第165回
第165回【タンポポの巻】('21/4/18/〜'21/5/24)
初折表六句
1発句 タンポポのように空飛ぶ夢を見る
2脇句 手紙をつけて風船放つ
3第三 天空にラクダの列や黄砂降る
4四句 正倉院に宝物遺す
5五句 月に映え螺鈿輝く琵琶美ハしき
6折端 虫すだく夜天皇を偲ぶ
初折裏十二句
7折立 見渡せば苅田に煙たちのぼる
8二句 結婚前に料理を習ふ
9三句 プロポーズ育児保育の終了証
10四句 得意の技は炊事洗濯
11五句 子づくりに励む二人や睦まじく
12六句 格差広がる文明社会
13七句 あの家族今年の夏は月旅行
14八句 夏休みには久々に帰省
15九句 爺チャン家行こうとしたら微熱でた
16十句 お陰で土産はおやつに充てる
17十一句 相集ひ音戸の瀬戸の花見かな
18折端 卓の真中に桜鯛据え
名残表十二句
19折立 いつの日か菜の花香りメダカ群れ
20二句 幼き日々の想ひ出多し
21三句 リモートに還る故郷父祖の墓
22四句 郷に入れば従う郷あり
23五句 北国へ移り雪にも慣れにけり
24六句 商店街の雁木は便利
25七句 コロナ去りシャッター開くアーケイド
26八句 ペアルックなど求むる二人
27九句 離れても夫婦と分かる老い二人
28十句 これぞまさしく偕老同穴
29十一句 月見酒支度する妻あらばこそ
30折端 記念に植えし柿もたわわに
名残裏六句
31折立 秋晴れやリンゴをかじる妻の居り
32二句 皮まで食みて甘酸つぱきや
33三句 ことことと煮込む枝や葉草木染
34四句 十二単に職人の技
35五句 園丁の腕の見せ場や春花壇
36挙句 町の目覚めと菜の花咲かす |
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風
鵜雪
如水
風 |
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1 【空飛ぶタクシー】夢が夢でなくなってきた近頃だ。
2 遠方から返事が届き、児童らは大喜び。
3 空のシルクロードは偏西風、ゴビの砂漠が日本に
4 【正倉院】「正倉院はシルクロードの終着駅」といわれるそうだ。
5 正倉院の宝物には琵琶が沢山あるが「
螺鈿紫檀五絃琵琶」(画像は再現模造品)が特に好きだ。
6 正倉院御物、伝来品よりも日本での摸造品が多いと聞いて驚いた。
(如水)正倉院展では伝来品ではなく、再現模造品の展示が多いと云うことではないでしょうか。
また、人間国宝や伝統技術保持者らにより制作された再現模造品が多数あります。
なお、伝来品の他に我が国で製作された美術工芸品も多数あります。
7 【仁徳天皇】仁徳天皇の仁政の話は今どう伝えられているのか知りたいところだ。
8 昔の炊事は火起こしから始まった。
9 稼ぎも子育ても男女共同の時代。育児、保育への対応力は男のアピールポイントになってきた。
10 【得意技】最近の青年は、無駄遣いしな いようだ。
11 精子の数は終戦後に比べると激減しており、今のペースだと40年後にはゼロになるとか。
12 大卒までの教育費は国公立で500万、私立理系で800万という。
13 【宇宙旅行】我が家じゃ夢の夢だね。
14 今年の夏は孫に会えるのを楽しみにされている方が大勢おられるだろう。
15 我家の孫の話。正月休み後に陽性、息子夫婦は濃厚接触者だった。
このGWが掲句、熱は7度「止めるよ、そうだな」で一件落着だった。
16 【余禄】買っておいたうまい土産を食べられてよかったよ。
17 健康は快復しワクチンも終えて一族の顔合せ。
この抱き合う感動はリモート帰省では得られない。
18 豊じょうの海は反面手強い。昔は村上水軍が仕切り今でも巨船には水先案内が必須だ。
19 【故郷】幾とせ故郷来てみれば。
20 ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・室生犀星
21 東京からの転出が増えてきたという。軽薄短小の社会ははどのような暮しになるのだろう。
22 【入郷従郷】人が環境を変えることは稀なことだ。
23 子供らは雪合戦や橇にと大はしゃぎだ。
24 雪国の豪商が店の前に床を貼り雪除けの屋根を設けた設けたのが始まりと言う。
25 【コロナ禍】街にようやく賑わいが戻ってきた感じだ。
26 気持ちも明るく?色を探す。
27 上皇ご夫妻には及ばずも重ねた時間は所作に現れる。
28 【偕老同穴】やがて同じ穴に収まることでしょう。
29 吾は飲むばかり。いやいや、感謝をしつつ。
30 金婚も祝い曾孫の顔も見た。夕日に輝く柿の実が美しい。
31 【思い出】遠い昔の思い出だね。
32 流石に芯と種は残した。
33 手間と暇を惜しまず自然の風合いを引き出すのが伝統工芸だ。
34 【十二単】草木染の技は貴人の着物に最も生かされていただろう。
34 土壌の手入れから苗づくりなど準備は終えた。愈々、技を披露する春が来た。
36 町に春を知らせるのは菜の花。花壇の菜の花にはいささかの驚きだが唱歌に
洗脳された身にはたちまちに畑や川辺を思い出す。