ミチルの嫉妬

 その日はプールサイドでバーベキューをする事になった。陽も落ちて肌寒くなったこともあり和美はブラウスを着せられ、裕美と手錠に繋がれテーブルに就いていた。

 裕美もTシャツは身に付けていたが下半身は裸でがっくりと首を項垂れている。十五歳の少女に魂も凍るほどの衝撃は暗い影を落としている。裕美は和美の問い掛けにもろくに返事はせず時折啜り上げながら、地面に視線を落としている。

 由香里はエプロンをつけて甲斐甲斐しく働いている。彼女はここに来て奴隷という立場を忘れたかのように振舞っていた。おいしいく焼き上がった料理を平らげながら少年たちはにこやかに談笑してる。朝から何も口にしていない和美にとっても自然と食欲は湧きあがり、与えられた料理を次々に口に運んでいた。

 この場でもう一人浮かない顔した人物がいた。ミチルだった。買い物から帰ったミチルは食事の前に洋輔をベッドに誘ったのだ。しかし、今日、既に二回も放出している洋輔は容易に勃起せず遂にそれを諦めた経緯があった。ミチルはそれを留守中に洋輔が和美を犯した故だと思っていた。

 ミチルはやり場の無い怒りを晴らすためにビールを煽っていた。いつもはアルコールなど口にしないミチルを心配して一哉が声を掛けた。

 「お前、何かあったのか?そんなに飲んで」

 「何も無いよ。ほっといてよ」

 「ははん。お前、留守中に洋輔と先生がやったのを腹立ててんだろう」

 「ち、違うよ」

 ミチルはズバリと一哉に言い当てられた事に慌てて視線を逸らした。

 「先生に泣きべそ掻かせたいならとっておきの方法があるぜ」

 和美を虐げることしか考えてない一哉はミチルを抱き込み絶好の機会を利用することにした。

 「何をするのさ」

 「浣腸してやるんだ」

 「浣腸?」

 ミチルは驚いたように目を大きく見開いた。

 「先生は俺たちに捕まってから一回も大便をしてないんだ。臭い物を一杯出すぜ」

 にやけた笑いを浮かべる一哉の話を耳にしてミチルはそんな状態になった和美を想像してそれまで強張っていた表情が緩んでくる。

 「おーい」

 一哉は由香里と談笑している洋輔を呼び寄せた。

 「なんだい?」

 洋輔はミチルとの一件が合ったため困ったような表情を浮かべて近づいてきた。

 「先生に浣腸してやろうと思うんだ」

 「浣腸?」

 一哉の提案に洋輔はたじろいだ。そこまで和美を追い詰めることは彼も考えていなかったのだ。

 「先生は捕まってから一度もしていない筈よ。便秘は健康にも良くないわ。思い切り吐き出させて笑ってあげましょう」

 ミチルの言葉に洋輔は黙り込んだ。ミチルが和美をとことん虐めようとするのは昼間の一件が尾を引いていることは間違いないと確信したからだ。

 「いや、今はそこまでしたくない。何か俺たちに反抗するとか逃亡を謀るとかすればその時の折檻に使えばいい」

 洋輔に言われてミチルは不満を顕にした。

 「随分、先生を庇うのね。惚れたのかしら」

 「何を言ってるんだ。お前しか本気に相手しないよ」

 洋輔が抱き寄せるとミチルはすかさず下半身に手を伸ばした。

 「うふふ、本当だ。固くなってきた」

 洋輔の一物が自らの愛撫で硬度を増したのを確認してミチルは潤んだ目で目前の恋人を見つめる。

 「勝手にやってろ」

 馬鹿馬鹿しくなったのか一哉はその場を離れた。しかし、和美に浣腸を施すことは諦めてはいなかった。

 未明の逃亡

 その夜は皆、早く眠りに落ちた。和美と由香里は手錠で繋がれ、裕司と一緒の部屋で眠っていた。裕美は一哉と手錠で繋がれている筈だった。

 いきなりドアが激しく叩かれ、裕司は眠りから起こされた。

 ドアを開くと目を血走らせた一哉が立っていた。

 「ひ、裕美が逃げた。熟睡してるから大丈夫だと思って手錠を外してトイレに行って戻ってきたら、いないんだ」

 「何だって。洋輔を起こして来いよ」

 裕司の眠気は一辺に吹っ飛んだ。階下に下りると明かりを点けながら玄関に赴いた。中からでも鍵が無ければ開かなくなっている玄関には異常は無かった。

 台所にも浴室にも裕美の姿は見えなかった。裕司がリビングに戻ると洋輔とミチルそして一哉まで勢ぞろいしていた。

 「いないよ」

 「畜生。どこへ行きやがったんだ」

 一哉は激しく毒づいて転がっていたビールの空き缶を蹴飛ばした。

 「外には出ていないと思うよ。玄関にも異常はないし」

 「窓にも鍵が掛かっている。庭にも出ていないな」

 洋輔はリビングの鍵を確認した。

 「おい、お前の部屋の窓を確認したか?」

 「いや」

 一哉の答えに洋輔はすぐさま二階に駆け上がった。

 「裕司は外を見てくれ」

 洋輔はそう言い捨てると一哉の部屋に駆け込んだ。すぐさま窓に取り付いた洋輔は外を見た。玄関の軒指しの僅かな空間で裕美は震えていた。飛び降りれば逃走への道が開けるのに踏ん切りが付かなくてその場に立ち竦んでいるのだ。

 「おい、戻って来い。そこから落ちたら怪我するぞ」

 洋輔の声に裕美は嫌々をするように首を振った。捕われて魂も凍るような辱めを受けた裕美にとってどっちにしろ勇気のいる決断だった。

 「おい、いたぞ」 

 玄関から躍り出た裕司が裕美を見つけたのでミチルと一哉も外に出てきた。

 遂に逃走への手立てを失った裕美は声を上げて泣き始めた。

 「てめえ、俺たちを嘗めんなよ」

 一哉のパンチをもろに顎に受けた裕美の小さな身体は吹っ飛び、裕司によって支えられ再び一哉の前に引き立てられる。

 「逃げるなんて俺の面目丸潰れだ。思い知れ」

 腹部に強烈なパンチを受け、身を二つ折りにして喘いだ裕美は恨みの篭った視線を上目遣いに一哉に向けた。

 「こ、殺してよ。私の存在が邪魔なんでしょう」

 裕美は全てを諦めていた。この連中に弄ばれ、やがては殺される。それならば早く楽になりたいと願っていた。

 「よく言ったぜ。殺してやろうじゃねえか」

 一哉の無骨な手が裕美の細い首に掛かった。

 裕美の表情が苦悶に歪んだ。それでも一哉を睨みつける視線は力が篭っていた。

 「止めろ。俺たちは人殺しまでしないんだ」

 洋輔に腕をつかまれ一哉は指の力を抜いた。

 「こんな奴、言う事なんか聞かねえぜ。殺しちまおう」

 興奮が収まらない一哉は吐き捨てるように言った。

 「二度とそんな気を起こさないようにこってりとお仕置きをして上げればいいじゃない」

 「何をするんだ」

 「浣腸してやるのよ。どう」

 ミチルの意味有りげな笑みを見て一哉は昨夜の一件を思い出した。一哉は落ち着きを取り戻すと苦しげな息を吐き続ける裕美の髪の毛をぐいと掴むと上を向けさせた。

 「へええ、手前のお仕置きは浣腸責めだ。嫌でも俺たちの前に臭い物をぶちまけるんだぜ」

 「い、嫌。殺してよ」

 裕美は激しく髪の毛を揺さぶり裕司の拘束を逃れようと暴れ始める。

 「暴れるな」

 一哉は裕美の腫れ上がった頬に平手打ちを食わせるとロープを持ち出して後手に縛り始めた。

 「浣腸は撮影するから朝になってからにしよう」

 「ちぇ」

 洋輔の言葉に一哉は舌打ちすると縛り上げた裕美を床に叩き付けた。

身代わりに立つ和美

 「ねえ、面白いものが始まるわよ。先生も由香里もいらっしゃい」

 ミチルに言われて和美はよろよろと身を起こした。昨夜から彼らが騒いでいるのは気が付いていた。裕美が逃げようとしたことまでは判っていたがそれから二人は朝まで何の情報も聞かされず手錠に繋がれていたのだ。

 相変わらず身を覆う一辺の布も着ける事を許されぬ和美は全裸の姿をリビングに現した。

 リビングではTシャツ一枚の裸体を後手に縛られた裕美が大の字になって小さく息衝いていた。剥き出しにされた股間から滴る残滓に少女が受けたであろう惨たらしい扱いに息が詰まる思いに駆られた和美は思わず目をそむけた。

 「昨夜、裕美が逃げ出しやがったのさ。二度とそんな気が起きないようにたっぷりお仕置きをしてやるんだ。お前たちもそこで見てろ」

 一哉が唇を歪めて和美に説明した。

 リビングのシャンデリアは取り外され、それを支えていた鎖が宙に浮いておりその下には背の低いテーブルが配置されていた。

 「裕美をあそこに寝かせてね。浣腸をしてやるのさ。朝早く町まで行ってこれを買って来たんだよ」

 ミチルは含み笑いを浮かべて真新しい浣腸器を和美に見せ付ける。まだ、中学生の少女を恐ろしい目に遭わす小悪魔たちの和美は全身の毛が総毛立つような恐怖を覚えた。

 「さあ、立つんだ」

 一哉に身を起こされた裕美はよろけるように歩いてテーブルの前に立ち竦んだ。

 「テーブルの上に寝て、足を大きく開くんだ。浣腸してすっきりとさせてやるぜ」

 一哉が裕美の肩を叩いて笑うとそれまで無表情だった裕美の顔が苦しげに大きく喘ぎ始め、その目からは涙が溢れ落ちてくる。

 「お願い。二度と逃げたりしないから。そんな酷い事はししないで」

 少女は振り絞るような声音で哀願するが一哉は残忍な笑みを浮かべて裕美の腰を押した。

 啜り上げながら裕美がテーブルの上に横になると一哉は自在棒を目一杯伸ばし裕美の足首を握った。

 「さあ、足を思い切り開くんだ」

 「待って」

 少女が無残な私刑に遭うのを見かねて和美が進み出てきた。

 「この子はまだ中学生なのよ。そんな惨い目にあわせないで」

 和美がししゃり出てきたことはミチルと一哉にとって好都合だった。二人は和美に浣腸する口実が欲しかったからだ。

 「じゃあ、先生が身代わりになるのかい?」

 得意そうな笑みを浮かべる一哉に胸を突付かれた和美はさすがに下を向いてしまう。しかし、小悪魔たちはここぞとばかりに和美に纏い付く。

 「先生。私たちに捕まってから一度もしてないでしょう。たっぷりと溜まってるからすっきりするのもいいんじゃない」

 ミチルは和美の下腹部を擦って笑い声を上げる。彼らに裕美への所業を止めさせるには自分が身代わりに立つしかない。和美は進退窮まった感があった。

 「どうなんだい?先生」

 一哉は酷薄そうな笑みを浮かべて和美の顎を掴んで上を向かせる。和美は頬を強張らせたまま口を噤んでいた。

 「ねえ、先生。どっちにしろ先生は一人ではトイレに行かせて貰えないのよ。皆の前で派手にやって笑ってもらいましょうよ」

 ミチルの言葉に反応して和美は鋭い視線を向けた。和美は捕われてから常に誰かと手錠で繋がれてトイレに行っていた。そのためもあり和美は今日までそれを我慢してきたのである。

 「わ、判ったわ。あの子を許してくれるなら身代わりに立つわ」

 和美は決心したように震える声で言った。

 「よし、先生の浣腸にしようぜ。たっぷり溜まってるから臭いけどな」

 一哉は上機嫌に笑いながら和美を縛り始めた。和美は自ら汚辱の洗礼を受けることに後悔はしていなかった。しかし、その恐怖に和美の全身は小刻みに震えている。

 「震えてるのね。先生。御堂学園の教師として堂々と吐き出しなさいよ」

 ミチルの揶揄にも和美は悔しさに唇を噛み締めることしかしなかった。

 後手に括られた和美は裕美が載っているテーブルの前まで押し立てられた。

 「さあ、裕美に話し掛けて自分が身代わりになることを言いな」

 一哉に肩を突かれた和美はおずおずと口を開かねばならなかった。

 「裕美さん。私があなたの代わりにお仕置きを受けるわ。私の姿を見てこの人たちが情け容赦なく女を虐げることを心に刻んでね」

 和美の言葉に裕美は泣きじゃくりながらその胸に飛び込んだ。

 「先生。ごめんなさい。二度と逃げたりしない」

 和美は裸の胸に顔を押し付けて泣きじゃくる裕美をなだめる言葉を続けていたが一哉はそれを許さなかった。

 「手前、いつまでもメソメソするんじゃねえよ。さっさと先生と場所を代われ」

 一哉に言われて裕美が退くと和美はテーブルの上に横たわった。待ち構えていた裕司が和美の上半身を別のロープを使ってテーブルに固定すると一哉が締まった足首に手を掛けた。

 「さあ、淫乱教師らしく堂々と足を広げな」

 頬を紅潮させた和美は溜息を一つ吐くと足を心持広げ彼らに任せた。小悪魔たちの残忍な仕置きに遭うことで裕美の恐怖を救えるのだと自分に言い聞かせて。

 「い、嫌」

 和美が急に腰を揺さぶってむずかりだした。裕司も手伝って和美の両足を極端なまでに広げさせ竹の棒に繋ぎ止めようとしたからだ。

 「ひどいわ」

 腿の付け根に痛みを感じるほど開脚させられた和美は鼻を鳴らして一哉に恨めしそうな視線を送る。一哉は見事に開花した和美の花園を覗き込んで笑みを洩らすのだった。

 「これでよしと後は吊り上げるだけだぜ」

 一哉は棒の中央に天井から延びる鎖を繋ぎとめるとほっと息を吐いて洋輔の方を向いた。

 洋輔は壁際のスイッチを押した。シャンデリアを吊り下げていた鎖は情報に手繰られてゆき、和美の両足も徐々に上に引き上げられてゆく。

 裕美の身代わりになるために捨て鉢の度胸を決めた和美だったがその極端なまでの卑猥な姿勢に悲鳴を堪えるのに必死だった。

 鎖は斜め上方に引き上げられ和美の腰が浮き上がったところで静止した。あからさまな羞恥を居並ぶ小悪魔たちに余すことなく晒す事に和美の頬を震わせながら屈辱を飲み込むように何度も唾を飲むのであった。

 「うふふふ、とうとうお尻の穴まで見せちゃったじゃない。どんな気分なの教えて、先生」

 ミチルが和美の股間に指を這わせながらくすくす笑うと和美は吊り上げられた腰をゆさゆさと揺すって儚い抵抗を示している。

 「こりゃ、すげーや。丸見えじゃねえか。おい、裕美。先生が手前の代わりにこんな格好を晒してんだぜ目を閉じるなんて失礼じゃねえか」

 一哉は和美のあからさまな羞恥を覗き込むと目を閉ざして座り込んでいる裕美の顔をそれに向けさせる。裕美はあまりに惨めな和美の姿態を目にして声も出ない。

 「よし、朝飯にしようぜ」

 洋輔も完璧に和美を羞恥の姿態に仕立て上げたことに満足して朝食を摂る事にした。

 目を閉じ、必死に屈辱と戦っている和美を前に彼らは嗜虐の喜びに浸りながら食事を摂るのであった。

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