解答と解説

1.

(1)記録テープやおもりがゆれないようにするため
(2)343cm/秒
(3)176.4cm
(4)イ

参考ページ…速さの変化 記録タイマーの読みとり

1秒間に60打点する記録タイマー(西日本)の6打点は0.1秒間です。 
1秒間に50打点する記録タイマー(東日本)の5打点も0.1秒間ですね。
記録テープの読みとりの問題を見たときは、テープの切片1枚が何秒間で進んだ距離かを考えましょう。
ふつうの問題なら、1秒間で60打点するタイマーで6打点ごと、1秒間で50打点するタイマーで5打点ごとなので、1枚の切片は0.1秒であることが多いですが、難問では切りとる打点の数が違うかもしれません。

(1)
おもりが落下し始めた瞬間の打点を正確に記録するために、記録テープやおもりなどをゆらさないようにする必要があります。
はさみなどで切ると、装置がゆれてしまうからです。

(2)
区間Dの長さ(距離)は34.3cm、6打点なのでその間の時間は0.1秒です。
速さ=距離÷時間=34.3(cm)÷0.1(秒)=343(cm/秒) ですね。

(3)
区間Eの次の6打点は何cmになるかを推測してみましょう。図3でどのくらいずつ距離が多くなっているかを見てみます。

各区間ごと、0.1秒ごとに9.8cmずつ長くなっているのがわかります。区間Eの次の区間をFとすると、区間Fは
44.1(cm)+9.8(cm)=53.9(cm) だろうと想像できますね。
落下開始から0.6秒間でおもりが進んだ距離は区間A〜Fすべてをたした距離になります。
4.9(cm)+14.7(cm)+24.5(cm)+34.3(cm)+44.1(cm)+53.9(cm)=176.4(cm) ですね。

(4)
ひとつずつ検証していきましょう。
ア.
落下距離の各区間の差はすべて9.8cmで一定でしたが、落下距離というのは落下開始からその時間までに進んだ距離となるので、
0.1秒後は4.9cm、0.2秒後は19.6cm、0.3秒後は44.1cm、0.4秒後は78.4cm、0.5秒後は122.5cm…となっていきます。
これは時間に比例しているのではなく、時間の2乗に比例しています。
イ.
各区間は0.1秒間に進んだ距離なので、その区間の速さに比例するものです。
実際に速さを求めてみても、A…49cm/秒、B…147cm/秒、C…245cm/秒、D…343cm/秒、E…441cm/秒となり、
各区間98cm/秒ごと速くなっていますね。0.1秒ごとの速さの変化の割合は一定(98cm/秒)になっています。
一定の割合で速くなっているのがわかります。
ウ.
上で求めたように、おもりの速さは時間に比例して大きくなっています。速さは時間に関係ありますね。

2.

(1)10cm/秒 等速直線運動
(2)ラジコンカーの慣性のため、運動を続けようとするから
(3)ア

参考ページ…慣性の法則 速さの変化

グラフのたて軸が「速さ」であることに注目して、
どんな運動だったのか想像してみましょう。

0〜8秒まではだんだん速さが大きくなり、
8〜14秒までは速さが変化しなくなり、
14〜24秒はだんだん速さが小さくなっていきます。

8秒間でだんだん速くなって、
その後6秒間は一定の速さ、動力を切ってからは
だんだん遅くなって24秒に止まったのですね。

(1)
グラフで8秒のときの速さを読みとります。ちょうど10cm/秒ですね。
その後6秒間とは、8〜14秒のときのグラフが水平なときのことです。速さが一定なので、等速直線運動です。

(2)
ラジコンカーの動力を切ったということは、ラジコンカーを動かす力は0になります。
この後、ラジコンカーの運動方向には面からの摩擦力がはたらき続けるので、いずれラジコンカーは止まります。
動力を切る直前までラジコンカーは運動中だったので、慣性のため急に静止することができません。

(3)
ひとつずつ見ていきましょう。
ア.
ラジコンカーの運動方向にはたらくのは、ラジコンカーを動かす力(モーターの動力)と面からの摩擦力です。
力がつり合っていない場合、大きなほうの力の向きにだんだん速くなっていきます。
0〜8秒までは、だんだん速くなっていることから、動力のほうが摩擦力より大きかったと推測できます。
8〜14秒は速さが一定であることから、動力と摩擦力はつり合っている(=大きさが等しい)と考えられます。
8〜14秒については、この記述は間違っていますね。
イ.
この6秒間は速さは10cm/秒で一定です。
距離=速さ×時間=10(cm/秒)×6(秒)=60(cm)で正しいです。
ウ.
この6秒間は等速直線運動です。
慣性の法則により、ラジコンカーには力がはたらいていないか、ラジコンカーにはたらくすべての力はつり合っています。
摩擦のある面上でのできごとなので、力ははたらいているがつり合っていると考えられます。

【参考】速さと時間のグラフから物体の動いた距離を求める

等速の場合、距離は「速さ×時間」で求められますが、
速さが変わる運動の場合、これでは求められませんね。
でも、速さと時間のグラフがある場合は
そのグラフと時間軸(横軸)がつくる図形の面積
距離が求められます。

この問題の場合は台形なので、
(上底+下底)×高さ÷2で求められますが、
0〜8秒の三角形の面積、8〜14秒の長方形の面積、
14〜24秒の三角形の面積を足しても
同じ結果になります。

このラジコンカーが運動を始めて止まるまでに動いた距離は150cmと計算できます。

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