平成11年11月3日

奈良井の朝
奈良井宿の朝

奈良井町並み
奈良井宿の町並み
今日は良い天気だ。9時頃、「民宿・ながい」を出発! ちょっと進むと、中村邸が有り寄ってみた。ここは、もと櫛問屋の家で建物も古い。文化財にもなっていて一般に公開されている。入ってみると、いきなり脇に係りのおばちゃんが居て驚く。どうやらここの家の方みたい。毅然とした方で、一通りの注意事項を説明され見学する。しかし、風格の有る造りだ。時を忘れて、ゆっくりしてしまった。おばちゃんに激励され、出発。

奈良井高札場
鎮神社まえの奈良井の高札場
神社の隣には歴史民族資料館も有ります。

奈良井宿を出る
快晴なり、奈良井宿を後にして鳥居峠へ

石畳の中山道
石畳が敷かれた中山道

鳥居峠から奈良井
鳥居峠付近から見える奈良井宿

明治新道
明治新道、トチの大木が生えている

さぁ、いよいよ鳥居峠越えだ。
今まで幾つの峠を越えて来たのだろう え〜と・・。
しかし、今回はにぎやかだ!
有名なハイキングコースにもなっていて、
祝日で天気も良い事と、紅葉のピーク(地元の人に聞くと今年は良くないらしい)がかさなり、沢山の人が来て居る。
あまりの多さに挨拶だけで疲れてしまいそう(笑)

峠に到着、と言っても江戸期の峠は通れない。
何処に有ったのか検討すら付かない・・
道と言うのは、使わなくなると直ぐに判らなくなるものなんだな。
中山道は、明治に造られた新道を行く事になる。
峠の茶屋跡には、立派な小屋が建っている。

明治新道を歩く、周りにはトチの木が多数生えて居て、しっとりとした空気がながれる。もう、あの独特の大きな葉はすっかり落ちていた。
この先に御獄神社が有る。昔の中山道は、この辺りに出て来てたらしい。この神社からは、遠く御嶽山を望む事が出来そう(当日は観えませんでした)。神社の奥、両脇には多数の石仏・碑が有り、当時の熱心な信仰心を伺い知る事ができる。

 

御嶽神社1
御獄神社

御嶽神社2
御獄神社の石仏群(向かって左側)

御嶽神社3
御獄神社の石仏群(向かって右側)

お稲荷さん

御岳神社からは、下り坂で道も判りやすい。
薮原方面から来る人達と次々にすれ違うのだが、ご年輩の方なんかは「上まであとどの位?」と聞いてくる。かなりしんどそうだ。確かに薮原から来た方がしんどいかもしれない。

写真は、途中にあったお稲荷さん。楓の紅葉が綺麗です。
もうちょっと進み、JR中央本線をまたげば薮原宿だ。

薮原一里塚跡

薮原宿に入る。
鳥居峠に行く途中から一緒に歩いて居た人達(ちょっと年輩、群馬から来てらした)が居たのだが、ここで別れる事になった。楽しい話をありがとう。

薮原宿の一里塚跡(写真)。
何故か蒸気機関車が展示してある。
場所がちょうど都合良かったのかな?

川沿いの中山道

国道19号を歩いて居るとクラクションを鳴らして車が止まった。薮原まで一緒だった人達だ、これから車で乗鞍の方に行くらしい。「頑張って、完歩して!」と激励される。反対車線から、大声で言うので、ちと恥ずかしい・・ ありがとう。

川沿いを行く中山道。
ここは国道と一緒だったのだが、バイパスが出来て通行止めになっていた。のんびり歩けました。

石置き屋根の民家

宮の越宿手前で見た石置き屋根の家、トタンでしたが、現役では珍しいので写真に撮ってみる。

宮の越井戸

宮の越宿に残る井戸、明治天皇中山道ご巡幸の際にこの井戸水をもってお茶を献上されたそうです。地元では、それは大切にしてました。

井戸の中
その井戸を覗いてみました。
当時のままの石積みだそうです。

宮の越過ぎた中山道

宮の越宿を出て、福島宿に向かう。
隣り上をJR中央本線が走ります。

珍しい石仏
福島に向かう途中、不思議な石仏に会う。
なんか面白いでしょ!?

中山道中間之地

福島に向かう途中にこんな物(左写真)も・・
「中山道東西中間之地」ふむふむ、なるほど。
この辺が中間なのか・・ もっと来ていると思っていた。
本来なら「もう半分か」となるのだろうが、
一瞬、「えっ、まだ半分なの〜〜」っと疲れた。

中間之地の風景
がっかりしつつも、喜んで写真を撮る私です。
ちょこっと喜びの影が写ってます(笑)。

福島関所
関所を越えて、福島宿へ。

カクカク曲り福島宿

復元された福島関所の隣には、代々関所番を勤めた高瀬家がある。無知な私には良く判らないのだが(バカまるだし)、島崎藤村の姉の嫁ぎ先で有名らしい。資料館も有り、知る人にはたまらないのだろう(もう遅くて閉館してました)。

関所を過ぎて、国道へ下ると福島宿に入る。
辺りは暗く良く判らなかったのだが、福島には古い家等はあまり残って無いらしい。昭和2年大火が有り、町はほぼ全焼したらしい。
中山道は、福島の町をカクカク曲がりながら進んでいく。

夕暮れの福島宿
福島宿の夕。水は絶えず流れ、その音は心地良い。

福島宿、もうすっかり陽は落ちた。
さて、今日は何処に泊まろうかな と思いつつも、ずるずると福島宿を過ぎてしまった。どうしょう・・。 えいっ 次の上松宿まで行ってしまえ! 福島宿を出ると、もう真っ暗なのだがとにかく進む事に。途中の御嶽遙拝所の辺りは何とか判ったのが・・ 他の道は判らず、ほとんど国道19号を歩く事になった。でも、これが実に恐ろしい・・。歩道は無く、路肩もほとんど無い・・ 歩く私の脇を大型トラックがそのままのスピードで通り抜けて行くのである。ヘッドライトも眩しく、一瞬目の前が霞む。一台は私に気づいたのが遅く・・ ホント脇ギリギリを通り抜けて行った。ここだけではない、日本の道路は車中心だ。いや、車優先になっている。これはおかしい、絶対に間違っている。
上松に入る。入り口では、沢山の石仏が出迎えてくれる。しばらくして、今日は何処に泊まろうかと探していると、犬の散歩中のオジサンに声をかけられる、少々お酒が入っている様だ。すると「一杯やろう」と言ってきた。泊まる所もないし、人も悪そうではない、これも何かの縁と思い付き合う事にした。そして、オジサン行きつけのスナックへ・・ これが、とてもいい人達ばかりで時を忘れて話し込んでしまう。ちなみに、連れていた犬はスナックのお姉さんの犬でした(笑)。楽しい一時を過ごせた。スナックを出ると「うちに来い!」と行く事に、その方の奥さんに温かく迎えられご飯までご馳走してもらい、今度は三人で色々と話し合う。どうやら建設会社の社長さんらしく「家を建てる時は連絡しろ、何処へ居ても建てに行ってやる」とか言ってくれましたけど(酔ってましたからね〜)遠くに居たらどうするんでしょうね(笑)。まっ、それは冗談にしろ、とても勉強になる話しばかりで面白かったです。今夜は泊めて戴く事になりました。見ず知らずの者をありがとうございます。なんか「縁」というものを考えさせられる一日でした。おやすみなさい。
奈良井〜上松、48882歩♪

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