John Lennon

Prologue



 John Lennonの幼少時代は両親の不在と離婚、それによって叔母に預けられて養育されるという不遇なものでした。

 そんななか彼が見つけたのがSTRAWBERRY FIELD(S) 楽しく安らげる場所だったんだと思われます。後年彼はこの場所を歌にしました。その歌のなかで、現実は何もないと描写されているこの場所はほんとうに誰もいないように感じられる静かな場所です。

LET ME TAKE YOU DOWN 'CAUSE I'M GOING TO STRAWBERRY FIELDS
NOTHING IS REAL
STRAWBERRY FIELDS FOREVER
NO ONE I THINK IS IN MY TREE

僕の木には誰もいない
自身の幼少の頃の想い出と、超現実こそが現実であるという見解、自分が天才か狂人かという疑問について歌った個人的な歌にもかかわらず、涙が出るくらい最高に感動的なのはやはりJohn Lennonが最高だったから!!!なのでしょう…

僕は、John Lennonが WORKING CLASS HEROの中で「俺についてこい」と歌っているのを聴いてから、もうこれからずっとついていくって決めたんだ…。

ロックの人−ジョン・レノン−

 John Winston Ono Lennonジョン・ウィンストン・オノ・レノン−まさにロックの人、ロックに突き動かされていた人というイメージが強い−僕は当初そう感じていました。反抗的・反体制的な彼の10代〜20代の生き方が当時のファンには大きく支持されていました。

ラヴ・アンド・ピースの人−ジョン・レノン−

 でも最近は(1990年代頃からかな?)ラヴ・アンド・ピースの人というイメージが定着し始めていているような気がします。それによってロックの人というイメージが消えてしまうのはある意味非常に残念なことです。

ジョン・レノンの反戦運動

 でも僕はラヴ・アンド・ピースというイメージも彼の側面を如実に表しているとも思うのです。そうでなければあれだけの地位と名声を手にした人が危険を冒してまで、当時最強となりつつあったアメリカを相手に反戦運動なんかしないと思うのです。実際かなり目をつけられていましたから。それは反体制的な生き方の延長線上にあった行動だったともいえます。

 その反戦運動は、キング牧師やガンディー氏などの活動と比べて、それほど偉大な活動であったか?と問われるとちょっと疑問符がつくような感じがしますが、ベクトルは確かに同じ方向を向いていたはずです。ジョンは平和活動した人間として歴史に残されることを希望すると言っていましたからね。

ラヴ〜ラヴ〜ラヴ〜

 ラヴ、愛の人というのは当たっていると思います。あれだけのメッセージを持ったラヴ・ソングを世に送り出した人ですからね。ただその曲の中にも嫉妬や横恋慕について歌った曲もあり、すべてが純粋に愛の純粋さ・崇高さを歌っているわけでもないのです。

矛盾

 結局自分に忠実であり、既成概念、社会のこうでなければいけないみたいなものに素朴に疑問を持ち、時には(いつも?)反発し、行動した人だったのです。それは常に大きな矛盾を生みました。

 確かに身体障害者を揶揄したり、ドイツ人に向かってナチ公と罵倒したり、平和活動しながらポールと世紀の大喧嘩をする、という一面もありましたからね。

 でも生まれてこのかた、聖人じゃあるまいし、なにひとつ後ろめたいことをしないで青春を送った人なんてそういるものじゃないはずです。若気の至りだってあるでしょう。そして若い頃の暴力的だったことを反省し、そして懺悔した感じになっていることがある意味で、キリスト教圏における彼の新たなファン層を獲得しているとも言えるのではないでしょうか。
 Q誌1999年8月号に100 Great Stars of The 20th Centuryという投票の結果が掲載されており、その中でジョン・レノンは見事1位(ポールは2位)を獲得しています。それには"Rock Star as Flawed Redeemer, and The Run Away Winner−傷ものの(不完全な)救世主−"という評価を受けています。

 彼は『体制側の一部の人間よって、「交渉による問題解決の放棄・利権獲得・批判回避・景気回復その他諸々の理由」によって行われる、"戦争と呼ばれる「被支配者層−弱者同士−を争わせる」"』ということに対して断固良くないと言っていたと思うのです。そしてその戦争を止めるには個々の力が必要とされるんだと言っています。極端な話"ジョンとポールのような個人レベルのケンカ"はジョンにとってはOKだということじゃないのかな。いずれにしてもこの反体制的な姿勢は彼がアイルランド系イギリス人ということが無関係ではないと思います。イングランドがアイルランドにしてきたことといったら…ひどいの一言に尽きます。

ロックという部分を無視しないで

 ラヴ・アンド・ピースの人というイメージだけで捉えられることを嫌う人は熱心なファンの中に多いはずです。多分これはジョンの素晴らしいロックという部分を無視し削られてしまうことへの大いなる不満があるのだと思うのです。

IN MY LIFE I LOVE YOU MORE!!!

 いろいろ書きましたが結局、僕にとってJohn Winston Ono Lennonジョン・ウィンストン・オノ・レノンはロック・ラヴ・アンド・ピースの人ということになるわけです…。

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