堆積岩をつくるもととなる堆積物はどうやってできたのか、また、どのように運ばれてきたのか気になりますね。
ここでは、おもに岩石のかけらができて、川のはたらきによって堆積するまでを紹介しておきます。

堆積物ができるまで

岩石が風化侵食によってこわれて岩屑となる

川の流れによって岩屑が運ばれる(運搬

平野や海に流れ込んで堆積する

こんな経過で堆積物が海に流れ込んでつもって地層ができます。

風化

長い間日光や空気や風雨などにさらされることによって、岩石が変質したり細かくくだけたりすることを風化といいます。
物理的風化と化学的風化が両方ともからみあって風化が進み、岩石がこわれていきます。
岩石は一部を除いて、いろいろな種類の鉱物が集まって固まっています。鉱物についてはこちらで確認してください。

機械的
(物理的)
風化
気温の変化によるもの
  岩石をつくっている鉱物の種類によって熱による膨張の割合が違います。
  気温の変化のくり返しで、鉱物どうしはお互いに離れていき、
  岩石に割れ目ができたりこわれたりします。

水がこおることによって起きるもの
  水はこおると体積が増えます。
 

生物によるもの
  植物の根が岩石の割れ目に入り込んで成長して割れ目を広げたり、
  モグラ・アリ・ミミズなどが地中で暮らすことも岩石の風化を進めます。

風の作用によるもの
  風に吹き飛ばされた砂などがあたって、岩石がけずられていきます。

※昼と夜の温度差が大きい砂漠地帯や、
水が凍ったり解けたりしやすい高山地域・寒冷地域で起きやすい

化学的
風化
雨水や地下水などにいろいろな物質がとけているために

・岩石の中の鉱物が雨水や地下水と化学変化を起こす
・地下水などに一部の構成物(鉱物など)がとけて流れ出す

などの変化が起き、岩石がこわれていきます。

※湿潤で高温の地域で起きやすい

河川の3作用

「侵食・運搬・堆積」を「河川の3作用」といいます。川の水量や流速によって、「侵食・運搬」「堆積」のどちらかがさかんになるか決まります。

侵食…水量や流速が大きいほどさかん

流水による侵食

   運搬中のれきなどがぶつかり、川底や地表などをけずります。

V字谷
  川底が流水によって侵食され、断面がV字形になった谷

   川底がけずられてVの字にえぐれていきます。
   傾斜の急な山地の上流〜中流でよく見られ、日本では多いです。

運搬…流速が大きいほど運べる量が多くなり、大きなれきも運べる

・ころがして運ぶ

   大きめの粒は川底に沈んだ状態ですべるように下流に流される
   運搬途中で川底や川壁に衝突して侵食が進む
   運ばれているれきも角がとれて丸くなる堆積岩のれきの粒が丸い理由

・浮かせて運ぶ

   泥などの小さい粒は水をにごしたまま沈まず、そのまま流される
   流速が小さくなるとゆっくり沈殿する(堆積)

・とかして運ぶ

   水にとける物質はとけたまま運ばれる

堆積…流れがゆるやかになると運べなくなるので運搬物をつもらせる

海底・湖底に堆積

   川が海や湖に流れ込むと粒の大きなものから堆積していきます。
   こちらの図で確認してください。

扇状地
  谷の出口を中心として扇(おうぎ)形に堆積してできた地形

   傾斜の急な山地から平地に出ると川の流速が急におそくなるため、
   堆積作用がはたらきます。
   粒の大きさに関係なく堆積するので、一時、川の水が吸い込まれてしまって
   見えなくなることもありますが、扇状地のふもとで再び川が姿を現します。

三角州(デルタ)
  大きな川が海や湖にそそぐところで三角形に堆積してできた地形

   海や湖にそそぐ河口では極端に流速がおそくなるので、
   砂や泥が沈殿して堆積します。


いっぱんには

流れの速い上流〜中流では侵食・運搬がさかん
流れの遅い下流〜河口では堆積がさかん

洪水時には

雪どけのころや集中豪雨などで洪水が起きると、
川は大きな石も運べるほどの運搬力を持ちます。
大量の土砂を運搬し、短期間に深く侵食します。

洪水後は地すべり・山くずれ・土石流など
によって、川の流路が変わったり、
地形が変わることもあります。

侵食した岩や風化してできた砂などを川が運搬して海などに堆積してできたのが地層ですね。

※「侵食」は意味からすると「浸食」のほうが適切な感じがしますが、教科書の表記どおり、「侵食」とさせていただきます。

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