モザイクの応用(その2)

 ここでは、モザイク系のいくつかの品種についてブリーディングに関する注意点などをまとめていきます。これまでの内容と重複するところもありますが、ご容赦願います。

この写真のモザイク、モザイクタキシードは同胎の兄弟です。雄親がモザイク、雌親がモザイクタキシードです。見てお分かりのように、タキシードとノンタキシードでは同じ親から生まれたとは思えないほど色柄が違います。モザイクタキシードの尾鰭はモザイクと比べ、暗い色になりがちなので、タキシードどうしを親にして長く取り続けると、尾鰭全体が黒っぽくなってきてしまうことがよくあります。明るい色のモザイクの雄をときどきかけ合せて、華やかさを戻してやるようにしましょう。
オールドファッションモザイクについては特に問題はありません。定期的にモザイクの雌の質の良いものを選んで取り替えれば、ボディーが小型化することもなく、楽に維持できます。
オールドファッションブルーモザイクはブルーモザイク系では一番維持しやすい品種だと思います。オールドファッションとモザイクはとても相性が良く、他のブルーモザイク系と比較して、尾鰭にきれいな柄が入りやすいのが特徴です。雌は赤系、青系どちらを使ってもよく、「モザイクの雌の選び方」を参考にしてください。ただし、この写真の個体のように、尾鰭に白が強く入るものは、同胎の多くに尾鰭に黄色いしみが入りますので、それを避けたい場合は、やはり雌を選ぶ必要があります。「ブルーモザイクの雌の選び方」を参考にしてください。私はこの品種がブルーモザイク系の入門には最適と思います。
コーラルブルーモザイクもブルーモザイクや後に解説するブルーモザイクコブラなどと比べると維持は多少楽です。しかし、この写真の個体のように尾鰭にきれいにモザイク柄の入るものは、一胎にそう多くは出ません。やはりある程度の経験を積み、雌選びに慣れることが必要でしょう。なお、他のブルー系の品種でもある程度はいえる事ですが、とくにこの品種の場合、ブルーの雄を使って採った赤系のもの、つまりコーラルモザイクは色柄が悪く、ほとんど鑑賞に堪えないものになってしまいますので、赤系は赤系のみで維持する方が良いでしょう。
プラチナアクアマリンモザイク、この品種も特に問題点はありません。アクアマリンもオールドファッションと同じように、モザイクと相性が良く、きれいな色柄が乗ります。ときどき雌を差し替えるだけで維持できます。以前は背鰭が小さくなる、、胴が長いなどの欠点が出やすい品種でしたが、現在はそれもだいぶ改善されて、良いプロポーションになってきています。
プラチナアクアマリンブルーモザイク、この品種はプラチナの影響か、尾鰭に黄色が入りやすいという弱点があります。うまく良い雌を当てれば比較的きれいな柄の入った個体も多く採れますが、これ、と思った雌がはずれることも多くあり、その場合、柄がにじんで流れてしまいます。尾鰭に黄色が入るのをさけるには、他のブルー系と同じように雌の選び方ですが、その危険度は少し高いと言えます。維持することの難易度はコーラルブルーモザイクと同じ位と思います。
モザイクコブラ、この品種も維持は容易です。良いモザイクの雌を当てると100%に近いくらい、同じようなきれいに柄の入ったものが採れます。所謂金太郎飴です。この品種はコブラの影響で、尾鰭が赤くはならず、写真のように黄色、茶色、オレンジ色を混ぜたような色合いになるのが特徴です。メタルモスコー、ギャラクシーモザイクなど、コブラとモザイクの組み合わせでは共通して言えることです。注意点としては、尾鰭の先端部分に柄の黒い部分がはみ出しやすく、その結果、ある程度サイズアップすると尾の先がざくざくになってしまうものが多く出ることがあります。これは「モザイクの雌選びの基本」を参考にしてください。
ブルーモザイクコブラ、この品種の難度は非常に高く、赤系のモザイクコブラとは正反対です。モザイクコブラにブルーモザイクの雌を当てれば、遺伝的にはブルーモザイクコブラになりますが、尾鰭はほとんど、薄いブルーに細かいスポットが入るだけのとてもモザイクとは言えない柄になってしまいます。そしてこの品種は、「ブルーモザイク (その1)」で説明した、下腹部に赤班をもった個体も多く出ます。難易度としてはブルーモザイクに勝るとも劣らない品種です。あまりポピュラーな品種とは言えませんが、挑戦してみる価値はあると思います。


写真が用意できませんでしたので、他の品種については、その用意が出来たときに随時このページに追加していきますのでお楽しみに。

  次ページへ     前ページへ