
ナビゲーションスペシャルテクニック
<お知らせ>
MASC-EASTの山岸さんより下記内容のご指摘を頂き注釈を加えました。山岸さんありがとうございました。<以下山岸さんからの指摘内容 1996.6.26>
1.時間走行PC アベは「可能な限り大きな数字」とありますが、私はこの場合、コマズから
読みとった距離と指示時間から大まかなアベを計算し、それを入力すると言った方法をとっております。もちろん、距離が読み切れない場合もありますが、この時は入力するアベを速めにするようにします。そうすると、大体現在の地点で時間をどれくらい稼いでいるか、もしくは遅れているかがわかります。
(時間走行PCの解法2を加えました。)
2.時間走行終了地点ではCPボタンではなくPCボタンを押してスタートタイムを
入れ直した方が良いと思います。なぜなら最近のコンピュータはCP間5km、
10kmの規制のためにCP間の距離を表示する機能があり、CPボタンを押してしまっ
た場合、この表示がリセットされてしまうからです。
ただし、旧型のF-ROMの場合、PCボタンは使えません。なぜなら旧型のF-ROMの
場合スタートタイムとして表示されるのはCPのスタートタイムのみだからです。
F-ROMの場合時間走行の処理方法は特殊なものがあるのですが、それに関して
はユーザにマニュアルを見ていただきましょう。
<Nishiyan's 注釈>
(PCのスタートタイムがPCのスタート時間を表示する場合にはPCボタン(RC-NONO,JX555,RP900,90,GR999,クロノス等)、しない場合(RP80A,旧FROM)にはCPボタン)
RP80Aでは、PCボタンを押すと押した時刻がSTに入力されたと思います。(もうこんなラリコン使っている人はいないとは思いますが。。。私は最近まで使っていました。)
CPボタンを押す方法はどんなラリコンでも使えるので、あえて、この方法で書いておりましたが、5kmチェックを考えると、上記方法の方が良いと思います。
PCのスタートタイムが正解通過時刻(PCボタンを押した時刻+ファイナルタイム)になっているかどうか、自分の使うラリコンがどちらに該当するかを確認しておいて下さい。また、CP間5kmをMapTwin等で確認している人はCP処理でもかまいません。
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Stage1 普通のパスコン よく出るパスコンです。軽くこなしましょう。
Stage2 チョット難しいパスコン よく考えると簡単。でも焦ると難しいヨ
Stage3 スペシャル級パスコン ナイトラリーでもこれぐらいは出ますよ。
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ナビゲーションの基礎
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ウルトラ級パスコン かなり高度、でもラリーナビゲータ・マイスターには必修
Stage1 普通のパスコン
1.コマ図パスコン(以下PCとします)
(1) ナビゲーションの基礎でも書きましたように、コマ図そのものがPCである場合には、簡単です。ただMAP(コマ図間距離)のクリアを忘れなければOK。また、PC処理をする前に次のコマ図の距離を見ておいてすぐコマ図出現しないかをチェックして処理を行います。
(2) コマ図先何kmというPCは単に距離を見ていて、忘れないようにPCボタンを押すだけです。
(3) コマ図先3kmといPCの前に目標物PCが出てくるような順不同(出てくる順番がわからないように設定された)PCが設定される場合もあります。単純な順不同PCは見落とさないように処理を行うのみです。
複雑な時間や距離PC併用の順不同PCはウルトラテクニックを参考にして下さい。
2.カンバンPC
(1) カンバンPCとは文字通りコース上で出現する看板、道路標識などが目標物として指示されているPCです。処理は簡単で出現するたびにPCボタンを押すだけです。
(2) これらのカンバンを数えて何本目かがPCというものもよく出ます。この場合は”正”の字を記入して間違えないようにカウントします。
通常左側だけを処理または、カウントしますが、カーブミラーなどでは正面に出てくる場合もあります。このような不明瞭な場合はドライバーズミーティングで質問して確認します。右の指定がしてある場合も見逃しやすいので注意が必要です。
(3) ナイトラリーで図の一番下のカンバンのようにオフィシャルが突然道路上に掲示していてそこからアベが上がるまたは、下がるといものもあります。初級ラリーでも短い距離を全開で走らせて、SSの気分を味わってもらうということもあります。このカンバンの後にはたいていCPがあります。
私も失敗したことがありますが、”5.0”と書いてあるカンバンを50と読んで大減点を受けたことがあります。ドラミの時にカンバンは小数点以下1桁まで、書いてありますとオフィシャルが説明していたのを忘れていた為です。また、CPと見間違えてCPボタンを押して、ゆっくり進んでいると後ろのゼッケンの車に追いつかれる程遅れてしまったといった失敗もしたことがあります。とっさの時には、単純な見間違えなどのミスをやりがちです。注意して下さい。
3.時間走行PC
時間走行PCはある一定の区間アベが無く、20分で走行せよ。という書き方がされている場合です。
<解法1>・・・何分経過したかが知りたい場合
(1) PCボタンまたは、ラリコンの機種によっては(PCのスタートタイムがPCのスタート時間を表示する場合にはPCボタン(NONO,RC,JX,RP900,GR999,クロノス等)、しない場合(RP80A,旧FROM)にはCPボタン)CPボタンを押してそのPCのスタート時間を控える。アベは999999のように可能な限り大きい数字を入力する。すると経過時間がファイナルタイムに表示されるので、20分の内何分経過したかがわかりますから、あと何分で走ればよいか、何分余裕があるかがすぐにわかります。殆どの場合時間は余ります。
(2) 指定の目標物または、コマ図についたらCPボタンを押して先ほど控えたスタートタイムに20分を足した時間をスタートタイムとして入力します。
<解法2>・・・どれぐらい余裕があるかを知りたい場合
(1) 時間走行区間の区間距離を指定時間で割って、アベを算出して(じゃまくさいときには、50〜60km/hを)から、PCボタンを押して、アベを入力します。
(2) 指定の目標物または、コマ図に到着したら、CPまたはPCボタンを押して正解スタート時刻(時間走行始まり地点での正解スタート時刻+20分)を入力します。こうするとだいたいの余り時間がファイナルタイムに表示されます。
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Stage2 チョット難しいPC
1.手前PC(距離が手前)

手前PCとは指示された地点に到着する手前にPCがあるいうものです。コマ図がPCでその手前500mのような指示で、コマ図に距離が入っていると、MAPキョリをそのコマ図間キョリから500m手前の地点でPC処理を行えばいいわけです。
ところが、通常はそうは設定されていません。図のようにカンバンを目標物としたり、ドンツキコマ図で、キョリを抜いてあるとか100m単位しか記入していないとかいう意地悪がされています。
図のようにある地点(右端)から左に進行するとして、右端の地点でPC処理を行いました。次のPCはコマ図手前500mから40km/hで走れというPCです。その次には”国道123”カンバンの手前2kmから33km/hで走れという指示だとします。
結果的には下の矢印の中のように処理すればいいわけです。実際の処理方法を下記に示します。
(1) キョリ500mを50km/hで走った場合は0.5/50=0’36”です。500mを40km/hで走った場合は、0.5/40=0’45”です。50kmで走ってコマ図まで到着した場合には、コマ図地点で45ー36=9秒先行していることになります。
(2) そこでコマ図地点でCPボタンを押してスタートタイムを正解到着時刻(押した時刻+ファイナルタイム)から9秒引いた時間を入力します。
または、レスコン(レストコントロール:休憩時間 以下RC)をラリコンに入力する方法もあります。この場合にはコマ図地点で、PC処理を行いRCに9秒を入力します。
この例ではアベが下がる例を示しましたが、アベが上がる場合には、逆に遅れになることを覚えておいてください。図で国道123のカンバン手前2kmから55km/hのPCですとカンバン123を見つけた時点までオンタイム走行していて40km/hで走っているとこの2kmをはしるのに3’00”です。ところがこの2kmは55km/hで走らないといけないで、2’10”(通常は秒未満切り捨てで計算します)で走る必要がありますから50秒遅れていることになります。ここから全開で50秒を取り戻す必要に迫られます。ですからCPでてきそうに無い場合には50秒分先行して走っている必要があります。
公式はキョリをS、手前PCからのアベをA、PCまでのアベをBとすると
レスコンタイム=(L/AーL/B)=誤差(秒)
(PCボタンを押せる時点での遅れ進み)
=(2/55-2/40)*3600=130−180=−50
結果50秒遅れていることになります。これはレスコンに入力する値です。従ってマイナスレスコンすなわち−50秒を入れるとファイナルタイムが一気に50秒遅れの表示になります。
私は暗算が苦手なので、この計算を電卓にプログラムしておいて、すぐ計算できるようにしています。(いろんな場面でこのプログラムは使えます) また、レスコンも入力せずファイナルタイムで単に50秒先行で走らせせるようにする場合もあります。(余計な処理をしてミスをしない為)
ラリーコンピュータのトリップを2km引いてPCボタンを押して、55km/hを入力してから、2kmをTRIPに入力するとういうやり方もあります。クロノスMK-5のように-2 ENTで走行距離が引けるラリコンではこの方法が簡単ですが、不慣れなラリコンの場合電卓で計算したほうが良いでしょう。
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2.時間PC
これは目標物の先何分後の地点をPCとするものです。これは時間をキョリに換算すれば簡単に処理できます。これをオンタイムで走って時間で処理しようとすると難しくなります。
−−−−例1−−−−
カンバンより3分走行地点より、30km/hで走行せよ。
(ここまでのアベは20km/hとする。)
時間をキョリに換算するので、20km/h*3分=1km
カンバンから1km地点でPCボタンを押しアベ30km/hを入力する。
−−−−例2−−−− 公式通知をCPでもらったとする。 実際のラリー(チームうららのザ・イゴのラリー)で出た問題
1)CPより18km/hで走行せよ。
2)CP先700m地点より1200m地点までを82秒で走行せよ。
3)CP先1200m地点より270m/分で230秒走行後15km/hで走行せよ。
<解答>
下図を参考に考えて下さい。冷静に考えると簡単な問題です。ところが時間にせかされかつ、走行中の車の中では思考力が低下しています。落ち着いて単位を換算することです。
(1)やり方としては、CPが出てくることと、計算が追いつかないことも考慮して、ラリコンにアベを入力していきます。この処理を行いながら、計算を進めます。まず紙に線を引いて線分を作って考えて下さい。2)は500mを82秒で走るのですから、秒速から時速に変換します。0.5/82*60*60=21.95km/hとなります。
(2)700m地点でPC処理します。次に1200m地点から270m/分で230秒走行ですから、まず、分速を時速に換算します。270*60/1000=16.2km/hとなるので、PC処理してこのアベを入力します。次に距離を算出します。分速を秒速に直し、
270m/m/60*230s=1035m=1.035km=1.03(m単位切り捨ての場合)(ただしドラミでm単位は四捨五入と説明があった場合には1.04とします。)となりますので、この地点がくるとPC処理を行えばよいわけです。

(3)図の枠でかこった部分をみると計算するのは単に単位の換算が殆どです。このような表を作って、計算するとCPから2.93km地点でCP処理(PCのスタートタイムがPCのスタート時間を表示する場合にはPCボタン(JX,RP90*,GR999,クロノス等)、しない場合(RP80A,旧FROM)にはCPボタン)を行って、前のCPのスタート時刻に7’32”を足せばよいことになります。
このようなPCは主催者がナビに暇をさせないように、またナビの技量を試す為に出題してきているのです。臆せず、落ち着いて処理しましょう。このように時間PCで複合しているものはまず、単位をそろえて、線分と表を使って考えることが解法のコツです。
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Stage3 スペシャル級PC
ここでは、かなり難しいPCと解法がスペシャルなPCをご紹介します。
1.中間PC
中間PCは主に距離の分からない区間(標識,コマ図,橋など)の中間地点をPCとするものです。処理の仕方は2つあります。下図で、踏切から警笛鳴らせの看板の中間地点がPCという指示です。
<解法1>
単純に距離を測定して、測定終了地点で、計算するやり方です。これは手前PCの応用で解けます。
1)踏切看板で距離を控える。(TRIP2やMAPTWINがあればそちらの方を利用する。)
2)警笛鳴らせの看板地点でPC処理して、手前PCと同様に
L/A-L/B= 距離を1kmとすると
1/20-1/30=0.166667=1'00"
即ち、1分先行していますから、レスコン1分を入力すれば良いのです。または、CP処理(PCのスタートタイムがPCのスタート時間を表示する場合にはPCボタン(JX,RP900,GR999,クロノス等)、しない場合(RP80A,旧FROM)にはCPボタン)して、ファイナルタイムとPCのスタートタイムそれに1分を足します。これで処理ができたことになります。

<解法2>
単純に中間PCだけ単独でPCとして出現する場合には、次のようなスマートな解法で処理できます。図にあるように踏切看板から
公式で導き出した速度で走行するのです。
中間点までの速度をA、そこからの速度をBとします。この区間の平均速度をCとします。
2L/C=L/A+L/B これをCについて展開すると
C=2/(1/A+1/B) となり距離とは無関係になります。
よって上の例では
C=2/(1/30+1/20)=24km/h
24km/hでこの区間を走れば良いことになります。
1)踏切看板でPC処理して、24km/hを入力
2)警笛鳴らせ看板でPC処理して、20km/hで走ります。
この公式を用いると、通常のPCのように中間PCが処理出来ますのでミスを減らすことができます。指示書にあらかじめこのようなPCが出ている場合には、計算しておくとよいでしょう。また、解法1は、臨機応変に対処したい場合に向いています。
ナビゲーションスペシャルテクニックは理解していただけましたでしょうか。スペシャルといっても、あくまで初心者向けですので、ラリーをやっている現役ナビゲータには簡単すぎたとは思います。ここまで理解できれば、ナイトラリーのナビゲーターはできると思います。
ご質問、ご意見、間違いの指摘、役立ったヨ、こんなのはどうやって解くんだなどのメールをお待ちしています。スペシャルよりさらに高度な?(奇問かも?)”ナビゲーション ウルトラ テクニック”も完成しましたので是非ご覧ください。