空気中では空気から圧力を受けています。
同じように水の中でも圧力があります。授業では習わないと思いますが、水圧についても知っておくといいですね。
ここでは、水圧の大きさが体感しやすいことと、計算がラクなことを理由に、圧力の単位に
g重/cm2を使っていきます。

水圧とは

水圧…水の重さによる圧力
気圧と同様、あらゆる向きから物体をつぶすようにはたらく
水の質量…1cm3あたり1g  ※水の密度は1g/cm3でしたね

水には重さがありますね。
気圧は体感しにくいですが、水は空気よりずっと重いので、ある程度の深さで水圧を体感できます。
ビニール袋に手を入れて、水に沈めてみると、ビニール袋が手に張り付いてきて、水圧を感じます。

水圧と水深の関係

水圧は、物体の上にのっている水の重さが原因で生じる圧力なので、
水の深さに比例して大きくなります。

水面からの深さをhcmとすると、
その場所の水圧はhg重/c
m2

たとえば、水面から5cmの深さでは、
水圧は5g重/cm2です。
深さと水圧は同じ数値になるので、
覚えやすいですね。

   

【例題5】
深さ10mの水槽の底の水圧を求めよ。

10mをcmで表します。1m=100cmなので、10m=1000cm
水圧は深さと同じ数値なので、1000g重/cm2 となりますね。
わかりやすいようにkg重/cm2を使うと、1000g重/cm2=1kg重/cm2  答え…1kg重/cm2

深さ10mでは、1cm2という小さな面積に、1kg重もの力がはたらくことになります。
※深さ10mの場所の水圧は、大気圧と同じくらいですが、実際に物体が受けるのは「大気圧+水圧」で2kg重/cm2(約2気圧)となります。
そのうちの1気圧ぶんは物体内の圧力(1気圧)とつり合っているので、水からの圧力である残り1kg重/cm2に耐えなければなりません。
1m2に換算すると10t(トン)もの質量が上にのっていることになります。つぶれそうですね。

水圧の向きと大きさ

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。

透明なパイプの両端にうすいゴム膜を張ったものを
  水の中に入れます。

たてに入れてみます。上のゴム膜より下のゴム膜の
  ほうがへこみが大きいです。
 下のゴム膜の深さのほうが深いので、水圧が大きいからですね。

横に入れてみます。
 左右のゴム膜は同じくらいのへこみです。
 同じ深さでは同じ水圧だからですね。
 水圧は横からもはたらくのがわかります。

水圧はあらゆる向きからはたらきます。

円筒問題

水圧といえば、よく出題されていたタイプの問題です。ちょっと紹介しておきましょう。
ここで使う圧力の公式は

 

【例題6】
面積50cuの底板をあてがった円筒を水中に20cm沈め、
上からおもりを450g重静かにのせた。

ゆっくり円筒を引き上げていくと、水面からの深さが何cmになったら、底板が円筒から離れるか。

ただし、底板の重さや厚さは無視する。

円筒と底板が離れる直前には 「底板を押す水圧の大きさ」と「底板を押すおもりの圧力」がつり合っていると考えます。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。

円筒を引き上げていきます。まだ深いので、おもりによる圧力より、水圧が勝っています。
 おもりによる圧力=450(g重)÷50(cu)=9(g重/cm2

さらに円筒を引き上げます。ある深さになると、おもりによる圧力と水圧がつり合います。
 おもりによる圧力は9g重/cm2なので、これと水圧が等しくなる深さは9cm

このとき、円筒から底板が離れます。

答え…9cm  最初の深さ(20cm)はひっかけですね。

連通管

底がつながっている容器を連通管といいます。
どんな形でも、それぞれの水位は等しくなります。

点Aについて
もしh1とh2の深さが違ったら点Aでの水圧がつり合わず、Aの部分の水が動きます。よって、h1=h2です。

点Bについて
もしh2とh3の深さが違ったら点Bでの水圧がつり合わず、Bの部分の水が動きます。よって、h2=h3です。

水が静止していれば、すべての水面の高さ(水位)は等しくなりますね。

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