<イサーンの言葉>

市街から4kmのところにある食事処に連れて行ってもらった。
こんなところに食事処があるなんて・・・
一応、街道に看板は出ているが
それほどお客さんが来るとは思えないような田舎の中の一軒家風食事処である。

向こうの林の中にある。名前は「フォークランド・ファーム」

茣蓙を敷いてある東屋に楽な姿勢で座る。
最初に運ばれてきたのは、カイ・トム(ゆで卵)とタム・プー(沢蟹入りソムタム)

ソムタムのことを、イサーンでは「タム・バックフン」と呼ぶ。最も一般的なものは、青い未熟のパパイヤを使うが、そのパパイヤをタイ語では「マラコー」、イサーン語では「 バックフン」と言う。タムは「(臼で)つく」の意、臼の中に材料を入れながら叩いていくのでこの名がある。イサーンの「タム・バックフン」の特徴は、プララーという独特の臭いの(魚などの)発酵汁を加える点だ。タイ・オリーブのマコークも入る。こちらの人の大好きな沢蟹の入ったものは、「タム・プー」と呼ぶ。(下手なものを食べるとお腹を壊すかも知れない。今日のはだいじょうぶ、味もとてもよかった。)タムは、パパイヤの他に、いろいろなもので作り、それにより呼び名が変わる。「タム・トワ」(長インゲン)、「タム・テンクワー」(きゅうり)、「タム・バックムアン」(青い未熟のマンゴー)、「タム・グルエイ」(青い未熟のバナナ)など。「タム・パー(森のタム)」には、きのこやなぜかカノムチン(米で作った素麺のようなもの)が入る。

さて、今日のご馳走はつづいて・・

ペッサー・プラ・チョーン(雷魚の姿鍋)


これには、白菜、パクチー、バイ・メンラックなどの野菜と
カティアム・ドーン(ニンニクの漬物)、唐辛子たっぷり、生姜などの香辛料、
春雨にスープを注いで煮、甘辛いタレでいただいた。
(タレは甘くない方がいいな)

それから、見事、魚まるごと、ぐるりと行儀よく揚がっている
プラー・トート


カリカリに香ばしく揚がっていた。

食べ散らかして・・・


手前の茶色い小さなつぶつぶは、鶏の膝部分の揚げ物だそうだ。
その名はエン・ガイ・トート、少しこりこりし軽くて美味しい。


そして、果物

左上はテンモー(西瓜)、乾季は美味しい!
左下はチョンプー(フトモモ)、あっさりみずみずしい果物だ。
右の二皿は、花梨。これはタイ語で「ブッサー」、イサーン語が「バックタン」である。
好みで、ピンクの器に入っているものをつけて食べる。それは
砂糖+塩+唐辛子


庭には大きなジャックフルーツがなっていた。


これはタイ語で「カヌン」、イサーン語は「バックミー」

タイ語の果物の名前には「マ」の付くものが多い。イサーン語ではそれが「バック」になるものが多い。
パパイヤ=「マラコー」=「バックフン」
マンゴー=「マムアン」=「バックムアン」
グァバ=「ファラン」=「バックシーダー」
花梨=「ブッサー」=「バックタン」
タマリンド=「マカーム」=「バッカーム」
ジャックフルーツ=「カヌン」=「バックミー」

さて、「バック」は、仲間内で男性の名前の前に付けて親しみを込めて使うのだそうだ。了解のある間柄でないと失礼になるのかもしれない。友人は、息子の名前に「バック」をつけて、「バック・・」と呼ぶそうだ。 タイ語の「アイ」(男性名や動物の雄の名につけて軽蔑や呪いやからかいを表すが、親しい仲間内で使ったりもする)に当たるのかもしれない。

似たような語に、「イ」がある。タイ語だと、女性名につけてやはり蔑称になるし、動物名につけたりもする。
例えば、イ・ガー=烏
イサーンでも同様だが、特異なのは、お父さん、お母さんと親しみを込めて呼ぶとき、「イ・ポー」「イ・メー」と言ったりするそうだ。そういえば、月も「イ・グン」だ。イサーンの「イ」も同じ綴りだが、どうなのだろうか。

2002年にまとめていたイサーン語とタイ語対照表はこちら

11/27/'05

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