M-65
モーツアルト「レクイエム」に挑戦 |
加 藤 良 一 (2005年9月16) |
本番を前にして、取り下げようか、応援を頼むか・・・悩みましたが、直前になっての団員の熱意は相当なものでした。正直なところ、 Moz・Req(注 モツレク:モーツアルト「レクイエム」の意)は一杯いっぱいの演奏でした、あの人数でのMoz・Reqはやはりパワー不足は否めません、いきおい無理な発声に繋がり「荒削り」なところがそこ此処にありました。歌い込みの足りない部分も多く楽譜に頼るあまり声が前に飛んで行かないと言う現象もありました。 「レクイエム」はなかなかの難曲である。演奏会の曲順をどうするかは、さまざまな考え方があると思うが、はじめは手馴れた曲でウォーミングアップし、雰囲気にも慣れて声がよく出るようになってから難しい曲を演奏するというやり方もあろうが、久喜混は難曲を最初にもってきた。 「木琴」は、歌いこんでいるだけに不安感はありませんでした、私の友人は「日本語の美しさを感じた」「音楽の表現力は息が詰まる想いだった」「情景を思い浮かべて引き込まれてしまった」と言っていました。合唱は「上手・下手」と言う評価はし易いと思いますが、お客様に伝わるメッセージが心を動かします、「木琴」はそんな要素を持っている曲です。「木琴」の評価が良かったのは、曲が優れている事と歌う側の感情移入が上手くマッチングしたと考えても良いのではと思います。 「上手・下手」の評価はたやすいという齊藤さんの言葉は、開き直りでもなんでもないだろう。むしろアマチュア合唱団の真髄というか、容易には到達できないモーツアルトの世界に自ら身を投じ、苦闘し、難曲に立ち向かうなかで、その音楽の素晴らしさを体験したいという素朴で真摯な態度であって、結果も大切だがそこへ到達するまでの過程をさらに大切にしたということにちがいない。果敢に「レクイエム」に挑戦した久喜混に大いなる共感をもって拍手を送りたい。 |
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