以前よく出題されていたばねののびとおもりの重さ(またはばねを変形させる力の大きさ)に関する問題を紹介しておきましょう。
ここでは当時のまま、力の単位にg重を使っています。必要ならば、100g重=1Nとして換算してください。
ばねの長さを考える問題
【例題1】
あるばねにおもりの重さを変えてばねの長さの変化を調べたら右図のようになった。
このばねに120g重のおもりをつるすとばねの長さは何cmになるか。
まず、ばねのもとの長さを読みとります。
もとの長さ=おもりの重さが0g重(何もつるしていない)のときのばねの長さ
ばねのもとの長さはグラフより6cmですね。
次に読みとりやすい点をさがしてのびの割合を読みとります。
この場合「50g重のとき10cm」の点が最適でしょう。ばねの長さ=ばねのもとの長さ+のび
なので、この点での「のび」は
10(cm)−6(cm)=4(cm) となり、
50g重で4cmのびるばねということがわかります。
120g重のおもりをつるしたときの「のび」をχcmとして50(g重):4(cm)=120(g重):χ(cm)
という比例式がつくれます。 比例式の解き方はこちら
これを解いて χ=9.6(cm) なので、
9.6cmのびる計算になりました。
もとの長さを足して 6(cm)+9.6(cm)=15.6(cm)
答えは15.6cm
ばねの両端におもりをつけた場合の問題
【例題2】
5g重で2cmのびるばねを
右図のように両端におもりをつるした。
ばねののびは何cmか。
おもりが2個になると、つい「のび」も2倍になると考えがちですが、この場合はおもりが1個のときと同じです。
ばねにはたらく力を考えれば理解できます。こちらを参考にしてください。
定滑車は力の向きを変えるはたらきをします。
ばねののびをχcmとして比例式をつくると5(g重):2(cm)=20(g重):χ(cm) 比例式の解き方はこちら
これを解いて χ=8(cm) 答えは8cm
ばねが2本の場合の問題
【例題3】
100g重の力で引くと1cmのびるばね2本に
おもりをつけて右図のようにつるした。
2本のばねを合わせた全長は何cmか。
ばね1本のもとの長さは10cmとする。
ばねには自分自身の下につるされているすべての重さがかかっているので、
上のばねには300g重の力、下のばねには200g重の力が加わります。
力のはたらきはこちらを見てください。
上のばねは300g重で引かれるのでのびは3cm、下のばねは200g重で引かれるのでのびは2cm。
2本合わせて 3(cm)+2(cm)=5(cm) のびます。
もともとばねの全長は 10(cm)+10(cm)=20(cm) なので、20cmから5cmのびた長さを求めればいいわけです。
20(cm)+5(cm)=25(cm) 答えは25cm
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