栗山の説得
その日の午後、栗山は暗い気持ちで絵里の部屋を尋ねた。それは悲しい説得の始まりだった。
「あら、来てくれたのね。嬉しいわ」
絵里は栗山が自分を抱きに来たものだと思い、ズボンの上から肉塊を刺激して妖艶な表情を浮かべた栗山はそんな絵里を制して、ベッドに座らせるとおずおずと口を開いた。
「君には辛いかもしれないけどこの部屋を明け渡して欲しいんだ」
「え!どういうことなの?」
思いもかけぬ言葉に絵里は驚き、栗山を睨み付ける。絵里は自分が捨てられると思っていた。自分から愛を告白して精一杯尽くしてきた自負が絵里にはあったのだ。
「君は祐子の部屋で生活して欲しい」
「待ってよ。また、一人、妻を迎えるつもりなんでしょう?」
勘が鋭い絵里は栗山の魂胆を見抜いていた。栗山は頷くしかなかった。
「嫌よ。今まであなたのためにどれだけの事に耐えてきたと思ってるの?おしっこだって見せてきたし、ウンチだってあなたの前でするように我慢してきたのよ。その私を捨てるんでしょう」
「違うよ。君にも妻のままでいて貰うよ」
「わかるもんですか」
絵里は唇を尖らせたまま黙り込んだ。最近、栗山が絵里の元を訪れる回数は極端に減っている。祐子に尋ねても同じなので絵里は栗山が新しい女に熱を入れてるのを薄々感じていた。そこへこの申し出である。絵里は悔しかった。これだけの愛情を注いでいる栗山が自分を捨てるはずが無いと信じていたのである。
「承諾してくれるね?」
いきなり、確認をしてきた栗山の手を絵里は取ると自らの股間に導いた。
「私はあなたのいいなりよ。おしっこしろと言われればするし、部屋を開けろと言われれば開けるわ。あなたの望みには全て従います」
「有難う」
立ち上がろうとする栗山の手を絵里は離さなかった。
「命令して。おしっこをしろと命令して!してあげるわ」
絵里は自分の素直さ見せて栗山を繋ぎとめようとしているのだそのいしじらしさは栗山にとって痛いほど判る。しかし、真希の魔性の性に触れた以上、結論は翻るはずも無かった。
「判ってくれよ。君の気持ちは痛いほど判っている。でも理解してくれ。君を奴隷に戻そうとは思っていない。夕方までには祐子の部屋に移ってくれ。祐子には僕から話しておく」
項垂れたままの絵里にそれだけ言うと栗山は部屋を出た。何故かやり切れない気持ちだった。虚しさを誰かに話さなければならないと感じた栗山は三階に上がった。
三枝が久々にキャンバスに向かっていた。そのモデルを目にして栗山は息を飲んだ。
全裸の弘美が胡坐縛りにされ宙に浮いているのだ。両を縛った縄は胸に繋ぎとめられ臀部を下にして吊られている弘美は苦しそうに顔を歪めている。その下には大きなたらいが設置されているのを目にして栗山は三枝の目論見を理解した。
傍らに立つ母親の忍が盛んに言葉を掛け、勇気付けてはいるが弘美は苦痛を訴えている。
「おお、栗山さん。絵里に話したんですか?」
「ええ、承知してくれました。辛かったです」
栗山は疲れ果てたように言うと三枝の隣に腰を落として苦悶する弘美を眺め始めた。
「そうですか・・・弘美の苦しがるとこを見て気分を晴らしてください」
三枝は忙しそうに筆を動かしながら言葉を続けた。
「今回の絵は大作です。美少女、極限の排便とでも名付けましょうか?あのまま、便意を催すまで吊るしておきます。忍が弘美を使って描いてくれと言い出しましてね。描いてるわけなんです」
弘美は既に十分以上宙吊りにされ、全身を激痛が襲っていた。しかし、排便するまで下ろされない弘美は盛んに気張っているのだがその兆候さえ見えてこない。
「痛いよ。お母様!許してよ」
遂に弘美は泣き声を上げて哀願し始めた。しかし、忍は娘を許そうとはしなかった。
「あなた。そんな弱虫だったの?三枝さんに気に入られるように早くウンチを出しなさい。それまでは泣いても喚いてもこのままよ」
母親にまで突き放された弘美は涙を流しながら歯を食い縛った。何とか排便を促そうと必死の努力を続けている。
「随分、厳しいですね」
「ああ、、俺に気に入られようとしているんだろう。忍は。しかし、度を越すのも考えもんだな」
三枝はまるで我が子を苛めているような忍の事を苦笑するのだった。
不意に弘美が呻き、大きく首を仰け反らせた。
「で、出る。出るう〜〜〜」
弘美が待ちに待った排泄が始った。鈍い音を立てて排出物が落下すると三枝は目を輝かせ筆を握りなおした。咽び泣きながら不自然の姿勢で排泄を続ける弘美はこれでこの窮状から脱せられると気の遠のく思いを味わっていた。母親が三枝と結婚している弘美でさえこの有様である。少女たちの地獄の日々はまだまだ続くのであった。
蟻地獄
その日の夕刻、絵里が退去した部屋に真希は入居した。個室に入れた事と服が着れる喜びに真希ははしゃいでいた。
「ねえ、してみない?」
真希は中学生とは思えぬ言葉を吐くと妖艶な眼差しを栗山に向けた。
「したいのかい?」
栗山が尋ねると真希は表情を一変させ、怒ったような顔で口をを開いた。
「意地悪な事、聞くのね。もう、させて上げないから」
真希が服のままベッドに潜り込んだので栗山は慌てに慌てた。
「悪かった。もう、意地悪しないから、させてくれよ」
毛布を被った真希の上に乗って栗山が訴えても真希は顔をも見せずに拒否をし続けた。もう一度、奴隷に落とすと脅しの言葉は出てこない。栗山は何度も何度も真希にお願いするのだった。
「判ったわ。私のお尻の穴を綺麗に嘗めてくれたら許してあげる」
ようやっと顔を出した真希は魔性のような笑みを浮かべて栗山を見るのだった。
「嘗めてあげるよ」
「私がウンチした後すぐ嘗めるんだよ」
「構わないよ。出すとこを見せてくれれば」
真希は排泄好きの栗山の性癖を知ってたかのような要求を突きつける。栗山は即座に承諾した。
ベッドから抜け出た真希は思い切りよく全裸になるとカーテンを開いたまま便器に座った。かつて、そこに座っていた絵里は栗山に見られる時、決まって頬を染め、視線を逸らしていたものだった。しかし、真希は見られることが当然のように栗山に微笑んだ。
「もっと、近くへ来て。見たいんでしょう?」
栗山は突き動かされるように真希の開いた両足の間を覗き込んだ。
「恥ずかしくないのか?」
「お尻の穴を嘗めて綺麗にして貰うんだから、この程度は平気よ」
余りにも堂々とした態度を栗山が尋ねると真希は当然のように答えて微笑んで見せた。
やがて、小さな破裂音が響き、異臭が漂い、真希の排便が開始された。栗山はそれを食い入るように見詰めながらあのオシメを取り替えられたときの真希の態度と余りに違うその姿を不思議に感じていた。どっちが真希の本当の姿なのだろうか?
ともあれ、排便を続ける真希の姿に栗山は欲情した。服を無造作に投げ捨てた栗山はおかしいと思いながらも真希に笑われながら手淫をしてしまうのだ。
「駄目よ。出さないでね。私にとっておいて」
真希に笑われながら言われた栗山は間一髪のところでそれを止めた。お預けを食った飼い犬のように栗山は真希を見上げるのであった。
「さあ、お嘗めなさい」
水を流した真希はそのまま床に寝転ぶと栗山の前に尻を突き出した。
「出来る?栗山さん。私の事、好きなんでしょう?」
栗山は汚れの残る真希のその部分に目を凝らした。排泄フェチの栗山にとってもそれは初めての経験である。汚物に塗れたその部分を舌で拭うことなど考えてもいなかった栗山はその匂いにやはり躊躇してしまう。
「どう?出来ないでしょう。汚いもんね」
首だけ捻じ曲げた真希は勝ち誇ったような笑みを見せて泣き出しそうな顔をしている栗山を嘲るのだった。
「私の勝ね。もう、さして、上げない」
腰を引こうとする真希に栗山は慌てた。このまま、決断しないと永遠に真希から嫌われると錯覚した栗山はその細い腰を捉まえると双丘の間に顔を埋めた。
「あっ、くすぐったい」
栗山の舌先を感じて、真希は身体を捩って逃げようとした。しかし、栗山はがっしりと腰を捉まえて身悶えを封じ、狂ったように舌を動かした。実際、嘗めてみると栗山はそのソフトクリームのような感触に酔っていた。決して汚いものでは無かった。むしろ、他では味わえぬ貴重な体験を自分はしていと栗山は思うようになり、夢中で舌を動かしていた。
嘗められている真希は感涙に咽んでいた。困らせてやろうと仕掛けた意地悪な要請を栗山が本当にするとは思っていなかった真希は栗山の真剣さに感激し泣きじゃくっていたのだ。
綺麗に汚れを拭いとった栗山が身体を起こすと真希はその旨に飛び込み、激しく唇を求めてきた。
「止めろよ。汚いよ」
栗山の制止しを無視した真希は泣きじゃくりながら口を合わせ、舌を絡まり合わせた。
「じゃあ、いくよ」
こっくりと頷いた真希に座ったまま挿入した栗山はゆっくりと腰を動かし始める。真希の美肉に食い締められたそれは忽ちにして達してしまう。しかし、栗山は構わずそのまま動かし続ける。この世の果てがあるならそれを真希と見て見たい気分だった。
栗山に突き動かされながらすすり泣く、真希も本当に一つになれた気分だった。これからは意地悪しないで栗山の望む女になり、この異形の空間で生きていこうと決意した真希はめくるめく快感の渦に飲み込まれながら、栗山と一つになれた事に悦びを覚えていたのだ。
由里の悲哀
その夜、松井と塩野が地下室に姿を現すとガラス部屋の奴隷たちが緊張した。彼らが奴隷の中を誰かを抱きに来るからだ。
「由里、抱いてやるぜ」
扉を開いた松井に声を掛けられた由里はよろよろと重そうに身体を起こした。準奴隷の時には彼らとはしゃぎながらセックスに応じていた由里であったが奴隷に降格させられてからは初めてのことだった。
「手を後に廻しな」
緊張した面持ちで由里が出てくると松井は縄を手にしていた。
「お前とは随分と遊んだからな、身体が懐かしくなってな。今日は塩野とふたりでこってりと可愛がってやることにするぜ」
拉致された当初、二人に犯されたことはあったがそれからは一対一のセックスであった。二人で弄ばれると聞いて奴隷に降格された事を思い知らされた由里は気持ちを重くさせながら縄を掛けられていた。
「さあ、行こうぜ」
後手にかっちりと縛り上げられた由里の肩を叩いて松井は促した。
「糞、やりたいな」
檻の中から由里が連行される姿を見ていた徹が言うと松井は笑いを浮かべて徹を見た。
「お前、あれだけやりまくってもう平気なのか?呆れたな。まあ、元恋人だから、サービスしてるか」
松井に笑われても徹は目前に晒されている由里の剃毛された下半身に目を凝らしながら忙しく片手を動かしている。
「足を開いて、よく見せてやれ」
悔しい表情を浮かべて足を開いた由里の裂け目を松井が指を使って更に寛げると徹は目をぎらつかせ、一心に手を揺り動かす。
「早くしろよ。こっちもやりたいんだから」
松井に促されるまでも無く徹は瞬く間に欲望を排出した。
「綺麗にしとけよ」
鉄格子の中にティッシュを放り込んだ松井は尻を叩いて階段を上らせ始めた。徹はそその揺れ動く臀部を見詰めて溜息を付くのだった。
塩野と松井は一階に個室を与えられている。トイレも風呂もないベッドがあるだけの殺風景の部屋が彼らの住処だった。
「そこに座れ」
由里を床に座らせると二人は裸になり、ベッドの上に腰掛けた。
「奴隷らしく挨拶しな」
松井に促された由里は自分の惨めさが身に染み熱いものが込みあがってきた。二人とセックスする時は対等の立場だったのだ。判っていても彼らが奴隷としてしか自分を扱ってくれない事に悲しみを覚えるのだった。
「今夜は可愛がって下さい。宜しくお願いします」
喉を詰まらせながら挨拶すると松井はニヤリと微笑んだ。この男も女を虐げながら弄ぶのが好きなのである。
「じゃあ、挨拶代わりに塩野の一物をしゃぶってやんな」
松井に言われた由里は膝立ちになると塩野の前に進み、その力を漲らせ始めている一物を咥え込んで緩やかな愛撫を開始した。
すかさず、松井は由里の背後に廻ると両手を廻し、豊かな乳房を揉み始める。松井の愛撫を受け、由里の舌先にも熱が篭ってきた。激しくそれは動き回り、塩野を頂点に追い立て始める。
「それだければ十分だ。奴と繋がんな」
塩野が快感を堪えている表情を見せ始めたので松井はそれを中止させ、由里をベッドに載せ上げた。
仰向けになった由里の上に塩野が覆いかぶさり、激しく腰を動かし、淫靡な音が響き始めると松井は床に座り込み、タバコを吸ってビールを煽るのだった。三枝とつるんで悪事に身を染め、かれこれ一年が過ぎようとしている。松井にとってはこの生活が永遠に続いてくれることが理想だった。元来、働くのが不得手で職場を転々とした彼にとってはこの上ない場所だといえる。しかし、彼にとっても引き際は肝心だった。真希という危険分子が取り込まれこの王国に崩壊の兆しが見え始めていることも彼をそんな気持ちにさせていたのかも知れない。栗山は夕食にも現れず真希と部屋に篭りっ放しだ。明日から三日間、栗山が東京に帰る事になっているのでその間に真希を色々試そうと久美子と三枝が話しているのを耳にしていた松井は塩野と由里の淫らな構図を目にしながらけだるい空想に浸っていた。