彩の国男声コーラスフェスティバル 2010



男声合唱団コール・グランツ (衣装が違うベースは飛び入り助っ人、助かりました!)


   2010111日     


 暑すぎた夏も終りを告げた2010102日、埼玉県西部の秩父ミューズパーク音楽堂で彩の国男声コーラスフェスティバルが開かれ、男声合唱15団体に加えて賛助出演の女声合唱4団体が出演した。

 埼玉でスタートした「おとうさんコーラス大会」が「関東おとうさんコーラス大会」へと拡大してきたが、大きくなりすぎて各県の出場枠が極端に小さくなってしまった。それではと、原点へ戻って埼玉だけで制限なしの誰でも参加できる大会をやろうということになり、今年で2回目を迎えた。

 秩父ミューズパーク音楽堂は東京からも近いうえ、音響が良いとの評判が高く、多くの音楽家がレコーディングをしているホールである。因みに500Hzでの残響時間は、満席時1.6秒、空席時1.8秒とのこと。

 何と言っても今回の目玉は『旅立ちの日に』の無伴奏男声四部合唱版の初演だろう。この曲は全国の学校の 卒業式で盛んに歌われている愛唱歌である。原曲は、元埼玉県連理事で秩父市立影森中学校の先生であった坂本浩美さんによるもの。1991年に作曲されたこの曲は、これまで混声三部、混声四部、女声三部、同声二部と編曲されてきたが、ついに今回、井川 (あかし)(写真左)さんが無伴奏の男声四部に編曲したものである。ピアノ伴奏に当たる部分を合唱で表現するように工夫されていて、難易度はやや高いかも知れないが、歌い甲斐のある曲となっている。

 先ずはお披露目として、第一部のステージで埼玉県連の男性理事による「ハゲマス会」が初演した。「ハゲマス会」は指揮者や声楽家などが中心の専門集団だから、(素人から見ると)大して練習しなくてもそれなりに仕上げてしまう。実はこの男声四部合唱版が参加各団へ届いたのは大会の一週間前だった。

 編曲者の井川さんも一緒に「ハゲマス会」の初演にオンステしてくれた。私もメンバーの一員として末席を汚していたが、音楽家ならぬ「音が苦家」のほうである。そのくせ身を入れて練習したのは、当日の朝会場へ向かうバスの中だったという不届き者である。井川さん申し訳ない。 そんな不埒な者も混ざってはいたが、聴衆の反応はよく、大変上質な仕上がりという評価を頂いた。(写真右)

 第二部懇親会は会場を野外のステージに移して開かれた。私が昨年に引き続き司会を依頼されたが、そろそろバトンタッチしてもいいのではないかと、小松原OB合唱団「ピエロ」の若い人を引っ張り込んだ。他に男声合唱プロジェクトYARO会の関根盛純さん(男声あんさんぶる「ポパイ」)と星野英明さん(男声合唱団コール・グランツ)にもお手伝いいただいた。
 第二部はまさに酒池肉林──というほどではないが、十分に飲み物や食べ物が揃っている。残るは「歌」さえあればということ。大舘直美常任理事の開会宣言により大ビアパーティが始まった。

 式次第、つまりどの曲をどの団に歌ってもらうか、指揮は誰にお願いするか、はあらかじめこちらで決めていたが、いつものことでその通りに進むわけなどありはしない。直前まで調整に走り回らねばならない。何団体かが合同で歌うのが原則。歌われた曲は、男声合唱が『秋のピエロ』『いざ起て戦人よ』『柳河』、女声合唱『』、混声合唱『この星に生まれて』など。

 歌の合間に、第1部演奏会の人気投票結果の発表があった。これは、参加女性全員による人気投票である。栄えある第1位は小松原OB合唱団「ピエロ」(写真左)と決まった。この合唱団は小松原高校OBで平均年齢20代前半の若い人たちで構成している。木下牧子氏の「きりん」(無伴奏男声合唱のための「わたしはカメレオン」)を歌って好評を博した。実力、人気共に抜きんでている。そして、特別賞は『旅立ちの日に』の無伴奏男声四部合唱の初演をした「ハゲマス会」となった。編曲が良かったこともあるが、男声合唱の素晴らしさを表現できたことが評価されたにちがいない。

 フィナーレを飾ったのは佐藤 作曲『大地讃頌』であった。これを歌ってお開きとするのが、とりあえずは定番である。



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