解答と解説

1.

(1)C
(2)発生する
(3)硫化水素
(4)36.0g
(5)硫黄 1.0g

鉄粉と硫黄の化合の実験です。それぞれの試験管の結果から、A〜Cを決めてしまいましょう。
参考ページ…化学変化の種類と実験>化合

鉄粉と硫黄をよく混ぜて試験管の上部を加熱した後放置したもの
上部を加熱するだけで反応が始まり、放置しても反応が次々に進んで化合物(硫化鉄)ができます。
別の物質になったので鉄の性質も硫黄の性質もありません。
塩酸を加えると硫化水素(卵が腐ったにおい)が発生するので、これはBです。

鉄粉と硫黄をよく混ぜて放置したもの
ただの鉄と硫黄の混合物です。鉄の性質と硫黄の性質があるので、鉄の性質のため磁石につくのでCです。

鉄粉、硫黄の順に混ぜずに試験管に入れ、加熱したもの
硫黄がとけて液体になるのでAです。鉄の大部分は変化なしです。加熱の際は鉄と硫黄が接している部分のみ化合します。
これも磁石につきますが、Aがあてはまるので、Cは混ぜただけの試験管だと判断します。

(1)
上の解説より、混ぜただけの試験管はCですね。

(2)
試験管Cは鉄粉と硫黄を混ぜただけの混合物で、鉄の性質により、塩酸と反応して水素が発生します

(3)
試験管Bは硫化鉄という化合物です。塩酸と反応して硫化水素が発生します。

(4)
化合しても(化学変化が起きても)反応前後の物質全体の質量は変わりません。
試験管の質量が25.0g、鉄粉の質量が7.0g、硫黄の質量が4.0gなので、全部で36.0gです。
参考ページ…化学変化と物質の質量>質量保存の法則

(5)
鉄と硫黄の化合する質量比は7.0(g):4.0(g)=7:4です。
「鉄17.5gと化合できる硫黄の質量」を求めてみます。鉄17.5gと化合する硫黄をχgとすると、
17.5(g):χ(g)=7:4 より、7χ=17.5×4 これを解いて χ=10.0(g)
参考ページ…化学変化と物質の質量>基本問題の解き方 比例式の解き方
硫黄は10.0gが化合できますが、11.0gあるので、0.1g残ります。

2.

(1)水
(2)2H2+O2→2H2O
(3)ウ
(4)ア
(5)水素1.1g 酸素8.8g

水の合成の実験です。水素と酸素は非常に化合しやすいので、混合気体に点火すると、瞬間的に反応します。

(1)
「水素」は「水のもと」と書きます。燃やすと水になるからですね。「水素+酸素→」です。
物質名で答えるので、「水滴」とか「水蒸気」などの答え方は避けましょう。

(2)
水素(H2)と酸素(O2)が化合して水(H2O)となったので、
_H2+_O2→_H2O
係数を合わせて 2H2+O2→2H2O となります。
参考ページ…化学反応式>化学反応式のつくり方 化学反応式の読みとり

(3)
瞬間的に反応して水蒸気となり、それが冷えて細かい水滴になります。うすく白くくもっている()状態です。

(4)
ビニール管の中にあった水素と酸素の分子の数が減ったので、そのぶん、水が浸入してきます。
仮にまだ水が水蒸気であっても、水素2分子と酸素1分子(合計3分子)が水2分子になってしまったので、全体の分子の数は減ります。
さらに、そのできた水蒸気自体、冷えて水滴になります。水蒸気から液体の水になると、体積は1700分の1になり、ビニール管内の気圧が下がります。
参考ページ…状態変化>物質の状態変化

水面は高くなりますね()。
参考ページ…化学反応式>化学反応式の読みとり

(5)
水素1gと酸素8gが反応すると、水が 1(g)+8(g)=9(g) できます。
質量比は 水素:酸素:水=1:8:9 ですね。
水9.9gをつくるために必要な水素の質量をχgとすると、
水素:水=χ(g):9.9(g)=1:9 より、9χ=9.9×1 これを解いてχ=1.1(g)
水素1.1gと化合できる酸素の質量をy(g)とすると、
水素:酸素=1.1(g):y(g)=1:8 より、y=1.1×8 これを解いてy=8.8(g)
参考ページ…化学変化と物質の質量>基本問題の解き方 比例式の解き方

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