栗山の帰京

 翌朝、栗山は後ろ髪を引かれる思いで東京に向かった。真希と離れることは今の栗山にとって身を引き裂かれるような思いだった。しかし、東京で重要な取引があるため三日間の予定で栗山は御殿を後にしたのだ。

 三枝にとっては嬉しいニュースも入っていた。先日の復讐イベントに参加した連中の口コミで三人の新たな客が明後日から三日間の予定で栗山御殿を訪れる事になったからだ。

 その準備は明日から取り掛かることにして今日は真希の調査をすることになっていた。三枝はまず、真希と栗山のセックスの様子を映したビデオテープのチェックに取り掛かった。

 三枝にとってそれは驚きの連続だった。栗山が下僕のように真希に奉仕している姿に呆れるばかりだった。

 「どう?」

 朝の見回りを終えた久美子は入るなり三枝の隣に座り、モニターを覗き込んだ。

 「やはり魔性の女なの?真希は」

 「うーむ。中学生らしい一面も見せるんだが、栗山に関しては娼婦並の態度を見せるね」

 三枝は困惑の表情を浮かべて久美子を見た。

 モニターは汚物を拭い取った栗山と真希が激しく求め合う場面を映し出している。

 「この子、感じてるわね。本当に」

 「それは感じるだろう」

 「女は一度や二度のセックスではそこまで到達、出来ないのよ。個人差はあるけどね」

 「ふーん。そうなのか」

 「ねえ、私に任せてくれない?」

 久美子は目尻を赤らめて三枝に訴えた。レズとしての本性が真希を試したくなったのであろう。久美子の目は真剣だった。

 「姉を手なずけて、今度は妹まで欲しくなったのか?」

 「いいえ。レズの味を教えて姉妹で愛し合わせたいの」

 「あはは、それは面白い。今度のパーティーを二人で客の前で絡ませたら受けるぞ」

 久美子の発想に三枝は興味を示した。しかし、栗山がそれを許すかという懸念が三枝にあった。二人の関係がこじれることは出来る限り避けるのが三枝の主義だった。

 「栗山さんにあの子が話すんじゃないかと心配してるんでしょう?」

 三枝の表情を読み取った久美子がすぐさま反応を示した。

 「でもね。心配はいらないわ。あの子は自分から言ったりしないから」

 久美子は自信たっぷりに言うと三枝の顔を豹のような目付きで覗きこんだ。

 「いいでしょう?」

 「判った。今日からやって見てくれ」

 滲み出るような色気にたじたじとなった三枝は久美子の申し出を承諾した。

真希の調教

 その日の午後、真希が部屋で休んでいると久美子が姿を現した。その厳しさを身を持って体験している真希は全身を鋼のように緊張させた。

 「な、何の用ですか・・・」

 俯きながらおずおずした口調で尋ねた真希の言質の裏にここは自分の愛の巣だから立ち入らないで欲しいという要求が込められているのを久美子は感じた。

 「ちよっと、あなたを調べてみたいのよ。あなたの身体を」

 久美子の言葉を聞いて真希は両腕を前で組み合わせ、怯えの表情を見せる。自分は栗山に全てを許した仲だという自負あった。今更、久美子に弄ばれる道理は無いと思っていた。

 「嫌、嫌よ」

 真希は久美子に背を向けるとベッドにしがみついた。

 その背後から久美子が覆いかぶさってくると真希の耳に熱い息を吐きかける。

 「私の愛撫もそんなに悪いもんじゃないのよ。あなたの姉さんと毎日、愛し合ってるのよ」

 姉と聞いて真希の動きが止まった。真琴がレズの愛を事によってこんな女と交わしているとは真希にはにわかに信じられ無かったのだ。

 「嘘!嘘よ」

 真希は言下に否定すると久美子の顔を睨み付けた。

 「それなら、見せて上げる。さあ、いらっしゃい」

 真希が引き摺られるように久美子によって部屋を出されると松井が待ち受けており、その小さな身体を抱きとめられる。

 「嫌、離してよ」

 栗山以外の男に対して免疫の出来ていない真希は金切り声を上げ激しく身悶える。

 「ふふふ、青い匂いがするぜ。俺もやってみたいぜ」

 松井に硬い乳房を揉まれた真希は怒りを漲らせた視線を久美子に向けた。

 「こんな事をして栗山さんが黙っている筈、無いわ」

 「煩いわね。とにかく行きなさい」

 真希が連れ込まれたのは多くの娘たちが涙を流したプレイルームだった。

 「裸にしますか?」

 「そのままでいいわ。台に括りつつけて頂戴」

 久美子に言われた松井は軽々と真希を抱き上げると下ろされている机の上にその跳ね回る身体を固定する。

 「私をどうするつもりなのよ!」

 罵声を吐きながら身悶えていた真希であったが両手を開いて机の上に固定される跳ね上がったスカートの裾が元に戻らない恥ずかしさに頬を染め、声を潜めて啜り上げるのであった。

 「ご覧なさい」

 久美子の声に真希が目を開くとそこに姉が立っていた。以前より幾分とふっくらとした真琴は真希を見詰めて複雑な表情を浮かべている。

 「お、お姉ちゃん!」

 懐かしさから声を上げた真希は何とか姉の近くに行こうと虚しい足掻きを始める。それを見て真琴は真希の傍らに立つとその泣き濡れた頬を撫で擦った。

 「久美子先生の言葉に逆らっちゃ駄目よ。私が゛大好きな人なのよ」

 真希は姉の言葉が信じられぬとばかりに激しく首を振って見せた。仲が良さそうに久美子が真琴の白いワンピースに包まれたくびれた腰を抱いても真希には信じられなかった。

 しかし、二人が口を合わせ真琴がうっとりした表情を見せると真希も久美子の言葉を信じない訳にはいかなかった。

 真琴は唇を離すと火照った頬を見せて巻きの顔を覗き込んだ。

 「お姉ちゃんは久美子先生が好きなのよ。あなただって判るでしょう?相手が女だからって毛嫌いするのはおかしいわ。あなたも久美子先生に全てを任せなさい」

 真顔になって訴える真琴を見て真希は姉が脅されているのではないことは判った。しかし、真希にはそれは受け入れられない事であった。

 「嫌、嫌よ」

 久美子が無遠慮に薄いシャツの上から小さな乳房を掴み、緩やかに揉み始めると真希は大袈裟な悲鳴を放ち、頭を左右に打ち振った。真希に対する冷酷な愛撫を続けながら久美子はその可憐な肉体を観察する。この年代の少女は男に対する恐怖から女から愛を受け入れ易い筈なのに真希は拒否の姿勢を貫いている。栗山という男を知ったためか?他に原因があるのか?久美子には判らなかった。

 「そんな事、言わないで。いい子になさい」

 スカートのホックを外され、久美子の指先をその部分に感じた真希は辛そうに眉を寄せた。しかし、頬を擦り合わされ、熱い吐息を耳元に受ける内に真希の身悶えは徐々に弱まり、遂には甘美な声を洩らし始める。

 「ご覧なさい。私の事が嫌いじゃ無くなってきたでしょう?さあ、キスさせてね」

 一瞬、拒否の姿勢を見せた真希ではあったが強引に押し付けてくる久美子の唇を避け切れず、遂に口を塞がれてしまう。舌先の愛撫を行ないながら、パンティの中に手を入れた久美子は真希のその部分がすっかりと潤んでいるのを確認して安心した。栗山に対しては魔性ぶりを発揮する真希も自分の手管に掛かっては造作なく女の生理を引き出されているのを知って久美子は満足の笑みを浮かべた。

 「真琴。あなたがして上げなさい」

 不意に指名を受けた真琴は怪訝そうな表情を浮かべて久美子を見た。

 「明後日、お客様が見えるのよ。その席であなたちの姉妹のレズショーを見せる事にしたの。血が繋がっている方が刺激的でしょう?そのために慣れていて欲しいのよ」

 久美子に言われては真琴も致し方ない。服装を乱したまま、啜り上げる妹を見ると自ら欲情を高めるように乳房を揉むと机の上に上がるのであった。

 「真希。今度は私が相手よ。覚悟してね」

 添い寝をした真琴に囁かれた真希はこっくりと頷いて見せた。火を付けられた身体の火照りを沈めなければじれったい感覚から逃れられないと真希は思っていたのだ。やがて真琴の愛撫を受けながら真希は燃え上がってゆく。姉妹同士で貪りあう二人を久美子は目を細めて見詰めるので合った。

地獄の特訓

 久美子が三階に上がると三枝はキャンバスに向かっている最中であった。今日は麻美と由希が背中合わせに縛られて天井からのロープに吊られていた。二人の足元には洗面器が置かれている。明後日の余興の一つ、同時、発射、同時、止めの訓練を受けていたのだ

 三枝は久美子の姿を認めると二人に待つように告げた。

 「どうでした?真希は」

 「今、姉妹でベッドに入ってるわ。明後日のショーもしっかりと務めてくれると思うわ」

 「そいつは良かった」

 三枝は思い通りに運んだ事に笑顔を洩らした。しかし、久美子の表情は今ひとつ浮かなかった。

 「あの子は多重人格のようね。栗山さんの前で見せる表情の片鱗さえ無かったわ」

 「多重人格?そんな事があるのか?」

 「セックスをする時、女は大抵、そうだけどあの子の場合はそれにも多面性があるということね」

 「では栗山に対する態度は今後も変わらないと?」

 「ええ、おそらくね」

 久美子は意味ありげな笑いを浮かべて三枝の肩に手を置いた。

 「しかし、栗山と真希をくっつけて置くことは危険じゃないか?あの日だけで栗山は六回も射精してる。何とかしないと・・・」

 三枝は視線を下に落した。今日まで二人で築き上げてきた王国が栗山の真希への思い入れで崩壊することだけは避けたいと三枝は思っていたのだ。

 「行き着くとこまで行ったら彼も気が付くと思うわ。その時は手遅れかも知れないけど」

 「何か妙案はないかな?」

 「あなたが説得したらどうなの?」

 「無理だ。他の男に真希を抱かせたらどうなると思う?」

 「変わらないわよ。それがあの子の多面性の凄いところなのよ」

 久美子の言葉に三枝は溜息を付いた。

 「今暫く、見守りましょう」

 久美子はそう言うと吊られている二人の近くに寄った。もうかなりその姿勢を強いられているらしい二人はがっくりと首を項垂れていたが久美子が傍らに来たことで緊張の表情を浮かべ始める。

 「いい?二人とも同時に発射して、同時に終わるのよ。タイミングがずれたら何度でもやり直しをさせるわよ」

 久美子の言葉に由希は首を激しく振った。

 「出来ない。出来ないわ。そんな事」

 「三枝さんの芸術のためよ努力しなさい」

 久美子はそういうと二人に排尿を促すのであった。

 「麻美、いい?始めるわよ」

 由希が頬を赤らめる囁くと麻美はこくりと頷いた。

 「三、二、一」

 由希がカウントダウンを終えると二人の股間から同時に水しぶきが迸った。

 「うまいわよ。今度は同時に止める事が大事よ」

 久美子は腕組をして二人の少女の放尿を楽しそうに眺めるのであった。三枝は食い入るようにそのシーンを見詰め一心不乱に筆を動かしている。

 「由希ちゃん。もう、止まりそうなの・・・お願い」

 「あっ、まだ、駄目よ。止まんないよ」

 麻美が訴えても由希の勢いは衰えを見せなかった。

 麻美の放尿が終わってから十秒後に由希の排泄は止まった。

 「駄目ね。明後日のショーまでには完璧に出来るように訓練を積んでもらうわ」

 久美子の無理難題に二人の少女は啜り上げるだけであった。どうやって排泄をコントロールするのか奇跡の一致が無ければそれは不可能だと由希は考えていた。

 「いい?由希。麻美が終わりそうだって言って来た時、あなたは何をしたの?何もしなかったでしょう?下腹に力を込めて勢いを強めて早く排泄するようにするのよ。そうしなければ一致は難しいわ。勢いを失ってからの滴り程度ならこっちも多めに見て上げるから」

 二人に水を飲ませた久美子は暫くの休憩を与えてから三枝の絵を覗き込んだ。

 「まあ、随分と描けたわね。もう、少しで出来上がりね」

 「ああ、そっちの方は終わりそうにないけどな」

 三枝は苦笑を浮かべながら筆を動かし続けている。

 「こっちは何とか一致するまで徹夜でもやらせるわ。要は二人の呼吸なのよ」

 「お前も厳しいな」

 久美子の目が余りに真剣なので三枝は舌を巻く思いになった。男だとこうまで女に対して厳しくは出来ないのである。

 「そうよ。この子達の失敗は私の失敗なのよ。何としても成功させて見せるわ」

 決意を新たにした久美子はもう一度、二人の方を向き直った。

 麻美が嗚咽の声を洩らしているのを目にした久美子の表情が険しくなった。

 「メソメソするんじゃないの。あなたたちも大変かも知れないけど見ている私たちも大変なのよ。真剣にやって貰わないと困るわよ」

 久美子の凛とした声が響くと二人の背筋がシャッキと伸びた。彼女の恐ろしさが身に染みているのだろう、麻美も涙を必死に堪えている。

 「呼吸を合わすのよ。いい?気持ちを一つにするの」

 久美子の命令で二人は数を数え始めた。哀れな少女たちの地獄の特訓はいつ果てることなく続いていた。

 前頁へ 次頁へ