緑色の植物だけが行う光合成は、ほかの生物にまねできない偉大なはたらきです。また、植物も生物である以上、呼吸も行っています。
ここでは、植物のはたらきとしてよく比べられる光合成と呼吸についておさえましょう。
光合成
葉のはたらきのひとつです。ここで発生する廃棄物である酸素のおかげで、地球上の多くの生物が生存できます。
光合成…光のエネルギーを受けて二酸化炭素と水から
デンプンなどの有機物と酸素を合成すること
(葉の細胞の葉緑体の中で行われる)
合成前 二酸化炭素
気孔から取り入れる。
水 葉脈から。
合成後
デンプン
葉で糖に変えられ、成長のさかんな部分や果実へ送られる。
※イモのように、根でふたたびデンプンに変えて貯蔵することもあります。酸素 気孔から捨てられる。
光合成は光が当たっていないと行われません。(晴れた日の日中にさかんに行われます。)
葉緑体は無機物から有機物をつくり出す化学工場のようですね。
呼吸
生物は呼吸を行います。もちろん、植物も呼吸をしています。
呼吸は光の有無に関係なく、晴れた日の日中も雨の日や夜も行われています。
植物の呼吸…気孔から酸素をとり入れ、二酸化炭素を放出する
植物のはたらきとして、よく光合成と比較されますが、光合成とはまったく逆のはたらきです。
晴れた日の日中は、光合成のほうがはるかにさかんなので、呼吸はほとんど目立ちません。
オオカナダモの実験
「光合成は二酸化炭素をとりこみ、呼吸は二酸化炭素を出す」ということを確かめる実験です。
「二酸化炭素は水にとけると酸性を示す」という性質を利用しています。※二酸化炭素の水溶液は炭酸です。
※光をあてた場合…呼吸もしていますが、光合成のほうがさかんなので、結果として液中の二酸化炭素が減りました。
この実験は「光合成では二酸化炭素が使われる」ことと「呼吸によって二酸化炭素が出る」ことがわかります。
二酸化炭素の量の増減をBTB溶液の色で知ることができるからです。
酸素の増減については調べることができません。
(参考)光合成によって酸素ができたことは、インジゴカーミン液を使って確認します。
光合成によりデンプンができたことは実験後のオオカナダモを熱湯にひたし、ヨウ素液をつけて顕微鏡で見てみればわかります。植物を入れない試験管は何も変化しません。
こんなものを用意するのは一見ムダなように思えますが、光合成が植物のはたらきであることを知るため、
植物を抜いてその他が同じ条件のものを用意する必要があります。
このようにある条件の影響を明らかにしようとする実験を対照実験といいます。
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