由里の崩壊

 三枝は由里が込みあがって来る便意を必死に堪えている様を目にして身体中を突き抜けるような悦びを覚えていた。立て続けに八本もの浣腸を施された由里の腸内は一気に限界に近づいている筈だ。

 「どうした?辛いのか?」

 三枝は何食わぬ顔で横たわる由里の頭部に近づくと熱く火照った頬を突付いた。

 「お、お願い。トイレに行かせて」

 由里が気弱な視線を自分に投げ掛けることに三枝は満足を覚えた。しかし、朝の狼藉の罪を簡単に許すわけには行かなかった。

 「俺の玉を握り潰そうとした威勢の良さはどこに行った?可愛い女になったのか?」

 「ああ、そんな事より、も、洩れそうなの。トイレに行かせて」

 由里は便意を明確に訴え、必死に哀願している。三枝はここぞとばかりに蛇のような執念深さを発揮する。

 「これからは二度と皆様方に盾を突かず可愛い女になりますと誓ってみろ」

 由里は差し迫った便意に突き動かされ、その言葉を口にする。

 「先輩。本当なの?口先だけでしょう」

 恵子に頬を突付かれた由里は一瞬、憎悪の篭った視線を投げ掛けた。

 「ほら、そんな怖い顔する。女らしくなった証に三枝さんの玉を潰そうとした事をお詫びをして優しくお嘗めるして上げるのよ」

 「そ、そんな。洩れちゃうわ」

 由里は頬を蒼ざめさせて恵子の顔を振り仰いだ。限界に達している身にそのような行為をさせる悪魔たちの発案に由里は身も凍る思いがした。

 しかし、三枝はその気になり、既にズボンを脱ぎ去り、一物をさらけ出すと由里の唇に迫った。

 「嫌」

 それを目にした由里は突き上げて来る便意の苦痛に身を揉みながら悲鳴を放った。

 「お願い。先にトイレに行かせて」

 「駄目だ。お前が詫びを入れて、俺の精を全部飲み込んだらトイレに行かせてやる」

 三枝の言葉は冷酷に由里の心に響いた。由里は悲壮な決意を固めるしかなかった。三枝を自分の舌捌きで陥落させ、トイレに行かせて貰うしか道は残されていないのだ。

 「三枝様。二度と暴れたり逃げたり致しません。可愛らしい女になった証にお慰めいたします」

 ようやっと言い切った由里は大きく口を開いた。

 三枝が嗜虐の悦びを感じながら腰を突き出すと待ち受けていた由里はそれをすっぽりと口に含むと激しく舌を使い始める。

 由里の愛撫を受けながら三枝は松井に目配せを送った。いつ、由里が崩壊しても良いように松井はバケツを配置する。元より、由里が自分を陥落させても三枝はトイレに行かせるつもりは毛頭無かった。松井と塩野もしゃぶり尽くさなければ由里の務めは終わらないのである。

 由里は挫けそうになる自分を必死に叱咤しながら舌を動かしていた。しかし、神経を一点に集中することが出来ず由里は荒波のように襲ってくる便意を寸でのところでかわしながら舌での奉仕を続けている。

 既に全身から脂汗を滴らせ、荒い鼻息を洩らしながら屈辱の奉仕を続ける由里。今の由里には悔しさも惨めさも感じなかった。ただ口に咥えた一物をしゃぶり抜き、トイレに駆け込むことしか頭に無かった。

 由里の崩壊寸前の羞恥の前に整列する奴隷たちの胸中も複雑だった。自ら送り込んだ溶液で由里が死ぬ苦しみを味わっている。誰もが顔を伏せたままその極限の姿態を見ようとはしない。

 「あっ」

 由里は塞がれた口の中で小さな叫びを上げた。三枝の迸りを舌の先に受けたのだ。それは先走りでは無く脈を打つように続々と繰り込まれている。由里はそれを吸い上げているうちに達成感から来る安堵に一瞬、意識が遠のいた。

 (いけない) 

 薄れてしまった緊張感を取り戻そうとしても手遅れだった。遂に出口を見つけた奔流は激しい流れを作って由里のその部分に殺到したのだ。

 「うぁー、始めたわ」

 恵子が手を叩いて次々と送り出される汚物を見て笑い声を上げている。

 「暫くしてないから匂いがきついぜ」

 バケツを持ち添える松井は顔をしかめながらも笑いを見せている。

 ようやっと三枝の一物から口を離した由里は激しい声で泣き始めた。恥ずかしいとか辛いとか言う感情を通り越した激しい激情に見舞われた由里は吊り上げられた二肢を小刻みに痙攣させながら放出を続けながら号泣の声を放っていた。

 そんな由里の姿を目にして三枝は勝利感に酔っていた。しかし、俺の玉を潰そうとしたり、逃げようとする女に対する怒りはこんなもんでは収まらないと新たな闘志をも三枝は燃やしていた。

 由里の泣き声が低くなると同時に奔流も止まった。由里の魂をも押し潰す放出は終わったのだ。

 「先輩。もう、泣かなくても良いでしょう」

 留美に溢れ出た涙をタオルで拭われると由里は恥ずかしそうに顔を横に伏せた。身体中の骨と肉がバラバラにされるような思いは由里に途方も無い疲労感を与えていたのだ。

 「でも、先輩が赤ちゃんみたいになったんでとても可愛かったわよ」

 留美はそんな事を言って乳首にキスをして立ち上がると由里の崩壊を示した下半身の始末に取り掛かった。

 三枝が横に向けている由里の顔を正面に向けさせその表情を覗き込んだ。

 「残念だったな。もう、少し、だったのにな」

 由里の表情は三枝にからかわれても何の変化も見せなかった。ここまで恥を晒せば怖いものは何も無いという開き直った態度のように三枝には映じた。

 「次は頑張るんだぞ。今度は俺たちが注ぎ込んでやる」

 由里の両頬がブルブルと震え始めた。悪魔たちは疲れ切ったこの身に再び浣腸を施そうとしている。由里は飽く事の無い悪魔たちの所業に声さえ出すことが出来ない。

 「お前の犯した罪は重い。とことんお仕置きを受けるんだな」

 三枝は悪魔のような笑みを浮かべると再び啜り上げ始めた由里を打ち捨てるように立ち上がった。

磔される由里

 アトリエには奴隷たちの姿は無かった。悪魔たちが酒盛りをし、その傍らに毛布を掛けられた由里が蹲っていた。

 二度目の浣腸を施された由里はもう我慢する気力も失せたようにあっさりと放出した。それから風呂に入れられ、食事をさせられた由里は午前0時が来るまでこの場で休息を取らされているのだ。

 悪魔たちの話題は明日行く、買い物に集中していた。明日は着ぐるみを着て恵子も同行することが決まっており、久々の外出に恵子はウキウキしていた。

 「この店に寄ってアクセサリーを受け取って来い。二人分のアクセサリーを注文してある」

 三枝は店の名前が書かれたメモを松井に渡した。

 「うぁ、嬉しい。何が戴けるの?おじさま」

 「それは見てからの楽しみだ」

 留美の問い掛けを軽くいなした三枝は笑いを浮かべた。

 「そろそろ、時間だな。始めるか」

 三枝は腕時計を確認すると皆に声を掛けた。

 「おい、いくぞ」

 毛布を引き剥がした由里の腕を取った松井はどんと背中を突かれると夢遊病者のようにフラフラと歩き出した。

 由里は腕の自由を拘束されていなかった。反抗したり逃走しようとする気力も体力も由里には残っていなかった。悪魔たちの計画した陰惨で残酷な処刑に遭い、身も心もズタズタに引き裂かれた由里は彼らのなすがままに振舞うだけだった。

 由里が連れ込まれたのは地下室に通じる倉庫だった。

 「俺たちがいつかこんな物も必要になると思って暇を見て作ったものなんだ」

 松井が片隅に立てかけてある十字架を指し示しても由里は塑像のように硬化させた頬を動かさなかった。もう、悪魔たちが何を仕掛けても由里は驚きや狼狽を示さないつもりだった。

 「それでは小室由里。これからお前が逃走を図った刑罰を執り行う。いいか?」

 「謹んでお受けいたします」

 由里は真っ直ぐに三枝の方を向いて言った。もう、身も心も奴隷になる事を決意した由里の表明だった。

 「では、陰核抉り出しの上、磔一日の刑を執行する」

 三枝の言葉が終わると松井が由里のくびれた腰に鎖を巻きつける。

 由里の前に屈んだ留美が剃毛された秘裂を割り始めても由里は微動だにしなかった。

 しかし、その部分に輪が掛けられるとさすがに由里も身を揉み始める。

 「そんなにガタガタ動いちゃ、留美先輩の仕事を邪魔しちゃいますよ」

 恵子に再び朱に染まり始めた頬を突付かれて由里は身体の震えを押さえ込んだ。しかし、股間を通された鎖が腰の鎖にかっちりと引き絞られ固定されると由里の舌足らずの悲鳴が響き始める。

 「嫌、嫌よ」

 由里が弱々しい哀泣の声を洩らすと男たちは残忍な心を発揮し、抉り出された先端を撫でつけ、由里に狂おしい思いを味合わせる。

 腰を落とし、シクシクと啜り上げる由里に満足感を覚えた三枝はその肩に手を置いた。

 「辛いだろうが辛抱するんだ。それを取り付けられれば気の強い女も優しい女になる」

 再び立ち上がった由里は半べそを掻きながら三枝に口を開いた。

 「こんな事をしていたら、男が欲しくて堪らなくなってしまいます。また、罪を犯してしまいます」

 再び、徹を辱めるかも知れない懸念を由里は口にしたのだ。

 「そういう時は俺たちに声を掛けろ。いつでも相手してやるぜ」

 松井が笑いながら由里の乳首を抓んで言うのだった。

 何を言っても無駄と思ったのか由里は悲しげに睫毛を閉ざした。しかし、太股の筋肉は由里の意思とは無関係に痙攣し、取り付けられた鎖の残忍さを物語っていた。

 「よし、磔に掛けろ」

 松井が十字架を由里の背中に背負わせるようにすると留美と塩野が左右に両手を広げて横木に縛り付けた。更に腰もロープで固定された由里は身動きもまま成らなくなった。

 十字架の左右にあるフックにロープを通し、そのロープの中間点に天井のフックから伸びるロープを縛り付けた松井は部屋の隅のハンドルを廻した。

 ロープが緊張し、由里が爪先立ちになったところで松井は手を止めた。

 遂に由里の磔が完成したのだ。

 「どんな気分だ。言ってみろ」

 「恥ずかしい。恥ずかしいです」

 三枝に顎を掴まれた由里は本音を語った。締め上げられたその部分から生じるせつなくじれったい感触が由里の腰を震わしている。

 「下の連中が気にするといけないから口を塞いどいてやるぜ」

 松井が猿轡を咬まして、ますます哀れっぽくなったその姿態を目にして笑った。

 股間を真一文字に割る鎖によって陰核を抉り出され、身動きの取れない十字架磔、猿轡までされ一日放置するという。悪魔でも考え付かない刑罰を本気でここの男たちは自分に課そうとしている。由里の胸は新たに湧き上がってくる恐怖に震えるのであった。

新たなる展開

 それから二日後、由里は最後の刑罰を受けていた。尿道チューブ挿入の上、後手錠。言わば徹と同じ状態にされたのである。

 由里は食事も誰かの手を借りねばならず徹に対する見下したような態度は取れなくなった。

 その様子をモニタールームで観察していた三枝は由里が真の奴隷になった事を確信した。由里のような気の強い女を徹底的に痛ぶって奴隷に仕込むのが三枝の夢だった。三枝の夢はまた一つ実現した。

 滅多に鳴らない屋敷の電話が鳴り響いたのはその日の夕刻だった。

 相手は画商の大野だった。

 「あの絵、売れたぜ」

 開口一番、大野は朗報を告げた。

 「絵を買ったのは栗山という三十代半ばの割とカッコいい男なんだ。そいつがあんたの所を訪れてもっと絵を見せて欲しいと言っている」

 「えっ」

 三枝も返事に詰まった。こんな場所に他人を招きいれてあらぬ危険を招きたくなかったのだ。

 「それはまずいな。写真か何かごまかせないか」

 その返事を聞くと大野の口調が変わった。

 「えへへへ、心配するな。その栗山から教えて貰ったぜ。女子高生集団失踪事件。奴と話してるうちに新聞の切抜きを見せられたんだ。普段は新聞もテレビも見ないから俺は知らなかった。新聞の顔写真を見て驚いたぜ。留美と恵子そして、生贄になった絵里という子までいるじゃないか。お前、どえらいことやったな」

 三枝は事が露見したことに動揺していた。大野だけならともかく栗山という奴が厄介だと三枝は思っていた。

 「安心しろ。俺も栗山も警察に駆け込むなんて事はしないから」

 三枝はほっと胸を撫で下ろした。その条件がここの訪問なら受け入れねば成らなかった。

 「判った。連れて来てくれ。歓待する」

 「三日後の三時位に到着する予定だ。宜しく頼む」

 「ああ、判った」

 「もう一つ、お願いがあるんだ」

 三枝が電話を切ろうとするのを大野が遮った。

 「失踪女子高生の中に梶間由希という娘がいるだろう?」

 「ああ、いる。その兄の徹というのもいる」

 「この梶間の親父にはオークションで散々な目に遭ってるんだ。復讐させて貰えないか?」

 「何をするんだ」

 「形だけで良い。結婚式をしてベッドインするんだ」

 大野は電話の向うでケラケラ声を上げて笑っている。

 「判った。面白い趣向を考えとく」

 「それれじゃあ頼んだぞ」

 大野は笑いながら電話を切った。

 三枝にはまた忙しくなると思った。しかし、真相が栗山という奴にばれたのは幸いだと思った。栗山に女を宛がえばその口は封じられるからだ。

 三枝は料理の手筈を整えるために塩野を呼びに行った。

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