ゆうのお気に入りだった夏のスカートが出てきたよ。
ゆうの洋服が入った引き出しはずっと開けていないのに
どうしてスカートだけ・・・
あのスカート履いてるゆうの姿が甦って朝から
呆然としちゃったよ。
ゆうが欲しくて見つけに来たのかななんて思ってゆうのそばに置いてあげたよ。
ゆう暑いんだね・・
ゆうが旅立ったのは2月の寒い冬だったから冬物で旅立たせちゃったからね。
あの日の夜はみぞれが降るほど寒かったんだものね。
去年は夏のTシャツ供えてあげたけど今年はまだだったから。
ごめんね・・気がつかなくて・・
今のゆう、どんな洋服が欲しいのかな。
もう今年は23歳、きっと大人っぽい洋服だね。
一緒に買いに行こうよ。ゆうの欲しい洋服・・
今夜行こうか。待ってるからね。
あの時の姿を想いながら
娘の服を見つめる
心に焼き付いてるあの姿
今でも鮮明に覚えている
まるであの時の姿のままで
笑って部屋の片隅に
立っているように錯覚してしまうほど
ふとした瞬間
ふとした事で
母の心が
遠い我が子の元へ飛んでいく
諦めきれぬ母の想い・・・
せめて夢の中ではと切なく願う・・・
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