ここでは地層を読みとって過去に何があったのかを考えていきます。
地層のでき方、堆積のしかた、示相化石・示準化石についての知識をもとに、探偵になったつもりで推理していきましょう。
露頭の観察
露頭…がけや道路のわきなど、地層の断面が地表に露出しているところ
持ち物…地形図、方位磁針、ルーペ、ハンマー、移植ごて、巻き尺、軍手、筆記用具、カメラなど
露頭を見つけたら、地層のようすを観察し、
スケッチしたりカメラに撮ったりしておく化石をふくむ層があるか調べる
堆積当時の環境や年代を知る手がかりになります。火山灰や軽石をふくむ層があるか調べる
堆積当時に近くで火山活動があったかどうかがわかります。露頭
地層の広がり
露頭以外の実際の地層は地面の下にかくれている部分がほとんどなので、ボーリング調査などで地下の地層のようすを調べます。
露頭のようすやボーリング試料を使って地質柱状図に表して対比すると、地層の広がりを推測できます。例として、A(標高230m)、B(標高220m)、C(標高210m)、D(標高205m)の各地点での柱状図を見ながら地層の広がりを考えてみましょう。
順番にラジオボタンをクリックしてみてください。 ![]()
地層を見たら「かぎ層」をさがしましょう。
かぎ層…広い範囲に分布した特徴のある岩石の層
凝灰岩・化石をふくんだ層・チャートの層など遠い場所にある2つ以上の地層の上下関係や広がりを知る有力な手がかりとなる
地層の読みとり
いよいよ地層の読みとりです。それぞれの地層が何を教えてくれているのか、しっかり想像してください。
・ふつう、下にあるほど古い地層(下から順に見る)
・下から堆積物の粒が細かくなっていく…海が深くなっていった
・下から堆積物の粒が大きくなっていく…海が浅くなっていった
水深の変化と粒の大きさの関係はこちらで確認してください。
・示準化石がある…堆積した年代がわかる
・示相化石がある…堆積当時の環境がわかる
示準化石・示相化石についてはこちらで覚えてください。
・凝灰岩の層がある…堆積当時、近くで火山活動があった上のことに注意して読みとっていきます。
【例題】
右の図はある露頭での地層のようすである。
次の問いに答えよ。@地層A〜Gで、いちばん古い地層は何か。
ABの地層について、堆積当時どんなことが
あったと考えられるか。
B地層C〜Eの堆積当時どんなことがあったと
考えられるか。
C地層Fが堆積した年代はいつか。
D地層Dが堆積した当時はどんな環境だったか。@ふつう、下にある地層ほど古いです。答えはGですね。
A凝灰岩は火山灰などが堆積してできたものです。答えは近くで火山活動があったと考えられます。
B地層を下から見て、E〜C層は「泥→砂→れき」の順に並んでいてだんだん粒が大きくなっています。
答えは海が浅くなっていったと考えられます。Cビカリアは新生代第三紀に栄えたので、ビカリアの化石は新生代を示す示準化石ですね。
答えは新生代です。Dアサリなどの貝の化石は「浅い海」を示す示相化石ですね。答えは浅い海だったです。
断層・不整合・火成岩層などをふくむ場合の難易度の高い地層の読みとりは、参考までにこちらで解説します。
top > 大地の変化 > 地層と堆積岩 > 地層の読みとり