磁界と電流から力が生まれるなら、磁界と力から電流は生まれないだろうか…と考えた人がいたんですね。
イギリスのファラデーは、みごと電磁誘導を発見しました。現在わたしたちの生活を便利にしている電気は、このような原理でつくられています。
コイルの中の磁界を変化させる
電磁誘導…コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れる現象
誘導電流…電磁誘導によって流れる電流
コイルと検流計をつないで、 コイルに棒磁石を近づけたり
遠ざけたりし、
検流計の針のふれを調べる。
N極をコイルに
近づけた場合コイル内の磁界が変化するので、反発するためにコイルの磁石側にN極が生じる
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※S極を近づけた場合は磁石側にS極が生じる(針は右にふれる)
磁石を止めた場合 コイル内の磁界の変化がないので、誘導電流は流れない
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※磁石をゆっくり近づけたり遠ざけたりしても誘導電流は流れません。
急に磁界が変わると電流が流れます。N極をコイルから
遠ざけた場合コイル内の磁界が変化するので、もとにもどすためにコイルの磁石側にS極が生じる
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※S極を遠ざけた場合は磁石側にN極が生じる(針は左にふれる)
コイルはコイルの中の磁界の状態をそのまま維持しようとしているだけです。
磁石が近づくと反発するように、遠ざかると引きもどすようにコイル内部に磁界をつくろうと誘導電流を発生させます。コイルの巻き方と検流計のふれ方
↑の例の場合、磁石のN極を近づけた場合に検流計の針が左にふれ、磁石のN極を遠ざけた場合に検流計の針が右にふれましたが、近づけた極と針のふれをこのまま覚えてはいけません。
コイルの巻き方によって針がどちらにふれるかが決まるので、コイルによって結果が反対になります。巻き方が逆になった2個のコイルの例を見てみましょう。
どちらも「コイルにN極を近づけたとき」ですが、検流計の針のふれは逆になっていますね。
どちらもコイルの左側がN極になるし、コイルを流れる誘導電流は「こちら側から向こう側」になっていますが、回路を流れる誘導電流の向きが逆になっています。
コイルによって違う結果になるんですね。「コイルの端に磁石のN極を近づけたら検流計の針が左にふれた」などと条件を提示されてから、「ではS極を近づけた場合どうなるか」という問題なら簡単ですが、コイルの図しか与えられていない場合は、
1.磁石側のコイルの端には近づけた極と同じ極が、遠ざけた極と違う極が生じる
2.コイルの端の極が1になるように誘導電流の向きを右手で調べる
3.誘導電流が検流計の+極から入った場合右に、−極から入った場合左にふれるとなるようにして検流計の針のふれ方を求めましょう。
誘導電流を大きくするには
・棒磁石を動かす速さを速くする
・磁力の大きい棒磁石を使う
・コイルの巻き数を多くする
コイルに棒磁石を出し入れしたときに生じる誘導電流は一瞬流れるだけですが、その誘導電流を連続的にとり出せるように工夫されたのが発電機です。
身近なものでは自転車のライトに使われる小型発電機ですが、車輪の回転を電流に変えています。
発電所の発電機は、規模を大きくしたものですね。
電磁誘導のしくみを利用した装置で
つくりはモーターと同じです。回す力から電流をとり出します。
磁石の磁界の中でコイルを回し、
電磁誘導によって生じる誘導電流
を連続的にとり出す装置です。電流の向きだけモーターとちがいます。
コイルと検流計をつないで、コイルに棒磁石を近づけたり遠ざけたりし、検流計の針のふれを調べた。
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