十八の夏
移植を間近に控えた頃祐子がベッドの上で書いた青春物語です。
 
 

2    第二話
「理奈、由利子、メンバー決まったよ〜」
そう言って走ってきたのは信平
「わたる、信平、おめでとう〜」
やったね!バンドのメンバーが決まったの
「サンキュー」
わたる、本当に楽しそう。この笑顔好きだなあ
「聞いてんのか!理奈」
「えっ、あっ聞いてるよ」
あ〜びっくりした・・
「がんばろうな、わたる」
「おう!!」
わたるも信平も大きな夢があっていいな。私の夢は・・夢・なんだろう
「ね〜由利子、由利子の夢ってなに?」
「私?そ〜だな〜私は保母さん」
「へ〜でも由利子ならなれそうだね」
「そお〜?理名は?」
「私はまだわかんない」
はあ〜私だけか夢がないのは・・
「あのふたり、いいよね〜何か」
「由利子もそう思う?輝いてるって言うか、青春してるって言うか」
「そうそう」
今、本当にあのふたりは輝いています
「よし!オーケー」
「信平、今度ライブハウスで俺達のファーストライブしようぜ」
「おう!いいなっ、それ。決まり。そのためにももつともっと練習しようぜ」
 
そしてフアーストライブが行われる事になった
 
「皆さん来てくれてありがとう」
「俺達のフアーストライブ、どうぞ楽しんでってください」
「わたるも信平も嬉しそう」
あ〜わたるカッコいいな・・
「ね〜理 奈、私たちいい友達もったよね〜」
「そうだね〜有名になってくれたらサイコー」
みんなすごく盛り上がってた
フアーストライブ大成功
「お疲れ〜」
私、タオル持ってわたるのところへ
由利子も・・
「お疲れさん」
信平にタオルを渡す
「すごい良かったよ」
由利子も私もニッコリ
「俺達先生に交渉して、二年になったら文化祭でライブやりたいと思ってんだ」
「いいよ、それっ!だいさんせ〜い」
由利子って可愛い。私には出来ないな〜
「理奈も賛成だろう?」
「うん。もちろん」
「よし!!決まり。信平がんばろうぜ」
「よっしゃ〜」
 
そんなこんなであっという間に一年が過ぎ、二年生になりました
二年生の夏・・・
 
「明日わたるの誕生日だね〜」
「何?理奈覚えてたんだ〜」
「当たり前じゃん。友達の誕生日忘れないよ」
「あっ、理奈はいつだっけ?」
「え〜もう忘れたの?も〜し〜らない」
「ごめん」
「10月30日}
「あっそうそう」
「私は?」
「えっと〜由利子は・・」
「ったく〜12月2日」
「そうだった。信平は11月15日だよね」「わたる、何で信平だけ覚えてんのよ!」
私と由利子、声をそろえてそう言った
「ま〜ま〜いいじゃないの」
「信平は黙ってなさい!ま〜いいけど。それよりさ〜わたるの誕生パーティーしようよ」
「でも由利子、何処でやるの?うちは無理だよ」
「俺んちでやろうぜ」
「良いの?」
「うん。じゃあどうする?」
「そおだな〜、私と理奈で料理するから信平は飾り付けと買い物」
「オッケー。何時にする?」
「う〜ん、用意は10時から。わたるはお昼頃きてよ」
「なあ〜いいよ。大変だし」
「何言ってんだよ。いいよ。毎年やろうぜ」
「そうだよ、由利子も信平もそう言ってんじゃん」
「ま〜そう言うなら。悪いなっ」
「わかったら宜しくね」
「うん」
次の日・・・
「おはよ〜ごめん、おそくなって」
「オッス、由利子もまだきてね〜よ」
「そう」
「おはよ〜」
「由利子〜」
「ごめんね〜」
「私も遅刻」
「良かった」
「な〜はやくやろうぜ」
「あ〜もう飾り付けしてある」
「おっせ〜からさ〜おまえら」
「すいません。それよりメモしてきたの。これ買ってきてくれる?」
「わかった。行ってきや〜す」
「ね〜由利子、ケーキ買いにいこっ」
「うん」
「どれにする?」
「ちがうの。あの〜葉月ですけど」
「あっどうも。これねっ。1800円です」
「すみません。無理言って」
「いいのよ〜ありがとう。ちょうどね」
「理奈、何それっ?」
「後で見せるから」
「・・・???」
「は〜疲れた」
「ね〜理奈早く見せてよ」
「はいはい」
ジャーン・・・
「すご〜いギターの形のケーキ!!」
「世界でひとつのケーキ」
「喜ぶね、さすが理奈!」
「ただいま〜あ〜疲れた。なにっそれ?すげ〜じゃん!俺の時はベースかあ??」
「さあねっ」
「理奈ちゃ〜ん、俺には冷たいね〜」
「いいからっ。さあ作ろう、由利子」
「ふたりは何かおもしろいね」
「えっ?」
「いい感じ」
「由利子〜!」
「はいはい」
一時間後。ご馳走もできてあとはわたるが来るのを待つだけ
ピンポーン
「よっ、わたる様。ど〜ぞなかへ」
「なんだよ、それ。信平」
「ま〜ま〜どうぞお座り下さいませ」
パーンパーン
「おめでとう〜わたる〜」
「おめでとう〜」
「ありがとう」
「おめでとさん、わたるくん」
「サンキュー信平。何か照れるなあ」
「さあ、これ消して」
「すげ〜みんなありがとう」
「これね〜理奈が無理言ってお店の人に作ってもらったんだよ」
「理奈が?」
「余計な事言わなくてもいいのにね〜」
「こ〜いう事は言っておかないと。もっと感謝してもらえるでしょ」
「ま〜とりあえず消して」
「うん」
フーーーーー
「おめでとう〜」
「ありがとう」
「私たちすらわたるへ、これプレゼント」
中味はねっ、時計にしたの・・・
わたるって時計が好きらしくて。信平はさすがに良く知ってるな〜って思っちゃった
とっても喜んでくれたよ
その後は食べたり飲んだりしてさわいでた。楽しかった
「じゃあ〜ホント今日はサンキューなっ」
「おう、気をつけろよ〜」
「うん」
「まったね〜」
「今度は理奈だな」
「うん。期待してま〜す}
「じゃあな、気をつけて帰れよ」
「おやすみ〜」
私たちの次のイベントは文化祭
 
わたるの誕生日から三ヶ月・・・
文化祭が近くなりました
わたるたちのライブは先生からOKがでて、この一二ヶ月毎日練習していました
文化祭まであと三日・・・
 
 



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