迫る魔の手

 祐子と良美は食事を与えられてから折檻部屋で何事も無く過ごしていた。

 不安感に押し潰されそうな時間が続いているのだが食べ物を摂った事で幾分、安心感が生まれたのだろう良美も祐子も毛布に包まって寝息を立てていた。

 ふと目を覚ました良美は祐子が眠っているのを確認すると足音を忍ばせて排水口に近寄るとその上にしゃがみ込んだ。

 仄かな水音と臭気が良美の股間から立ち上った。誰も来ないうちに、祐子が寝入っている間にと良美は用を足しているのだ。

 排水口を叩く、水音を気にしながら欲求を解消した良美は後始末をする物を探したがこの部屋にはティッシュのようなものは存在していなかった。良美は水道の蛇口を僅かに開くと排水口の辺り清掃するついでに自分の股間にもホースを使って水を振り掛けた。

 良美が再び毛布に潜り込んだ時に鉄の扉がゆっくりと開いた。

 姿を現したのは留美と恵子そして松井の三人であった。

 「あら呑気に居眠りなんてしてるのね」

 留美に蹴飛ばされた祐子は眠そうな目を開いて三人を見上げた。

 「あんたの身体を色々調べなくちゃならないのさ。さあ、立ち上がって」

 祐子が留美に腕を取られて立ち上がると松井が跳ね上がっていた大きな机を引き落とした。

 それは良美の頭上を塞ぐような形でセットされた。

 「さあ、乗りな」

 手錠を外しした祐子を留美は台の上に追い立てた。

 「な、何をするの?」

 祐子の怯え始めた表情を楽しむかのように留美は残酷そうな笑みを浮かべている。

 「女責めをするのさ。奥さんがどの程度、敏感なのかテストをするのさ」

 留美の言葉を聞いた祐子は台の上で小さくなって震え始めた。少女たちの手に掛かってそんな目に遭わされると知った祐子は途方も無い屈辱感に苛まれ始めたのだ。

 「さあ、仰向けにオネンネするんだ」

 松井によって仰臥させられた祐子は両腕を万歳するような格好で台に取り付けられた革紐で固定された。

 「さあ、足を開いて」

 留美は頑なに閉じあわされている祐子の太股を突付いた。

 「嫌、嫌よ」

 祐子は少女たちの視線にそんな箇所を目撃される辛さに固定された上半身を揺すって拒否の姿勢を見せる。

 しかし、留美は祐子には切り札が有ることを栗山に聞かされており、薄ら笑いを浮かべて羞恥に震える恥毛に目を注いだ。

 「そんな事を言っていいの?妹に代わりをさせるわよ」

 それを聞いた祐子の身体がびくっと反応した。良美の事を持ち出されては祐子に拒絶する術は無い。祐子は涙ぐみながら両足の力を抜いた。

 遂に両足を大きく開かされた祐子は大の字になって固定され。悪魔たちの攻撃を迎え撃つしかなくなった。

 「それにしても綺麗な身体してるね。こってりと責めてあげるわね」

 留美は身動きも取れず羞恥と屈辱に頬を赤らめている祐子の裸体を見ながら薄笑いを浮かべていた。自分より年上の癖に完璧な肉体を持つ祐子に留美は闘魂にも似た感情を抱き、自らの手でその情感をずたずたに引き裂いて狂態を露呈させてやると意気込んでいるのだ。

 「まぁ、柔らかい。おっぱい。食べたらおいしそうね」

 そんな事を言いながら留美がマシュマロのような柔らかさを持つ乳房を揉み始めると祐子はけたたましい悲鳴を放った。

 「止めて、そんなとこ。触らないでよ」

 留美の手で自らの肉体が解け崩されてゆくことに祐子は恐れに似た嫌悪感を感じ激しい声を発したのだ。

 「あら、私の手管が気に入らないの?」

 留美はべそを掻きそうな祐子の顔を睨みつけると屈辱に喘いでいる乳首を抓み上げた。

 「嫌なんです。女の人に悪戯されるのが」

 「ちよっと悪戯なんていう言い方は止めて欲しいわね。奥さんを楽しませてやるんだからさ。それとも妹に代わりをさせたいの?」

 またぞろ、切り札を持ち出され祐子は涙ぐむしか術が無くなった。

 祐子が覚悟を決めたと知った留美は本格的な愛撫を開始する。

 留美に左の乳房を、恵子に右の乳房を、そして、松井に太腿を愛撫されるうちに祐子の身体に潜む女に炎が点火された。

 松井が肉の合わせ目に指を差し伸べると祐子はむずかるように首を振った。

 「嫌、そこは、お願い」

 頬を染めて精一杯の哀願を洩らす祐子の横顔を楽しそうに見つめる留美はケラケラと笑い声をると

 「奥さんのそこを調べなきゃ話になんないじゃない」

 と、取り合わない。祐子はシクシクと啜り上げながら松井の指先にその身を委ね始める。

 松井の指先の愛撫を受けるうちに祐子の白い肌はピンク色に色付き、吐く息にも熱っぽさが交じり合うようになってくる。

 「この奥さん。すごく敏感みたいだぜ。とくにここが」

 松井は淫猥な笑みを浮かべると陰核を剥き身にして揺さぶった。とたんに祐子は半開きにした口から溜息を吐き、腰をガクンガクンと振わせる。

 「本当だ。もっと、虐めちゃいなさいよ」

 それを目にした留美はそんなことを言うと自分は屈辱に喘ぐ乳首を咥えると舌先で転がし始める。

 祐子はその刺激に眉を寄せ、辛そうな表情を浮かべていたが、突然、激しく、首を左右に打ち振り、悲痛な叫びを上げた。

 「嫌、ゆ、許してよ」

 松井が責めどころは心得たとばかりに、陰核を口に含み舌先の愛撫を執拗に加え始めたのだ。

祐子の屈服

 台の下に身を隠している良美は恐怖に身を震わしていた。頭上での物音や話し声で祐子がどんな目に遭っているか良美はだいたいの想像が付いた。悪魔たちの淫虐さに身も凍るほどの恐怖を感じている良美であった。

 俎上の祐子の懊悩はますます激しくなり、松井はバイブレーターを手に取った。

 「奥さん。止めはこれで差してやるよ。ほんとは俺の肉棒の相手をさせたいけど栗山さんの許可が無いと出来ないからな」

 「うふふ、見てご覧。あれがもうすぐ奥さんの中に入れられるんだよ」

 留美は可笑しそうに祐子の頬を突付き、不気味なうなりを上げているバイブレーターを指差して笑うのであった。

 祐子はそれを目にしてもさしたる狼狽は示さなかった。燃え上がった身体にそれを打ち込まれる事でこの羞恥地獄を逃れられるのではないかという淡い望みを抱いて熱い頬を台に擦り付けるようにして目を閉じ合わせる。

 「覚悟を決めたようだよ」

 留美の言葉に頷いた松井はバイブレーターをゆっくりと挿入するとリズムを取りながら激しく優しくそれを操作し始める。

 祐子は切羽詰ったような吐息を吐き、身体をくねらせバイブレーターに絡みつくような反応を見せ始め、悪魔たち術中にすっぽりと嵌ってゆく。

 「ねぇ、奥さん。とてもいい気持ちなんでしょう。何かとおしゃいよ」

 留美に上気した頬を突付かれた祐子は潤んだ瞳を開いて留美を見た。その表情から蕩けだすような色気を感じた留美は思わず唇を合わせてしまう。

 祐子の脳裏から少女たちに身体を溶かされているという嫌悪感はいつしか消し飛んでいた。目の前にある水に手を伸ばしても届かないというじれったさのような情感に支配され、大の字に固定された裸体をくねらせ、頂上に邁進して行くのだった。

 「あっ、あっ、往っちゃうぅ〜〜」

 留美が口を離した瞬間にそれは突然、現れた。固定された上半身を上下にうねらせ、攻撃を受けている下半身をピーンと緊張させて祐子は悪魔たちの軍門に下ったのである。

 「まあ、随分、派手ねぇ」

 留美は頂点を極めた祐子の反応の凄まじさに驚きの声を放ち、全身を痙攣させ続ける白い生き物の生態に目を瞠るのだった。

 祐子の筋肉が弛緩したのを目にした松井が矛先を引き上げると祐子は大きな溜息を付いてぐったりと顔を横に伏せた。

 「凄かったわよ。奥様。随分、激しいのね」

 留美が意地悪く祐子のはにかんだような横顔を見つめて言うと祐子はその言葉で自分が少女たちの目の前に狂態を晒した事を思い出し、嗚咽の声を洩らすのだった。

 更に留美は無残に広げられたままにされている祐子の下半身に目を注ぎ、その部分に目を凝らした。

 「このままじゃ、可哀想だからお掃除してあげる」

 ティッシュを取り出した留美が情欲の証を滴らせている肌を丹念に拭い始めると祐子は顔面一杯に恥じらいの色を浮かべ、嫌々と首を振るのであった。

 掃除を終えた留美は肉の合わせ目から首を出す祐子の陰核を見つけると残酷そうな笑みを浮かべ、それを指に挟んだ。

 「気持ち良さそうに尖らせちゃってさ。余程、楽しかったんだね」

 揺さぶられるたびに苦しげな息を吐き、悔しげに唇を噛み締める祐子の表情を楽しんだ留美は更に嗜虐心を加速させるとポケットからビニールて被覆された短い針金を取り出した。

 「ちよっと悪戯させてもらうね。奥さんを色っぽくするためだから恨まないでね」

 松井に陰核を抓ませるとその根本に針金を巻きつけ始めたのだ。

 「な、何をするの?馬鹿な真似は止めて」

 祐子は腰を跳ね上げ、何とか留美の手を逃れようとするのだが松井に押さえ付けられるとその足掻きも虚しいものになってしまい、咽び泣きながら針金をキリキリと巻きつけられてゆくのである。

 「やったわ。見事に突き出たわ」

 留美は祐子の股間に突き出すように誇張されたそれを見て満足の笑みを洩らして身体を起こした。

 それを括られた祐子はシクシク啜り上げながらも時折、甘い情感が込みあがってくるのだろう太股を震わせたり、腰を揺さぶっている。

 両腕の拘束を解かれ、上体を起こされた祐子はすぐさま松井に腕を取られ、後手に縛り上げられてゆく。

 「ひ、酷いわ。外してよ」

 額にまで汗を浮かべて訴える祐子を笑った留美は別のポケットから例の鎖を取り出した。

 「これで昨日は脂を絞られたんでしょう」

 その鎖を取り付けられ狂態を示した事を思い出した祐子ははっと目を逸らせた。

 「これを取り付けられるよりよっぽどましだと思うわよ。ねえ、奥様」

 祐子は何も言えずに頬をブルブルと痙攣させている。次々と繰り出される淫虐な責めに祐子の胸は今にも溢れ出しそうになってくる。

 「胡坐を組みなよ。奥さん」

 タイルの上に腰を落とさせられた祐子は留美に命じられると足を組み始めた。彼らの言いなりになって早くこの責苦を逃れようと祐子は考えたのだ。

 「これでよし」

 祐子の足首を紐で縛り上げ、胡坐縛りに留美が仕上げると松井がその前に立った。

 「奥様に今度はおしゃぶりのお稽古をして貰うわ。ここの女たちは皆、それを仕込まれて上達してるんだから、一番、年上の奥様が下手だったら笑われるからね」

 疲れきり、陰核を締め上げられる我が身を責め苛もうとしている悪魔たちに祐子は声も出ない。昨日まで平凡な主婦であった自分が何でこんな悲惨な目に遭うのか、祐子は運命を呪いった。

 「さあ、しっかりおしゃぶりするのよ」

 松井がいきり立った一物を祐子の眼前に突き付けると留美が緊張のために蒼白になった頬を突付いた。

 「嫌、嫌なよ」

 祐子がそれから顔を背け、吐き捨てるように言うと留美は髪の毛を掴み、その柔媚な頬を激しく打ち据えた。

 「何度、言ったら判るの?奥さんは色修行のためにここにいるんだよ。男のものをまともに見られないようでどうすんのさ」

 激しく叱責された祐子は自分が拒絶を突き通せば良美にやらせると悪魔たちが言い出しかねないと思うようになった。そのためにはこの醜悪な生き物の興奮を自らが沈めてやらねばと思うようになってきた。

 祐子はそれに悲しげな視線を這わすとそっと舌で先端を嘗め回した。

 憎みても憎みある男の一物を愛撫しなければなららない悔しさ、情けなさが込みあがってきて祐子は口を離すと涙に咽んだ。しかし、留美はそんな祐子に燐情の一辺も感じない。再び、髪の毛を掴んだ留美はそれを祐子の目前に突きつけた。

 「ないてる場合じゃないのよ。奥様。はやく始末してあげなきゃ松井さんが可哀想でしょう」

 留美に叩きつけるように言われた祐子は意を決すると松井のそれを大きく口を開いて口中深く包み込んだ。

 祐子の腋の下から新たな汗が吹き出し、心臓も高鳴っている。

 祐子が咥え込んだまま微動だにしないのに業を煮やした留美は顎に手を賭け、前後に揺さぶった。

 「こうやって顔を動かして楽しませくちゃ駄目じゃない。奥さん。まったく、世話が掛かるんだから」

 留美は吐き捨てるように言うと涙を滴らせている祐子の耳を引っ張った。

 「こんなにフェラチオに慣れていない人妻がいるなんて信じられないよ」

 留美に言われた松井もその稚拙に首を傾げた。

 「奥さん。しっかりやらないといつまで経っても終わんないぞ」

 祐子は松井に言われてもどこかぎこちない格好で首をくなくなと動かすだけであった。祐子の夫はフェラチオを嫌がる祐子を気遣って、もっぱら手で前戯を済ませており、祐子は久々のフェラチオだったのである。

 「ねえ、こんなに下手だったら三枝先生に怒られるわよ。明日から毎日、三度、練習させましょうよ」

 「よせやい。そんなに酷使されたらいくら俺だって夜に立たなくなるぜ」

 留美の発想に松井が却って怖気づいた。しかし、留美は何か魂胆があるらしく意味有り気な笑みを浮かべて祐子の愛撫を受けている松井の耳に口を寄せた。

 それを聞いて松井も安心したらしくしたり顔で頷いた。

 そんな二人の会話など一切、耳に入らぬかのように祐子は股間を締め上げる針金に難儀しながら一心不乱に汚辱の口吻を続けていた。

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