運動している物体にはたらく力を知るには、その物体の速さの変化を調べるのがいいですね。ここでは物体の速さについて考えてみましょう。

速さの計算

速さ単位時間あたりに進む距離

  単位は m/秒 や km/時 などが使われます。単位は何であれ、次の公式で求めることができます。

     図を使った計算のしかたはこちら

この計算は小学校のときから知っていますね。早い話が 速さ=距離÷時間 で計算します。

もし、車が72kmの距離を2時間で走れば、速さは 36km/時 と計算できます。

36km/時=10m/秒

よって、36km/時と10m/秒は同じ速さを表しています。
速さの単位の換算はこちらも参考にしてください。

平均の速さと瞬間の速さ

ひとことで「速さ」といっても、さきほどの車の速さの計算のように平均の速さと、野球の投球の速さをスピードガンではかったような瞬間の速さがあります。
車のスピードメーターも、ごく短い時間に進んだ距離をもとに求めた瞬間の速さを示しています。

この瞬間の速さが変化すると、その物体に力が加わったという証拠になりますね。

【速さと速度】(参考)
ふつう、同じような意味で使われがちですが、理科では速さは速度の一部です。
中学では向きを考えない運動を扱うので意識されませんが、円運動など、速さが同じときでも運動の向きはその瞬間ごとに変わっていますね。
速度とは、向きも同時に表す量です。
力が「向きと大きさ」を持つため矢印で表されたように、速度も「向きと大きさ」を持つので矢印を使います(高校物理・高校数学のベクトル)。
等速直線運動とは、速度が一定の運動のことです。

いろいろな運動

いろいろな運動の場合の速さと移動距離の変化について、ここでまとめておきましょう。

速さが一定
の運動

(等速直線運動)

力ははたらいてないか、つり合っています。そのときの移動距離は 
「速さ×時間」
で表されます。

だんだん
速くなる運動

(落下運動)

ふつうに物体を落下させたときです。
つねに鉛直下向きに重力がはたらいているので、速さはだんだん速くなります。

だんだん
速くなる運動

(斜面での運動)

摩擦の小さい斜面などで物体を転がしたときなどです。重力の斜面に垂直な分力は斜面からの抗力とつり合い、斜面に平行な分力だけがはたらき続けます。

だんだん
遅くなる運動

(摩擦面での
運動)

運動中の物体が摩擦などでだんだん速さがおそくなり、最終的に静止するときです。
空気の抵抗を受けたときも同様です。

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