forever-19

心の詩

Tさんへ
やっと回復してきたよ
けど力はないし、酸素は外れないし
トイレに起きるのも駄目でまだ動けません
いやあ、今回は参った、参った
心臓マッサージまでされるはめになるとは
今回ばかりは死ぬかと思いました
今までで一番最悪なパターンでした
移植は延びるかも知れません
みんな元気?!
元気になったらまた会いにいくからね
祐子より
 
 
この手紙は、一般病棟で祐子を可愛がって下さった方宛に書いたものです。
移植を控えた頃に敗血症を起こして、危機に陥った時期がありました。
その危機を何とか脱出して少しずつ快復に向かった頃に書いたものです。
しかし結局祐子がTさんに会う事が出来たのは旅立つ五日くらい前でした。
もう時間のない祐子に婦長さんが会わせてあげたいと思ったのでしょう。
車椅子に乗ったTさんを祐子の部屋に連れて来てくれました。
祐子は涙をボロボロ流していましたが言葉はありませんでした。
起きる事もできなくなってしまった自分が悔しくて仕方なかったのだと思います。
そしてもうこの頃は自分の命が短いことを悟っていたに違いありません。
 
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Last updated: 2006/9/18