「冤罪事件」は決して過去の話ではありません。最近でも、愛媛県内の男性会社員が捜査機関による「虚偽自白」の結果、無実の罪で1年ちかく身柄を勾留され、判決が言い渡される直前に真犯人が判明して、無実となった事件がありました。否認をつづけていた男性は取り調べが始まってわずか6時間後に「自白」したといわれています。なぜ無実の人が自分がやったという「虚偽の自白」をするのでしょうか?
有罪判決が言い渡されるまで「無罪が推定」されるべき被疑者、被告人が、捜査段階でどのような取り扱いを受けて「虚偽自白」してしまうのか、あとを絶たない「冤罪事件」の背景には、憲法、刑事訴訟法、国際人権自由権規約などによって保障されているはずの適正手続きが、いかに捜査段階では遵守されていないかを物語っています。 5年前、大阪市東住吉区で、火事で最愛の我が子を失った夫婦が、保険金殺人の犯人として逮捕、起訴され、一審で無期懲役の有罪判決を受けるという冤罪の疑いが濃厚な事件が起こりました。原因不明の偶発的な火災による事件として処理されるはずであったこの事件では、捜査段階で警察の強引、違法な取り調べが執拗に行われました。「任意の取り調べではいつでも退去できること」や「黙秘権」、「弁護人を依頼する権利」なども知らされないまま、夫婦二人に対して厳しい取り調べが続けられ、ついに自分がやったと「自白」してしまったのです。
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「平成7年7月22日に、突然の火災で娘を亡くして、原因も判らないまま同年9月10日に、犯人として逮捕されてしまいました。その後訳も判らないまま起訴され、裁判で3年5ケ月無実を訴え続けましたが、真実を判ってもらえずに判決は無期でした。
なぜ、私の言っている事を信じてもらえないのか、どうして、何もしていない人間を有罪にできるのかと考えると、ただただ、悔しさで一杯でした。そして、これが日本の裁判なのかと考えると、このいい加減な結果に、改めて腹が立ち絶望しました。 しかし、何を言っても結果を変えることができず、前向きに考えて、今度こそ無実の判決が出ると信じ、気持ちを切り換えて現在も頑張っています」 〜被告人・青木惠子さんの手紙から〜
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■東住吉冤罪事件・次回の公判のお知らせ(大阪高等裁判所)
第3回は2001年3月1日(木)午後1時30分〜、1002号法廷
第4回は2001年4月26日(木)午後1時30分〜、1002号法廷
第3回はM証人(出火原因について意見書を作成された技術士)に対する主尋問の続きが、また第4回は検察側による反対尋問が行われます。
※裁判の傍聴は、事前申し込みなど必要なくどなたでもできます。
■東住吉冤罪事件・青木さんを支援する会
〒541-0041大阪市中央区北浜3−1−12 萬成ビル4階
淀屋橋総合法律事務所気付〔東住吉冤罪事件・青木さんを支援する会〕
Tel:06-6231-3110/Fax:06-6231-3114/E-MAIL:ZUP11161@nifty.ne.jp