図のような装置をつくり、コイル1(左側)に電流を
流した(矢印の向きに)瞬間、コイル2(右側)に
電流が流れた。次の問いに答えなさい。

1 コイル1の上部(図中の“上”)には磁石の
  何極ができるか。
2 コイル1に電流が流れた瞬間、コイル2の
  上部に磁石の何極を近づけたことになるか。
3 コイル1に流れていた電流を切った瞬間、
  コイル2の上部から磁石の何極を
  遠ざけたことになるか。
4 2のとき、コイル2にはイの向きに電流が
  流れた。3のとき、コイル2に流れる
  電流の向きはどうなるか。図のア、イで答えよ。
5 コイル1に流れる電流を、強くしたり弱くしたり
  変化させる(電流の向きはたえず矢印の向き)
  と、コイル2に流れる電流の向きはどうなるか。

ご質問: Eさん(2003/1/19)

コイル1に電流を流すと、
コイル内の磁界は上を向き、
装置にはこんな磁界ができると考えられます。

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コイル1だけで磁界の向きを考えると、

上はN極ですね。

上の図でコイル2の上部の磁界の向きを見てみましょう。
下向きです。
コイル1に電流が流れた瞬間、この向きでいきなり
磁界ができたので、コイル2の上部にとっては、
右図のような感じで磁石のN極が近づいた
同じことになりますね。

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上の図の状態のときにコイル1の電流を切るということは、「急に磁界がなくなる」という状況になりますね。
コイル2の上部にとっては、近くにあったN極がどこかにいってしまうことになります。
よって、N極を遠ざけた状態です。

2のとき(N極を近づけたとき)は、
コイル2は磁界の変化に逆らうように、
上部にN極を発生させるように
「イ」の向きに誘導電流を発生させます。

3のときはその逆ですね。

3のとき(N極を遠ざけたとき)は、
コイル2は行ってしまう磁石のN極を引きとめようと、
上部にS極を発生させるように
」の向きに誘導電流を発生させます。

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コイル1の電流の大きさの変化は、コイル1が作る磁界の強さの変化を生みます。
鉄しんで磁界が伝わってくるコイル2の中の磁界が変化することになりますね。

コイル1の電流を強くする=コイル2の上部にN極が近づいてくる
コイル1の電流を弱くする=コイル2の上部からN極が遠ざかる

と同じ状況だと考えられます。
4より、N極を近づけたときと遠ざけたときの、コイル2に生じる誘導電流は逆向きとなります。

よって、コイル1の電流を強くしたり弱くしたり変化させると、コイル2の誘導電流の向きはアになったりイになったりします

答え

1 N極
2 N極
3 N極
4 ア
5 コイル2に流れる電流の向きがアの方向になったり、
  イの方向になったりする。

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