第178回
第178回【これからはの巻】('23/11/22〜'23/)
初折表六句
1発句 これからは合羽ゴム長冬に入る
2脇句 藁沓履きて雪合戦す
3第三 冬近しスズメ引き寄す稲架かな
4四句 ガザの町には水パンもなく
5五句 イスラムもユダヤも同じ秋の月
6折端 明かりの下で平和を祈る
初折裏十二句
7折立 野仏の衣装を変える豊の秋
8二句 更衣してペアルックかな
9三句 白と黒近所のご夫婦犬を連れ
10四句 活躍するは日系二世
11五句 環境が人を育てるルーツより
12六句 進化や教育侃々諤々
13七句 声を上ぐマイノリティや夏の月
14八句 夏休みにも人それぞれに
15九句 僕ハワイ君はバイトか頑張って
16十句 卒業の明留年の闇
17十一句 桜咲きあすは希望の大学へ
18折端 大空目指せ雲雀のように
名残表十二句
19折立 NASA目指し難関校へ入学す
20二句 着いてゆくのに青息吐息
21三句 あと二キロここで仕掛けてふり向かず
22四句 夢を叶えん五輪優勝
23五句 雪止みてミラノの空に日章旗
24六句 白馬の村には世界の旗が
25七句 一堂に会して割れる会議かな
26八句 合コンすれどカップルできず
27九句 よく会うね再会喜びホテル行き
28十句 なれぬ火遊び火だるまとなる
29十一句 名月の明かりの下を散歩せむ
30折端 照り輝くは豊作の柿
名残裏六句
31折立 斑鳩に鐘の音を聴く秋の暮
32二句 死後に伝えと柿の俳句を
33三句 喉痛みミカンも食えず無聊かな
34四句 膝に乗り来る猫に癒さる
35五句 麗らかや桜の下で微睡みぬ
36挙句 あれ西行がおるではないか |
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪
風
如水
鵜雪 |
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1 戦後の数年を新潟で暮した。風雪の強い土地の子供に傘という代物は無縁。
東京に転校した時皆の洋傘とズックに驚いた記憶が鮮明にある。
2 現在でも藁沓はあるのだろうか。
3 【稲架】わが庭の稲架にようやくスズメも気付いたようだ。
4 ユダヤの民があれ程苛酷な仕打ちをするのは理解出来ない。
5 月は宗教や民族に関係なく平等に照らすのだが。
6 【月光】電灯のない戦時下では、満月の明かりは貴重だ。
7 野仏に牡丹餅を供えこの年の安寧を謝す。
8 先日、老夫婦のペアルックを見て微笑ましかった。
9 【犬と散歩】白い犬と黒い犬を連れたご夫妻に毎日出会うが,
この二匹の犬の関係はわからない。
10 スポーツの世界で活躍する日系二世が増えている
11 元々日本人の体格は小柄でスポーツには向いていないと思うが、
食事とか環境で人は変わるのだろうか。
12 【進化論】長いスパン、短いスパンで人は変わっていくのは事実だ。
何故かについては諸説紛々。
13 社会的弱者が声を上げやすい時代が来た。
中高年の抵抗は強いが暮らしの多様性を認める風は確実に吹いている。
14 夏休みの旅行に穴場と思って行ったが大勢の人。穴場が穴場でなくなっていた。
15 【格差】親の収入で差がついてしまった。
16 無事に卒業した者は入社までのバカンスを楽しみ
そうでない者は次の一年の学費を稼がなくてはならない。
17 滑り止めの大学への入学金は無駄になったが、バイトをして親に返すつもりだ。
18 【志】青年よ大志を抱け!
19 NASAの火星プロゼクトに参加したいと猛勉強、夢と若さのエネルギーは素晴らしい
20 周囲は秀才ばかり俺も優秀と自己暗示。
21 【マラソン】何事も勝負どころがあるようだ。
22 相手にも余裕はありそうだがここからは意地の勝負と。
23 '26冬はミラノ・コルティナ。青空に赤い日章旗が映える。
24 【白馬スキー場】白馬のコルチナスキー場は国際色豊か、
オリンピック気分になるだろう。
25 アセアン、産油国会議そしてコップ25 地域の地球の未来を考える諸会議が全会一致
に至らずに終わっている。諸国の力が均衡して来たのは良いことだが大同小異を
捨てるという余裕がなくなっているのは淋しい。
26 期待しして参加したが、好みに合わず残念だった。
27 【常連客】お互いに合コンの常連だった。
28 ホストクラブ知識のないまま大人の遊びを楽しんだのが地獄の一丁目。
29 夜遊びもこの分なら問題はないだろう。
30 【抑える】 李下に冠を正す。
31 【子規】柿と言えば子規の一句をまず思い出す。
32 子規は柿が大好物で「我死にし後は」という前書きのある
「柿喰ヒの俳句好みしと伝ふべし」という句を詠んでいる。
33 【絶食】コロナの症状か、喉の痛みで食も取れない。
34 人の心を読むかに振る舞うのが猫だ。
35 猫と一緒にうとうとするのも至福のひと時だ。
36 【西行法師】うとうとしていたら眼前に誰かがいるではないか、
何か法師の格好をしている。場所を探しているようだ。