第179回
第179回【年明けての巻】('24/1/6〜'24//)
初折表六句
1発句 年明けて地震に事故と災禍あり
2脇句 仕事始めは町の復旧
3第三 四月来て瓦礫は町のおちこちに
4四句 残して花は早や散り始む
5五句 恋文を書くに背を押す春の月
6折端 丁寧に貼る記念切手を
初折裏十二句
7折立 自治会のポスター貼りもまた楽し
8二句 ペアルックで張り切つている
9三句 老いらくの恋も生まるゝ句会かな
10四句 新風そよぎ夕涼みする
11五句 手花火の色音匂い今もなお
12六句 季節季節の花の香りよ
13七句 満月や月下美人を照らすべし
14八句 一夜の契り秋風に消ゆ
15九句 秋寂し夢で逢わむと一人寝む
16十句 足の湯たんぽ眠気を誘う
17十一句 金縷梅(マンサク)や合掌屋根の村目覚む
18折端 先駆けて咲き告ぐるや春を
名残表十二句
19折立 珍しや春告げ魚の御膳かな
20二句 女将は昔番屋賄う
21三句 漁夫達は美味い旨いと酒を酌む
22四句 語らいながら故郷思う
23五句 ほろ酔へばお国訛の鍋自慢
24六句 三年物の河豚鍋うまし
25七句 故郷や鮟鱇目当ての墓参かな
26八句 瓦礫を運びアッピールする
27九句 結婚式若者の歌みな知らず
28十句 私は歌うリンゴの唄を
29十一句 九州の月は煤けて炭坑節
30折端 秋祭りには故郷へ帰る
名残裏六句
31折立 新米を食いたし一途父母の元
32二句 青空の下塩むすび食う
33三句 山頂で一つ転びてまだ二つ
34四句 残してわが社は社長交代
35五句 さくら散る風を待ちいる浪速の江
36挙句 |
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
春 |
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1 【災害】亡くなられた方にお悔やみ申し上げる。前途多難な年を思わせる年明けだ。
2 【神も仏も】地震が多発していたとはいえまさか正月に震度7とは
3 ボランティアらの努力にも拘らず瓦礫はまだ残っている。
4 【光陰矢の如し】時はあっという間に過ぎていく。
5 思いを伝えるには手書きの文が一番と高価な用紙を惜しげなく。
6 ここ一番と綺麗な取って置きの切手を使う。
7 【ポスター 】ポスター作りで頭を使い、貼ることで体を使うのは健康によい。。
8 町内会の活動で意気投合の熟年会長も支援に余念がない。
9 配偶者を亡くし何年も経た者同士の恋。
10 【新風】句会は新風句会、二人で夕涼みする夢があるとよいのだが。
11 スマホのない時代西瓜をたべ花火に興じるのが夕涼みだった。
12 春夏秋冬花の匂いは今も昔も変わらない。
13 【月下美人】文字通りの花を見せてくれるだろう。
14 月下美人、花言葉は美人薄命である。
15 また来ると言っていたが一夜限りで終わるのか。
16 【湯たんぽ】歳を取ると寝る際も頭寒足熱が大切。
17 酒を飲みこきりこ節を楽しんだ冬は終わった。
18 マンサクの語源は早春に他の花に先駆けて咲くことから「まず咲く」が転訛したとの説がある。
19 【春告魚】あのニシンも今は食べる機会がなくなってしまった。
20 番屋で口説かれた女将番屋由来の料理が並ぶ。
21 料理人にとって美味いと言われる程嬉しいことはない。
22 【望郷】出稼ぎの方々、ふるさと自慢で話は尽きぬ。
23 地方ならではの鍋自慢、日頃隠していた国訛がついぽろりと
24 養殖ふぐは一般的には二年で出荷されるが南あわじ市では三年間養殖している。
25 【墓参】名物のあんこう鍋が食いたくて墓参する、これも親孝行か。
26 交際を認めてもらう予定が地震でパーに瓦礫を運んで一族にアッピールをした。
27 孫の同僚らの歌に親戚の爺婆らは放心状態。
28 【昭和歌謡】この歌を聴いて皆安堵。
29 復興は石炭に始まり炭坑閉鎖の混乱で終わった。
30 故郷は変わってしまったが祭りが残っているのは有難い。
31 【新米】飢餓世代はあの新米の薫りは忘れ難い。
32 過疎が進み熊猪の被害も増え廃村も話題となっていると言う。
33 戦後の若草山での出来事、下まで拾いに行った。
34 【社長交代】物言う株主は、業績はピークでも一つ失敗すれば代われという。
35 船出に備え風と潮を読む術を鍛えよう。