解答と解説

1.

(1)D
(2)1:3
(3)8cm
(4)ア オ

小球の力学的エネルギー(位置エネルギー+運動エネルギー)が保存することを使って問題を解きます。

参考ページ…エネルギーの保存

(1)
はじめ、A点での小球は速さを持っていません。
小球が今後運動をするためのエネルギーはすべて位置エネルギーとして持っています。
小球の位置が低いほど、どのぶんの位置エネルギーが運動エネルギーに変わったのだから、一番速さが最大(運動エネルギーが最大)となるのは、小球の位置が一番低いときですね。レールにそって一番低い位置はDです。

(2)
B点は高さ20cmなので、はじめのA点の位置(80cm)に比べると4分の1になっています。
問題文より、位置エネルギーは小球の高さに比例するので、B点での位置エネルギーはA点の4分の1になっていますね。
失った4分の3の位置エネルギー(60cmぶんの位置エネルギー)は、B点での小球の運動エネルギーに変わっています。
B点での位置エネルギー:B点での運動エネルギー=20(cm):60(cm)=1:3

(3)
小球ははじめ位置エネルギーしか持っていませんが、位置が低くなると運動エネルギーも持つようになります。
そしてD点で木片にぶつかり、その総エネルギーで木片を動かします。
問題文より、小球の総エネルギーと木片が動く距離は比例しますが、位置エネルギーと運動エネルギーの総和(力学的エネルギー)は一定なので、はじめに持っていた位置エネルギーで、木片の動く距離が決まることになります。
問題文より、80cmの高さのAから転がしたとき、木片は16cm動いています。
C点では高さ40cmなので、A点(80cm)の半分ですね。
転がす寸前に小球の持っていたC点での位置エネルギーはA点での位置エネルギーの半分です。
よって、動く距離も半分となります。 16(cm)÷2=8(cm)

(4)
図1の小球を図2では振り子のおもりとして使います。同じ小球なので、持つエネルギーは最初の位置(高さ)で決まりますね。
C点とG点は同じ高さなので、小球の位置エネルギーは同じ値になります。

…H点から静かに小球を離したとき、木片は4cm動く
H点の高さは20cmです。小球の高さ80cmのとき、木片は16cm動くので、高さ20cmで木片がχcm動いたとして、
80(cm):16(cm)=20(cm):χ(cm) これを方程式に直すと 80χ=16×20 比例式の解き方
よってχ=4(cm) 正しいですね。

イ…F点での小球の位置エネルギーはH点での位置エネルギーの2.5倍である
位置エネルギーは小球の高さに比例します。F点は50cm・H点は20cmなので、F点での位置エネルギーはH点に比べると
50(cm)÷20(cm)=2.5 2.5倍になります。

ウ…F点から静かに小球を離したとき、木片は10cm動く
F点の高さは50cmです。小球の高さ80cmのとき、木片は16cm動くので、高さ50cmで木片がycm動いたとして、
80(cm):16(cm)=50(cm):y(cm) これを方程式に直すと 80y=16×50 比例式の解き方
よってχ=10(cm)

エ…F点から静かに小球を離したとき、G点通過時の小球の位置エネルギーと運動エネルギーの比は4:1である
F点(50cm)のときとG点(40cm)のときの位置エネルギーの比が5:4ですね。
はじめ(F点)のときに小球が持っていた位置エネルギー50cmぶんは、G点通過時の位置エネルギー40cmぶんと、運動エネルギー10cmぶんに変わっています。
G点での位置エネルギー:G点での運動エネルギー=40(cm):10(cm)=4:1

…F点から静かに小球を離したとき、H点通過時の小球の位置エネルギーと運動エネルギーの比は2:3である
F点で持っていた位置エネルギー50cmぶんは、H点では位置エネルギー20cmぶんと運動エネルギー30cmぶんに変わっています。
H点での位置エネルギー:H点での運動エネルギー=20(cm):30(cm)=2:3 正しいですね。

2.

ア:電気 イ:熱
ウ:光  エ:電気
オ:化学 カ:熱
キ:化学 ク:運動 ケ:電気
コ:位置 サ:運動 シ:電気
ス:光  セ:化学
ソ:電気 タ:位置

ある事象で、何エネルギーから何エネルギーに変わるか、ということを考えるのは意外と迷うことが多いです。
問題文をよく読んで判断しましょう。
何を利用するために何を使ったか、を意識して考えてください。

参考ページ…エネルギーの移り変わり

・エアコンの暖房で部屋をあたためたる
エアコンは電気で動きます。熱を利用するために電気を使いました。
電気エネルギー(ア)→エネルギー(イ)

・太陽電池で発電する
太陽電池は太陽のエネルギー(ウ)を直接電気エネルギー(エ)に変換する装置です。
参考ページ…化学変化とエネルギー>電池の種類(参考)

・炭を燃やしてバーベキューをする
炭を燃やす(酸化させる)という化学変化によって得た熱を利用しています。炭は化学エネルギーを持っていました。
炭の化学エネルギー(オ)→エネルギー(カ)

・火力発電…化石燃料を燃やして水を沸かし、蒸気で発電機のタービンを回し発電する
細かく考えると、化石燃料の化学変化→水を沸かすための熱→蒸気の運動→タービンの運動→発電機
という流れですが、化石燃料とタービンと最終的に得た電気だけを考えればいいですね。
化石燃料の化学エネルギー(キ)→タービンの運動エネルギー(ク)→電気エネルギー(ケ)

・水力発電…高い位置からの水流で発電機につないだ水車を回して発電する
これも細かく考えると、高い位置の水の落下能力→低い位置の水の運動→水車の運動→発電機
という感じになりますが、高い位置の水の持つエネルギーと水車、最終的に得た電気だけを考えます。
高い位置の水の位置エネルギー(コ)→水車の運動エネルギー(サ)→電気エネルギー(シ)

・植物が光合成をして有機物をつくる
植物の光合成とは、光のエネルギーを受けて、葉緑体内で二酸化炭素と水を、有機物と酸素に合成することです。
参考ページ…植物のつくりとはたらき>光合成と呼吸
有機物はその後養分として化学変化を起こし、生物が生活するエネルギーを得たり、燃料になったりできるので、化学エネルギーを持っていますね。
太陽のエネルギー(ス)→有機物の化学エネルギー(セ)

・エレベーターで上の階に着いた
エレベーターは電気で運動し、高い位置にのぼったり、低い位置に下りたりします。
エレベーターの運動エネルギーか位置エネルギーか迷うところですが、「上の階(高い位置)に着いた」という表現から、最終的にエレベータが持つエネルギーを答えましょう。
電気エネルギー→エレベーターの位置エネルギー

top  > 実戦問題解説 > 3年 > 仕事とエネルギー