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       オルフェイ・ドレンガー    私

菅 野 哲 男

 

 


 

 日本バーバーショップ・カルテット協会の事務局をしている菅野です。
 今年5月に開催した ACOUSTIX 日本ツアーでは大変お世話になりました。加藤さんがこのホームページで宣伝してくださったこともあって、おかげさまにて今年も成功裡に終えることができました。ありがとうございました。
 と、こんな書き出しで始まると、またバーバーショップ好きが何か言うのだろう、と思われる方がおられましたら、ザンネンでした。今回は、私の大好きなオルフェイ・ドレンガーについて書きます。

 オルフェイ・ドレンガー(OD)、別名、スウェーデン王立男声合唱団は、1984年の極東演奏旅行で初めて日本を訪れました。その時に彼らの素晴しいハーモニーに初めて触れたのですが、それ以来、私には忘れられない合唱団になりました。1990年代にスウェーデンの友人に依頼して、当時入手可能なODLPレコードをすべて収集してもらいました。その後、仕事でスウェーデンに行くたびにCDを買い求め、1992年には彼らの本拠地、ウプサラで開催された演奏会を聴きに行きました。そんな私に今年10月、予想もしなかった幸せなチャンスが訪れました。

 ODのホームページ150周年記念祝賀行事があり、祝賀演奏会と「男声合唱に関する国際シンポジューム」を開催することを知ったのがキッカケです。これは見(聴き)逃せないと思い、さっそく参加を申し込みました。ところが、日本からたった一人の申し込みだったことがシンポジューム・コーディネーターの目にとまり、パネリストとして日本の男声合唱について話してくれ、ということになったのです。シンポジュームの言語は英語というので、深く考えもせずにOKの返事をしたところ、さあ、エライことになりました。

 送られてきたシンポジュームの具体的なプログラムに添付されたVIPリストを見ると私の名前が載っているではありませんか。それどころか、パネリストには、スウェーデンの名を始め、他のヨーロッパ各国、ロシア、アメリカ、南アフリカの合唱指揮者、作曲家等14名が名を連ねているのです。スウェーデンで言えば、ODスウェーデン放送合唱団、そして、自分の名前を付けた室内合唱団の指揮者として世界的に有名な Eric Ericsonや、ODの現指揮者の Robert Sund がいるのです。そして、パネリスト全員がODのスペシャル・ゲストとして、グスタフ国王ご夫妻ご臨席の祝賀演奏会とそれに引き続いてウプサラ城で開催された大晩餐会(招待客1,000名)に招待されると書いてあるのです。おまけに、晩餐会には燕尾服着用が義務付けられたのです。

 演奏会では、記念の委嘱作品7曲を含めて常任指揮者ロバート・スントの指揮で歌った演奏会は素晴しいものでした。最後に、前常任指揮者のエリック・エリクソンが彼らのレパートリーとしてよく知られた曲を歌い終わった時には、会場から割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。
 ウプサラ城では、生まれて初めて燕尾服を着て、格式ある晩餐会の雰囲気を味わいました。

 翌31日のシンポジュームには、150名ほどの参加者がありました。私は、約15分間、日本の男声合唱の現状を話したのですが、何故か変な余裕があって、無事責任を果たしました。シンポジューム参加者によるディナーでは、ヘルシンキ大学男声合唱団の指揮者 Matti Hyokki が「席が決まってないならこっちに来れば」と招いてくれたのですが、そこにはODロバート・スントもいるという夢のようなテーブルでした。
 たまたま申し込んだのが予想外の方向に向い、夢のような経験をすることが出来たことを、ODのフアンとしては大変誇りに思っています。

 なお、さらに詳しい紹介記事を全日本合唱連盟のハーモニー誌に投稿、2004年春号に掲載される予定です。やや視点を変えて JAMCA 会報にも投稿しました。機会がありましたらお読み下さい。また、私のホームページにも写真入りで載せましたので、関心のある方は覗いてみてください。

http://www.geocities.co.jp/MusicHall/1535/

お知らせ:
 
オルフェイ・ドレンガー2005年10月に二度目の訪日を計画しています。松原千振氏によりますと、邦人作曲家に新曲を委嘱し、日本で初演することも計画しているとのことです。お楽しみに!

(2003年12月2日)