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青春18キップの旅−小出郷文化会館を訪ねてー

 


山下広之 
(アンサンブル・レオーネ)
 


 


 
平成14年4月5日(金)はすがすがしい晴の朝だった。一番電車に乗って上野に向かった。成田線は3月から新しくJRが投入した最新型のモハE230型の車輌で、車内も美しいが、車内放送が女声で英語のアナウンスもあるという、大変国際化された車両であった。
 私はキップ1枚とロマン・ロランのジャン・クリストフを1冊とマタイ受難曲の楽譜をカバンに入れて出かけた。青春18キップは1枚あたり2200円くらいだがJRの普通・快速列車を一日中乗り放題できるとういう、便利なキップである。
 上野駅6時5分着、朝食に鮭チラシ弁当(600円)を買って6時半発高崎行きに乗る。弁当を開けると鮭のチラシご飯の上に更に鮭が2枚乗っているという、鮭好きにはこたえられない弁当だ。また温めてあってホカホカしている。早速味わってからよく説明を読むと、この弁当はアメリカの会社が作ったもので、また、米はカルフォルニアの有機栽培、鮭は北洋の自然の海でアメリカが獲って日本に運んだもの、チラシの具の野菜類も米国産という、そして温かく保温して駅で売るという、新しい趣向である。世の中は変わっていくものだと改めて思った。
 高崎には8時18分着。8時20分発の水上行きに乗り、利根川の源流を遡って9時20分水上着。ここで9時50分発の新潟行きに乗り換える。水上を出ると新清水トンネルの長い暗黒が始まる。トンネルの中に湯檜曾、土合の2つの駅があるという、長いトンネルだ。そしてトンネルを抜けると一面の銀世界が広がった。線路の両脇には雪が積もり、山々は白銀に輝いていた。
 11時半に目指す小出駅に到着した。小出町は人口約1万7千人、奥只見観光の玄関口であり、また交通の中心地である。また北魚沼郡に属し、魚沼のコシヒカリで有名である。白銀の山々に囲まれた米どころの肥沃な平野である。
 駅前でまずラーメンを食べたが、なかなか美味い。小出のラーメンはその道では有名なんだそうだ。次に小出郷文化会館を訪れた。響きの森という広い公園の中にあり、大ホールは3階席で1140人収容の大きなホールである。またサントリーホールと同じ響きを実現した、自慢の新しいホールのようで、いい響きを出してくれそうである。400人の小ホールもある。
 帰りに大力納豆という、昔からの名産の、味のついた、醤油を掛けなくてもいい納豆を買って13時発の越後湯沢行きに乗った。越後湯沢で降りてレストランに入り、日本海でとれたイカ焼きを肴にコシヒカリのご飯を食べて、15時5分に越後湯沢を発って15時43分水上着、水上から高崎に出て高崎17時10分発上野行きに乗り、18時57分上野着、その足で京成の青戸でマタイ受難曲の練習を終え、23時無事我孫子の自宅へ帰着した。

 

小出郷文化会館は今夏(AUG.2002)に開催される「関東お父さんコーラス大会」の会場です。
ここで大会が開催されるのは、今度で2度目になります。
米どころ、酒どころ、いいところです。
男声合唱団の皆さん黄色い声の応援団も引き連れて押しかけましょう。

< 加藤良一>