プールの中やお風呂の中ではからだが軽く感じますね。密度の小さいものだと、水に浮いてしまったりします。
水の中では浮力がはたらくからですね。
ここではわかりやすさを重視して力の単位にg重を使っていきます。必要ならば100g重=1Nとして換算してください。
浮力
浮力…水中にある物体にはたらく上向きの力
浮力は水中のどの深さに物体があっても同じ大きさの力
ではたらきます。(物体の一部が水面上の空気中に出て
しまった場合は除きます。)また、物体の質量に関係なく、
体積だけで浮力は決まります。※浮力は水中だけでなく、ほかの液体や気体の中でもはたらきます。
ここでは、水中での浮力について理解しましょう。
浮力をはかる 順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
![]()
浮力(g重)=空気中での重さ(g重)−水中での重さ(g重)
この場合は250(g重)−170(g重)=80(g重) 浮力は80g重となりますね。
浮力が生じる理由
水圧が水深に比例して大きくなることは知っていますか?
知らない人はこちらで確認してください。物体の上の面と下の面では受ける水圧の大きさがちがいます。下の面ではより大きい水圧を受けているのですね。
この水からの力の差が上向きの力(浮力)となって現れます。
実際に上の図を例にして、浮力を計算してみましょう。物体は1辺5cmの立方体として、
上の面が水から受ける力…7(g重/cu)×25(cu)=175(g重)
下の面が水から浮ける力…12(g重/cu)×25(cu)=300(g重)物体にはたらく水からの力の合力(浮力)は 300(g重)−175(g重)=125(g重)
1辺5cmの立方体にはたらく浮力は125g重だということが計算できました。
浮力が生じる別の理由(参考)
アルキメデスの原理
水中にある物体は、その物体がおしのけた体積と同じ体積の水の重さに等しい大きさの浮力を受ける
アルキメデスが発見しました。
上の図の物体にはたらく浮力を求めてみましょう。水を動かさずに物体だけとり除けたら、
水がその体積を占めている場合より、その部分は
まわり(水)にくらべて、そのぶん軽くなるはずですね。
これが浮力となります。その体積の水の質量は
1(g/cm3)×125(cm3)=125(g)
質量125gの水の重さは125g重。浮力は125g重。
上の水圧からの計算と同じになりましたね。
浮力による反作用
反作用という用語についてはこちらで確認してください。ひとつ、問題を解いてみましょう。
【例題1】ある物体を空気中でばねばかりにつるしたらめもりは250gをさした。
(1)この物体にはたらく重力は何g重か。
(2)このまま水中に入れて支えたら、ばねばかりのめもりが170gをさした。
この物体にはたらく浮力は何g重か。
(3)(2)のとき、台ばかりは何gをさすか。
(4)ばねばかりをはずし、物体を沈めたとき、台ばかりのめもりは何gをさすか。容器と水はあわせて500gであるとする。
![]()
(1)ばねの弾性力は物体の重力とつり合っています。
物体にはたらく重力は250g重ですね。(2)浮力のぶんだけ弾性力が減りました。
浮力=250(g重)−170(g重)=80(g重)
浮力は80g重です。(3)難しく考えることはありません。物体にはたらく
浮力などは関係なく、台ばかりの台が何g重を
支えているかを考えます。容器と水と物体の重さは
500(g重)+250(g重)=750(g重)
750g重をばねばかりと台ばかりで支えています。
ばねばかりは170g重を支えているので、台ばかりは
750(g重)−170(g重)=580(g重) 支えます。
よって台ばかりのめもりは580gをさしますね。(4)これはふつうに考えてくれればいいです。
台ばかりは全体(750g重)を支えています。
台ばかりのめもりは750gをさしますね。※問題によっては、物体の密度を求めたり、また、体積から浮力を求めたりします。
ここで、ちょっと(3)の問題に注目してください。
物体はばねばかりが支えていて、容器の底についていないにもかかわらず、台ばかりのめもりは水と容器の500gより多い580gを示しました。
この差の80g重は浮力と同じ大きさで下向きにはたらく力になっています。これが浮力の反作用の力です。水中で物体を支えているときの台ばかりの台には、「容器と水の重力」と「浮力の反作用の力」の合力がはたらいています。
top > 運動とエネルギー > 力のはたらき(参考) > 浮力