解答と解説

1.

(1)
  
(2)3:2
(3)6.0g
(4)0.6g
(5)金属:3.3g  酸素:2.2g

化合する物質の質量の比は一定(定比例の法則)というきまりから解いていきましょう。

参考ページ…化学変化と物質の質量>金属の酸化と質量(定比例の法則)

(1)
各班の結果を金属の質量を横軸、酸化物の質量を縦軸としてグラフにポイントし、原点と直線で結びます
その際、D班の結果は直線からはみ出します。D班の結果をポイントしないようにしましょう。
表の「酸化物の質量(g)」を横に見ていってもわかります。
金属の質量が0.3gずつふえるにしたがって1.5、2.0、2.5…(g)と、酸化物の質量も0.5gずつふえていっていますが、D班のところで3.0gにならずに2.6gとなっています。D班が失敗だとわかります。

(2)
D班以外ならどの班の結果で計算してもかまいませんが、ここではA班の結果をもとに計算してみます。
金属+酸素→酸化物
質量保存の法則より、 酸化物の質量−金属の質量=化合した酸素の質量 です。
酸化物は1.5g、金属は0.9g、よって酸素の質量=1.5(g)−0.9(g)=0.6(g)
これより、金属:酸素=0.9(g):0.6(g)=3:2
金属はマグネシウムですね。

(3)
先ほどのA班の結果から、金属:酸化物=0.9(g):1.5(g)=3:5 この比を使って計算します。
金属3.6gから得られる酸化物の質量をχgとして、比例式をつくりましょう。
金属:酸化物=3.6(g):χ(g)=3:5 比例式の解き方
これを方程式に直すと、3χ=3.6×5 これを解いて χ=6.0(g)
※中学の段階では、答えは6gでもいいです。6.0gは3.6gに合わせて解答しました。
参考ページ…化学変化と物質の質量>基本問題の解き方

(4)
失敗したD班では、加熱が不十分だったため、反応せずに残ってしまった金属があるようです。
こういう場合は、化合した酸素の質量に注目しましょう。
化合した酸素のぶんだけ質量がふえたことより、酸素の質量=2.6(g)−1.8(g)=0.8(g)
0.8gの酸素と化合できる金属の質量をygとして、(2)の結果の「金属:酸素=3:2」を使います。
金属:酸素=y(g):0.8(g)=3:2 これより、 2y=0.8×3 よって、y=1.2(g)
1.8gの金属のうち、1.2gが酸化できたようです。
反応せずに残ってしまった金属は、1.8(g)−1.2(g)=0.6(g)
参考ページ…化学変化と物質の質量>応用問題の解き方

(5)
(2)や(3)で求めた比を使います。
金属:酸素:酸化物=3:2:5 例えば5gの酸化物なら、3gの金属と2gの酸素からできています。

金属の質量を求めるときは酸化物の質量を5で割って3をかけます。
金属の質量=5.5(g)÷5×3=3.3(g)
酸素の質量を求めるときは酸化物の質量を5で割って2をかけます。
酸素の質量=5.5(g)÷5×2=2.2(g)
もちろん、比例式で求めてもかまいません。

2.

(1)マグネシウム
(2)酸化銅
(3)金属A:2Mg+O2→2MgO
  金属B:2Cu+O2→2CuO
(4)12.0g
(5)5.5g
(6)8:3

参考ページ…化学変化と物質の質量>金属の酸化と質量(定比例の法則)

銅もマグネシウムも空気中でじゅうぶん加熱することにより、酸素が化合して酸化物となります。
銅+酸素→酸化銅
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム

(1)
酸化銅は黒色の粉末ですが、酸化マグネシウムは白色の粉末です。
金属Aの酸化物が白かったということは、金属Aはマグネシウムですね。

(2)
金属Aがマグネシウムなので、金属Bは銅です。銅が酸化すると酸化銅になります。

(3)
金属A(マグネシウム)について
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
物質名を化学式に置き換えて
_Mg+_O2→_MgO
反応前後の原子の種類と数を合わせて
2Mg+O2→2MgO
金属B(銅)について
銅+酸素→酸化銅
物質名を化学式に置き換えて
_Cu+_O2→_CuO
反応前後の原子の種類と数を合わせて
2Cu+O2→2CuO
参考ページ…化学反応式>化学反応式のつくり方

(4)
グラフの読みやすい点をさがして、マグネシウムと
酸化マグネシウムの質量の比を求めます。
金属(マグネシウム)が3.0gのときがおすすめです。
マグネシウム:酸化マグネシウム=3.0(g):5.0(g)=3:5
これを使ってこの問題を解きましょう。

マグネシウム7.2gが酸化してできる酸化マグネシウムの質量をχgとすると、
マグネシウム:酸化マグネシウム=7.2(g):χ(g)=3:5 比例式の解き方
書き換えると、3χ=7.2×5 よって、χ=12.0(g)
※中学の段階では、答えは12gでもいいです。12.0gは7.2gに合わせて解答しました。
参考ページ…化学変化と物質の質量>基本問題の解き方

(5)
4.6gの銅のうち、反応できずに残った銅が1.0gだったということです。
酸化銅が塩酸にとけること、銅が塩酸にとけないことを知っている必要があります。

反応した銅は4.6(g)−1.0(g)=3.6(g)なので、3.6gの銅に化合できる酸素の質量を計算すればそのぶんが4.6gからふえた質量になります。
(4)のように、グラフで読みとりやすい点をさがし、銅と酸素の質量の比を求めましょう。
金属(銅)4.0gのときに酸化銅は5.0(g)なので、化合した酸素は5.0(g)−4.0(g)=1.0(g)
これより、銅:酸素=4:1であることがわかります。
3.6gの銅と化合できる酸素の質量をygとすると、
銅:酸素=3.6(g):y(g)=4:1 これを書き換えて 4y=3.6 よってy=0.9(g)
この実験では、空気中から0.9gの酸素が化合してきたことになります。
ステンレス皿の中の銅粉の質量は4.6g、加熱後はそれに酸素の質量を合わせて
4.6(g)+0.9(g)=5.5(g)

(6)
MgOもCuOも金属原子と酸素原子の結びつく割合は1:1です。
化合するマグネシウムと酸素の質量比はグラフから3:2なので、マグネシウム原子と酸素原子の質量比は3:2となります。
また、化合する銅と酸素の質量比はグラフから4:1なので、銅原子と酸素原子の質量比は4:1となります。

「銅:酸素=4:1」と「マグネシウム:酸素=3:2」から酸素の数字を合わせて「銅:マグネシウム」を求めてもいいです。
銅:酸素=4:1 2倍して 銅:酸素=8:2…@
マグネシウム:酸素=3:2…A
@・Aより、同じ質量の酸素と化合できる銅とマグネシウムの質量比は
8:3となります。

top  > 実戦問題解説 > 2年 > 金属の酸化