1.前立腺肥大から前立腺癌発見まで

12年前 (58才)
  単身赴任先で尿が少し出難くなる。国立米子病院で診察の結果、前立腺肥大があり手術をしても良いぐらいの大きさに なっている、精嚢も大きいが左右対称だからこれは問題はない、と云われました。 しかし他科の先生に相談すると「年をとれば誰でもある、ほっておきなさい」と云われ、投薬のみの治療を数ヶ月しました。 以来、日常生活ではなんの問題もありませんでしたが、頻尿が少しづつ進行していったように思います。

8年前 (62才)
  鮎釣りで河に入り体を冷やしたせいか、帰宅してから急に尿が出難くなり 高槻赤十字病院へ。約 2ヶ月間の前立腺肥大の投薬で治りましたが、 前任のH先生から 前立腺肥大があるので元気な内に前立腺肥大の手術した方が良い、と云われました。この時点では前立腺癌の話もなく、PSA検査もあまり一般的になっていなかったと 思われます。従って前立腺癌については全く疑いを持っていませんでした。 頻尿は冬期は夜 3〜4 回ぐらいありましたが、特に排尿障害もなく 前立腺肥大の手術をするつもりは全くありませんでした。

2年前 (68才)
  地区の趣味のサ−クルの友人が尿閉になり、入院の結果 前立腺癌の腫瘍マ−カ−PSA (前立腺特異抗原) の検査で 前立腺癌の疑いがある、 と云われた とのことを聞き、癌の検査が そのような簡単な検査で判ることを初めて知りました。
  市の集団検診やかかりつけの 高槻赤十字病院で 胃、肝臓、大腸、膵臓など 癌の恐れのあるところは 徹底して検査してきましが、前立腺癌の検査は抜けていました。 自覚症状は全くなく、前立腺肥大と前立腺癌は全く違う病気で、肥大が癌に進行することはないとは知っていましたが、 長年、前立腺肥大がある身にとって放置しておくわけにはいかなくなり 高槻赤十字病院で前立腺癌の検査をうけることにしました。
  その結果、直腸指診、超音波検査では異常なし、でしたがPSA血液検査で癌の疑いが出てきました。 友人のお陰で癌の早期発見につながり、最新の治療をうけることが出来ました。
  検査から癌発見への経過をまとめました。

前立腺癌検査から発見まで     
2001年
12月19日
直腸指診 ・ 異常なし、前立腺の大きさは通常の 1.5 倍ある。PSA検査採血。
超音波検査 ・ 画像上は発見されないが、もしあったとしても小さいものと思われるとのこと。
翌20日、「PSA検査の結果が良くない」、との電話があり、1 週間後に来るように云われる。ショック !
2001年
12月25日
PSA血液検査 ・ 36 ng/ml
50 歳以上では 4 以下が正常、異常に高い、癌の可能性大 、針生検 をする必要があるとのこと。
12月27日 CT 検査 ・ 他臓器への転移なし。
12月28日 MRI 検査 ・ 骨盤内リンパ節への転移なし。
2002年
1月8日
RI (骨シンチ) 検査 ・ 骨への転移なし。
1月16日 針生検 ・ 癌細胞発見されず。
針生検 4 回目で発見された人もいるそうで、PSAの推移をみることになる。
4月22日 PSA血液検査 ・ 38、少し上がった
前立腺肥大の影響もあるのではと PSAD (前立腺体積を考慮したもの) に期待するが この値では無理だろう。
5月7日 前立腺炎に罹る ・ 抗生剤投与、20 日ほどで治る。癌とは関係ないはずだが不安になる。
6月17日 成人病公開講座 ・ 大阪府立成人病センタ−主催の公開講座聴講。
前立腺癌の治療法は多岐にわたり、その判断が非常に難しく自分に合った治療法を、が結論。
7月4日 PSA検査 ・ 57、更に上がった。再針生検の必要あり、考えておくように云われる。
7月20日 市民公開講座 ・ 日本アンドロロジ−学会主催の公開講座聴講。
75 歳以下の限局癌では全摘が標準治療法だが、放射線療法 (小線源) も今後が期待される、との話。
7月31日 2回目針生検 ・ 6 箇所中、片側の 2 箇所で癌細胞発見。
組織分化度 5 段階の 2 〜3の中分化型、病期 [T1c] ( ABC区分ではB ) 、グリ−ソン・スコア 5〜6
PSAが高値のため生検で発見された癌でハイリスクタイプ、治療が必要。
8月16日 MRI 検査 ・ 転移なし。
CT 検査 ・ 転移なし。
8月19日 RI (骨シンチ) 検査 ・ 転移なし。
8月23日 インフォ−ムドコンセント ・ 治療方法についての説明。
年齢や合併症がないことから全摘手術または放射線内照射が良いとのこと。
1 ケ月以内に判断するように云われる。
9月3日 公開講座 インタ−ネット検索情報などから放射線療法を選択することに決定する。
高線量率小線源治療の出来る 大阪大学医学部付属病院を紹介していただくことになる。
9月6日 大阪大学医学部付属病院への紹介状と検査資料をいただく。

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