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「深谷シネマ」で観た映画




新島としゆき


男声合唱団メンネル
A.E.C.   男声合唱団鴻巣グリークラブ)

 




 JR高崎線の深谷駅から徒歩3分、商店街の真ん中に座席50位の小さな映画館がある。
 東京での上映が終わった名画を再度上映してくれる。東京へ行く機会の少なくなった私には手近に良い映画を観る事が出来るありがたい映画館である。映画館の名は、深谷シネマという。昨年ここで観た音楽関係の映画では「タカダワタル的」「コーラス」「ベルリンフィルと子どもたち」が印象に残っているがいずれも素晴らしい映画であった。
 大型連休の初日4月29日にそこで「ALWAYS 三丁目の夕日」を観た。2005年度の日本映画の殆どの賞を取った作品である。ビッグコミックで永年連載中の私の好きな西岸良平の劇画が原作であり、興味があったところへ友人で飲み仲間の一人から「絶対観ろ!」と云われていた。そして観た。
 昭和33年、建設中の東京タワーをバックに東京下町の人々の物語が展開される。人情味溢れる人々の真情に泣き、こまやかな時代考証に懐かしさをしみじみと味わった。観終わってしばらく立てなかった。小さな映画館が満員になって、皆泣いていた。
 この映画はもう一度観たい。おそらく何度観ても新しい感動、新しい発見があるだろう。渡部昇一は「知的生活の方法」の中で「名画のキー・ポイントは、繰りかえして見るに耐えるか、ということにつきるのだ」といっている。私にとっての名画コレクションの一つに入るのは間違いない。

 深谷シネマでは5月14日から21日まで「歓びを歌にのせて」が上映される。スウェーデンの小さな村の聖歌隊メンバーの歌声が起こす奇跡を描いた作品という。また夫婦で観に行く予定にしている。

 

(2006年5月15日




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