第167回
第167回【風鈴の巻】('22/7/11〜'22/8/22)
初折表六句
1発句 風鈴の心地よき音に微睡みぬ
2脇句 遠くに聞くは仏法僧
3第三 戦すみ静かな日々が戻りけり
4四句 育ち盛りのひもじい思い
5五句 闇深き空にあまたの秋の星
6折端 碇星には父さんがいる
初折裏十二句
7折立 秋の旅夜空仰げば父母恋し
8二句 手も握れずに見上ぐる花火
9三句 ドンと鳴る怖がる女を抱きしめる
10四句 子らが飛び跳ね床は抜けそう
11五句 トランポリン高さと技を競い合う
12六句 上り下りと人生双六
13七句 凍月や艱難辛苦の先に幸
14八句 鯨を追いて半年は海
15九句 悲喜こもごも単身赴任も十年目
16十句 月一回の帰宅ぞ嬉し
17十一句 花は葉に親父の影は薄くなる
18折端 桜もやがて葉桜となる
名残表十二句
19折立 次々と多彩を誇るつつじ咲く
20二句 多士済々のベンチャー企業
21三句 炭素から水素に乗り換え宇宙へと
22四句 毎年起きる異常気象ぞ
23五句 屋内で熱中症という酷暑
24六句 パンツ一つで気楽に過ごす
25七句 目覚むれば背ナに畳の跡あると
26八句 十七才のペア―ルック
27九句 青春は逃げ水のごとく消えて行く
28十句 気の持ち方で永らく続く
29十一句 月出るを待てぬ寝息に誘われて
30折端 見上げる空にオリオン光る
名残裏六句
31折立 天高く風はさやかに赤とんぼ
32二句 ダービー狙い駿馬鍛える
33三句 デジタルと無縁のベテラン居場所なし
34四句 スマホを習ふ後期高齢
35五句 教わりつ花見に誘うSNS
36挙句 さくらの下に爺さんばあさん |
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪 |
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1 昨今は風鈴が喧しいと苦情が出るらしい。
風情のない世の中になったものだ。
2 奥山に聞く仏法僧の声は清清しい。
3 【戦いすんで】静かなことはよいことだが、侃々諤々の議論も必要だ。
ウクライナこそ早く日常が戻ってほしい。
4 戦後の食糧難は悲惨を極めた。
小学6年生の身長で最も低いのは我ら昭和12年生まれである。
5 貧しい時代には自然が豊だがそれに気づくことはなかった
6 【父親】母さんがよく言っていた。「戦死した父さんは、あの星にいるんだよ」と。
7 ♪更けゆく秋の夜…懐かし父母…
8 親に勧められたが故に実らなかったほろ苦い思い出。
9 【男冥利】男の特権だ。
10 一戸建でよかった。マンションなら苦情がくるだろう。
11 高く跳ぶのはよいが技をこなしてネットのセンターに降りるのは難しい。
12 【人の一生】人生には技も必要だ。
13 どんなに厳しい冬にも春は訪れる。
14 南氷洋には一夜の恋を楽しむ港はない。
15 【単身赴任】今は在宅勤務がされる時代、過去の物語となるか。
16 生理休暇の目的もあったが、果たさぬこともあった。
17 カアチャンは安堵の笑顔だが坊主は俺が家守と育っている。
18 【葉桜】葉は成長の元、親父も成長しているのだ。
19 葉桜の頃にはつつじ。国内では数十種類がある。
20 【大志を抱け】会社に頼らず自分の才能を信じ起業ができる時代が来た。
21 【水素の時代】庶民も乗り遅れてはいけない。既に水素エネルギーの時代に入りつつある。
22 原因は温暖化と云われが、待ったなしの国際協調。
23 ビールはダメ水を飲めと言われても日に2リットルは飲めない。
24 【裸人生】人目を憚らずこれが一番。
25 横になり扇風機に当たっていると、何時の間にか眠ってしまった。
26 彼氏がほしいい〜と叫んでいた孫も社会人になった。彼氏はまだない。
27 【逃げ水】夢は掴めようと思えば先にあり、いつの間にやら消えて行ってしまう。
28 青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ…サミュエル・ウルマン
29 一句を得んと想いをめぐらすも寝息が睡魔を誘う。
30 【星月夜】月はあきらめて星で一句を。
31 酷暑の毎日であるが、爽やかな秋を感じられるのも連句のお陰。
32 血統に文句はない秋の走り込みが春に花さく。
33 【DXの時代】企業も社員の再教育の時代となった。
34 マイナーポイントもキャッシュレスが前提。スマホがあれば利益が多い。
35 初デビュ、不慣れをうたい若い娘とする交信はたのしい。
36 【思い込み】娘と思っていたら。先方は青年と思っていたらしい。
SNSとは、こんなもんだ。