第159回
第159回【梅雨明けの巻】('21/6/12/〜'21/7/27)
初折表六句
1発句 梅雨明けて空の蒼さに身震いし
2脇句 待ってましたと水遊びする
3第三 ワクチンに安堵の顔の高齢者
4四句 ハイタッチして一年ぶりね
5五句 川岸のベンチに交す月見酒
6折端 芒の原に秋風を見る
初折裏十二句
7折立 戦禍去る天を仰げばうろこ雲
8二句 吾子の笑顔に夫の顔見る
9三句 あの人は今日も無事かと手を合わせ
10四句 「アラビアの唄」をラストソングに
11五句 東京のお笑い芸は誰が継ぐ
12六句 買い物済ませ末広亭へ
13七句 月冴ゆる九つ刻にそばを喰ふ
14八句 擬音擬態に目耳を注ぐ
15九句 古枝を伐ればナナフシ血を流す
16十句 男冥利のダンス教室
17十一句 花束を彼女に捧げ目で誘う
18折端 ラジオに流る「春の唄」かな
名残表十二句
19折立 シャンソンはイベットジローリンゴ咲く
20二句 赤い実りをむさぼりかじる
21三句 弾圧に「リンゴ日報」廃刊す
22四句 言いたいことも節理をもって
23五句 願わくば雨も暑さもほどほどに
24六句 蒸れるマスクに初蝉の声
25七句 梅雨明けて日照りは強く影恋いし
26八句 白き日傘の相合い傘で
27九句 道なぬ仲なればこそ会釈して
28十句 後振り返りサインを指で
29十一句 何処までも明るき月と帰り道
30折端 太鼓の余韻耳に残りて
名残裏六句
31折立 秋場所や新横綱の触れの音
32二句 心を鍛え序二段に耐ふ
33三句 新しき二枚看板楽しみに
34四句 何本打つかホームラン打者
35五句 ゴミひろうメジャー大谷サクラ咲く
36挙句 合格祝う今はラインで |
南圃
如水
風
鵜雪
如水
南圃
鵜雪
風
南圃
如水
風
鵜雪
如水
南圃
鵜雪
風
南圃
如水
風
鵜雪
如水
南圃
鵜雪
風
南圃
如水
風
鵜雪
如水
南圃
鵜雪
風
南圃
如水
風
鵜雪 |
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1 【碧空】夏空の蒼さには身震いする感じ。
2 やっと梅雨明け。せせらぎは子供達で賑わう。
3 昨日ワクチンの接種を受けた。会場は皆高齢者、己が余命の確保に皆穏やかな顔をしていた。
4 【ご無沙汰】自粛の生活ご苦労さん。
5 秋には店で飲めるだろうか。夙川に木陰の絶好の場所があり、先日の昼に横渡さんと会った。
6 【秋風】芒の原では月見酒というよりもピクニック弁当のほうが似合いそうな気がする。
7 【うろこ雲】昭和20年の秋、B29去り奇麗な空だった。戦禍をコロナに置き換えれば令和3年の秋となるか。
8 一刻も早い無事での帰還を心待ちにする。
9 【悪夢】悪夢が早く終わりますように。
10 小林亜星は5才の時に覚えた唄を末期の刻に聴きたかったそうだ。
11 【コロンビア トップ・ライト】
ド突きでもお笑いだけでもない話芸はどこに息をひそめているのだろう。
12 【落語】押しつけ笑いはもう結構、じわっと湧き出る落語の笑いが良い。
13 柳家小さんの「時そば」も良かったが、古今亭志ん朝の「芝浜」が一番好きだった。
14 【妙技】落語家の妙技に目を見張る。
15 【ナナフシ】古枝に化けたナナフシ、擬態が仇となってしまった。
16 高齢者向けのダンス教室では男は休む暇もないという。
17 【目は口ほどに】今夜のパーティーで絶対に踊りたかった彼女。
18 ♪ ラララ 赤い花束 車に積んで
19 シャンソンが戦後テレビでもて囃されたのはいつの頃だったのだろうかフランスからも
多数が来日したが小柄で気取らず日本語で唄っていたイベットジローが記憶に残る。
20 【紅玉】紅玉という酸味の強いリンゴを、かじって食べたものだ。
21 中国は偽りの共産党。泉下のマルクスやエンゲルスは嘆いているだろう。
22 【言論の自由】言いたい放題を是とするものではない
23 【中庸】天候もほどほどにをお願いしたいところだが。
24 マスクをして蝉を聞くのは二度目。昨年は「初体験」で一句を得たが今年はひたすらウザッタイ。
25 【蝉しぐれ】ジージーと鳴く蝉の声を聞くと一段と熱く感じる。
26 熱中症対策に男性も日傘を利用すればよい。
27 我ながらお古い、なかにし礼のように洒落た毒を盛り込みたいものだ。
28 【信号】指でマルを作っている。何のことだろう?
29 後ろを振り返るとまだ月が着いてくる。
30 【秋祭り】秋の夜長祭の余韻がいつまでも残る
31 【触れ太鼓】隅田川の川面に、触れ太鼓の音が響く。
新横綱誕生を祝す。
32 【心技体】返り咲きへの執念をバネに続け精進。凡人には出来ない。
33 【看板相撲】大相撲も来場所から新しい看板で盛り上がりそう。
34 アメリカの大谷と日本の新人の佐藤が、どこまで記録を伸ばすか楽しみだ。
35 高校時代の教えを忘れずにグランドに辞儀をしゴミをひろう。サムライの国の作法だ。
36 【ラインで祝う】桜咲くの電報は消えて、手軽なスマホに変わってしまった。季節感も薄れる。