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TOP 64式のマルイメカ換装

改造後のTOP64式

剣付き64式を構える某国工作員

1996年にTOPから64式の電動ガンが発売されました。主要パーツは全て金属製で、マルイのM16やG3よりも剛性が高いのは良いのですが、内蔵の電動メカの耐久性はマルイとは比較にならないほど低いものでした。私の64式も購入してしばらくして単発(セミオート)がかからなくなり、そのうち動作すらしなくなってしまいました。いろいろ復旧を試みましたが、結局断念。サバゲにはM16A2を使うようになってしまいました。

私の64式は、その後約8年間放置されていましたが、2005年、某サイトでマルイAK47メカの移植作品が紹介されているのを発見、俄然やる気となりました。ここでは、移植改造の内容について紹介します。

用意するもの

材料

TOP 64式7.62mm小銃 電動ガン
既に製造終了となっているようですが…。
東京マルイAK47 本体セット
部品取り用。メカボックスモーター握把(グリップ)・インナーバレルチャンバー一式ヒューズボックス弾倉(マガジン)を使用します。マルイから必要な部品だけ取り寄せてもいいのですが、この場合定価+送料となってしまい、単純に足し算すると2万円近くなります。値引き販売を行っている店(赤羽・フロンティアとか秋葉原・ECHIGOYAとか)で本体セットを買っても2万円弱なので、AK47を一式買ってしまうことにします(余った部品は、AK47ユーザに譲るのも良し)。
東京マルイM16 20連タイプ弾倉
TOP純正弾倉は電動タイプで、これは使い物にならないので、マルイ流のゼンマイ式に改造してしまいます。64式と同じ7.62mm×51弾を使用するG3弾倉が使えそうですが、流用するのは内部メカだけであるため、G3よりも前後に短いM16の20連弾倉を使う方が工作は楽です(両方試したが、結果的にはM16の方が楽でした)。
ABS板
マルイ電動ガンのプラ部分にも使われているABS樹脂のボード。普通の模型工作で使うプラ板よりも強度があるため、こちらを使用します。但し、ABS板は扱っている店がかなり少ないです。私は、東急ハンズ渋谷店で購入。ABS樹脂は、アクリル用の溶剤型接着剤が使えるので、これも同時に購入します。
ポリパテ
AK用のグリップを64式に改造するために使用します。これを盛って形を整えていきます。匂いが強烈なので、ウッドエポキシの方がよいかもしれません。
真鍮棒
真鍮の角棒。引き金をAK用から64式用に交換する際に使用します。

工具

通常の金属加工で使用する工具類は省略しています。

リューター
メタルフレーム内のヤスリが届かないようなところにある余計な突起を削り取るのに使用します。6000円くらいで購入できますが、出来れば10000円超のやや大型のものを使用した方がよいでしょう(小型のものは、すぐにモータが熱くなってしまうので、冷ましながら使う必要がある)。
ハンダ鏝・ハンダ
トリガの加工に使用する真鍮棒の接着に使用します。電子工作用のものではなく、100W程度の大型のものでないと、ハンダがうまく流れてくれません。
フラックス
ハンダ付けする部分に塗ります。フラックスを塗ると、ハンダが綺麗に流れます。

塗料

グリップの塗装に使用します。

カンペ アクリルラッカー 赤さび色
グリップ全体の塗装に使用します。実銃はもっと茶に近い色だと思うのですが、銃床は流用するので、銃床に近い色を選定しました。塗料の霧がかなり広範囲に飛び散るので、家を汚さないように注意が必要です。
ニッペ 水性エナメルミニ 黒
木目の模様を表現するのに使用します。

機関部の加工

改造後の機関部

AKのメカを収納するため、邪魔になる部分を根気よく削りだしていきます。最終的には、右写真のように納まります。なお、握把は自作品ですが、これについては後ほど紹介します。

改造後の機関部拡大

中央に開いている穴は、元々銃床を固定するネジの貫通穴です。銃床固定用ネジは、この穴と、メカボックスに元々開いているAKセレクターレバー用の貫通穴を通します。最終的には、右写真のように納まります。

改造後の機関部拡大

アッパーレシーバー側の部分も削りすぎないように注意しながら削ります。

改造後の機関部 AKのホップアップチャンバー自体は加工不要ですが、位置決めと回転止めのため、ABS板で箱状のスペーサーを作ってインナーバレルに通します。

改造後の機関部 握把を外した状態。AKのメカはモータがメカボックスにネジで固定されるため、M16やMP5よりも信頼性は高いです。

メカボックスの加工

メカボックスの加工は、余分な突起(AKのアッパーレシーバーを固定する金具のためのレール)の削除、引金の交換(AK用→64式用)、また後述する電子式セミフル切替回路を実装するのであれば、セクターギアへの磁石貼り付けと磁気センサ取り付けが追加になります。

改造後の機関部

AKのアッパーレシーバー固定用のレールをヤスリで削り落とします。

改造後の機関部

メカボックスに付いているAKのトリガを切り落とし、代わりに64式のトリガを取り付けます。真鍮棒でアタッチメントを製作し、最後にネジで取り付けます。

磁石・磁気センサの取付は、別ページで紹介します。

握把の加工

改造後の機関部

これだけは、TOP製をそのまま流用することが出来ないため、AKの握把をベースに新製します。これにより、握把が細くなり、よりリアルになるだけでなく、握りやすくなります。

握把の滑り止めは、ダイヤパターンのビニールシートを使うのが一番ですが、これを入手できなかったため、M16のグリップからレジンコピーして貼り付けました。

塗装前に、グンゼの溶きパテを吹いて表面を平滑にした後、赤さび色を吹きます。乾燥後、ティッシュにエナメル黒を含ませ、押しつけるようにして黒を染みこませていきます。結構適当にやったのですが、それでもそれらしく出来上がるので不思議です。

弾倉の加工

弾倉内部

弾倉の枠だけTOP製を使用し、内部はマルイの多弾数弾倉を用いることにします。同じ7.62mm弾のG3弾倉を使うのが良いと考えましたが、結果的にはM16の190連(短いタイプ)から改造した方が簡単でした。

給弾口とゼンマイメカ部を切り落とした後、2mmのABS板を位置決めのために貼り付けていきます。メカ部から給弾口へBB弾を送る方法としては、内径7〜8mm程度のゴムホースを使っても良いのですが、今回は8mmのコイルバネを使いました。TOPの純正多段数弾倉と同じ仕組みです。

単発・連発の切替

最大の難関でした。私の機械加工技術では、確実な切替は難しいと判断したため、マルイのメカボックスに付いているセミオート機能は使わず、電子回路を使って実現することにしました。

詳細は、こちら

インナーバレルの交換

銃口

当初、インナーバレルは、部品取りに使用したAK用(455mm)をそのまま流用するつもりだったのですが、64式はAKよりも銃身長が長いため、インナーバレルをあと60mm程度伸ばすことが可能です。試しに手持ちのM16A2用と交換してみたところ、AKのチャンバーにも収まり、長さも丁度良い感じになりました。

そこで、KM企画のM16A2用TNバレル(509mm)に交換することにしました。銃身を交換した後の初速を測定したところ、93m/sでした。チーム規定の90m/sを超過しており、許容誤差10m/sの規定で何とか合格という状態なので、スプリングカットでパワー調整することにします。

感想

TOPの64式は、内部のメカが良くないだけで、外観は一流品(銃床や握把の太さが違うなどの細かい不満はありますが…)だったため、マルイのメカを組み込むことにより、内部も一流品に生まれ変わりました。握把もAK用から改造することで、細くすることが出来、握りやすくなりました。剛性は、元々M16やG3より高かったので、サバイバルゲームに使用するには十分です。

また、元からある切り替え軸(セレクター)を生かすために採用した、電子式単連切替機能も良好で、純正よりも切れが良くなったような気がします。

製造元のTOPも64式を見放してしまったようですが、自宅に64式を死蔵している方は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

64式後日談

64式マルイメカ化改修とその後のチューンについて、時系列でまとめました。  詳しくは、こちら

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