解答と解説

1.

(1)1.5A
(2)1.5V
(3)6Ω
(4)5m

(1)〜(3)はごく基本の問題です。

参考ページ…基本の公式 直列回路 並列回路

(1)
抵抗を直列につなぐと、回路全体の抵抗値は各抵抗値の和になります。
回路全体の抵抗は 3(Ω)+5(Ω)=8(Ω) 電源の電圧は12Vなので、オームの法則より、
電流=電圧÷抵抗=12(V)÷8(Ω)=1.5(A)

(2)
これも直列回路です。回路全体の抵抗は 3.2(Ω)+1.8(Ω)=5.0(Ω)
電流は300mAですが、オームの法則を使うには「A」にしましょう。1A=1000mAより、300mA=0.3A
オームの法則より、
電圧=抵抗×電流=5.0(Ω)×0.3(A)=1.5(V)

(3)
並列回路なので、3Ωの抵抗にもある抵抗にも電源の電圧(6V)がかかっています。
まず、の抵抗に流れる電流を求めましょう。オームの法則より、
電流=電圧÷抵抗=6(V)÷3(Ω)=2(A)
全体の電流は3Aですが、そのうちの2Aは3Ωの抵抗に流れたので、ある抵抗には
3(A)−2(A)=1(A) の電流が流れていったことになります。
ある抵抗には6Vの電圧がかかり、1Aの電流が流れたのでオームの法則より、
抵抗=電圧÷電流=6(V)÷1(A)=6(Ω)

(4)
1mあたり2Ωの金属線はひとつの抵抗と考え、これを何本直列につなぐと10Ωになるかを考えます。
抵抗を直列につなぐと、全体の抵抗値は各抵抗値の和になるので、10(Ω)÷2(Ω)=5
1mの金属線5本をつなぐと10Ωになります。よって、5mですね。
※金属線の抵抗は長さに比例します。(参考:断面積に反比例します)

2.

(1)3V
(2)0.75A
(3)1A
(4)5Ω
(5)8Ω

直列・並列の混合回路ですが、設問にそって解いていけば
簡単です。
まず問題の図にわかっている数値を書き込んでしまいましょう。
その際、「mA」は1000で割って「A」にしておきます。

そして、ひとつの抵抗について「かかる電圧」「流れる電流」
「抵抗値」のどれか2つが分かっているものは、設問で問われて
いなくても、オームの法則を使ってすぐ求めて書き込んで
おきましょう。
※図は赤い字が問題文で与えられた数値、緑色の字があとで求めた数値。

参考ページ…基本の公式 直列回路 並列回路

(1)
12Ωの抵抗には問題文より0.25Aの電流が流れています。オームの法則より、
電圧=抵抗×電流=12(Ω)×0.25(A)=3(V)
ここで図に3Vを書き込みます。電源の電圧が8Vなので、抵抗Rにかかる電圧は残りの5Vだということがわかります。5Vも図に書き込みます。

(2)
並列につないであるので、12Ωと4Ωの抵抗にかかる電圧は同じですね。
(1)より、の抵抗にかかる電圧は3Vです。オームの法則より、
電流=電圧÷抵抗=3(V)÷4(Ω)=0.75(A)
ここで図に0.75Aを書き込みます。
次の設問で問われている全体の電流(12Ωの抵抗に流れる電流+4Ωの抵抗に流れる電流)はここで書き込んでしまってもいいですね。

(3)
電流計内部を流れ、抵抗Rを流れてきた電流は並列部分で枝分かれして、0.25Aと0.75Aに分かれました。
分かれる前の電流値を計算します。
0.25(A)+0.75(A)=1(A) 小数点の指示がないので、1.00Aでも1.0Aでも1Aでも今は気にしなくていいです。
この1Aも図に書いてしまいましょう。

(4)
(1)の時点で、並列部分にかかる電圧は3Vだとわかっています。
並列部分(12Ωと4Ω)をひとつの抵抗と考えると、並列部分と抵抗Rは直列につながれているので電源の電圧を分け合います。
抵抗Rにかかる電圧は 8(V)−3(V)=5(V)、抵抗Rに流れる電流は(3)より1Aなので、オームの法則より、
抵抗=電圧÷電流=5(V)÷1(A)=5(Ω)

(5)
全体の抵抗は電源の電圧と全体の電流から求めることができます。
電源の電圧は問題文より8V、全体の電流は(3)より1Aなので、オームの法則より、
抵抗=電圧÷電流=8(V)÷1(A)=8(Ω)

【別解】
並列回路の合成抵抗の公式を知っている人は12Ωと4Ωの抵抗の合成抵抗を求めてしまってもいいです。
参考ページ…電圧・電流の分け方、合成抵抗(参考)の「並列回路の合成抵抗」
12Ωと4Ωの抵抗の合成抵抗を r とすると、

並列部分は3Ωのひとつの抵抗と見なすことができるので、全体の抵抗は直列の5Ωを足して8Ωとできます。

3.

(1)電流計の示す値…0.36A 電源の電圧…9V
(2)3Ωの抵抗に流れる電流…0.4A 電源の電圧…1.2V
(3)R1…3Ω R2…9Ω 電源の電圧…12V
(4)48Ω

これは2の問題のような設問がありません。わかるものから求めていき、図に書き込んでいくと答えにたどりつけます。
まず、図に与えられた数値を書き込み、ひとつの抵抗について「かかる電圧」「流れる電流」「抵抗値」のどれか2つが分かっているものはオームの法則でもう1つも求め、出てきた数値は順次、図に書き入れていきましょう。
はじめは無駄な計算もしてしまいますが、練習ですから(^^ゞ

参考ページ…基本の公式 直列回路 並列回路

(1)
わかっているのは20Ωの抵抗にかかる電圧が7.2Vだということなので、
ここから20Ωの抵抗に流れる電流を求めることができます。
オームの法則より、
電流=電圧÷抵抗=7.2(V)÷20(Ω)=0.36(A)
直列回路なので、回路すべてに0.36A流れています。
よって、電流計は0.36Aを示します。
の抵抗にも0.36A流れているので、5Ωの抵抗にかかる電圧は
オームの法則より、
電圧=抵抗×電流=5(Ω)×0.36(A)=1.8(V)
20Ωの抵抗には7.2V、5Ωの抵抗には1.8Vかかっているので、
電源の電圧は 7.2(V)+1.8(V)=9.0(V)
小数点の指示がないので、9.0Vでも9Vでも今は気にしなくていいです。

  
(2)
わかっているのはの抵抗に0.6Aの電流が流れていることなので、
ここから2Ωの抵抗にかかる電圧が求まります。オームの法則より、
電圧=抵抗×電流=2(Ω)×0.6(A)=1.2(V)
並列回路なので、電源の電圧も3Ωの抵抗にかかる電圧も1.2Vです。
の抵抗には1.2Vの電圧がかかっているので、ここから3Ωの抵抗に
流れる電流を求めることができます。オームの法則より、
電流=電圧÷抵抗=1.2(V)÷3(Ω)=0.4(A)
さらに全体の抵抗を求める場合には、電源(1.2V)と全体の電流(0.6A+0.4A)
をオームの法則に代入して求めます。
  
(3)
最初に見て、「かかる電圧」「流れる電流」「抵抗値」のうち2つが
わかっているのはの抵抗ですね。2.0Aの電流が流れています。
6Ωの抵抗にかかる電圧は、オームの法則より、
電圧=抵抗×電流=6(Ω)×2.0(A)=12(V)
R1とR2をひとつの抵抗と見なすと、並列回路なので、電源の電圧も
同じ12Vということがわかります。
いっぽう、R1とR2直列つなぎになっているので、同じ1.0Aの電流が
流れ、電圧はこの12Vを分け合います。よって、R2にかかる電圧は
12(V)−3(V)=9(V)
R1には3.0Vの電圧がかかり、1.0Aの電流が流れているので、
抵抗=電圧÷電流=3.0(V)÷1.0(A)=3(Ω)
R2には9.0Vの電圧がかかり、1.0Aの電流が流れているので、
抵抗=電圧÷電流=9.0(V)÷1.0(A)=9(Ω)
さらに全体の抵抗を求める場合には、電源(12V)と全体の電流(1.0A+2.0A)
をオームの法則に代入して求めます。

(4)
回路図1では20Ωと5Ω、回路図2では2Ωと3Ω、回路図3では6Ωと3Ω(R1)と9Ω(R2)。
すべて直列につなぐということは、全体の抵抗はこれらすべての抵抗値の和になります。
20(Ω)+5(Ω)+2(Ω)+3(Ω)+6(Ω)+3(Ω)+9(Ω)=48(Ω)

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