+ impRession +
私breakoutが所持している
お気に入りのモノや、
試しに買ってみたモノについて、色々独断と偏見で感想を述べてみようというコーナーです。

購入時の参考にするもよし、
これで物欲を引き出すもよし、
使わなければわからない情報もあるので、気ままに読んで下され。

なお、画像をクリックすると別ウィンドウで大きく表示されます。
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+ PicoShot / GREEN HOUSE +
■ メモリデバイスとWebCamの両方を購入しようとしていた時に朗報。

 既に使用しているUSBメモリデバイスは、IOデータのEasyDisk。しかし仕事で使用することが多くなったので、プライベート用にもう1つ欲しくなった。
 それから、私が所有しているデジタルカメラで、WebCamチャットにも使用できるのは FinePix F401のみ。せっかくモバイルPCなのに、若干重たいカメラとクレードルを常々持ち歩くわけにもいかない。そこで一般的な小さいWebカメラが欲しかった。

 まぁこれは単純にUSBメモリとWebCamをそれぞれ買うかな、と思っていた矢先、PicoShotなる奇妙なデバイスが登場した。なんと31万画素CMOSカメラ搭載のUSBメモリだ(笑)。これなら1つで私の欲求を2つとも満たしてくれる。
 スパイ大作戦に出てくるスパイカメラのような小ささというのも面白かったので興味津々。何だか発売されて直ぐに売り切れるという人気商品のようだが、私も興味本位で購入してみることにした。

■ PicoShotにまつわる良からぬ噂が……。

 さてこの商品、小ささ以外に売りがないようなコンセプトなので、PicoShotがプレス発表されてから、巷に良からぬ噂が飛び交った。それは「盗撮用に作られたのではないか?」ということだ。そのためか、この商品に対してインプレしてくれるサイトが皆無に等しい。
 そこで今回のimpRessionは、「盗撮用であるのか?」ということに対しても挑戦的に評価、検証してみようと思う。私は悪用していないのだから、文句無かろう。別に悪用する気もありませんが、なにか?

■ やはり驚く小ささと、意外な重量感。

 妙にディスプレイのことを考えているなぁと思わせるパッケージ。そのパッケージを開封してみると、まずはその小ささにやはり改めて驚いてしまう。

 そして手に持ってみると、意外に「ずっしり」とくる重さが印象に残る。単なるUSBメモリと比べても随分重い。カメラ付き携帯電話と同じくらいの重量感がある。撮影時に少しでも手ブレを出さないようにする為の工夫なのであろう。

 でもこの重量感が、実にオモチャチックなPicoShotに、ささやかな高級感を出しているのも事実である。


■ 無駄な機能は一切排除!のシンプルさに納得。

 PicoShot背面には、左からファインダー、液晶ディスプレイ、電源ランプ、MODEボタン、SNAPボタンがある。とは言え、ファインダーはレンズも入っていない単なる穴で、液晶ディスプレイも7セグメントの2桁表示という単純なもの。当然、撮った写真は直ぐにその場で確認できるというものではない。これだけ小さければ仕方ないといったところ。

 操作系の方は実にシンプル。
MODEボタンは、用途や撮影方法・写真サイズなどをトグル方式で選択するためだけに使用する。で、SNAPボタン は撮影か決定する時だけに使用する。
見た目以上の複雑な操作はないので、説明書は直ぐに必要なくなる。操作内容の詳細は、後ほど紹介しよう。

 それから、本体側面に面白いシールを見つけた。→
「こっちが上ですよ〜」という意味のようだ。一見「どう撮っても支障ないから意味ないじゃん」と思うだろうが、WebCamとして使用する時にはちゃんと意味をなす。(苦笑


■ カメラとして使用する時はスイッチをONに。

 PicoShotは PCに接続しておけば USBバスを利用して自動的に充電をしてくれる。電池が空の状態からフル充電するまでに必要な時間は、約3時間。充電中は電源ランプが点滅してくれるが、過充電してしまうとバッテリーはもたなくなる上に、発熱までしてしまうので充電中は要注意だ。

 USBを保護しているキャップを外すと、スライド型のスイッチが見つかる。これをONにするとカメラとして使用できる。カメラとして使用しない場合には、OFFにして無駄な放電を防ぐことができる。

 MODEボタンを長押しするとカメラの電源がONになり、暫く放置しておくと1分も経たない内に自動的に電源をOFFしてくれるので、それほど電池残量に神経質にならなくても良いようだ。


■液晶の表す意味を紹介。そして、意外な問題機能を発見。

← カメラをONにすると、一瞬「HI」という文字が現れてから、2桁の数字表示に変わる。HIでは、VGAサイズ(640×480)の画像が撮影できる。カメラ電源をONにしたら、まず標準としてこのモードになる。

← 既に16枚撮影していれば、表示内容はこんな感じ。1500枚以上も撮影できるということだが、2桁しかない表示がどうなるのかまでは試していない。100枚単位でループする可能性が強い。

← MODEボタンを1回押すと、「HS」という文字が一瞬現れる。
なんと、セルフタイマー機能付き(!)で、このモードなら SNAPボタンを押すとカウントダウンを開始、10秒後に撮影する。

← 更にMODEボタンを押すと、今度は「LO」と言う文字が現れる。
LOでは、QVGAサイズ(320×240)の画像で撮影できる。このサイズであれば理論上、3000枚以上も撮影が可能なのだとか。

← MODEボタンをもう1回押すと、やはり「LS」の文字が現れる。
察しの通り、QVGAサイズの撮影でセルフタイマー機能が使用できる。セルフタイマー機能の怖いところは後で述べるとしよう。

← 更にMODEボタンを押すと、次は「PC」という文字が現れる。
このモードでPCカメラとして使用できる。VGAサイズで 15fps、QVGAサイズで 30fpsの映像が送れるのだから問題はないようだ。

← 更にMODEボタンを押して現れたのは、「CL」という文字。
最後に撮った1枚を消去することができる。途中のどれかを選択して消去することはできないが、そもそも画像を確かめようもない。

← 最後は「CA」の文字が現れる。次は「HI」に戻ってループする。
このモードで SNAPボタンを(2回)押すと、撮影した写真を全部消去する。撮影した写真以外の保存データは消えないので心配ない。


 他にも、説明書には載っていなかった表示を2点紹介しておこう。
 撮影しようとSNAPボタンを押すと、急に「FU」という文字が出て撮影できない時がある。これはバッテリー切れが原因。充電すれば問題なく動作するようになる。
 また「PC」モードにせずにパソコンに接続すると「UC」という表示が出る。多分、「USB Connecting」の略かもしれないが、USB接続しているということ。このモードではWebCam機能を使用できないので、WebCamとして使用する時は、まず「PC」モードにしてから接続する必要がある。


■狙って撮るのは難しいが、工夫すれば何とか。

 超小型デジタルカメラが抱える課題は、撮影時のホールド感だ。小さければ小さいほど、何処を狙っているのか解からなくなる上に、少しのズレで全然違う場所を撮影することになる。
 この点に関して言えば、まず本体にあるファインダーは意味をなしていないと言って良い。ファインダーという名の穴を覗いて撮っても、全然問題の解消にはならなかった。
 むしろ、銃で狙うような要領で、本体上面を利用して視野に対して平行になっているかを遠目に確認した方が、狙いが定まって良い。

 また、SNAPボタン がやや窪んでいるので、ボタンを押す瞬間にどうしても手が「カクン」と動いてしまい、ブレにつながってしまう。しかも、撮影した写真を直ぐには確認できないので、どうしてもブレていないか心配になってしまう。
 この点に関しては、セルフタイマー機能を利用すれば、撮影する瞬間にボタンを押すという動作がない分、手ブレを防止することが可能となる。セルフタイマーを付けといて良かったねぇ、と思わず開発者に言いたくなってしまう。


↑実際に撮影した写真としては、こんな感じ。(写真をクリックすれば無加工の原寸大写真が確認できます)
 それぞれ、静物的な風景、動きのある噴水、発色が求められる花、の写真。レンズ中央部分のみピントが極端に合うタイプで、コントラストはかなり低め。
 写真の写りに関しては、FinePix F401 と INFOBARのカメラ と比較して別途報告しようと思う。


■「買い」を評価する前に、倫理的な問題について指摘する。

 冒頭でも述べたが、今回は「買い」について評価する前に「盗撮」という倫理的な問題について評価してみようと思う。

【問題1:撮影時に音が鳴らない】
 今日のカメラ付きケータイでは、盗撮防止のために、マナーモードであっても撮影時に音が鳴る仕様になっていることは、ご存知の通り。一般のデジタルカメラは十分大きさがあり、撮影する所作が解かりやすいためか、音が鳴る機能は付いていない。
 で、私は当然 PicoShot には音が鳴るようになっているのだろう、と思っていたのだが、全く音が鳴らなかった。その上、わずかな動きでSNAPボタンを押せるので、同じように構えていても、撮影したタイミングがさっぱり解からない。

【問題2:セルフタイマー機能の悪用】
 写真を撮ろうとすると、必ず撮影ボタンを押すという動作が生じる。この動作と、この動作にかかる時間があれば、他人からは「あ、今写真撮ったな」または少なくとも「あ、今何かやったな」ということが確認できる。
 しかし、セルフタイマー機能を利用すると、例えば全く人の目に付かない状態(ポケットに手を入れているなど)で SNAPボタンを押し、10秒後のタイミングでその瞬間だけカメラを被写体に向ければ撮影が可能となる。これでは、少なくとも「写真を撮った」とは気付かれない。

【問題3:目をつぶっても片手で操作できる全消去機能】
 既に紹介したように、操作はいたってシンプル。押した回数さえ頭に入れれば、目をつぶっても片手で簡単に操作ができる。それは「CA」を選択することも同様。問題になるような写真を撮影して指摘されたとしても、一般的なデジタルカメラのような複雑な操作をすることなく、簡単に全撮影データを消去することができるのだ。

 肝心の写りの問題を除くとしても、以上の問題点から「盗撮」に向いているのは明らかなように思える。電気製品の設計開発をしている職業柄、よくこんな倫理的に問題のある仕様で販売するに至ったなぁ、と呆れている。一体、企業も国も何を考えているのやら。

 私がメインとして使用しているWebCam機能は他の商品でもできるのだから、あらぬ疑い掛けられるくらいなら手放そうと考えている。現在ヤフオクで売りに出す計画中。

 ちなみに、WebCamとして使用する場合はこんな感じ。→


■USBメモリとして使えるWebCamか、はたまたSpyCamか。

 それでは「買い」について評価してみよう。(って最近気付いたんですが、このあたりの記述がインプレスのサイトと似てるんですよね。やっぱ影響かな?)
 当然のことながら、デジタルカメラのメイン機として使用するには無理がある。スペックは 31万画素CMOS でコントラストも良くない。写っている物は何であるか、写っている状態はどうであるのかを確認できる程度である。
 かと言って、USBメモリストレージとしてフル発揮できるとも考えにくい。PicoShotが内蔵するメモリのサイズはわずか 64KB。せめて 128〜256KB は欲しいというところだ。

 となると、やはり、私が購入するきっかけとなった理由である「USBメモリとしても使えるWebCam」というポイントは外せないだろう。ちょっとデータのやりとりがあるんだけど、基本的にはWebCamとして利用するという人は「買い」となるかもしれない。

 あとは、「鮮明は写りは求めないが、何か決定的な瞬間や状況を瞬時に写真に収めたい」という人は買いかもしれない。が、記者等が使用するには、もっと専門的な良い商品があるだろうから、この商品を求めるのはさしずめ「手軽に盗撮グッズが手に入る」と考えた人であろうか。

 私個人の使用法としては、モバイルPCと一緒に気軽に持ち運び、特に電源ケーブルも必要ないWebCamとして、出先でTVチャットを楽しめるので便利。さらに、出先で友人のPCとの軽いデータ交換に利用する。Windows XPなら、特にデバイスドライバも必要ない。


■最後に、ちょいと意見を一言。

 今回、挑戦的な指摘を数点してみたわけだが、この指摘の目的はあくまで「技術を商品に替えて世に送るのであれば、その用途の倫理性について十分検討せねばらない」ということにある。
 日本は犯罪に対して、実に事後処理を得意とする国である(苦笑)。犯罪に結び付くことが容易に指摘できるのであれば、その指摘を回避するような屁理屈を言う前に、少なくともそういう指摘を受けないような商品の開発をして、社会貢献すべきではなかろうか。

 偉そうなことを言ったが、結局のところ改善策はまぁ簡単。PicoShotが撮影時に、撮影したことが解かるような、大きな音を鳴らす仕様にすれば良いだけのような気がするのである。PicoShotの後継機が出るのであれば、その点の改善を期待して。あぁ、あとUSB2.0対応と、メモリ容量の増大は必須だろう。


■商品購入データ:

PicoShot
メーカー: GREEN HOUSE / 購入価格: 12799円(ソフマップ)

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