電気は離れた場所でも送電線で送ることができ、もっとも使いやすいエネルギーです。わたしたちも毎日お世話になっていますね。
ここでは、電気エネルギーのつくり方(発電)と、エネルギー利用における問題点についておさえていきます。

おもな発電

電気エネルギーをつくるにはさまざまな自然界のエネルギーを利用していますが、おもに火力発電原子力発電水力発電の3つの方法でつくられています。
これらの方法は発電機のタービン(羽根車)を回すのに、火力・原子力・水力がつかわれます。

発電の種類 エネルギー資源 発 電 方 法 問題点
火力発電 石油・石炭・ガス
など(化石燃料)
化石燃料などを燃やして水を沸かし、
蒸気で発電機のタービンを回す。
大量のエネルギーが得られる。

資源に限度がある
二酸化炭素などの発生
水力発電 水の
位置エネルギー
ダムでせきとめた水を落下させ、
発電機の水車を回す。
クリーンな発電方法。

大規模な水力発電所の
建設が困難
水の量で発電量が左右される
原子力発電 ウラン
(放射性元素)
ウランが原子核分裂したときに出る熱で蒸気をつくりタービンを回す。
少量の燃料から大量のエネルギーが得られる。

資源に限度がある
放射線が出るので
資源の取り扱いが難しい

エネルギーの種類や移り変わりはこちらで確認してください。

化石燃料

石油・石炭・天然ガスという化石燃料は数百万年から数億年かけて生物からつくられたものです。
日本ではエネルギー資源の約半分は石油にたよっていますが、ほとんどは輸入されています。
埋蔵量にも限度があり、新しい資源を開発していく必要があります。

発電機(参考)

磁石かコイルのどちらかを回すと誘導電流が発生しますね。
こちら
で学習した発電機は「直流発電機」といって、磁界の中でコイルを回し、一定の向きの電流が得られます。
いっぱんの発電所でつくって各家庭や工場などで利用される電流は「交流」といい、向きや大きさが変わる電流です。
発電所でつかわれる発電機は「交流発電機」といい、コイルの中で磁石を回すタイプです。
タービン(羽根車)は発電機の磁石を回す役目です。

電気エネルギーは発電機が回ると発生してしまいますが、貯めておくことができません。
そのまま送電線で変電所に送られていき、電圧を調整され、さらに電柱の変圧器(トランス)で電圧を下げてそれぞれの利用者に届きます。

新エネルギーによる発電(大気を汚さない)

太陽光発電 太陽の放射の
エネルギー
光を利用:太陽電池に太陽光をあて、発電させる。
      (太陽電池が高価)
熱を利用:多くの反射板で太陽光を集め、熱で蒸気をつくり
      発電させる。
波力発電 波の上下運動によって空気の流れをつくり、タービンを回す。
風力発電 大型の風車を回す。安定していないので、蓄電池にたくわえる。
潮力(潮汐)発電 潮汐力 潮の満ち干きによる海面の落差を利用して水車を回す。
地熱発電 火山活動の
熱エネルギー
火山の地下の熱で蒸気をつくり、タービンを回す。
燃料電池 水素と酸素の
化学エネルギー
水と電気で水素と酸素をつくった逆の原理で、
水素と酸素を反応させて水と電流を得る。

(参考)将来の発電として、MHD発電核融合発電などが期待されています。

環境を守る技術

再生可能なエネルギー…太陽熱・太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど
再生不可能なエネルギー…化石燃料・原子力など

化石燃料の利用の問題点

・資源に限りがある→エネルギー効率を上げ、省エネルギーにつとめる必要がある
二酸化炭素の大量排出→温室効果により地球温暖化をまねく
・石油や石炭にふくまれる硫黄分→酸化により二酸化硫黄となり大気を汚染→酸性雨など
・高温で燃やすことで空気中の窒素も酸化→二酸化窒素の発生→大気汚染→酸性雨光化学スモッグなど

これらの環境の変化が問題視されていることについてはこちらでも紹介しています。

省資源のための努力(参考)

リサイクル…一度かぎりの利用でなく、くり返し再生して使うこと
 【例】アルミニウムのリサイクル…原料からつくるときの約3%のエネルギーで再生できる

ハイブリッド(複合)自動車…ガソリンエンジンと電気モーターの両方を動力とした自動車
 燃料の消費は約半分で二酸化炭素などの排出もおさえられる

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