恭子の拉致

 地下室の悪臭の中でいつの間にか寝入ってしまった絵里は争う声で目を覚ました。

 恭子がマスクを付けた二人の男たちに取り押さえられ、衣服を剥ぎ取られているのだ。

 「畜生。離せよ」

 随分、水分を補給していない恭子の喉はカラカラで声も掠れている。それでも懸命になって衣服を守ろうともがいている。

 「おとなしくしろ」

 一人の男が恭子の胸倉を蹴飛ばし、恭子が上半身を床に打ち付けるともう一人の男がジーンズを一気に引き下ろした。その下に下着を付けていない事を目にした男たちは更に凶暴になり、恭子の上半身に襲い掛かった。

 「止めろ、止めろよ」

 いかに抵抗しようとも男、二人の力にかなうはずも無く、恭子の衣服は剥ぎ取られ形の良い乳房を露出することになる。

 「くそ、卑怯だぞ」

 遂に両腕を捻じ曲げられ背後で縛り上げられ始めると恭子は涙を流して悔しがった。

 「黙れ」

 男は容赦なく、恭子の頬を平手打ちにし、ジーンズを引き剥がし、恭子を素っ裸に剥き上げたのである。

 「覚えてろ。この野郎」

 ゴンドラに乗せられ、一階に引き上げられる際も、恭子は男を蹴り上げようと足を飛ばし、悪態を吐き続けていた。

 男はほっと一息付き、事の成り行きを見守っていた絵里の方を向いた。

 「お前も裸になれ。迎えに来た」

 「わ、判ったわ」

 いかに抵抗しようとも男、二人の力を前にしては無力に等しい恭子の姿を目にして絵里は観念した。自ら進んで服を脱ぐと拘束され、ゴンドラに乗ったのである。

美加子の実演

 二人が連れ込まれたのはアトリエではなかったこの屋敷で一番広い空間を持つ一階のリビングであった。中央に大きなマットレスを配置し、その片側に六人の少女たちが後手に拘束され正座して並んでいたのだ。

 「お前たちも座るんだ」

 絵里と恭子もその中に押し込められた。こうして留美を除く八人の東条学園の生徒と教師が一堂に裸の姿を揃えたのであった。

 「壮観ですね。十六個のおっぱいが並んでますぜ」

 松井は感無量と言う表情を見せている三枝に笑い掛けた。それは三枝が夢にまで見た光景にだった。多くの少女を捕らえ、己が欲望のままに操る。一人一人の姿を目で追いながら三枝は溜息を付いていた。

 八人は上半身全員裸で、拘束されてはいたが、パンティを付けている者といない者がいた。

 今、拉致された恭子と絵里は勿論のこと、美加子と由希、そして、逃亡を試みた弘美は尿道チューブを挿入されたままの全裸でそこに並んでいた。

 三枝は少女たちの前に進み出ると咳払いを一つした。

 「諸君。悪魔の館にようこそ。君たちは捕われ、この館に監禁され、奴隷になることを承諾した」

 「誰もそんな事を承諾してない。早く、地下室に戻せ」

 三枝の演説を遮り、恭子が悪態を付き始めた。しかし、松井が近寄り、ガムテープで口を塞ぐと恭子は黙り込むしかなかった。

 「我々の奴隷として身も心も尽くすことが君たちの幸せにも繋がると言うことを理解して欲しい。詳しい話は君たちを直接、管理する吉橋留美から説明する」

 三枝が退くと代わりに男物のワイシャツを着込んだ留美がビニール管を手に奴隷たちの前に立った。

 「この前まではあんたたちと同じ、奴隷扱いをされていたけど私はおじさまに働きを認められてあんたたちを管理する立場になった。裏切り者とか思うのは勝手だけど私はこの方法を選択した」

 留美の話を皆は首を垂れて聞いている。この前までは同じ部員として親しげにしていた絵里も留美が遠い存在になったような印象を感じていた。

 「まず、奴隷たちの扱いを話しておく。今日は全員、このままだけど明日になったら一軍と二軍を作る。二軍は地下室に戻ってもらう。しかし、便器は与える。身に付けるものはなにも無い。一軍は朝だけトイレに行くことを許される。パンティが与えられる。一軍と二軍は二日に一度、入替る。それを決めるのは奴隷同士の戦いだ。風呂に入れるのは一軍だけだ。ご主人様から奉仕の要請があった際には一、二軍問わず拒否することは許されない」

 留美はそこで言葉を切るとビニール管で弘美の顎をこじ上げた。

 「弘美。立ってご覧」

 指名された弘美は頬を染めて立ち上がった。尿道チューブを股間から覗かせている弘美はその先端を腰から垂らしているペットボトルの中に挿入していた。そこに尿を溜める仕組みになっているのだ。

 「西村弘美は昨日、逃走を図った罰として、恥ずかしい毛を剃り上げられ、明日の朝までチューブを付ける事になっている。お前たちも逃走を図ったり、私やご主人様に反抗的な態度を取るとこれ以上の罰が待っている。座って良い」

 弘美が腰を落すと留美は全員を見回して再び口を開いた。

 「何か質問は?」

 恵子がいち早く手を上げた。

 「生理の時はどうするんですか?」

 「生理用品は支給する。しかし、地下組は全裸のままそれを装着することになる」

 続いて絵里が手を上げた。

 「性交の際、コンドームは使用して貰えるの?」

 「それはご主人様の気分次第だ。私は外に出して貰えばいいと思う」

 留美の話は皆の気持ちを暗くさせるのに十分だった。もう、誰も手を上げなくなり皆、下を向いている。

 「それでは美加子先生。前へ出て下さい」

 指名された美加子は立ち上がると留美の隣に後手に括られた優美な裸身をすくっと立たせた。

 「ここにいる連中はセックスの経験が無いかあっても僅かな筈。先生にこの場でご主人様と交わってもらって皆の参考としたい。しっかりと見るように」

 留美の言葉に驚いたのは生徒よりも美加子の方だった。そんな話は一言も聞かされていないのだ。

 しかし、美加子が何か言おうとする前に背後から松井の手が掛かり、簡単にマットレスの上に押し倒されてしまう。

 急調子に乳房を揉み上げられ、唇を吸われそうになった美加子は首を振ってそれを避けた。

 「嫌よ。皆の前じゃ」

 拒否の姿勢を見せた美加子を留美は見逃さなかった。ビニール管で美加子の乳房を押すと意地悪い顔つきになって美加子を見下ろした。

 「先生。性交拒否は重罪よ。いいの?明日は素っ裸で縄付きで地下室送りよ」

 留美に宣告を受けた美加子は悲しげに目を閉ざした。自分の要求は諦めるしかないと悲しい決断を下してのだ。

 しかし、一方的に愛撫を受け、身体を焦がし始めた美加子に対し、留美は物足りなさを感じ、その熱く火照り始めた頬を突付いた。

 「先生。皆が見てるのよ。恋人とやるように気分を出して欲しいわ」

 「そ、そんな。出来ないわ」

 「駄目。努力はして頂戴。しないと反抗したとして見なすわよ」

 留美の言葉に恐れおののいた美加子は心を閉ざすと悪魔たちの思うように振舞おうと悲しい努力を開始するのだった。

 「好きよ。あなた。キスして」

 鼻に掛かった声で美加子に言われた松井はデレッとした表情になるとその濡れた花びらのような唇に口を合わせ、舌先を送り込んだ。美加子にその舌を強く吸い上げられると松井の凶器は力を漲らせ、その姿を少女たちの眼前にくっきりとさらけ出すのであった。

 続いて松井は美加子の片足に足を絡ませると両足を大きく割り始めた。生徒たちの眼前だと言う意識は美加子の脳裏をチラッと掠めたに過ぎなかった。松井の左手は美加子の股間に張り付き、その指が蜘蛛のような粘りのある動きを展開し始めたのだ。

 「あーっ」

 ようやく、唇を離された美加子の口からは熱い溜息が洩れ始める。美加子の身体の奥底の火種が赤々と燃え始めたのだ。

 松井は美加子を寝そべらせ、更に大きく足を開かせるとその部分に対する集中攻撃を行なった。

 熱い溜息と甘美な啜り泣きを織り交ぜながら美加子は頂上に追い詰められてゆく自分を意識した。

 (駄目。このままじゃ。往ってしまう)

 慌てた美加子は切れ切れに喘ぎながら訴えるような視線を松井に送った。

 「お願い。入れて、入れて欲しいの」

 「えへへへ、遠慮するな。一度目は一人で往きな」

 松井は美加子の懊悩振りを笑うと息苦しいほど勃起した乳首を口に含み強く吸い上げた。

 「あっ、う、ううう」

 むせ返るような呻き声を上げて、美加子は背中を弓反りに痙攣させ頂点を極めてしまった。

 生徒たちはその激しい狂態ぶりを声も無く見守っている。

 やがて、力が抜け切ったように美加子の全身がぐったりし、松井の腕に抱かれると美加子は靄が掛かったような表情を浮かべて目を開いた。

 「素敵だったわ。あなた。今度はあなたの物を頂戴ね」

 甘えかかるように松井の胸に頬を押し付けうっとりとした表情で訴えた美加子に更に欲情を高めた松井はそのむっちりとした太股を両手で抱えると美加子の中心点をしっかと見据えた。

 そこは既に粘液で濡れそぼり、淫猥に開花している。

 太股を手繰り寄せ、徐々に距離を詰めた松井は一気に中心点に凶器を埋め込んだ。

 男を咥えこんだ美加子がその動きに煽られるように激しく甘い息遣いを見せ始めるとそれを目にした塩野も我慢がならなくなり、手早く全裸になるとその口元に迫った。

 「俺の息子もこんなになってるんだ。頼むぜ」

 さすがに生徒の前ではそんな狂態は見せられないとそれを避けた美加子だった。しかし、留美はそんな美加子の行為も許さない。

 「あら、駄目よ。先生。塩野さんが可哀想じゃない。ちゃんと感謝を込めておしゃぶりしてね」

 留美に頬を突付かれた美加子は激しい喘ぎと共にそれを口に含んだ。

 「うふふふ、さすがにお上手ね。しっかりお相手するのよ」

 美加子にはもう恥じも体裁も無かった。一匹の牝になり切り、松井の突き動かす凶器に肉体に棲む悪魔を呼び起こされ、本能の赴くままに塩野を激しく愛撫し続けた。

 (い、往っちゃう)

 声にならない悲鳴を放って美加子は再び、背中を弓反りにして頂点を迎えてしまった。

 まだ、反復運動を続けている松井とは裏腹に静止した美加子の口中には激しさに巻き込まれ自失してしまった塩野の精液が注ぎ込まれているのだ。

 満足した塩野が身を引くと松井は美加子の上体を引き起こし、ぴったりと口を合わすと美加子をを載せている太股を小刻みに上下させ、快感を貪ろうとしていた。

 「今度は、今度は、一緒に、ね」

 美加子は甘えるようにその胸に顔を埋めて囁くと松井は熱くなった頬を擦り付けるようにして耳朶を舌先で愛撫する。

 「中に出してやるよ。いいだろう」

 美加子は嫌と言えなかった。妊娠の恐怖も何も考える余裕は無かった。とにかくこの息苦しい状態を脱したいとそれだけを願っていたのだ。

 「よし、いくぜ」

 松井は更に下半身を密着させると美加子の後手に縛られている腕を掴んで激しい動きを加えるのであった。

 「あっ、駄目。往っちゃう」

 美加子は大きな叫びを上げ、松井の腰を締め付けている両足が激しく上下に揺れ、三度頂点を極めてしまった。松井もその激しさに煽られるように緊張を解放した。

 やがて、ぴったりと静止した松井の胸に顔を埋めた美加子は激しい嗚咽の声を洩らし始める。ぴったりと吸い付き合った濃厚なセックスを目の当たりにした少女たちはその激しさを声も無く見つめるだけであった。

恭子の挑戦

 「ご苦労様。先生。皆も参考になったことと思うわ」

 留美は岸に打ち上げられた漂流物のようにうつ伏せのまま身動きしない美加子を無理矢理引き起こすとマットレスの外に追い立てた。

 太股を伝わる松井の残滓を感じながら、美加子は生徒たちの前で狂態を示したことに恥ずかしさ、情けなさを覚え、床の上に座ると膝の間に顔を埋めて声を潜めるように嗚咽するのだった。

 留美の目配せを受け、塩野が憎しみの篭った視線を投げ掛けている恭子を強引に立ち上がらせ、留美の前に引き立てる。

 「恭子。あんたにはヤキを入れて上げなきゃならないの。おじさまの命令なのよ」

 ねずみを痛ぶる猫のように留美は毒を含んだ笑みを見せると恭子の口を封じていたガムテープを引き剥がした。

 肩で大きく息をした恭子は何か悪態を付こうとしたが乾き切った喉が粘ついて言葉が出ない。

 三枝が横から手を延ばして恭子の顎を捉まえた。

 「お前には最大の恥辱を与えねばならない。私に盾をを突き通し、最後まで抵抗を続けたのだからな。うふふふ」

 恭子は燃えるような目で゛三枝を睨み付けた。全裸にされ、両手を拘束され、無防備なままでも憎しみの方が優る正義感の強い恭子であった。

 「まず、この場で二人に可愛がってもらうんだな」

 三枝が不敵な笑いを浮かべて退くと松井が背後から恭子の乳房を掴み、そのままマットレスの上に引き倒した。

 「や、止めろ。止めるんだ」

 恭子は掠れた声で罵りの言葉を吐くが、それはいかにも弱々しく、簡単に攻略できるような印象を松井と塩野に与えていた。

 しかし、揺れ動く足を捉えようとした塩野は死に物狂いで放った恭子の蹴りを顔面に受けて横転する。

 カッときた松井は恭子の上に馬乗りになると硬化させた頬を思い切り引っ叩いた。

 「おとなしくしろ。痛い目を見るだけだぞ」

 更に一撃を加えた松井を恭子は痛さを堪え、憎しみを増幅した視線を注ぐのだった。

 「誰がお前たちの言いなりになるもんか。幾らでもぶつがいい。死んでもいい。死んでもお前たちを呪い続けてやる」

 それは正に恭子の死を賭けた挑戦だった。昨日から食事も水も取ってない彼女は最後の気力を振り絞り悪魔たちと対決してるのである。

 「糞、いい加減にしろ」

 三度、振り上げた松井の右手を留美が掴んだ。

 「それ以上、叩きつけたら。恭子の顔が変わっちゃうよ」

 「だってよ。こんな調子じゃ俺たちの言うことなんか聞かないぜ」

 松井が口を尖らせて留美に抗議するとモニタールームから戻ってきた三枝が手に握ったハンカチを恭子の顔に押し当てる。

 しばらく、苦しげにもがいていた恭子はやがて眠りに落ちる。

 「えへへへ、こいつはいいや」

 松井が恭子の両足を開うとするのを三枝が制止した。

 「アトリエへ運んでくれ。徹底的にしごいてやる」

 松井も三枝の言葉には逆らえない。立ち上がって服を着ると正体の無い恭子をその肩に楽々と担ぎ上げた。

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