ダイブログ 2012
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台風の影響が多いこの秋。
10月の薩南ツアーを前に台風21号がフィリピンの東海上にあります。 外洋ダイビング遠征は風やうねりから隠れる場所の無い大海原を船で走らなくてはなりません。 この手のツアー前、いつも毎日予想天気図とにらめっこ、 もちろん今回もにらめっこ。。 稀に見る迷走ノロノロ台風となった21号、 結果的には直接の影響が少なく外洋に向かって船が出港することができました。 |
1.湯瀬 2.薩摩硫黄島 西立神岩沖 ドロップ 3.薩摩硫黄島 永良部崎 沖 4.薩摩硫黄島 西立神岩沖 ドロップ 5.薩摩硫黄島 西立神岩沖 ドロップ 6.千貫瀬 大瀬 7.千貫瀬 小瀬 |
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湯瀬(デン島)
凪とは言えないけど、船は速度をほとんど落とさず走れます。 2時間かからずに磯釣り師、&ごく一部(^_^;)の人の行かない海が好きなマニアックなダイバー憧れの場所「湯瀬」に到着。 でも北東からのそこそこの風に加えて台風からのものと思われるうねりも到達しています。 大海原に浮かぶ孤岩「湯瀬(別名デン島)」 岩のそばではさすがにうねりの影響を受けてしまいます。 いつもは岩ギリギリまで寄せる船をちょっと離れた場所で止まっていっせいにエントリー! |
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湯瀬は透明度バッチリ、青く広い気持ちよい世界です。
浅場に行かなければうねりの影響もほとんど受けません。 潮の流れはゆるゆる。 と言うか「どっちから流れてきているの?」状態。 場所によって向きが変わるので魚も居場所が定まらない感じ。 湯瀬にしては潮流が弱く、そのせいかどうか魚もいつものパワーはなかったかも。 常連のギンガメアジは遠くで群れていますがあまり来ません。 若いツムブリやムレハタタテ、ニザダイ群れなどが楽しませてくれました(^^) でも気持ちの良い透明度の中ダイナミックな水中景観はさすが湯瀬でした。 |
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湯瀬で潮が動くのを待ちたいところでしたが、水面が凪ではなくインターバルを過ごすには快適とは言えないコンディション。
そんな訳で湯瀬エキジット後は薩摩硫黄島へと走ります。 薩摩硫黄島は火山の島。 「岩」ではなくフェリーも来るような「島」なので大きさはそこそこあります。 したがって、そこそこ吹いている風からも隠れる場所ができます。 ウチは孤岩「湯瀬」に潜ることが多く硫黄島で潜る機会が意外と多くないのでかえって良い機会かも(^_^;) |
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風が当たらない比較的静かなエリアで潜ることにします。
その場所は実をいえば、ずいぶん以前に潜ったけどその後は潜っていない場所。 もともと潜るポイントなど決まっていないのが、この遠征のスタイルですが(^^) 水中はなんとなく覚えている程度。 とにかく地形がダイナミックな場所なはず。 船の魚群探知機で水深など探りながら地形を頭に入れて行きます。 もっと状況を知りたかったので下見(皆さんは私的な遊びと勘違いされてるけど…)ということで飛び込んでみます。 |
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下見で潜って、「フムフム、これはいい感じ」
時間も時間、お昼ご飯の後にここで潜りましょう。 |
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昼食後にさっそく潜ります。
沖合いの15mほどの棚付近めがけてエントリー、潜降! ここも透明度バッチリ。 でも潮が… 止まっている、もしくはドロップオフの背側から潮流が来る向きになっています。 魚はあまりいなくなっちゃいました… でもそのぶん、この場所ならではの見事な地形を棚の上から、また中層からじっくり見ることができました! |
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どこかの有名ポイント「イセキポイント」にも劣らないダイナミックな水中景観ですよ(^_^)/~
一見の価値ありです! |
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この日3本目は薩摩硫黄島でたまに潜る港の入り口にある「永良部崎の下の洗岩&沈み瀬」です。
潜った場所の名前は地名に合わせてテキトウに書いているだけなので毎回違うことを行っているかもしれませんがあしからず… 薩摩硫黄島の港は港内海底から湧き出る温泉成分のせいで真っ赤っかです。 その水は港から出ても潮流の向きによっては影響を受けます。 真っ赤な水の中は透明度はほぼ無い状態ですが、外海に行くにしたがって薄まる場所が増えて行きます。 それからもうひとつ 硫黄島の港の入り口は急激に深くなっています。 しおり丸の普段のセットの魚群探知機では水深が表示されなくなるくらいなので -70〜100m近くまで落ちているということでしょうか・ 下の写真にあるような絶壁が海の中にあるということなのでしょうね(*_*;;
・ 深い水深から急激に立ち上がる岩に向かってエントリーします。 潮の流れは期待した”深い方から壁に向かって”の向き。 ちょっと心配された透明度も不自由ない程度。 港の赤い水は薄まり透明度は10〜15m(赤い水の影響に無い場所での1本目は軽く30m以上の透明度)あります。 エントリー、潜降してすぐに現れるニザダイの大群。 見事な数の魚が壁際で右往左往、ツムブリやカンパチ、ギンガメアジ、ツバメウオの大群もやってきます。 そして薩摩硫黄島と言えば期待するのはイソマグロ! 日本でここより本土に近くてイソマグロの群れを見られる場所はあまりないのではないでしょうか? |
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目に見えるイソマグロはその数30匹以上。
もっといそうですね。 大きいのは2mクラス、迫力満点。 我々の前を行ったり来たり、中層で繰り広げられるイソマグロ劇場にメンバーの皆さんも堪能ですね! その後は、立ち並ぶ巨岩の頭を潮に乗ったり渡ったりして飛びながら浮上どころを探します。 一気に落ちるドロップオフ、後半は複雑に立つ巨岩。 港内の赤い水の影響による透明度のことや位置的に潮流が速すぎてしまうこともあるなど条件的にいつでもOKではないけど、お気に入りの場所となっています。 |
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今日は薩摩硫黄島でお泊り
今回は硫黄島で1泊予定。 硫黄島に来たからにはもちろん欠かせないのが「東温泉」 宿で車を借りてみんなで行って見ると。。 ほぼ風の陰になるはずの温泉ですが、はるか南にある台風のうねりが見事にヒット。 |
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途中まではうりはあっても温泉の三つある湯船の上から一の湯、二の湯には波はドバッとは来なかったので記念の集合写真とか撮っていたのですが…
ほんの数分、みるみる大きくなるうねりの波。 |
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上の写真はブログで載せた写真のシーンの直前、しかも別アングルです(゜.゜;) |
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動画もどうぞ
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薩摩硫黄島でダイビング もういっちょ
前日は地形は堪能したけど潮が合わずに魚はイマイチだった場所。 昨日より港入り口の波は高くなっていたし、湯瀬まで行っても海況は期待しにくい状態。 選択肢も少なく、再びここで潜ります。 前日はギリギリ昼前の潮は都合の良い向きで午後はその逆。 潮汐から考えて朝のダイビングには潮の向きとしては良いのでは?ということで期待です。 行ってみると 潮流はなかなか快調そう。 試しに自分が飛び込んでみるとけっこう速い! メンバーの皆さんにそのことを伝え、 流れのある場所での注意点、行動の流れなどをお話し、 もうひとつ 「流れが速くても同じように行動していれば大丈夫。体力勝負じゃないので確実にやれば大丈夫。流れの勢いにどうか気持ちを折られないでくださいね」みたいなことをお伝えして(^_^;)GO!! いつものように、飛び込み、そのままヘッドファースト潜降 潮流はありますが、水深15mほどの水底に皆さんバッチリ着底。 そこからエッチラオッチラと潮上に向かって「ホフク前進」。 潮の流れには呼吸のようなサイクルがあって、ときおりMAX状態の時には両手で岩をつかんだまま止まって耐えます。 目指すは昨日は中層から眺めた見事なドロップオフです。 ドロップオフに近づくと、下から吹き上げる潮にホフク前進、体に受ける潮の勢いも最高潮の時! 直角に落ち込むドロップオフを吹き上げる潮に向かい這って頭を下に降りて行きます。 こんなことダイビングならではですね(^_^;) |
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ドロップオフでカッ飛んで来る潮流を全身に受け堪能した後は、潮に乗ってドリフトします。
大きな岩を転々としながら、中層に飛び出します。 このくらい流れていると言うことは当然地形によって「ダウン(アップ)カレント」が予測されます。 これはぜひ皆さんにダウンカレントを実感していたきたい。 ダウンカレントって多くの場合、落とされて(上げられる場合も)いる自覚がなかったりもしくは自覚が遅れたりします。 複雑な潮流によってメンバーの皆さんの水深がバラけないよう注意しながら上がらなかったりグルグル回ったりするエアーをみんなで見ます。 ところで 「ダウンカレント」って言葉ばかりが一人歩きしていることもあります。 流れがあれば多かれ少なかれあるのがダウンカレント。 潮の流れが弱いからと言って油断していてはいつの間にか水深を落とされるのもダウンカレントだけど、必要以上におそれて、いざその渦中になってパニクってしまうのも困ります。 経験こそ最高の『先生』です。 それほど強烈なダウンじゃないときこそ良い経験ができますね。 ・ ・ エキジット後は、皆さん 「凄かった〜!!」 「楽しかったぁ〜!!」 これも確実に外洋ダイビングの楽しみですね!! |
青い千貫瀬
ラスト2本は千貫瀬。 鹿児島本土である坊津沿岸を船で走っていて感じたのは水の青さ。 聞けば数日前からグッと青くなったとのこと。 風の影響は少ないし、台風のうねりもまだそれほど届いていないし。(ラスト千貫瀬はうねりをけっこう感じたけど) それはありがたいねぇ! でも、 伊豆もそうだけど、水が南の海みたいに青く抜けると温帯的な魚影はいつもより落ちるかな。 |
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千貫瀬
大瀬と小瀬に潜りました。 予想通り、九州沿岸屈指のポイントである千貫瀬らしい魚影は残念ながら無かったのですが、良好な透明度の中、マッタリゆったり潜ることができました。 沿岸と言っても、岸からは10分くらいまっすぐ沖に走った場所にある沈み瀬(隠れ根)。 風は潮流の影響を受けてハードになることも少なくない場所です。 今回のようにまったり潜れるのも貴重かも(^^) 浅い根頭などはさすがに台風のうねりが届いていましたが、中層に浮いていれば問題なし。 余談ですが 外海ダイビングは多少以上の潮流の中を潜りますし、海の中を広く移動することもよくあります。 オーバーウェイトなどのせいでホバリングの姿勢がよくなくて水の抵抗が大きくなりがちのダイバーは他の人よりあきらかにフィンキックの数が多くなります。 他の人が動きを止めて休んでいるときも、その人はフィンを動かし続け、つまり泳ぎ続けていることになるので当然”疲れる”し、泳ぎ自体も水の抵抗の大きな姿勢の為スピードで不利となるのは言うまでもないことですね。 ダイビングしている30〜50分、泳ぎ続けていることになればそれは疲れるでしょうね(^_^;) 「自分は体力が無い」と思ってしまう前に他の人とのフィンキックの頻度を比べてみてください。 体力の問題だけではなく、泳ぎの効率(ざっくり言うと水の抵抗)の問題が多いと思います。 水中での気持ちは「マグロ」です! 強い流れの中でたいしてヒレを動かさなくても進んだりホバリングしている姿はダイバーの憧れです(^^) 今回のイワシメンバーはそのあたりは見事に効率よい潜りで、潮流がある場所にも果敢にトライできました(^_^)/~ 経験本数で言えば50本の方、80本の方、600本以上の方たちと、どの皆さんもあの「快調に走る潮」の中でのダイビングにすっごい楽しそうでした (^O^)♪ お見事! つくづく思いました。 楽しくてたくましいメンバーの皆さんに恵まれた!と(^^) 台風の影響(さすがに多少受けたけど)も心配しながらのツアーでしたが、 メンバーの皆様のおかげで薩南ツアーらしいダイナミックなダイビングや薩摩硫黄島上陸、観光などいっぱい楽しめました! |
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ご参加の皆様、ありがとうございました!! |
おわり
これまでの南九州ログ