼に取り憑かれて右へ左へ揺さぶられたのを覚えてるので、笑っちゃうような勘違いの数々を含めて振り返ってみようかなと。時間のある人は自分の初プレイを思い出しながら読んでみてください。

 約二年間続けてきたこのコンテンツも今日でおしまい。お付き合いいただきありがとうございました。
 最後に、竜騎士さんをはじめとした07th Expantionの皆さんに感謝します。
 ひぐらしのなく頃に、本当に面白かったです。どうもありがとう!

(その後頒布された「ひぐらし礼」については、プレイメモと感想をBlogに記載しています)



コメント、感想、魂の叫びetc...何かありましたらお気軽にどうぞ。

indexへ戻る