浣腸競艶

 同じ頃、祐子と絵里は松井に先導され、風呂場への向かっていた。

 今日から五日間、栗山が現れるまで大便を我慢しなくてはならない二人は浣腸を受けに行くために風呂場に足を向けている。

 祐子は自分の前を歩く、絵里の裸体を見ながら不思議な親近感と嫉妬の入り混じった妙な感覚を覚えていた。自分は栗山を嫌っていたのに彼と身体を合わせている内に隷属的な関係ながら愛情を覚えてしまったのかもしれない。それで別れを切り出された時に二号でも良いと口走ったのかもしれない。祐子はそんな思いを感じながら風呂場に入った。

 中では栗山が浣腸の準備を整えて二人を待っていた。

 「待ってたよ」

 栗山が言うなり、絵里がいきなりその胸に飛び込んで来て栗山を慌てさせた。祐子がじっと二人を睨みつけているのだ。

 「私、どんな事でも我慢するよ。好きなんだもん」

 絵里はそんなことなど気にせず栗山と頬を擦り合わせては溜息を付いている。

 「熱いですな。ご両人」

 松井にからかわれて頬を赤らめた絵里がようやっと離れると栗山は浣腸器を二人の目前に突き出した。

 「これから二人に浣腸します。別に我慢した方が有利になるとか言うことは有りません。私が次に訪れるまで、ウンチを我慢してくれれば良いのです」

 栗山は絵里がクスクス笑うので幾分、照れながら説明を終えた。彼女の可愛らしさが身に染む栗山であった。

 「じゃあ、祐子からここに来て、お尻を突き出して」

 言われるままに祐子が尻を差し出すと栗山は極めて事務的に浣腸を施した。

 「優しくしてね」

 絵里がそんな事を言って目の前に可愛いお尻を突き出すと栗山の表情も崩れだす。

 「じゃあ、するよ」

 栗山によって溶液が体内に注ぎ込まれると絵里はその感触を楽しむかのようにうっとりとした表情を見せている。栗山もできるだけゆっくりとポンプを押している。

 まるで恋人同士がゲームを楽しむかのように絵里が浣腸をされている姿を目にし、祐子は敗北感を募らせている。しかし、女の意地としてここであっさりと引き下がるわけには行かなかった。

 「ねえ、一緒にお風呂、入ろうよ」

 絵里が祐子や松井の存在など無視するかのように腕を取り、甘えながら訴えてると栗山も頷いてしまう。

 栗山が手早く、服を脱いで風呂に飛び込むと絵里も隣に身体を沈める。

 押し付けてくる絵里の乳房を感触を楽しむかのようにゆっくりと栗山が愛撫していると祐子も風呂に入ってきた。

 「私もご一緒させて戴くわ」

 二人でも窮屈な風呂からは大量のお湯が溢れ出した。

 栗山は二人の女に挟まれて困惑した表情を浮かべながら入浴を続けている。

 「ああ、そろそろ出したくなっちゃった」

 栗山に乳を揉まれて、それまで目を閉じてその刺激を受けていた絵里は立ち上がると洗い場の隅に行って腰を屈める。

 栗山が間近に寄って見物しようと腰を浮かせるのを祐子が押し留めた。

 「私の事も少しは構ってよ」

 祐子に乳房を握らされた栗山が腰を落とすと白い指が股間に伸びてきた。

 「おい、止めてくれよ」

 栗山が曖昧な拒否を浮かべても祐子は止めなかった。栗山の一物をしっかりと握り締めた祐子はお湯の中で激しく手を揺り動かす。栗山はそのままの姿勢で絵里の排泄を見るしか手立てがなくなった。

 「私の事、捨てないで、捨てないでね」

 念仏のように同じ言葉を繰り返しながら祐子は栗山を追い詰めてゆく。

 浴室の隅では絵里が下品な音を立てながら排泄しているというのに栗山はそれを見る余裕はない。

 「うっ」

 目を閉ざした栗山は無理矢理、欲望を排出させられた。

 「うふふ、いっちゃったのね。嬉しい」

 祐子は栗山の白濁を目にすると小悪魔的な笑みを浮かべてその横顔を覗き込む。

 栗山は祐子の執念のようなものを感じ、自分の考えが甘かったことを思い知らされた。絵里と熱々の場面を見せれば祐子が諦めると思っていたのだ。しかし、女の感情は複雑だった。

 排泄を終えた絵里は水面に浮き沈みする栗山の残滓を目にして唖然とした表情を浮かべた。しかし、すぐに気を取り直した絵里は栗山に笑い掛ける。

 「もう、一回して欲しいわ。まだ、すっきりしないの」

 さすがに祐子も絵里の強烈なアタックにたじたじとなる。再び、元気を取り戻した栗山は湯から出ると浣腸器を手にするのであった。

 その光景を見て祐子は栗山の歓心を取り戻すことは並大抵でないことを思い知らされていた。

三人のディナー

 午後一杯、休養を取らされ、娘との静かな時間を過ごした忍は夕刻になり、娘と入浴を済ませ、松井の部屋に連れ込まれ、そこで由里と恵子によって入念な化粧を施されていた。

 忍は三枝によってこの身を汚されることを覚悟していた。しかし、今更、動じても致し方ない忍は軽く瞑目して彼女たちの化粧を受けている。

 「ほら、綺麗になったよ。奥さん。これでおしゃぶりすれば三枝さんも大喜びさ」

 真紅に塗られた唇を恵子に指差されても忍は表情を変えず、鏡の中の自分に見入っていた。連日のように極致の辱めに遭い、涙を流し続けている自分の顔が幾分、痩せた感はあるものの、その凄艶さが却って引き立って見える自分の顔を忍は不思議そうな思いで眺めていた。

 「今度は娘にも化粧してやるよ。奥さんはベッドの上で休んでいな」

 由里に促され、前手錠を嵌められた裸体を忍が落ち着かせると弘美のメイクに恵子たちは掛かりだした。忍はそんな光景をぼんやりと眺めていた。例え、この身が汚されても心だけは綺麗でいたいと忍は思っていた。それを弘美にも言い聞かせていた忍であった。

 「さて、この程度でいいわね」

 恵子は弘美のメイクを終えると由里の顔を見る。

 「奥さん。このまま、連れ出すの?何も着ていないなんてなんてちよっと可哀想」

 「いいんじゃない?。三枝さんはその辺、厳しいから。弘美だけ着替えさせましょう」

 奴隷用の衣装戸棚からピンクのTバックを取り出した由里はそれを弘美に穿かせて満足げな笑みを洩らした。

 「可愛いわ。あなたにピッタリね」

 由里に尻を叩かれた弘美は寂しそうに顔を伏せる。やはり、母親が三枝に抱かれるという事実が弘美の気持を重くしている。

 「さあ、行くわよ」

 由里に声を掛けられた忍は疲労の残る身体を立ち上がらせた。

 栗山と大野が去り、いつもの静けさを取り戻した中を忍と弘美は歩まされている。もうすぐ、母は悪魔のような男の餌食になると思うとその寂しそうな背中を見ながら弘美は涙が溢れそうになる。しかし、涙を見せれば由里と恵子に冷やかされるに決まっている。弘美は涙をぐっと堪えながら歩を進めていた。

 食堂のテーブルに三枝は既に待ち構えていた。

 「おお、来たか。そちらに座りなさい」

 二人は手錠を外され、三枝の反対側の席に座らされた。

 「まず、これに署名、捺印しなさい。離婚届が必要です」

 忍は言われた通りに離婚届に署名し、用意されていた印鑑を押した。離婚届を書いても忍は特別な感情は湧かなかった。奴隷宣言した以上、彼らに逆らうことは出来ないと淡々とした思いでペンを走らせる忍であった。

 離婚届、婚姻届に署名と捺印を貰った三枝はそれを大切そうに胸のポケットにしまった。それらは役所に提出されるわけではないが奴隷に与える心理的影響を考えて三枝は書類を作成しているのである。

 片付けられたテーブルの上に料理が次々と運ばれてきた。三枝は塩野が腕を振ったフランス料理を忍親子と味わって、挙式に変えるつもりだった。

 三枝は忍と自分のグラスにワインを注ぎ、乾杯を促した。

 「さあ、グラスを合わせなさい。二人の記念です」

 ジュースを手に持った弘美も加わって三人はグラスを合わせた。

 黙々と食事は進行してゆく、余り、話題も振らない三枝なので食卓は静かなものだった。忍はあまり食欲がなさそうだったが弘美は次々に料理を平らげ三枝を苦笑させる。

 デザートを終えた三枝はロープを手にすると忍の背後に廻った。

 「やはり、縛られるんですね?」

 「ああ、私は縛るのが趣味でね」

 忍が素直に両手を背中に廻すと三枝はキリキリと縄を巻き付ける。それを目にした弘美は物悲しい表情を浮かべ、哀れな母を眺めている。

 「よし、では行こうか」

 縄尻を取った三枝に背中を叩かれた忍が歩き出そうとすると弘美がその背中に呼び掛けた。

 「お母様!」

 忍の前に走り寄った弘美はその豊かな胸に顔を埋めると声を上げて泣きじゃくった。これから三枝に抱かれる母の気持を察した弘美は溜まらなく悲しい思いに駆られたのだ。

 「心配しないで。お母さんは大丈夫よ」

 頬を震える頭に擦り付けるようにして忍は弘美に話しかける。そんな、忍の瞳にも涙が溢れてくれる。両手を括られ、前を覆う自由も奪われたまま男に抱かれなければならない忍の心も悲しいのだ。

 三枝が目配せを送ると由里が背後から弘美の肩を掴んだ。

 「もう、駄々をこねないのよ。お母様はこれから初夜を迎えるんだからね」

 弘美が忍の身体から離れると三枝は忍の尻を嫌らしく撫で回した。

 「さあ、歩いて」

 その感触に緊縛された裸身をブルッと震わせた忍は弘美の方を振り返りもせずにゆっくりと歩き始めた。その背中に弘美の悲痛な叫びが追い討ちを掛ける。

 「お母様。泣かないで。私が居ることを忘れないで」

 足を止めずに大きく頷いた忍は弘美からのメッセージを胸に刻んで三枝に引き立てられて行った。

三枝の初夜

 部屋に連れ込んだ三枝は忍をベッドの上に座らせると自分はその前にどっかと腰を落した。

 「奥さん。俺に抱かれるのが怖いのかい?震えてるじゃないか」

 ピッタリと合わした太腿が震えているのを目にした三枝がからかいの言葉を掛けると忍は挑戦的な眼差しを向ける。

 「あなたに抱かれるのが嬉しくて堪らないのです」

 忍の強気を鼻で笑った三枝は狡賢そうな視線をその暖かそうな裸体に向ける。

 「足を開いてご覧。奥さん」

 ポッと灯が灯ったように頬を赤くした忍はおずおずと股を開き始める。

 「もっと、開きなさい」

 僅かにしか開かなかった足を諦めたように忍はぐいと削ぐように開いた。陰毛を取り払われた忍の股間がくっきりと姿を現すと三枝は隠微な笑みを浮かべてその部分に目を近づける。

 指でその部分を突付くと忍は思わず太腿を閉じ合わせようとしてしまう。

 「まだ、奴隷になり切ってないね。奥さん」

 「いいえ、もう、心も身体も奴隷ですわ。なんでもおっしゃる通りに致します」

 忍が伏目がちながらはっきり声に出して誓うと三枝はその隣にぴったりと身体を押し付けるように腰を落した。

 「では、少し、テストをしてみようか、奥さん。ここは何ていう名前なんだ?」

 三枝は縄に締め上げられている乳房を擦り上げた。

 「そこはおっぱいですわ」

 やや、口篭りながら答えた忍をほくほくした思いで眺めていた三枝だったたが更に意地悪さを発揮する。

 「そんな、色気のない答え方でどうする。そこは忍の何々でございます。どうぞお嘗め下さい。って答えるんだ。いいね」

 忍をベッドに横たえた三枝は再び羞恥遊びを再開する。

 「では聞くよ。奥さんのここは何て言うんだい?」

 再び、乳房を突付かれた忍は鼻に掛かったような声を出した。

 「忍のおっぱいでございます。どうぞ、お嘗め下さい」

 「では遠慮なく」

 三枝が乳首を口に含んで舌で転がすと忍は切なそうな顔をして首を仰け反らせた。

 「さあ、ここは何て言うんだい」

 三枝の指は一気に忍の無毛の秘裂に到達した。

 「そ、そこは・・・」

 さすがに頬を赤らめた忍は首をかすかに振って、言い淀んでしまう。そんな羞恥の風情は三枝を刺激する一方なのである。

 「さあ、いいなさい。今日はここが大活躍するんだから」

 三枝のタバコ臭い息を吐きかけられると忍は哀願の篭った瞳を向ける。

 「そこは許して、言えません」

 「奥さんは奴隷だって自分の口で言ったんだよ。その約束をさっそく反故にするのかい?」

 真赤になった頬を震わせて必死の眼差しを向ける忍の哀訴はあっさりと退けられた。

 忍はかつて夫に聞かされてはいたが口に出したことの無い言葉を吐かなければならなかった。

 「そこは・・・忍の・・・お、おまんこでございます。どうぞ、お嘗め下さい」

 遂に禁断の名称を口にした忍はその恥ずかしさに身体をくねらせ、シクシクと啜り上げる。三枝は忍をまた一つ陥落させたことに喜びを覚え、そのユラユラと揺れる股間に顔を埋める。

 「ああ、嫌、嫌」

 三枝の舌先の愛撫を受ける忍は狂ったように首を振り回した。しかし、忍への前戯に没頭している三枝はそんなことには無頓着に舌先を使い、忍を狂わせてしまう。

 遂に三枝の術中に嵌り、甘美な啜り泣きを洩らし始めた忍は情欲に溺れてゆく自分を感じ取っていた。

 さっき弘美と交わした約束を何とかして思い出そうとする忍だったが指先まで動員されるともうどうにもならない。体勢を入れ替え、唇を合わせてきた三枝の舌を思い切り吸い上げてむせ返るような息を吐いた忍を攻略することはいとも簡単だった。

 もどかしげに服を脱ぎ、その肉がだぶついた裸体を晒した三枝は忍の両足を抱えると一気に刺し貫いた。

 その瞬間をむしろ待ちわびるように腰を揺らせた忍は三枝の腰の動きに操られるように身体を上下させ、快感を一気に高めてゆく。

 獣になった男と獣になり果てた女の痴戯はいつ果てることなく続いてゆくのだった。

 前頁へ 次頁へ