栗山登場
アリバイ作りのために大阪に行っていた栗山が駅から塩野の運転する車に乗って三枝邸に到着したのは夜も更けた頃であった。
「まだ、してないか?」
三枝への挨拶もそこそこにプレハブに入った栗山の第一声はこれだった。
「まだ、ですよ」
松井が笑顔を見せると栗山は満足げな笑みを浮かべてモニターを覗き込んだ。
「起きてからどの位になる?」
「そうですね。五時間程度です。でも、かなり苦しそうですね」
祐子も良美も身体を動かして尿意を必死に堪えているのが画面を通して栗山には判った。
「よし、ちよっと、挨拶してくる」
栗山は鍵を差込、重い扉をゆっくりと開いた。女たちの発する甘い空気が栗山の鼻腔を刺激した。
ゆっくりとした足取りで栗山が密室の中に足を踏み入れるとそれまで尿意に身体を揺すっていた祐子はハッとした表情を浮かべ棒立ちになった。
「驚いたようだね。元気だったかい?祐子」
祐子はまさか栗山が自分を誘拐しようとは夢にも思わなかった。彼との事は5年前にけりがついたと思っていたからだ。その栗山が自分を誘拐したということは目的は明らかであった。
「君は僕があれだけで別れられると思ったのかい。君の事は今日まで一日だって忘れたことは無いよ」
「ひ、酷い。私は結婚してるのよ」
祐子は涙を目に溜めて栗山に言い放った。
「そんな事は関係ない。君は僕の奴隷になるのさ。君が従順に僕に尽くすようだったたら妻にしてやってもいいよ」
「嫌よ。そんな事が許されるわけ無いでしょう」
祐子は泣き喚きたくなる自分を必死に抑えて訴えた。
栗山はそれには答えず祐子の背後に廻り、良美の前に立った。良美は目の前の栗山と祐子のいきさつが判らず、戸惑いの表情を見せている。
「あなたが良美さんだね。きれいな娘さんだ。昔、祐子と付き合いのあった栗山です。宜しく」
栗山が慇懃に礼をすると祐子が悲鳴に似た声を上げた。
「良美さんは関係ないのよ。離して上げて」
「そうは行きませんよ。私の犯罪だという事がばれてしまう。良美さんにも奴隷になって貰いますよ」
栗山は再び祐子の正面に戻った。わざと栗山はゆっくりと話し、尿意に苦しむ女の姿を観察して楽しんでいるのだ。
「奴隷になることを承諾するかい?」
「嫌よ。死んでも嫌」
祐子は即座に言い放った。変態男の栗山の言いなりになることなど祐子は虫唾が走る思いがしていたのだ。
「そうか、じゃあ、また、後で」
「ま、待って」
栗山が扉から出ようとするのを祐子は必死な思いでに止めた。
「トイレに生かせて頂戴。が、我慢できないの」
頬を染めて俯き加減で要求を伝える祐子の姿に栗山は内心、小躍りせんばかりに喜んだ。しかし、表面にはそのような態度はおくびにも出さなかった。
「そのまま、垂れ流したまえ。僕が見ていて上げる」
「--------」
遂に栗山の本性があらわになった瞬間、祐子は恐怖に凍りついた。こんなことでも女を追い詰める道具に使う栗山を絶対に許せないと祐子は思った。しかし、もう長時間に渡って我慢を強いられている祐子にとって限界はとっくに通り越している。
着衣放尿
「さあ、やって見せろよ」
タイルの床に腰を落として栗山は祐子を振り仰ぐとニヤケタ笑いを浮かべる。
「出て行ってよ」
祐子は栗山を蹴上げようと足を飛ばした。しかし、つま先立ちにされているため祐子の蹴りは力無い物になり、栗山の笑い誘うだけに終わってしまう。
「別に慌てる事はない。我慢できるだけしてみろ」
栗山は胡坐を組むとタバコに火を付け、祐子の全身を嘗め回すように見つめた。均整の取れたボディを地味な普段着で包み、込み上がってくる尿意を堪えるように小刻みに下半身を震わせている祐子の姿は栗山にとっては実に刺激的なに映ずるのであった。
「あっ、駄目」
不意に良美が悲鳴を上げるとか細い啜り泣きを洩らしながら下半身をもじ付かせ始めた。堪えきれずに放尿を始めたと感じ取った栗山はすぐさま良美の正面に廻り、耳をそばだてた。
すすり泣きの声とは別に僅かな水の流れる音を聞き取った栗山は真赤な頬を右に左に振っている良美の顔を見上げた。
「お嬢さん。我慢できなかったようですね。思い切り流して下さい」
栗山の言葉に良美の泣き声は更に大きくなった。男にそんな姿を見られるのが辛いのか良美は嫌、嫌としゃくりあげながら放尿を続けている。
栗山は清楚な紺のスカートのびしょ濡れになった中身を想像して喜悦の表情を浮かべ、その全身を愛でるように眺める。高校時代、バレーボールの選手だった良美はかなり長身で身体もすらりとしている。胸は小さめだが顔立ちはどことなくエキゾチックで男好きのするタイプであった。
立ったままの放尿を終えた良美はがっくりとした表情になり全身をその鎖に委ねていた。その足元にはストッキングから染み出た尿が水溜りを作っていた。
「そのままだと気持ち悪いでしょう。脱がしてあげましょうか?」
栗山がスカートに手を掛けようとすると良美は切り裂くような悲鳴を上げた。
「や、止めて。触らないで」
男性とは手を握り合った程度の接触しかない良美は放尿の痕跡を残す下半身を男の目に晒すことなど想像も出来ない恥ずかしさなのである。
「そのままでいいのですね」
栗山の言葉にこっくりと頷いた良美は遠慮がちに口を開いた。
「床に腰を下ろさせてください」
吊られている腕は痺れきり、足は棒のようになっていたのだ。
「よし、下ろさせてやろう」
栗山の手によって床に腰を落とすことの出来るようになった良美であったがその手が身体に触れるたびに良美の全身が震えるような反応を見せるのを見て栗山はこの娘が男を知らないのではないかと思っていた。
両腕の自由を得た良美は壁に寄り掛かって身体を休めていた。しかし、そこを濡らしてしまった不快感は座ったために余計に感じるらしい。
「逃げようとは思うないで下さい。気持ち悪いでしょうから水を掛けて上げましょう」
栗山はホースを手に持って良美の下半身に水を掛け始めた。良美は水を掛けられてある意味すっきりしたが寒さがより感じられるようになった。
良美に手錠を掛けると栗山は相変わらず腰をもじ付かせている祐子の前に戻った。
「苦しそうだな。妹はすっきりしたみたいだぜ。祐子は我慢が出来るのか?」
「黙ってて」
栗山の楽しそうな顔を目にして良美は精一杯の強がりを言ってその顔を睨みつける。
栗山の思い描いていた光景がもうすぐ目の前に展開する。祐子と初めて会ってからの思い描いていたシーンを目にすることが出来るのだ。放尿を見せるように言って交際自体を断られた苦い思い出も癒される。栗山の胸は異様に高鳴り、忙しなく祐子の全身を見つめるのであった。
「うっ」
祐子は突き上げて来る尿意に下半身を錐で抉られるような痛みを感じ゛、顔を仰向かせた。吊り上げられている腕も痺れきり、足にも感覚がなくなっていた。しかし、祐子は顔を真赤にさせ、ぎりぎりの状態で踏みとどまっていた。
ここで祐子の下腹でも押せば、すぐにでも発射を促すことは出来る。しかし、栗山は敢えてそれをせず祐子の苦しむ姿をじっくりと観察している。祐子もそれは十分に承知だ。それ故、栗山の残酷さを思い知らされる嵌めになる。
不意に栗山がドアから姿を消した。今だ、今しかない。祐子は栗山にその最中だけでも栗山に目撃されぬ機会を逃さなかった。
生暖かい感触が下半身に広がると同時に祐子は一種の解放感に見舞われ、一瞬の安堵を得た。しかし、それはすぐに絶望へと変貌する。栗山が日本のペットボトルを手に戻ってきたのだ。
栗山は祐子の変化を見逃さなかった。
「ふふふ、始めたようだね」
祐子のベージュ色のスカートに出来た染みが次第に大きくなるのを目にして、栗山が満面の笑みを浮かべると祐子は顔を背け、啜り上げ始める。
栗山は全神経を集中させ、祐子の音を聞き、羞恥に悶える全身を観察した。祐子は栗山が想像していた表情をして放尿を続けていた。長年の夢だった。俺はこの表情を見るために生きていたといっても過言ではない。栗山は恍惚とした思いになり祐子の放尿図を飽かずに見つめていた。
祐子の足元に水溜りが出来始めると栗山はホースの水を使って、祐子の下半身を洗ってやった。
鎖がゆらめられると祐子は立っている気力も無いのだろうのままよろめくように床に腰を落とし、がっくりとした表情を浮かべている。栗山の所業に精も根も尽き果てた祐子であった。
「喉が渇いただろう。これを飲んで暫く休んでくれ」
栗山は二人の手に水の入ったペットボトルを手渡すと意気揚々とした足取りで折檻部屋を後にする。残された二人は何も考えずに水を口にしていた。極度の緊張状態を長時間に渡って強いられていた二人は喉がカラカラに渇いていた。
悪党会談
屋敷に戻った栗山がリビングに入るとソファに座った三枝と大野が酒を酌み交わしていた。傍らにがっくりと首を垂れた全裸の由希が前手錠に拘束された姿で大野の飼い犬のような姿で跪いていた。
「やあ、栗山さん。首尾はどうだい?」
大野が声を掛けると栗山は破顔一笑、笑って見せた。
「長年の夢が叶いました。これも皆さんのお陰です。有難うございます」
栗山が深々と頭を下げたので三枝も大野も笑い声を上げた。
「私も新しい奴隷モデルが手に入ったのだからそんなお礼をしてもらってはバチが当りますよ。まずは乾杯をしよう」
水割りを手渡された栗山を中心に三人の悪党たちはグラスを掲げた。
「栗山さんの新しい奴隷たちに乾杯」
三枝の音頭で三人はグラスを空けた。
「由希ちゃん。綺麗になったよ。やっぱり男に愛されると女は綺麗になるもんかな」
栗山にからかわれて由希は胸が溢れそうになった。一月ぶりに現れた大野と昼間から身体を重ね、先程、解放された由希は疲れ切っていた。こうして、大野の傍らに傅いているだけでも苦痛な由希であった。
「おい、由希。栗山さんをお慰めしろ。栗山さんは忙しくて女を抱いてる暇が無いのだ」
大野に命ぜられた由希は栗山の前に進み出るとズボンのジッパーを押し下げた。逆らったら大野にどんな目に遭わされるか想像も付かない由希はただ彼の言いなりになるしかなかった。
「お慰め申し上げます」
由希は小さな声で言うと祐子の放尿図を目撃して緊張の度を高めている栗山の一物をすっぽりと口に含んだ。
「あの二人は当分、あそこに監禁しておいて下さい。良美だけでも先に奴隷たちに加えようと思いましたがどうやら処女のようなので暫く二人を一緒にしておきます」
「おお、処女か。これは楽しみが増えましたな、おっと、忘れないうちに渡しておこう」
大野はポケットから細い鎖をジャラジャラ取り出すとテーブルの上に置いた。
「ようやっと完成しましたよ。陰核鎖の改良版が」
大野は内一本の鎖を広げて三枝たちに示した。
「ここが違ってます」
大野は垂れ下がる鎖の中心点を指し示した。そこは以前のような小さな輪があるのではなく小さな鍵穴のような穴が付いたペンダントのような形をしていた。
「ここの突起を押すと、この穴が更に小さくなるんだ。クリトリスが小さくて身体を動かしてるうちに抜け落ちる心配はないぜ」
それを手に取った三枝は裏と表を丹念に見て、ボタンを押した。軽い金属音と共に内部の輪が潰れたように小さくなった。
「これは凄い。これならどんな鈍感な女も感じるようになるぞ」
三枝は大野の顔を見て笑い合うのであった。
「栗山さんも祐子に遣って見るといい」
4本用意された鎖のうちの一本を三枝から渡された栗山は照れたような笑いを浮かべてそれを受け取った。
「今は着衣のまま、さしたんでしょう?」
三枝は気になる放尿図を尋ねてきた。
「ええ、次は下半身を露出させて放尿させます」
由希の舌ざわりを楽しみながら栗山が言うと三枝はニンマリとした笑みを浮かべた。
「私も見物させて貰いましょう」
「良いですよ。彼女たちにもそろそろご紹介しといた方がいいですからね」
「しかし、あの裕子という人妻。良い顔してますな。栗山さんが惚れるのも無理は無い」
大野は朝、捕らえる時に垣間見た祐子の横顔を思い出していた。
「何ていうか色気が漂っていて堪らんでしょうな」
「いずれ、大野さんにもご賞味戴きますよ」
栗山が冗談めかしてそんな事を言うと大野は片手を目の前で振って見せた。
「栗山さんも式を挙げたら良い。あんなもんでも妻という烙印が押されれば女は従順に尽くすもんですよ」
大野は栗山に懸命に奉仕している由希の小ぶりな尻を眺めながら楽しそうに笑った。
「そうだ。それがいい。こってりと脂を絞ってから結婚式を挙げましょう」
三枝もそんな事を言い出すと栗山も承諾せざる負えなくなった。
「式は明日、やりますか?」
「いやいや、そんなに急ぐこと無いですよ。まずは奴隷の暮らしを体験させないとね。トイレに行く自由も与えられていないんですから彼女たちの望みはどんどんレベルダウして行きます。そこを突いて結婚を承諾させます」
栗山の言葉に大野のも三枝も頷いた。
由希は栗山が集中してくれないので追い落とすことに難義していた。しかし、これを栗山を満足させなければいつまでもこの行為を続けなければならない由希は必死になって舌を動かし続けなければならなかった。